2008年02月27日 16:30 [Edit]

自己責任から自己権利へ

syncは就職氷河期世代として、2001年に今の会社に入社して約7年。
いわゆるロスジェネ世代のまっただ中です。年齢は32歳。
入社直後は部長1人、課長3人、主任3人、平10人というスリムの部署で、やりがいのある仕事をしていました。
しかし、入社して2年目に部署統廃合があり、40人いる部になりました。
そのうち、部長3人、課長17人、主任10人、平10人という逆三角形型の部署になりました。

この「ロスジェネ」って言葉、「ロスを生成する」にどうしても聞こえてしまうのだけど、それはさておき。

一つ聞いておきたいのは、なぜこの入社二年目の時に辞めなかったか、ということ。

逆算するとこの時、君は27歳。転職適齢期だ。

こんないびつな組織が回らない、というのがわからなかったのだろうか。

それとも、転職が怖かったのだろうか。

どんな国の、どんな時代に生まれてくるかは選べない。自らの出生は、確かに自己責任ではない。

しかし、どんな会社にどのように勤めるかは、選ぶ事が出来る。

その意味では、君の今も過去の君が果たした、あるいは果たしそびれた自己責任の結末ではある。

余談であるが、私が地域格差に冷淡なのも、転居の自由が憲法で保証されているからだ。中国みたく、都市戸籍がなければその都市に住めないというのであればとにかく、日本はそういう国ではない。いやなら引っ越せばいい。自由がある以上、その自由を行使した結果、すなわち責任も我々にある。

自己責任。これまた変な言葉だ。責任というのは、責任を任せるものと引き受ける者の二者がいてはじめて成立する概念だが、それであれば自己責任というのは、自分のことを自分でやって、その結果を自分で受け止める、ことのはずである。しかしそういう意味で「自己責任」という言葉が使われているところをめったに目にしない。

「会社が押し付けた責任を、いやいや引き受けた結果、壊れました」。これは「責任」ではあっても「自己責任」ではないはず。自己責任というのは、自ら会社と戦うなり辞めるなりして、その結果を受け止めることのはずだ。

やむなく内部告発することに。
結局、退職を余儀なくされることになり

厳しい言い方だけれども、君は今の君の境遇を会社という他人のせいにしたくてしょうがないようだ。

そのまま行けば、多分次の会社でも「やむなく仕事をした」あげく「退職を余儀なく」されることになるのではないか?

まずは、「責任」という言葉を一端忘れて、「権利」を行使しているのだと考えてみてはどうか。「私はこの会社で働く責任がある」のではなく、「私はこの会社で働く権利を行使している」のだと。それだけで、世の中の見え方がだいぶ変わってくるはず。自己責任ではなく自己権利。「やむなく」でなく「あえて」、「余儀なくされる」のではなくて「踏み切る」。

「権利を行使する」。それは「責任を果たす」よりもおそらくきつい生き方だ。「他人のせい」という最も手軽ないいわけを封殺してしまうのだから。しかし私の目から見て幸せそうに生きている人々は、一人の例外もなくそうしている。

誰かのせいにしているものは、結局最後には自分のせいにすることに行き着き、ますます自分を追い込む。まずは「他人のせい」にするのではなく、「自分のおかげ」にするべきだろう。単に自尊心が高まるだけではなく、自分の出来ない事をしている他者に対する尊敬も高まる。

s/自己責任/自己権利/g;

さらには s/権利/満足/g;

まずはそこからはじめよう。

Dan the Self(-ish|esteemed|rewarding)


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速水 健朗 / 『自分探しが止まらない』 / 2008-02-16 / ソフトバンク新書 / B- はじめに 毒入り危険。 なせ、帯にこう書いておいてくれなかったんだろう。 読んで激しく後悔した。そして、タイトルに心当たりのある人は、絶対に解毒剤なしには読まないこと! を忠告したい。 ...
[書評] 速水 健朗 / 『自分探しが止まらない』【bookmarks=本の栞】at 2008年03月03日 02:09
 具体的にはid:sync_sync:20080226#1203994412から404 Blog Not Found:自己責任から自己権利への流れの話なんだけど、表題のようなことを考えていたら解雇の不当性を指摘されてて笑った。  いやまあ、不当解雇になってしまうから、問題の従業員が自分から退職願を持ってき
[中難民時代][なぜなに]お前らと違って愚痴る暇があったら手を動かすので食えてる的な主張をする人が具体的なHOWを示さない場合は、きっと法的・倫理的にグレーな業務をしていた経験があると慮って詳しく聞かないことにした【呉市振興委員会】at 2008年03月03日 01:35
結局、成功者は自己責任論で一致した印象を受けました dankogaiさん http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51009734.html 一つ聞いておきたいのは、なぜこの入社二年目の時に辞めなかったか、ということ。 逆算するとこの時、君は27歳。転職適齢期だ。 こんないびつな
[労働]小市民からの回答(本文)【syncのれんあい☆にっき ver1.1】at 2008年03月02日 01:33
404 Blog Not Found:志願兵による戦訓 - 書評 - 独身女性の性交哲学 いやはや、ダンコーガイはここまでマッチョじゃないぜ。ファンのみなさんには申の..
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小飼弾先生が大変にファッキンなことを仰っていた。同じダンでも『バンブーブレード』のダン君とはえらい違いだ。 404 Blog Not Found - 自己責任から自己権利へ 余談であるが、私が地域格差に冷淡なのも、転居の自由が憲法で保証されているからだ。中国みたく、都市戸籍が
[話題]転居することの大きな負担と千早お誕生日おめでとう【HINAGIKU 『らめぇ』】at 2008年02月29日 05:13
自己責任から自己権利へ:404 Blog Not Found http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51009734.html 背景考えるとちときつすぎないかと思う。俺が書くのもなんなんですが。 一つ聞いておきたいのは、なぜこの入社二年目の時に辞めなかったか、ということ。 逆算するとこ
[Text]これは自己責任とちゃうと思うんやけどな【NC-15】at 2008年02月28日 23:25
ロスジェネとか雇用とか(一当事者として)+実際あった出来事 - syncのれんあい☆にっき ver1.1 404 Blog Not Found:自己責任から自己権利へ 狂った会社の社畜になったって、いいことなんかねえよ。 - NC-15 敗残兵から一言(2008-02-27 - reponの日記) 弾氏のように、個人の
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http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51009734.html http://app.blog.livedoor.jp/dankogai/tb.cgi/51009734 http://d.hatena.ne.jp/sync_sync/20080226#1203994412 まず、ダンコーガイ氏の 一つ聞いておきたいのは、なぜこの入社二年目の時に辞めなかったか、という
[think]そうはいっても、採用情勢が上昇したのは昨年度採用からじゃないか。。中途もしかりだよ。【セイコウトウテイ日記(SE うつ病から社会復帰を目指して)】at 2008年02月28日 20:00
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[雑記]僕なんかすぐやめちゃうたちだからなぁ【ITっ子の日記】at 2008年02月28日 05:02
子飼弾さんや僕のように獣道を這い上がって生きていける奴もいれば、いわれた通り真面目に勉強し逸脱しない小市民だっている訳でさ、日本企業の強さってsync先輩のようなひとを大事に育てて馬車馬のように働かせてきたところにあるんだけどさ。 ちょっと時代が違えば僕が碌
小市民も幸せに暮らせる社会へ【雑種路線でいこう】at 2008年02月28日 00:21
404 Blog Not Found:自己責任から自己権利へ 私も就職氷河期世代だから他の世代に比べて明らかに損をしてると思う、確かに。 しかし、いくらそれを嘆いてもしかたないのだ。 でも世代のせい、他人のせいにはしてこなかったつもりだけど、甘さというのはあったように思う。
甘さを控えめに【ウェブ生活】at 2008年02月27日 23:59
404 Blog Not Found:自己責任から自己権利へ 左記より引用 またお呼びがかかってる。 記事は素直に拝見しまして、枝葉末節に脊髄反射しただけなんですけれども。またつまらぬものを書いてすみません。 教えてはてなダイアリーとは - はてなダイアリー はてなダイアリーには
id:dankogaiさんが、「教えてはてなダイアリー」化なさっている件について【どんなジレンマ】at 2008年02月27日 17:39
この記事へのコメント
天之道、損有餘而益不足、人之道則不然、損不足以奉有餘、孰能有餘以取奉於天者、唯有道者乎。
Posted by Memory A. Register at 2008年03月06日 23:48
当時は転職してベターな環境に身を置けるかどうかは50vs50以下だったかもしれんな
今ならもう少しマシだからダンコーガイの言うとおりだと思うけど

Posted by 北原 at 2008年02月28日 13:17
就職氷河期世代で就職できなかった組の者ですが。
どうにかこうにかがんばって正社員になりましたが、氷河期のあの惨状を思い出すと、なかなか転職に踏ん切りがつかないんですよね。
モテない男がなんとか見つけた彼女が性悪だからといってなかなか手放せないのと似てるような?

ちなみにdanさんを召喚する呪文は「ダンコーガイ」なのか「ダンコガーイ」なのか。

Posted by anya at 2008年02月28日 10:04
自分の経験や周囲を見ていても、転職先の方が余程酷い地獄だったということが普通によくあります。
というか、待遇のいい(というより金銭や人間関係含めて常識的な)会社は欠員が出ることは少なく、そういうところの求人には応募が殺到します。
倍率的にいうのは無意味ですが、1,000倍を超えることも珍しくないでしょう。
で、どうなるのか?
そうなると、前の職場と同程度か、あるいは更に酷いところに入らざるを得ない。
そして辞める。
もっと酷いところに……というループが続くわけです。

結局、職歴はぐちゃぐちゃ、大したスキルも付かない、自信もなく卑屈な笑顔だけが唯一の武器、みたいなのが大量生産されていく、と。
Posted by 酢昆布 at 2008年02月28日 00:39
日本じゃ転職は悪(≒雇ってくれた企業を見捨てる)とみなす風土があるからなぁ。
人材紹介への求人でも「転職は1回まで」とか、いわゆる処女信仰がある。
…ま、アメリカ渡ってヴィヴィ言わせてきた人には見えない事情なのだろうけど。

あと、いびつな組織ではあるけど、日本じゃ余り珍しくもない…というか標準なのよね。逆三角形組織って。
Posted by いのな at 2008年02月27日 22:46
> 一つ聞いておきたいのは、なぜこの入社二年目の時に辞めなかったか、ということ。
> 逆算するとこの時、君は27歳。転職適齢期だ

当時の雇用情勢じゃ27で2年しか職歴ないヤツなんて再就職不可能でしょ。
即戦力にもならない無駄に年食ってるだけなんだから。
Posted by   at 2008年02月27日 20:39
いつも応援してます
Posted by まい at 2008年02月27日 18:00
弾さん自身が長野出身だから、何ともいえないのではあるけれど、
地域格差に関しては、確かに都会は転居は容易なのだけど、
田舎には、住居以外に、
墓とか先祖といった、無形の心理的鎖があるわけで、
やはり是正すべきだとは思います。
Posted by 九龍 at 2008年02月27日 17:35
> 一つ聞いておきたいのは、なぜこの入社二年目の時に辞めなかったか、ということ。
> 逆算するとこの時、君は27歳。転職適齢期だ。

「転職が怖かった」に決まってるじゃん。
そもそも就職難が原体験なんだから、「自分は転職適齢期」などと普通に考えられるわけがない。
「退職を余儀なくされた」というのも「次の職が決まってないのに」という意味。
Posted by 氷河 at 2008年02月27日 17:30
ロストジェネレーションといったら、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%B1%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E4%B8%96%E4%BB%A3
こっちを思い浮かべてしまうんだけど、就職氷河期世代のことをそう呼んだりするんですね。
Posted by よう at 2008年02月27日 17:24
使用目的は残業手当の増大?>ロスジェネレータ

英語圏や東海地方に出稼ぎに行かないのは、
そこまで格差が開いていない証明になってしまいますね。
出稼ぎするほどのインセンティブが無いと言いますか。
Posted by コーエン at 2008年02月27日 16:50