2008年01月23日 09:45 [Edit]

書評blogの本当の売り物

本当はもう少し早く書きたかったのだけど、こまごまとどたばたしていて。

今月に入って本blogのAmazonの売り上げがすごいことになっています。

404 Blog Not Found:Amazonアソシエイト決算2007.12
にも関わらず、今月は過去最高を更新しました。それも点数、売上高ともに10%以上。

ところが、その先月の記録を早くも今月13日にアッサリ抜いてしまったのです。


主要因は、二つあります。

年末年始スペシャル

まず大きかったのが、この二つのまとめ記事。

双方とも実によく読まれたのですが、売り上げもすごかった。この二つだけで先月分を売り切っているイメージです。

勝間和代

もう一つが、こちら。

「10倍アップする 新・知的生産術」は、なんと一週間で去年のベストセラーを抜いてしまいました。現在も記録を更新中です。

両者の共通点

かたやまとめ、かたや単独書評なのですが、両社には共通点が一つあります。

それは、どちらも内容の紹介に留まらない、読書体験となっていること。

私が売っていたのは、本(だけ)ではなく、私の読書体験だったのです。

公平さから見れば、こんな不公平なことはありません。書いてある本の内容は同じですが、それによってどんな体験をしたかというのはそれぞれ違うのですから。しかし、独断であろうが偏見であろうが、それこそが読者が欲しているだと結論するに十分なデータが上がってしまったのだからしょうがない。

概要ならば、目次をコピペすればいい。要約すら蛇足というものです。

しかし、読書体験は、読んだものしかわからない。そして、それを追体験すべく本blogの読者は本を買う。

そういうことなのです。

「10倍アップする 新・知的生産術」は、それ自身が著者の読書体験を紹介する本でもあります。というより本書の内容の半分は読書術です。これだけ売れているですから、以下を引用することも許されるでしょう。

P. 152
読書投資法(1) 本は著者との対話。対話しているつもりで読む。

これが、読書を体験するということです。私自身何度も繰り返し本blogで言っていることですが、読書は情報をダウンロードすることではないのです。むしろ脳内リンクしたりアンリンクしたりといった感じの、ウェブサイト構築に似ているのです。知的生産とは、脳という畑で作物を育てる行為で、読書はその畑を耕す行為。内容という「肥やし」はもちろん必要ですが、肥やしをまけば作物が育つかといったらそんなことはありません。それを耕してすきこまないと駄目なのです。

「晴耕雨読」といいますが、これは本当は「晴耕雨耕」なのです。耕している場所が違うだけで。

書を語るな、体験を語れ

以上を踏まえると、他の書評blogに対するアドバイスは上のとおりとなります。

もちろん体験を語るには、それに対応する「書」も自然と語ることになります。しかし、書評の読者が求めているのは、その本に何を書いてあるかではないのです。それらを語るのは、著者のblogであったり出版社の紹介ページであったりAmazonをはじめとするオンライン書店の該当ページの役割であってあなたの役割ではない。

あなたの役割は、それを読んだことによってあなたに何がおきたかを紹介することなのです。

今後とも、おたがいに実り多き読書体験が得られることを願います。Happy Reading!

Dan the Bookworm


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この記事へのコメント
「書を語るな、体験を語れ」。共感しました。私も自身のブログで「体験を語り、その参考として書を紹介する」というスタイルを貫いております。
Posted by sarikatagi at 2010年11月30日 13:45
はじめまして。以前から楽しく拝読しております。
読みごたえのある内容ですねぇ。応援してます!
Posted by ネット古本屋(本/CD/DVD/ゲーム)店主の快読日誌・お電話1本、送料無料の高価出張買取「楽本便」の犬太郎 at 2009年09月03日 12:20
読書体験というより、

読書と実体験の、インタラクティブ性を
ライブで売ってるということじゃないっすか?


ビジネス経験のない学者さんの
ビジネス書評は、
そういう意味で、役にたたない。
Posted by higekuma3 at 2008年01月23日 12:46