2007年11月19日 16:15 [Edit]

書評 - 自殺するなら、引きこもれ

久しぶりに、タイトルは/^書評/で。

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」に習って最近では「要約 - 書評 - 題名」にしてきた私だが、見ての通り本書はこれ以上要約しようがないタイトルがついている。


本書「自殺するなら、引きこもれ」は、1969年生まれの両著者が、自らの体験を元に綴った「引きこもりのすすめ」。偶然だが私は著者たちと年齢も同じなら、引きこもりであった(過去形?)ことも同じなら、高校を卒業せず当時の大学入学資格検定 - 今なら高等学校卒業程度認定試験 - を経て大学に入学したところまで同じである。ただし著者たちと違って、私は中退なので、自らの学歴を語る時には「中卒」としている。当時の「大検」が「高認」だったら、高卒を名乗らなければいけないのだろうか。

目次 - 光文社発行の書籍より
  • プロローグ - 学校から身を守るという、選択肢(本田透)
  • 第1章 学校の正体(本田透)
  • 第2章 流動化した社会(堀田純司)
  • 第3章 フリーターの人でも安心して暮らせる社会を(堀田純司)
  • 第4章 孤独力、妄想力がコンテンツ立国を支える(本田透)
  • あとがきに代えて(「生協の白石さん」こと白石昌則)
  • 謝辞

本書は、現代の学校が、著者や私の「ような」物達にとってどんな場所なのかを説明した上で、引きこもり生活がどんなであるのか、そして学校から引きこもっても人生から引きこもらないためにどんな工夫をしてきたかを語った上で、著者たちの半分程度の人生を歩んできた、現代の「引きこもり適齢期」の子たちにどんな選択肢があるのかを紹介する。

大まかな担当としては、形而上的な部分を本田が、形而下部分を堀田が担当している。なかなかいい組み合わせだと思う。とはいっても、特に本田ファンは「電波男」のほとばしる熱いパトスを期待すると少し肩すかしかもしれない。逆にいえば、本田節が苦手な人でも本書は安心して読めるということでもある。

引きこもりたい子たちもさることながら、その親御さんには必ず目を通していただきたい一冊である。

なぜなら、引きこもりの難易度は、学校との折り合いもさることながら、保護者との折り合いが最も重要な因子だからだ。家に引きこもれなければ、自然と家出となる。私がそうだった。というより私の場合家出と引き換えに「引きこもり権」を親父から確保したところがあるのだが、少なくとも「学校行きません」「はいどうぞ」というわけには行かなかった。さんざん戦った上で、「こいつは何をいっても無駄だ」という「説得」を経て、はじめて引きこもりを公認してくれたわけだ。

その過程においては、実は自殺未遂も何度かある。当時は「完全自殺マニュアル」なんぞなかったから、見事に失敗したので今があるわけだが、当時の私、そして両親はキューバ危機なみの綱引きをしていたのは事実だ。「プロ引きこもり」の母が、「アンチ引きこもり」の父に「勝った」ので私はこんな記事を今書いている。片親がわからずやなだけでも、この程度には大変だったのである。

今や、引きこもりになるのにそこまでの苦労は必要ない。まずはそれを知っておいてほしい。学校も家庭も、今までになく引きこもりに寛大だ。そして引きこもりが活躍できる社会の場もますます増えるばかりだ。「大検」が「高認」になったのだって、立派な進歩の一つ。このままじゃ社会が変になる?いやいや、著者が指摘している通り、「子供は登校するものだ」ということ自体、たかだか20世紀だけの常識なのですよ。

繰り返す。

自殺するなら、引きこもれ。自殺されるなら、引きこもらせろ。

Dan the Survivor


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404 Blog Not Found:「その才能を国のため」?誰に向かって口聞いてるんだ!小飼弾さんがマジギレのご様子だ。その怒りはもっともで、その怒りの源泉は弾さんが別エントリーで書かれている書評 - 自殺するなら、引きこもれと微妙に絡んでいると思われ。(ちなみに件の記事:経営....
ひろゆき氏に国民栄誉賞を【佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン】at 2007年11月20日 14:00
書籍は読んでいないけれども、思ったことをつらつらと書いてみることにしてみました。 本書は、現代の学校が、著者や私の「ような」物達にとってどんな場所なのかを説明した上で、引きこもり生活がどんなであるのか、そして学校から引きこもっても人生から引きこもらないた
[社会]日本のよくないところ【ITっ子の日記】at 2007年11月20日 01:48
(via 404 Blog Not Found:書評 - 自殺するなら、引きこもれ) 自殺するなら、引きこもれ。自殺されるなら、引きこもらせろ。 404 Blog Not Found:書評 - 自殺するなら、引きこもれ 自分は会社でウツになって引きこもってる人間なので、上記の言葉は実感します。 学校...
けだし明言、でも間にウツがあるかも(Re: 404 Blog Not Found:書評 - 自殺するなら、引きこもれ)【atsushifxの七転八倒】at 2007年11月19日 21:16
この記事へのコメント
私は42歳のもうおばさんです。
高校の3年で自主体がうをし、まあそれでも大検だけはとりました。
統合失調症を15歳の頃発病し、引きこもりも、自殺未遂も何度となく
やりました。こんだけやっ、まだ死なせてもらえないってことは、まだまだ何か今生でやらなくてはいけない使命でもあるのかとおもいます。
今は、家を出て、単身大阪で暮らしています。
早く死にたいものです。早くお父ちゃんに逢いたいです。
Posted by 影井直子 at 2009年05月12日 00:29
引きこもるなら家出しとけ!
でも行く所がないから引きこもるんだよな。
俺引きこもり二年目だけど、自殺願望は変わらなかった。
Posted by 自宅警備員二年目 at 2009年05月10日 20:56
身の回りを見ると、不登校やいじめ被害者が引きこもりという人がいますね。歳をとって、クラスチェンジしただけなんだろうな……。

blog49さんのおっしゃるとおり、出て行くことについても書いてあるといいですね。図書館などを使い読ませていただきます。
Posted by atopos at 2007年11月20日 21:03
私は中学校を10日ほどで辞めた「小卒」です。

以前は履歴書にも「中学校中退」と書いていましたが、パート・アルバイトでは問題になったことはありません。

「親の無理解」にも親自身の学歴により「朝日な無理解」と「読売な無理解」がありそうですね。(うちは読売でした..)

「学校と会社しか行くところが無い社会」をどうにかしたいです。
Posted by hirosp at 2007年11月20日 18:29
引きこもりになることはしばしばで教師もムリヤリ引っ張っていかないということを聞いたことがあります。
引き篭もりが偉いとは思いませんが、そういう選択肢もあることをいろいろな人に知ってもらってもいいですね。
ただ、出て行くタイミングが本書に書かれているんでしょうか?
であれば必読でしょうね。
Posted by blog49 at 2007年11月19日 22:17
>私の「ような」物達 → 私の「ような」者達
Posted by 未記入 at 2007年11月19日 19:43
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Posted by lucy at 2007年11月19日 18:55