2010年05月03日 03:00 [Edit]
s/トヨタ/自分/gとして読みたい一冊 - 書評 - トヨタの闇
はじめに申し上げておく。
初出2007.11.11; 過労死訴訟判決を受け2007.11.30更新 ちくま文庫化を受け2010.05.03更新。文庫版献本御礼
私はトヨタ車オーナーであり、トヨタ株の持ち主でもある(といっても1単位だが)。
だからこそ、本書を紹介しないわけには行かない。
本書「トヨタの闇」は、日本最大の企業にして、世界最大の自動車メーカーの、報道されることのない面を紹介したもの。トヨタどころか車も嫌いだという人も、なぜ(一般名詞としての)トヨタの闇が報道されることがないかを示した第一章だけでも読んでおく価値がある。アフィリエイトを一カ所でも表示しているblog主であれば必読である。
- はじめに -- トヨタは本当に優良企業なのか
- 第1章 トヨタの本質はなぜ報じられないか -- 広告料日本一の圧力
- 第2章 トヨタの社員は幸せか-職場環境の実態
- 第3章 トヨタ車の性能は高いのか -- 実は欠陥車率99.9%
- 第4章 下請け社員を苦しめていないか -- 「自動車絶望工場」のトヨタ下請け
- 第5章 世界での評価 -- 広がる反トヨタキャンペーン
- 第6章 やっぱり大問題を起こしたトヨタ
- おわりに -- 「破滅へと向かう旧日本軍」にならないために
本書は、その二面性を持つトヨタの、普段は一般人の目に触れないほうの部分にフォーカスを当てたものだ。いずれも事実であるにもかかわらず、トヨタを恐れ萎縮するマスコミには流れない情報ばかりである。
そういう本であるので、本書には「トヨタの光」はそれほど登場せず、登場するにしても闇の漆黒を協調するコンテクストで出てくるものばかりだが、本書には批判はあっても誹謗中傷はない。これは、本書の著者達による文だけではなく、第2章に登場する、30歳で過労死した社員の妻(*1)もそうだし、既存の労働組合に対抗して作られた、全トヨタ労働組合もそうだし、世界45カ国で展開されている「反トヨタ世界キャンペーン」にしてもそうである。
彼らの望むのは、カイゼンに邁進してきたトヨタが忘れがちであった「改善」であり、断じてトヨタの破滅ではない。そして、そういう批判をきちんと表に出した上で、それに堂々と向き合って、きちんと費用をかけてでも改善していくことこそ、長期的に見て会社価値を上げていくことになるのではないだろうか。
私がトヨタの顧客にして株主であるにも関わらず、闇を紹介する理由は、まさにそこにある。
さらに厳しいことを言うと、トヨタの闇に背を向けているのは、トヨタのみではなく、そのトヨタを取り巻く人々にもある。お得意さんだからといってヨイショばかりしていては、トヨタでなくても「オレに闇はない」と思い込んでしまうものである。
今のトヨタは、
- まわりによる「批判の自主規制」
- トヨタの自己イメージの歪曲
- トヨタの闇の深化
- 0.にもどる
というスパイラルに陥ってはいないだろうか。それはトヨタにとっても日本にとってもいいことだとはとても言えない。ましてやこの「トヨタの闇の深化」構造が、他にも波及しているのだとしたら。
ニッポンIT業界絶望論日本のIT業界は救いようがない。絶望的としか言いようがない。
私は上の記事とほぼ同時に本書を読んだのだが、ここで紹介されているIT業界のありさまと、本書で紹介されているトヨタのありさまがもう苦笑せざるを得ないほど似ているのだ。
ニッポンIT業界絶望論生産された財は、最も低水準なサービス財と同様、たった一人の顧客に届けられる。以上おわり。
これなんか、一つのプラットフォームに10も20も別の車名をつけているところと重ならないか。逆に、別物なのに「カローラ」と名前をつけて一位をかさ上げするのに相当する行為も、IT業界でも実によく見る現象である。
それでも、トヨタはまだその大きさゆえ、問題が顕在化していない。それを放置するとどうなるのかという例は、IT業界で山ほど見つけることが出来る。自動車業界では時はIT業界ほど早く流れないかも知れないが、流れていることは違いない。トヨタはドッグイヤーから学ぶことができるのだろうか。
P. 254トヨタの労使関係は、産業界に大きな影響力がある。[全トヨタ労働組合を結成した]若月さんの言葉を借りれば「トヨタが変われば日本が変わる」。だからこそ、声を上げ始めた人々の役割は貴重なのだ。
トヨタの一ステークホルダーとして、本書を上梓した著者、インタビューに応じた人々、編集者、出版社、すなわち本書を可能にした人々に感謝する。トヨタをトヨタたらしめているのは、つまるところトヨタの環境たる「外」なのだから。
Dan the Stakeholder Thereof
不支給処分、取り消し命じる=トヨタ社員過労死訴訟−名古屋地裁(時事通信) - Yahoo!ニューストヨタ自動車の堤工場(愛知県豊田市)に勤務していた内野健一さん=当時(30)=が2002年、不整脈で死亡したのは過労が原因として、妻博子さん(37)が国を相手に、遺族補償年金などの不支給処分を取り消すよう求めた訴訟の判決が30日、名古屋地裁であり、多見谷寿郎裁判長は原告側の請求を認め、国に処分の取り消しを命じた。
追記(2010.05.03) 文庫版献本御礼。その後も闇に由来する事件が続いているのはご存知の通り。文庫版では第6章がまるまる追加されている。トヨタウォッチャーばかりでなく、メディアウォッチャー必読の一冊。
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この本に書いてある『闇』は、すべて真実です。
ただ、いまや、豊田市・名古屋市のみならず、愛知県全体がトヨタの企業城下町になっていますから、ここに永住するなら、トヨタ批判はご法度です。特別、トヨタ本体が闇を持っているのではなく、トヨタは極めて平均的な日本の大企業の姿です、さに、極めて平均的な世界の製造業の姿だとは思います。
一方、愛知県は全体としては、サラリーマン世帯の平均所得が日本では一番高いのも事実です。(自営業者も含めれば、もちろん東京と神奈川県の平均所得のほうが高くなります。)
ただ、愛知県内の場合は、言論統制が厳し過ぎなのです。そもそも、愛知県では、義務教育の時代から、管理教育が徹底しておりますから、私みたいに、半ば東京で生まれ育ったおしゃべりな人間で、京都の「自由」を知っている人間には、愛知県は不可解な場所です。(続く・・・)
頂点を極め続ければよいのですが・・・。頂点は陰りへの第一歩なので・・・闇をはやく払拭して欲しいものです。日本の陰りになってしまいますから。
言い換えるとですね、愛知県は、余りにも分かり安す過ぎて、面白みの無い地域です。今の日本の象徴みたいな場所です。死ぬまで働くことは無いのですが、死ぬまで働く寡黙で忠実な真面目な労働者は 今でも日本では後を絶ちません。現実とは 常に光と闇の双方を内包しており、やるせなく、むごいものです。
というわけで、我が家は、名古屋に8年も暮せば、だいたいどういうところか、骨の髄まで分かりましたから(というよりも、8年も辛抱した自分をほめてあげたい)、来年当たりから、再び転職して、再び東京で暮す予定です。ベーシックインカムなんかにあこがれるよりも、目先、もっと良いファンドを造ったほうが、今は、『手っ取り早い』世のため人のためです。この年齢になると、残った人生は短いのです。
ただ、私個人は 一生トヨタ批判もトヨタ賛美も、どちらにも組しないで、生きてゆくと思います。
実はそちらもまた真です。
どんなときどちらを適用すべきかは、読者の判断ということで。
Dan the Regular Expressionist
わたしはトヨタ嫌いです。泣かされた下請けさんも沢山見てきていますし。
外から見ると良く見えるのでしょうかね。
実際、工場従業員は他地域の方がメインです。地元の人で働いてるのは
直で就職した人で、ほとんどは期間従業員です。しかもみんな重労働で
残業がかなりあって大変なようです。
それはトヨタだけの話であって、地域性にはあんまり関係ないのが愛知県では当たり前です。
残業や作業のつらさもあって、地元でお金を使う事もないので、
税金自体は潤っても、地域の活性にはなっていないし。。
実は上手く地域でも理解されていない企業です。
単に大きな声で言えないだけです。一種の恐怖支配ですよ。
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トヨタ自動車だって、生き残ろうと思えば、工業社会の倫理ではなく、知識社会の倫理に従うほかなくなります。マネジメントも開発プロセスも製造プロセスも販売プロセスもぜんぶ装いが一新するのですから。
今あなたが乗っている車はいくらですか?
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