2008年01月11日 21:30 [Edit]
あなたはなぜ勝間和代に勝てないのか
どうやら私は勝間和代という人を過小評価していたようだ。
そして、書評ブロガーとしての私自身も。
404 Blog Not Found:10倍どころじゃない - 書評 - 効率が10倍アップする 新・知的生産術Amazonでの順位は、本entry執筆現在で10位。いくら私がアルファ書評ブロガーでも、私に献本する「投資効果」は、率で行けばそれほど大きいとは言えない。
ところが、本書の順位は書評後1位まで上昇したのだ。
私のところから買っていただいた数も、1日三桁を超えた。
要するに、伸びしろがあったのだ。著者は私に一冊本を送っただけで、それを回収してしまったのである。もちろん、私もそれで得をしている。entryにかかった時間は、開封から30分。本書を読むのに15分(これはいつもより少し丁寧)、コーヒーを入れるのに5分、entryを書くのに10分。
その一方で、「想定の範囲内」だったのが、書評に対する反応と、著者に対する人物像。
はてなブックマーク - 404 Blog Not Found:10倍どころじゃない - 書評 - 効率が10倍アップする 新・知的生産術個人的に好きな著者じゃないし、そこまでの内容でもなかった気がする。
本屋でチラ見したけど、そんなに目新しいことが無かった気がするけど
どういう人がこういう感想を漏らすかというと、まずは以下を。
Matzにっき(2008-01-04)80%の技術者は、本を読まない、イベントに参加しない、勉強しない。 それでどうして、それらを継続的に行う開発者と同等の生産性をあげることができるのか。 それらを行う20%のうち、さらに80%は、(まだ)うまく成果をあげられていない。 すると、それらを継続的に行い、さらにうまくいっている人はおおよそ5%になる。
ここで言う、本も読みイベントに参加し勉強もしているのだけど、それに見合った成果を上げている実感が得られない20%だ。彼らは勉強しているので、当然本書に書いてある言葉には別のどこかで触れれている公算が強い。その意味で、目新しいことでないことはむしろ当然とも言える。
それでは、この「報われない20%」と「報われる5%」の違いは、何だろうか。
投資をきちんと回収している否か、なのである。
ここで、著者のblog、「私的なことがらを記録しよう!!」を改めて見てみよう。書評へのリンクを、実につぶさに張っている。ここまできっちやる著者を、私は知らない。強いて言えば見つけた書評を余さずはてブしている梅田望夫だろうか。両者とも、10万部超えの本を複数ものにしている。
端から見て、これはかっこいいとはとても言えない。あさましささえ感じるだろう。そう。あさましさ。健全なあさましさこそが、報われない20%に足りないものの正体である。報われていないのではない。自分に報いていないのである。
あなたは、知的生産というものをなんだかかっこいいもの、「知的」なもの、汗とは無縁なものだと思ってはいなだろうか?
違うのである。「生産」の文字が後ろに付く以上、「知」だけでは絶対に完結しないのである。アウトプットという、どこかの筋肉を動かさなければ完結しない作業が、そこには必ずついてまわるのである。そして、完結しなければ、そこから得られるものはゼロなのである。
これは、ノンフィクションのベストセラーをものにした人が、言葉は違えど必ずどこかで書いているものである。養老孟司なんてその極北ではないか。その点に関して、彼が述べていることは「唯脳論 」から少しもぶれていない。なぜ「バカの壁」を超えられないか。手足を動かさないからだ。
話を勝間和代に戻す。彼女は、肉体へも投資を惜しまない。なぜかといえば、それがなければ知的生産の回収が出来ないからだ。この点において、私はずっと不真面目だ。不真面目なのは、健全なあさましさが弱いからだ。だから、「すごい」と体で感じたし、感じたことをそのまま書いたのだ。
知的が付くか付かぬかに関わらず、生産というのは仕入れ、加工、そして回収の三工程が完結してはじめて完結する。この一般論だけは、これ以上単純化できない。そして完結しなければ、あなたが得るものは何もない。
まずはきちんと回収すること。話はそれからだ。
Dan the Greedy
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ご自分が書かれたコメントを、よく読んで見るべし。
ちなみに、私は本を買ってませんが、こんなところに、ご本人がコメント。(本人さん、間違え無し。)
ファンになってしまった。
さあ、頑張るぞーーーーーーー!(^^)!
というより写真見た瞬間吹き出しましたわw
中身がカスカスな本をいろんなものをうまく利用して話題作って市場にバカを選んでうまく導いたあげく売りまくった作者はほんと賢いと思う
勝ち組に間違いない
今となっては古本屋に山積みだがw
「俺のブログにリンク張ってくれてないウキー!」
↓
本人光臨、お詫び
↓
「そんなことはどうでもいいのだが、
あんたのやりかたがきに食わない」
かっこ悪すぎる・・・。
Amazonの書評「両津勘吉を実践している人がいるとは驚きだ」にハゲワロタ
こんなの普通の人にマネできませんよ。
そんなに新奇なことなんて今更ありませんよ。当たり前のことを当たり前に実行することが実際にできているかどうか、自分自身をフィードバックできるだけでも十分価値があるのではないですか?と、読んでもないのに言ってみる。
当たり前のことを当たり前に実行できることが凄いんでしょ。
ごくつまらない、あたり前にことしか書いてなかった。
あんまりいい加減なことを書いていると、
信用を失いますよ
合点がいった。
>この世界にはたくさんありますよ。
「資本論」とか「共産党宣言」とかですかNE!
回答、ありがとうございます。再びすみません。本当のこと、の定義もあいまいだと感じます。本当のことととは、十分なサンプリングの元、学術的に再現性が高く、統計的に有意なことでしょうか?あるいは公式で証明できることでしょうか?
それだと、アカデミック論文の方が書籍よりもいいことになりますが、おっしゃっている本がどういうものか、もうすこし具体例を出していただけるとありがたいです。しつこくつっこむつもりはないのですが、本当にわからないので。
お時間ないようでしたら、この本も読まれていないようですし、スルーしてください。
まあ、うん。読んでから批判しないとかっこ悪いですよ?
派手で売れそうなジャンクな惹句とは無縁の本です。
よくない本ほど戦略としてそういう言葉使用する傾向にあります。
よい本は逆にそういったものは避けます。
何故かはわかりますよね?
そういうわけで私はこの方の本を読んだことはもちろんないですし、
今後読むこともないでしょう。
あほな人たちが食指を動かすような本を書いたとして、
そしてそれが売れたとして、何の意味があるの?
乗せられて買った人たち、もっといい本を読みましょう!
10年後にふりかえって「あれはいい本だった」と言えるような本が
この世界にはたくさんありますよ。
「失礼しました。次回の更新の時に加えさせてください。」
この間8分というところに凄みを感じた。
あーーー、何ページですか? 次の刷で見直します。ありがとうございます。
PBRがBPRになっていた箇所がありました。
○「ここまできっちりやる著者を」
こうですか?と思いながらも意味は通じるか・・・
あと、「決算書の暗号を解け!」を評価いただいて、とてもうれしいです。とても思い入れが深い本で、時間もたっぷりかけてつくりました。どんなきっかけでもいいので、ぜひ、1人でも多くの人に手を取ってもらいたいと思っています。
(注:「決算書の暗号を解け!」は、決算書の読みこなし方、特に会計利益の質をどのように見抜くかと言うことについて書いたものです。)
リンクをあまさず貼る目的ですが、一番大きいのは
「データベース化」
です。グーグル化にも書きましたが、”フォーカス・グループ・インタビュー”の替わりです。グルインだと、お金をかけないとできないものが、最近はブログで拾えるようになって、本当にいい時代になったと思っています。
私にとっても、出版社にとっても、書店にとっても、読者にとっても、ブログ検索その他の山から探すよりは、便利です。
感謝とか、宣伝よりも、「何のキーワードが響いているのか」「どういう人が買っているのか」「どこが書き足りなくて」「どこが冗長なのか」などを、いつでもまとめられるようにしています。
そして、グーグル化を第2版にするときや、他の著作を出すときに、参考にします。
ちなみに、リンクを作るのはそんなに難しくないです。bookmark.htmlを加工して、ブログに貼るだけですから。
泥臭くtypo修正 :-)
お互いが、自分のエントリで純粋に自分の意見を発信して刺激しあう。そんな関係で十分なのではないかと思います。
なお、話はそれますが、勝間さんの最近の著作では『決算書の暗号を解け』が一番傑作だと思っています。この本を書いてくださったことに対しては、前言と矛盾するようですが本当に勝間さんに感謝しています。
『Google化』書評リンク漏れの件、わざわざ小生ブログへコメントまでいただきまして恐縮です。
ただ、申し上げたいのは、勝間さんが書評ブロガーにリンクを貼られる行為のが感謝による行動なのか、小飼さんの言う生産(宣伝・投資)活動なのか、どちらなのかが不透明だということです。
小飼さんは、「リンク貼り」を勝間さんの“生産活動”として評価されているようでしたので、(内心にあった上述の疑問も含めて)生産活動としては小飼さんが手放しで誉めるほどきっちりやっているわけでもないよ、というコメントをさせていただきました。
(つづく)
コンサルタントなんてその典型だと僕は思っていて、外見だけみたら、企業の社長やらに提案をしてかっこいいというイメージがありますが実際は地道な作業が功をなす職業なので。
そして、すごい些細なことなのですが、
>「報われない20%」と「報われる5%」
この「報われる5%」というのは、上記の20%の中に入っているので、実際には「報われない15%」になると思います(20-5=15で15%)。
もしくは、20*0.8=16%と計算して、「報われない16%」と「報われる4%」ですかね。
(一応会計士なので、財務諸表、の諸表の方が先に出てしまいました)
リンク漏れ、失礼しました、勝間です。その時期、飛騨に行っていまして、通信がwillcom環境しかなく、漏れがあったようです。次回の更新の時に加えさせてください。
リンク漏れがあったときにはご連絡を、ということはブログに書いていますが、確かに、ご本人から申し出ていただくことは面倒ですよね。大変失礼しました。
また、あとからこのエントリーを見る方のために、諸表のリンクをまとめた私のブログの固定URLを貼っておきます。
>を改めて見てみよう。書評へのリンクを、実につぶさに
>張っている。ここまできっちやる著者を、私は知らない。
「つぶさに」というほどきっちりやっているということでも無さそうです。
私の書いた同書の書評は、何が気に食わなかったのか、リンク張ってくれないですし・・・