2008年01月26日 01:15 [Edit]

多様性は単純な器を好む

それが正しくないからこそ、

レジデント初期研修用資料: 幸福の複雑性
社会の「成功」を、富の大きさで判断することは正しいんだろうか?

以下も正しくない。

個人的には、そんな「漁礁」を、地域貨幣の導入で作れるように思う。

生態系で「一つの世界」をやろうとしたら、川床はジャンボタニシで埋め尽くされて、カブトムシやらモンシロチョウやら、昆虫類はアメリカゴキブリに食い尽くされる。「勝者が全てを得る」グローバル社会は、たしかにその土地が生産するたんぱく質の総量を増やすけれど、ジャンボタニシとゴキブリしかいない森を見て、「豊かな自然でしょう?」なんて胸張れるのは、オリックスの宮内会長ぐらいだと思う。

ところがそのジャンボタニシもゴキブリも、もちろん我々も、DNA-RNA-タンパク質という共通のアーキテクチャーで動いている。かつてはそれ以外のロジックもあったはず。しかしその頃と今とを比べたら、今の方が圧倒的に生物圏は多様なはず。

ネットもしかり。かつてはTCP/IPの他にもさまざまなネットワークプロトコルが乱立していた。その頃に比べて、今のネットの方が多様性に劣るという人はいるのだろうか。

多様性には、それを保持するためのコストがかかる。器のコストもその一つ。それなら「何でも盛りつけられる」器が一種類あるのが、最も経済的。

それが、生物が40億年かけて、そしてネットが40年かけて証明したこと。

地域通貨というのは、それが「通貨」であるかぎり早かれ遅かれ為替屋が出現し、そこに利潤が吸い上げられてしまう。短期的には地域通貨はその「地域」を保護するだろうけれど、長い目でみれば活力は為替屋に吸い上げられてしまう。ユーロが成功した、というより欧州が通貨の独立を諦めざるをえなかったのはそれが理由だと考えている。

逆説的になるが、地域通貨、というか、その「地域」にのみ通じる価値交換システムは、いかに為替屋の成立する余地をなくすかが決め手となる。たとえばはてブ数というのは、ブックマーカーどおしの価値交換システムではあるが、譲渡不能である。私はmedtoolzさんに十万円を送金することは出来るが、十万はてブを送付することはできない。はてなスターに至っては、誰でもいくらでも「発行」することができるが、これまた譲渡不能だ。

このあたりのところは、まだ私の中でももやもやしていてまとめ切れない。ので今は「多様性は単純な器を好む」ということを紹介するに留めておくことにする。

Dan the Priceless


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この記事へのコメント
…成長を無視して多様性を議論しようとするからモヤモヤするのではないでしょうか。
Posted by rijin at 2008年01月28日 10:04
地域通貨が本当に「通用する」多様性をもった通貨になったら、商品を買うように、他の通貨に交換可能になるんじゃないかなぁ。金券ショップとか。

為替屋が何をさしてるのかわかんないけど、あらゆるビジネスはサヤ抜きの要素があって、利便性を提供するかわりに利益をとってるんじゃない?為替屋が極端な価格決定力を持っていて、意図的な操作を加えるって話なら別だけど。
Posted by とーりすがり at 2008年01月28日 00:24
現在のグローバリズムは全部まっ平らに埋め立てるのではなくて、「権利のやり取りの決め方を多数決にしましょ!」ってことだ。
これは非常に不公平なやり方。
Posted by EMANON at 2008年01月26日 22:30
>為替屋が出現し、そこに利潤が吸い上げられてしまう。

どうやったらこういう歪んだトンデモ経済観が醸成されるんだろう。
Posted by l at 2008年01月26日 17:15
地域通貨もそうだけど、何とかポイントとか何とかマイレージとか、気が付けば、融通利かない会社発行限定通貨が無数にできてうざいことこの上ない。結局発行にかかる過程で資源の無駄遣い。消費者のほとんどは全部使いそびれるから結局損だろう。
Posted by 佐藤秀 at 2008年01月26日 09:46
DNAをプロトコルとして解釈する発想はありませんでした。。
SF読みとして反省することしきり。

地域貨幣制度から利潤を得てしまう為替屋さんは、日本だと
ヤ○ザの人達の格好の利権になってしまうんでしょうね。

このあたり、実際に地域貨幣制度を回してる人達がどうやって
解決してるのか、知りたいところです。

Posted by medtoolz at 2008年01月26日 08:18
一行目が引用の後でないと、わかりにくいです。。
表題が正しくないのかと思っちゃいました。

通貨については賛成です。
為替屋が米国だったわけですが。

固定相場制は、ペッグ先と自国の通貨の価値が均衡するように供給量を調整しない限り、長期的には破綻します。
日本がやっているように自国の通貨を安売りすることなら可能ですが、独裁国の公定レートのように、身の丈以上のレートを長期にわたって維持することは不可能です。無い袖は振れません。
Posted by Yugo at 2008年01月26日 02:45