2007年10月09日 17:00 [Edit]

自営するあなたへ!これだけは知っておきたい10個のつっこみ

はてブ経由でつっこめRequestが来たので。

とはいっても、私の場合、「従業員から起業家」へではなく「自営業の延長」なので、「起業」というイメージからはかなり遠いと思うのだけど、今ではむしろ後者のケースの方が多いかも知れないので参考までに。


  1. メシを食うだけの仕事は、在職中に確保してました

    なにせ自営業を法人成しただけですから。その後はだいたいWikipediaにあるとおり。

    私は従業員経験というのはほとんどないのですが、従業員と起業の間に「自営」というのを挟むのも悪くないのではないかと思います。自営のままでよければそれでよし。それじゃ間に合わないという段階になってはじめて起業という感じで。

    それで、自営ですが、少なくとも3年は続けてみましょう。これはあなたに信用力をつけるのにどうしても必要な期間。どうしても自営はクレディットカード作成や住宅ローン起債といった場面で不利になりがちですが、3年きちんと続けていれば、従業員とイーヴンかそれより有利になります。

  2. 営業力より社交力

    自営の場合、積極的な営業をしているだけの余裕はないのですが、それでいいのです。自分と(あといれば)家族の食い扶持を確保すればいいのですから。しかし未来永劫おつきあいいただけるお得意様というのも現代ではありません。3社程度とは常時おつきあいしておきたいですし、うち1社「さよなら」しても次の1社とすぐおつきあいを開始したいようにはしておきたい。

    そこでものを言うのは、社交力。いい顧客とは少しでも長くつきあいたいですし、別れるときにもきれいに別れたい。私の場合、別れ際に次の顧客を紹介してもらったことも何度もあります。

    "Get to know"よりも"Keep in touch"という感じでしょうか。

  3. ブレーンは外部で構わない

    私の場合、税理士がこれに相当しました。単に決算期にどかんとお願いするのではなく、月に一度は会って情報交換したという感じ。税務だけでは足が出るような気がしますが、必要に応じて社労士や弁護士を紹介してもらったりという「ペーパーワークのトータルサポート」を受けられたのは実にありがたいことでした。

  4. 現状分析は悲観的に

    その方が仕事が楽観的になります。なんちゃら分析というよりも、「今このお得意様がいなくなったらどうなる?どういう状態になるとそうなる?」ということを常に考えておくことでしょう。

  5. 行動計画よりも完了実績

    自営レベルの場合、数値目標というのは「しばらく食って行ける」程度のものでOK。それよりも「この仕事をきちんと完了する」という実績の方が重要です。もちろんその過程で行動計画力も必要になってきますが、まずは仕事をやり遂げること。それが出来たらどれだけ楽にそれをやり遂げるようにするか工夫することが肝要でしょう。

  6. 何のためにではなく、誰のために

    自営に蒼々たる経営理念は不要です。しかしただ漠然と右から来た仕事を左に片付けるだけでは、あっという魔に燃え尽きます。だから、誰のため、というのか誰を喜ばせたいかを考えながら仕事をしましょう。あなた自身でもいいですし、家族でもいいですし、顧客でも結構。ただし、少なくとも一人は具体的な顔が思い浮かぶようにしておくこと。厳禁なのは「仕事の自己目的化」。これは燃え尽きへの第一歩です。

  7. 固定費は生活費に織り込める

    自営の魅力はまさにここ。実は自営するというのは、「生活自」「仕事自」という二つの自分を持つ事を意味します。そして片方がもう片方に資源を融通できるのです。例えば、「生活自」のあなたは「仕事自」のあなたに自宅という仕事場を貸して家賃を取る事ができます。当然この家賃は控除の対象です。

    実際のところ、「生活自」というバッファーがないと、自営まもない頃には「仕事自」は持ちません。逆に、「生活自」がなくても仕事が回るかというのは、起業まで歩を進めるかどうかの分水嶺にもなっています。

  8. ブランドイメージは文字通り人任せ

    結局のところ、あなたのブランド価値というのは、あなた自身ではなくあなたの顧客があなたをどう思うかによって決まります。そして人はその人自身に関することは、その人自身が言った事よりもその人を知る他者が言った事の方が遥かに重んじられます。手短かに言うと、自薦よりも他薦ということです。

    その他薦を獲得するためにはどうしたらよいか。もちろんブログもその手段の一つですが、それ以上に重要なのは、仕事をきちんと上げておく、ということです。God寺田を多産の医師、じゃない他山の石としておきましょう。

  9. 仕事は恋女房

    自ら自営を選んだ人にとって、「ホントに惚れる商品を選ぶ」というのは愚問でしょう。惚れもしない商品を、自らのリスクで作ったり売ったりするほどあなたはお人好しではないはずですから。

    しかし、どんなに惚れた仕事だって、嫌な側面というのはあります。アバタもエクボだったはずなのにやっぱりアバタに見えることは、長くつきあっていれば必ずあるものです。

    だから、自営を続けるためには、仕事を好きになる工夫よりも、むしろ仕事が嫌いにならない工夫が必要になります。これに関しては別entryでまた触れることもあると思いますが、一つ基本なのは、充分な暇を作ること。四六時中イチャイチャしているカップルが却って長続きしないのに似ています。好きな仕事だからこそ、ほどほどにしておきましょう。

  10. 3-6ヶ月分の蓄えは必要だが、蓄えすぎてはいけない

    蓄えすぎると何がいけないかというと、あまり好きな言葉ではないのですが、ハングリー精神がなくなるのですね。実は自営の場合、ちょっと好調だと一年分や二年分の蓄えはすぐに出来てしまいます。これは分子が大きいというより、分母が小さいことがその理由ですが、過度な蓄えは、ハングリー精神を減衰させるだけではなく、それを護ろうとすることにより仕事が保守的になりがちです。

    幸運にも(といっても大した幸運は不要なのですが)あなたがそうなった場合、ぱあっと遣いましょう。といっても近所の居酒屋を六本木や銀座にしろだとか、スウォッチをロレックスにしろだとかそういうことではありません。金がないとできない勉強(これもあまり好きな言葉じゃないけど)をすればいいのです。

    その点において、株をはじめとする資産運用はおすすめだと思います。儲けるためにやるのではなく、金というものが何たるかを体で知るためにやるのです。おもしろいもので、そういう姿勢で取り組んだ方がリスクに対しても冷静でいられますし、結果として失敗しないものです。失敗してもそれは授業料。ちゃんと血肉になります。

結論:自営は自署

結局のところ、自営というのは、従業員であれば会社が用意してくれるフォームを、白紙から自分で埋めることです。白紙である以上従業員ほどきれいな「書面」は出来ませんが、従業員には真似できない「書面」も作ることができます、自営の醍醐味はそれにつきるといっていいでしょう。

「このフォーム、なんか違う」と思ったあなた、とりあえず自分用のフォームを作ってみましょう。それを使ってみましょう。そして自作フォームが会社フォームよりも使いやすくなったら、それはあなたの自営しどきかも知れませんよ。

Dan the Self-Employed


この記事へのトラックバックURL

この記事へのトラックバック
404 Blog Not Found:自営するあなたへ!これだけは知っておきたい10個のつっこみ
404 Blog Not Found:自営するあなたへ!これだけは知っておきたい10個のつっこみ【】at 2012年01月24日 21:24
TechCrunch Japanese アーカイブ ?? YahooのI...
links for 2007-10-10【気になる記事の書き出し帳】at 2007年10月10日 18:26
この記事へのコメント
参考になるなー。いい生地ありがとう。しっかり仕立てます。
Posted by どにどにえーす at 2007年10月11日 00:01
自営業の父の下に就いて3年目です。
私も従業員経験は無いに等しいので
このエントリーは大変参考になります。
Posted by familia at 2007年10月10日 09:57
ダンさんはいずれは学問に戻ってくるの?
Posted by sakurada at 2007年10月10日 03:07
自営をはじめて7年目。
最初の頃は持ち合わせていたハングリーさも
最近は随分影を潜めた感があります。

そんなときこのエントリーを発見、ウンウンウンと頷きながらも反省しきり。
もう一度初心に還って、ひとつひとつの仕事をしっかりと完納しようとおもいました。
いい刺激になりました。ありがとうございます♪
Posted by sickboy at 2007年10月10日 01:36
私も自営ですが、同感です。

特に

> 2. 営業力より社交力

顧客がまた一緒に仕事をしたいと思うなら、そのプロジェクトはほぼ成功。
Posted by ひ at 2007年10月09日 21:13
大変参考になりました。
有難う弾さん。
Posted by ただいま準備中 at 2007年10月09日 20:03
先月末で自営を目指して当ても無く退職しました。何の仕事も確保していませんが、その他の項目は参考にさせていただきます。
Posted by kuma_hati at 2007年10月09日 17:30