2008年01月18日 22:45 [Edit]

多重人格って普通だよね?

こちらの方は未読だけど、「24人のビリー・ミリガン」の方は読んだ。

On Off and Beyond: 誰にも勧めないすごい本:Switching Time
衝撃的な実話。多重人格を一つに統合する、という話し。似たような内容で、やはり実話の「24人のビリー・ミリガン」という本が15年くらい前にありました。比較すると、読み物として万人受けするのはビリー・ミリガン、内容がより衝撃的で深いのはSwitching Time。

その他、さまざまな多重人格モノを読んだ末の結論が、タイトル。


この「人格」というのもクォリア問題と同じで、どの程度「自分にあてはまることが、他人にも当てはまるのか」という問題を常にはらんではいるのだけれども、それでも私が多準人格こそ普通だと考えるに至ったのにはきちんと理由がある。以下、いくつか五月雨式に。

夢の中に、自分以外の人物が登場しますか?その人はなにか話していますか?

夢の中の登場人物に語らせているのは誰ですか?

物語

優れた作家が口をそろえて言うのは、「キャラクターが勝手に動いてくれる」ということ。

このキャラクターが「いる」のは「どこ」ですか?

天使と悪魔

もう何万回と漫画で見たことがあると思うけど、「天使」と「悪魔」が頭の中で葛藤しているというアレ。

「天使」と「悪魔」の正体は?

こうやって考えると、人格というのは誰にとっても複数あることこそ自然で、むしろ日常生活でどの「人格」が応対しても、「同一人格」として扱われて、そして多くの人が「同一人格」として見なされるほど日常生活で首尾一貫した行動を取れることこそ奇跡なのではないか。

そういうわけで、多重人格そのものは私は病気とは見なしていない。むしろ多くの人格を設定できる人ほど適応力が高いとすら見なせるかも知れない。問題が起きるのは、これらの人格が、他の人格から「引きこもってしまう」時といっていいだろう。人格切り替えの時に「引き継ぎ」も行わないので、当然「自分がやった」ことに対しても応答 = respond できない。respond できないので、 responsibility = 責任を負うことが出来ない。

On Off and Beyond: 誰にも勧めないすごい本:Switching Time - コメント欄にてちかちゃん追補
ちなみに、「multiple personality disorder=多重人格」というと、「いろいろな性格がある」という風にも聞こえますが、最近はdissociative identify disorder=解離性同一性障害、と言う名前で呼ばれるようになってます。

dissociative identify disorder = 解離性同一性障害 の方が正しく症状を著している理由も、そこにある。問題は人格が atomic でないことではなく、 dissociative になってしまっていることなのだ。

解離性同一性障害のレポートは面白いのだけど、それ以上に私が興味があるのは、どうやって我々はそれぞれが持つ数多の人格を associative なものにしているかということ。我々はどうやってスムーズに Personality Switching をしているのか。

「寄生獣」の三木と後藤のように、はじめから別の「個体」が肉体を「乗り合い」しているというのはわかりやすいのだけど、私を含めほとんどの人にはこれはあてはまらない。

実際、私のblogは「一人の作品」というより「小飼弾」という「ユニット」の作品と見なした方が納得する。ある時は人格A、またある時は人格Bという感じで。ちなみに私の人格は全て「名無し」で、その時に体の制御を担っているものが、「小飼弾」に対して応答している。人格は違えど名前は同じといったところか。人格どおしのコミュニケーションがある場合も、「そこのお前」程度の、その場しのぎのIDで間に合っている。人格というより、Unixのプロセスに近い。実際fork()しているとしか思えないこともあるし。

ところで、このentryを書いたのはどの人格だろうか....

Dan the Society of Mind


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多重人格って普通だよね? http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50987332.html いや、この本に出てる「多重人格(医学的に解離性同一性障害と呼ばれる部分)」は解離性障害の部類に当てはまると思うのだが。 こうやって考えると、人格というのは誰にとっても複数あるこ
[Text]いや、その見解は違うんじゃねえの?【NC-15】at 2008年01月23日 02:49
404 Blog Not Found:多重人格って普通だよね? むしろ多くの人格を設定できる人ほど適応力が高いとすら見なせるかも知れない。  それを「人格」と表現するのが適当かどーかは別として、ここで言われている「人格」ってゆーものが価値判断の基準や観点、思考様式のようなもの
[雑記][妄言]仮面で隠そうにも素顔がなく【さよならだけで人生が】at 2008年01月19日 20:12
404 Blog Not Found:多重人格って普通だよね? 確かに我々は多くの側面を持っていて人格自体は多重構造になっていると僕も思うのだけど、解離性同一性障害(多重人格)が普通状態かというと、普通状態じゃないから障害であるというように言えるのではないかしら。 特に...
多重人格は普通と言うべきじゃないけど人は多面的です。【Kousyoublog】at 2008年01月19日 17:15
(前略)人格というのは誰にとっても複数あることこそ自然で、むしろ日常生活でどの「...
割と真面目に多重人格について考えてみる【A.O.Sick.Record(with Faked Copy Life)】at 2008年01月19日 00:51
この記事へのコメント
弾さんの言う個々の人格が極端に距離を置いた状態(記憶の共有ができなく、互いを認識できない状態)になって初めて多重人格と言えるんじゃないでしょうか?
記憶に一貫性があるのなら「多重」人格とは言えないと思います。
Posted by ナナフシ at 2008年01月26日 20:38
ちなみに解離性同一性障害含む解離性障害は神経症であって、精神病ではないよ。
Posted by ハラナ at 2008年01月22日 03:55
医者から言わせてもらうと定義を知らないで小説だけ読んで書いた「素人の雑談」ならこんなもんでしょ。
普通の人にDSM-IVではどうのとか言っても仕方ない。
でも一つ言わせてもらいたいのは、精神病ってのは本人か周りの人が「本気で悩んで」たら病気なのよ。密接に関係しているわけでもない他者が「病気じゃない」なんて言っちゃだめ。
ネットなんかで人柄が変わるくらいのことを病気と一緒にしちゃだめよ。
Posted by 田中山 at 2008年01月21日 20:13
まあまあ。みんな言いたいことあるんだよ。場が荒れてるわけじゃないしいいんじゃないかな。
Posted by ハラナ at 2008年01月21日 18:36
ぷにぷにさんの指摘で、この議論はとっくに終わっているのでは。
Posted by    at 2008年01月21日 10:29
かなり間違った情報がネットやリアルで溢れていること。病気や障害を面白い、羨ましい、格好いいなどと思ってしまう人々がいること。その病気や障害になりたいと羨望する人々がいること。
Posted by ハラナ at 2008年01月20日 15:42
他の病気や障害であれど、医者に行かなきゃ診断なんてできない。診断をできるのはいしゃのみ。
確かに多重人格障害≠解離性同一性障害だけれど、今深刻なのは、障害や病気を自己診断、素人診断しちゃう人々が溢れていること。病気や障害を遊びで演じている人々(いわゆる、なんちゃってやなりたがり)がいること。ネットやリアルでそれを堂々とやっている人々やあり得ないファンタジーの世界を繰り広げている人々がいること。
Posted by ハラナ at 2008年01月20日 15:39
多重人格状態だからといって必ずしも解離性同一性障害とは限らない。
解離性同一性障害以外の病気や障害にも多重人格状態は起こりえるんだそう。
問題なのは多重人格状態だからといって、自己診断、素人診断で自分は解離性同一性障害だ多重人格障害だとネットやリアルの世界で公言している人々やかなりファンタジーな世界をネットやリアルの世界で繰り広げている人々。
多重人格状態があれど、解離性同一性障害であれど、
Posted by ハラナ at 2008年01月20日 15:35
題名の時点で全文同意。
読めてない人は「多重人格≠解離性同一性障害」であることをわかってないと思います。
人格をたくさん持つ人から見れば、そっちが差別です。
題名が釣り?違います。
問題は「解離性同一性障害」という言葉が広まってないことで、
「多重人格=多重人格障害」だと勘違いされてることだと思います。
(かく言う私もここで初めて聞いた・・・orz)
Posted by zyx@ネットと中の人は違う人格でしょ? at 2008年01月20日 09:47
生活で首尾一貫した行動を取れることこそ奇跡なのではないか
Posted by ak47 at 2008年01月20日 07:37
各位、
「多準人格」、まぎれもないtypoなのですが、一つ思いつきが出来てそこで使いたいのであえてそのまま残しておくことにします。
Dan the Typo Generator
Posted by at 2008年01月19日 18:38
演劇をナマでみたことがないのね。
どうやって、メソッドが完成したかも、知らないのね。

本なんてやめて、ナマの人生を楽しんだら?
Posted by あら at 2008年01月19日 17:21
「人格切り替えの時に「引き継ぎ」も行わない」など、あなたの言っていることは正しいですが、解離性同一性障害に苦しむ友人とともに4年ほど過ごしてきた私から言わせると、あなたが使っている「人格」という言葉は軽すぎます。障害者のもつ人格それぞれは、あなたも言うように、まさに「自己に責任を負うことができない」わけですから、あなたの中にいる複数の人格と同一視しないほうが良いのではと思います。本を読んで理解することと、実際に経験することは異なるのです。

また悪気は無いのでしょうが、「解離性同一性障害のレポートは面白いのだけど」という発言は関係者に不快感を与える気がします。
Posted by いつも読ませて頂いております at 2008年01月19日 14:03
自称多重人格のお方

http://plaza.rakuten.co.jp/hitoyasumi9/diary/200510290000/

最近はこちらにお引越し

http://plaza.rakuten.co.jp/puchipuchi99/

上の方なんかはハラナさんのいう多面性を乖離と考え、多面性による社会不適応部分を乖離といっている気がする。
Posted by 通りすがり at 2008年01月19日 11:58
×それでも私が多準人格こそ普通だと考えるに至ったのには
○それでも私が多重人格こそ普通だと考えるに至ったのには
Posted by 九龍 at 2008年01月19日 10:06
×それでも私が多準人格こそ普通だと考えるに至ったのには
○それでも私が多重人格こそ普通だと考えるに至ったのには
Posted by 九龍 at 2008年01月19日 06:56
多重人格はずる賢い患者と馬鹿な精神科医と功名欲の強いジャーナリストによる捏造説。
Posted by   at 2008年01月19日 02:38
多面性と多重人格状態(解離性同一性障害)は違う。多面性は誰しもが持ってるもの。
Posted by ハラナ at 2008年01月19日 02:02
ぷにぷにさんの意見に共感します。

解離性障害といわゆる正常状態との決定的な違いは、
首尾一貫した記憶を共有しているかどうかにあるように思えます。
Posted by 一読者 at 2008年01月19日 00:25
多重人格での問題は、
>問題が起きるのは、これらの人格が、他の人格から「引きこもってしまう」
というまさにその点に加えて、
人格の切り替えが本人にとって明らかに不利益な状況で、本人の意志と関係なく人格が切り替わってしまうこと。
同じ著者の「5番目のサリー」でそんなことが書いてあったような・・・
大昔に読んだからうろ覚えだけど。
Posted by 霜柱 at 2008年01月19日 00:12
病気の定義は何でしょう?
正常と異常の境界はどこに?

医学的に異常とは、基本的に標準(値)からの偏移度が大きいことを意味するに過ぎません。

実際に問題になるのは(すなわち病気として扱われるのは)、症状、つまり、問題として浮かび上がってきたときのみです。

したがって、解離性同一性障害で、困難に直面している人は病気です。
ちなみに、personality disorderの人も同様です。(例外もありますが、社会的要請に過ぎません)

と私は考えますが如何に?
Posted by alfa159SW at 2008年01月19日 00:04
記憶喪失を伴わないと多重人格と診断されないのでは
Posted by ぷにぷに at 2008年01月19日 00:02
×多準人格
○多重人格

私は多重人格というか、
その時々に応じてペルソナ(仮面)を使い分けているのだと思っています。
向き合う人間によって、ペルソナを替えているのだと。
Posted by 九龍 at 2008年01月18日 23:56
都合よく人格の切り替えを行っている人格がいる。
俺は多重人格を認めない。
相手によって態度を変える奴はどこにでもいる。
犯罪的に態度を変えているだけのこと。
Posted by 通りすがり at 2008年01月18日 23:53
プログラマは一人ペアプログラミングとかしているから、多重人格者が多いかもしれない。それに、プログラミングしている時と、していない時は自分でも別人格に思えるしね。
Posted by 未記入 at 2008年01月18日 23:10
俺俺
俺だよ俺
Posted by foo at 2008年01月18日 23:08