2007年11月17日 00:30 [Edit]

ニコニ考 - 名無しがニコ厨でOKでオープンソースプログラマーでNGな理由

というわけで、その続き。

404 Blog Not Found:ニコニ考 - オープンソースプログラマーとニコ厨の違い
その力学が一体何なのか。ここまで書いてもう時間がなくなった。もう出かけなければ。というわけで続きはまたの機会に。

404 Blog Not Found:ニコニ考 - オープンソースプログラマーとニコ厨の違い
オープンソースプログラマーとニコ厨の一番の違い。それは、オープンソースプログラマーが、誰が何を作った、あるいは作り直したかがはっきりしているのに対し、ニコ厨の場合は、誰が何を作ったのかが簡単にはわからず、そしてそのことをニコ厨たちはあまり気にしていないようだということ。

以下がその理由として考えられる。

コードには正誤があるが、作品には正誤がない。

散文的ではあるが、最も重要な理由がこちら。コードには正誤、すなわち「あきらかにこれは誤りである」というものが存在しうる。平たく言えば「バグ」だ。このバグは直さねばならない。誰が直すかといえば、そのソフトウェアの作成者、複数いる場合には保守者(maintainer;メンテナー)はその報告窓口を公開しておかねばならない。オープンソースでは、たいていの場合 liability (賠償責任)は負わない旨をライセンスで明記してはいるが、responsibility(応答責任)まで放棄したわけではない。いや、放棄しても構わないのだが、それはそのプロジェクトの終了を暗示的に意味している。そこにバグがありうる限り、連絡先を記さぬわけにはいかないのだ。

余談ではあるが、以下で Perl 5.8 のメンテナーであるNicholas Clarkが怒っているのは、連絡先が明記されているにも関わらずあさっての方向に連絡が行ったからである。

Security issues in the Perl core

As people may have become aware, security researches at Google discovered a buffer overflow in the regexp engine. As best I can tell, they reported it to Linux vendors, asked them what the appropriate security contact address for Perl 5 was, were given Yves' address, and Yves forwarded it to the Perl 5 committers.

And after discussing a patch that needed backporting from 5.10 (where it was already fixed) to 5.8, THAT WAS THE LAST WE HEARD.

The next "contact" we had was discovering that the Linux vendors had made public security announcements, without even notifying us, let alone discussing a timescale.

I consider this outcome neither professional nor courteous, but hope that it was caused by an unfortunate series of events that won't re-occur.

If I have made any mistakes here, the Linux vendors reading this list are welcome to correct me. And given that they all ship perl, they all should be reading this list.

ここでは邦訳は割愛するが、太字(by DANKOGAI)の箇所に、彼の怒りをひしひしと感じる。オープンソースプロジェクトの関係者は、くれぐれも気をつけられたし。

これに対し、作品にはよしあしはあっても正誤はない。アバタもエクボとなりうるのだ。アバタが気に食わなければ、それを直すのはあくまで受け手の責任である。よって書き捨て、作り捨ても許される。

日本の著作権法は、たとえば合州国のcopyright lawsと違って、権利を明記しなくても作成時点で発生するようなのだが、作品というものの特性を考えれば、権利を宣言してはじめて著作権が生じる方が自然に思われるのだが。

「名無し」は「権利無し」にして「義務無し」

「名前は口座である」というのは私の持論であるが、裏を返すと、権利を放棄すれば義務も消滅すると見なせるのだから、名前という口座もまた不要ということになる。ニコ厨たちは、マイリスト経由で投稿者が「私はここ」と示すなどの一部例外はあるものの、デフォルトでは「うp」した作品に対する利権を主張できず、また主張しない。そういう世界において、名前は無用の長物である。

「匿名」は「名無し」にあらず?

ただし、留意しておかねばならないのは、彼らが「名無し」であるのはあくまでも「外から」見た場合であり、「中から」見れば誰が何をしたのかというのはきちんと把握できるということである。さもなくば「常習犯」の「垢停止」も不可能ということになる。

実のところ、こういった「中の人からは名無しにあらず」というのは、現代の法律では「名無し」として扱ってもらえない。なぜ2ちゃんねるの書き込みに対して「ひろゆきに責任がある」とされるかといえば、根本的にはこれが理由である。誰が何をしているのか中からは把握できる以上、責任は書き込んだものまずあり、そしてそれをシステム的に許している2ちゃんねるにもあり、そういうシステムを維持管理しているひろゆきにあり、というわけだ。

逆説的ではあるが、なぜひろゆきが訴えられるかといえば、2chが実は匿名掲示板に見えるだけの顕名掲示板だからという言い方もできる。「名無し度」が徹底していないというわけだ。

仮に、運営側からも発言者が全く特定できないシステムがあったとしたらどうだろう。そういうシステムの存在を世間が許すかはさておき。この場合、そこにおける発言をどう扱うかは、書き手でもなければ運営者でもなく、完全に読み手ということにはならないだろうか。そういう形の完全無名性システム--匿名は厳密には「名前が見えない」であって「名前がない」ではない--が一つぐらいあってもいいかも知れない。

Dan the (Niconicologist | Open Source Programmer)


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404 Blog Not Found:ニコニ考 - 名無しがニコ厨でOKでオープンソースプログラマーでNGな理由
404 Blog Not Found:ニコニ考 - 名無しがニコ厨でOKでオープンソースプログラマーでNGな理由【】at 2012年01月17日 05:35
いろいろ思うことがあるけどまとまらないので箇条書きでつらつらと。 404 Blog Not Found:ニコニ考 - オープンソースプログラマーとニコ厨の違い 404 Blog Not Found:ニコニ考 - 名無しがニコ厨でOKでオープンソースプログラマーでNGな理由 名無しの文化が悪いとは思わない
[ニコニコ動画]ライセンスの話とか【inamenaiの日記】at 2007年12月05日 04:45
また、某巨大ブログの記事から自分の意見述べてみます。。。 だから、たまには真面目なことも書くんですって。 名無しの欠点 - ニコニ考に反論する はじめに ニコニコ動画が誕生??.
名無しの欠点 - ニコニ考に反論する【すごく個人的な日記帳】at 2007年11月17日 10:38
この記事へのコメント
> 運営側からも発言者が全く特定できないシステムがあったとしたらどうだろう。

まぁ、Mixmaster remailerとかいまだに普通に動いているわけですが。

http://en.wikipedia.org/wiki/Mixmaster_anonymous_remailer
http://en.wikipedia.org/wiki/Mixminion
Posted by 崎山伸夫 at 2007年11月17日 03:19
> 運営側からも発言者が全く特定できないシステムがあったとしたらどうだろう。
2chも昔は「名無し」のIP保管とかも行っておらずある意味本当の意味で「名無し」だったと記憶しています。
プロバイダー責任法かなにかで、掲示板の管理者は書き込まれた内容について責任を持って削除・情報の開示を行う必要がある、という判決がでてからIPを保存するようになった、という経緯だったはずです。

> そういうシステムの存在を世間が許すかはさておき。
ということで、現在ではこういうシステムは法律的にみとめられないのかな?
専門家でもなく記憶だけで書いていますので、間違いがあるかも知れませんが、ご参考までに。
Posted by nowhere at 2007年11月17日 02:56
お絵かき系掲示板でも
匿名の人の割合が高いところが
ありますね

まあコードと違って絵は
素人が見てもだいたい作者を識別できるので
作品そのものがサインみたいなモノですが

Posted by 坂本 at 2007年11月17日 01:32
んー、名無しオープンソースもありますけどね。
書き直されているかもしれませんが、以下の名無しコードに由来するものは
大抵のオープンソースOSやライブラリに含まれてますよね。
http://cypherpunks.venona.com/date/1994/09/msg00304.html

後に ARC4 と呼ばれることになるものだ、といえば
リンクを辿らなくてもご存知のはずです。
Posted by 崎山伸夫 at 2007年11月17日 01:21
というか、オープンソースが記名で行うのは、元になるものが「著作物」であるから
名乗りでる意味があるのであって、ニコ厨は名乗ったら著作権違反者になる奴
ばかりだから名乗れないだけでしょ。
著作権の話に触れずに良いとこ取りしてるだけにしか見えないんですが。
ま、それが弾氏の言うオプティミズムならば仕方ないですけど。
Posted by 作曲者 at 2007年11月17日 00:58