2008年02月19日 17:00 [Edit]

書評x2 - 800字を書く力/時速1000字で書く技術

「時速1000字で書く技術」はすばる舎の荒井様より献本御礼。「800字を書く力」の方はジバラン。

800字と1000字という違いはあるが、どちらも1ページ分の文章を書くにはどうしたらよいかということで共通している。


で、どちらも書き方のコーチが書いた者なのだけど....

不合格。「800字で書く力」、50点。「時速1000字で書く技術」、20点。

ただし、「読む力」がすでにある人に対する書き方入門としてなら、どちらも合格。

「時速1000字で書く技術」目次 - 総合出版/すばる舎時速1000字で書く技術より
序論 「時速1000字」で書くための大前提
第1部 「時速1000字」を実現するための基礎固め
第1章 書くべきことを定めよう
第2章 わかりやすく書く技術を磨こう
第3章 正確に書く技術を磨こう
第2部 「時速1000字」を極めるための最終工程
第1章 文章作成の効率化を図ろう
第2章 「時速1000字」の実況中継
「800字で書く力」目次 - Amazonより
序章 学校で国語を学ぶ意味
  1. 言葉はなぜ必要か
  2. 人はなぜ文章を書くのか
第一章 「書くこと」の仕組み
  1. 人は絶えず「振り返る」
  2. 文は何かが足りない形をとる
  3. 文章は「書くと書ける」
  4. 恋文のカラクリ
第二章 800字を書く
  1. リレー作文を知っていますか?
  2. さて、最初の一文をどう書き出すか?
  3. 書くことに、感性や想像力は必要ない
  4. 「気になる一文」
  5. なぜ最後まで読んでもらえないのか
  6. 不足に気づく力
  7. 文章に不可欠な「展開の妙」
  8. 800字書けば、言いたいことは伝わるのです
  9. 「起承転結」は必要ない
  10. 壊すということ
  11. 文学の話法
  12. リレー作文がうまくいった理由を考える
第三章 言葉をどう自分のものにするか
  1. 言葉を実感する
  2. 具体と抽象
  3. 「ニュートラルな場」としての読み書き
第四章 「書ける」ようになるための読み方
  1. 読めない人の「読み方」
  2. 読みが完結するとき
  3. 国語という教科への誤解
  4. 通読してはいけない
  5. はじめが肝心
  6. 疑問と待ち伏せーー読み方の基本姿勢
  7. 話の先を予測する習慣
  8. 文章の切れ目は、どこ?
  9. 読解問題に挑戦してみよう

なぜか。

どちらも読書量に対する言及がないからだ。

よく書く者は、それ以上によく読む者である。古今東西を問わず、このことに例外はない。書きたかったら、それ以上に読むしかないのである。その点、「すぐに稼げる文章術」は、書き方を教える者ではなく書いた文章そのものを売りにする人の手によるものだけあって、この点をびしっと抑えている。

「800字を書く力」の方は、その点に関しては惜しい。少なくとも「読み方」に関して一章きちんとあてており、しかもこの一章は本書の中で最も力が入った一章であり、その内容は大いにうなづくところがある。

しかし、著者の指摘は、「質」に留まっている。それより実は重要な「量」に関する指摘がない。書く量に関しては、「800字」というすばらしい洞察をしておきながら、読む量に対する洞察がないのでは片手落ちもよいところである。

書きたかったら、読め。

これが書き方入門の第零法則だ。

それではどれくらい読めばよいか。日垣隆は「棚一杯の参考文献がたまると一冊書ける」と言っている。福田和也は「ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法」と本のタイトルにまでしている。この読/書比は、他の文章にも応用が利くと思う。A4一ページ分の文章を書くには、本2,3冊分の入力がどうしても必要なのだ。

ただし、それが出来ている人であれば、どちらもかなり使える。逆に「時速1000字で書く技術」の方が、「あとは書くだけ段階」の人には向いているように感じた。だから読む順番としては「すぐに稼げる文章術」、「800字で書く力」、そして「時速1000字で書く技術」だろう。この三冊をこの順番で読めば、あなたも1ページ分の読書術レポートを書ける....はずである。

大事なことなので繰り返す。

書きたかったら、読め。ひたすら読め。書かずにいられなくなるまで、読め。

書き方を習うのは、その後でも構わないし、習わなくても書ける。

しかし、読まない者に書く事はできない。これは永遠の真理である。真理であるが故に「すでに書くのが苦でない人々」からは忘れられがちだが、「まだ書けない」者にとってそれ以上切実な真理はないと弾言しておく。

Dan the Writer


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この記事へのコメント
むかし、友人の森くんは
数学の難問を鉛筆が見えないほどの
スピードでといていました。
それを思い出しました。
Posted by とらば at 2008年02月20日 01:03
いいプログラムを書きたければ、プログラムをたくさん読め。
いい文章を書きたければ、文章をたくさん読め。

まさにその通りだと思います。
Posted by だめログ at 2008年02月19日 22:54
この点をびしっと抑えている。
→この点をびしっと押さえている。
Posted by もり at 2008年02月19日 19:15
その通りですね.
Posted by Joah at 2008年02月19日 18:12
同意
Posted by NED-WLT at 2008年02月19日 17:32
目次を除き自分の書評の文字をカウントしたら「1,000字」くらいでしたねえ。
Posted by blog49 at 2008年02月19日 17:32