2008年02月28日 11:45 [Edit]

ちょっぴり同族嫌悪!? - 書評 - 本は10冊同時に読め!

私は買ってしまいました。昔だったら買わずに

同時に10冊も読んでられるか! - 一本足の蛸
で、二、三ページ読んで「この本はもういいや」と思い、棚に戻した。

としたかも。

それでも著者が社長をしていた会社の往事の製品よりは、「顧客満足度」はよほど高かった。


本書「本は10冊同時に読め!」は、マイクロソフト株式会社(MSKK)元社長の著者による読書術。

目次 - (手入力)
はじめに
第1章 仕事も生活も劇的に変わる!
「速読」かつ「多読」の読書術
第2章 一生を楽しみつくす読書術
人生は、読書でもっともっと面白くなる!
第3章 「人生を楽しむ力」と「読書量」
忙しい人ほど本を読んでいる!
第4章 まずは「同時に3冊」から!
実践!「超並列」読書術
第5章 「理屈抜きで楽しめる」読書案内
私はこんな本を読んできた!

本書は、こんな出だしからはじまる。

P., 4
この本で紹介するのは、「庶民」から脱するための読書術である。

そして、こう断言する。

高所得階級の人間になるか、低所得階級の人間になるか--その境目となるのは本を読んでいるか、読んでいないかの違いである。そもそも二極化の話も、本を読んでいない人にとっては「はあ?何のこと?」という話だろう。そういう人から「庶民」以下の暮らしへと転落していくのだ。

これを見て本書を棚に戻す人は、著者にいわせれば「庶民」ということになる。私が勝手に補完すると、「庶民であることに誇りを持つ人」だろうか。そして本書を買って読む「庶民」のほとんどは、「ドラゴン桜」を読むのと似たような気持ちで読むのではないか。

しかし、著者は元庶民であり、そのことを隠そうともしない。

P. 66
私は大学卒業後、自動車部品の販売会社に入社した。入社して3年間はほとんど服を買ってないし、娯楽にも費やしていない。もともと少ない給料の大半を、本に費やしてきたからだ。
P. 66
結婚して最初の年に、大晦日の日に2人で近くの寿司屋に食べに行ったのが結婚後はじめての外食というぐらいである。

しかし、実はこここそが一番重要なのだが、著者は庶民から脱出するために本を読んでいたのではない。

P. 71

読書に目的を持つな

「目的意識を持って本を読め」というセリフをよく聞くが、いったいどんな目的を持つのだろうかと不思議になる。

庶民から脱出するために本を読んでいたのではなく、本を読んでいたら庶民でなくなっていた、というのが真相なのだ。

振り返ると、私もそうだった。一円でも多く稼ぐことより、一冊でも多く本を読みたかった。それを続けていたら、金は後からついてきた。

そんな著者の読み方は、驚くほど私のそれと似ていた。要点を3つにまとめると、以下のとおりとなる。

  1. バラバラの分野の本を
  2. 同時に
  3. 読み飛ばす

もちろん委細に違いはある。著者は10冊同時に読むが、私は3冊程度。読む速度が速いので、切り替えが生じにくいのだ。それでも漫画なら10タイトル同時読みが出来るしそうしている。「10冊同時読み」で驚いている人は、現在進行中の連載マンガをどう読んでいるだろうか?結果的に同時読みになってはいないか?

そういうことを考えながら読むのは、さすがに目次読みでは不可能だし、よい本は目次で主旨を書き尽くしつつも、「目次を裏切る」本文をちゃっかり書くのを忘れない。その意味で本書は「充分よい」本であった。

どうせ棚に戻すのであれば、そこまで読んでからでもいいのではないか。実際私は貧乏時代はそうしていた。だからわかるのだが、それだけ速く読めてもなお、本は買った方が安い。勝手な場所で読めるからだ。ジュンク堂なら立ち読みどころか座り読みさえ可能だが、さすがにトイレ読みは出来ない。「本屋読み」や「図書館読み」では、「すきま読み」が出来ないのだ。食後に爪楊枝を使うがごとく本を読む。爪楊枝のようにカジュアルに読むには、文字通り手に入れておくのが一番よい。

しかし、ここまで似ていると、うなずきを通り越して自己嫌悪すら禁じ得ない。しかし好む好まざるとに関わらず、著者や私の読み方が結果論的に「脱庶民的」であるのは確かなようだ。

庶民であることに飽きたあなた、本はいかがですか?

Dan the Bookworm


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まずは、名著との出会い。 もともと本はあまり読まない方だった。 コピーライターになりたての頃は「普段の仕事でも書いたり読んだりしているのに、これ以上活字に囲まれたくない」なんて思っていた。 ときどき売れ筋の本に目を通す程度。 そんな僕の読書量が急激に変わった
[ひとり言]並列多読は、本と本をリンクさせる。【candy296*69】at 2008年02月29日 23:16
本は10冊は無理でも、 読みたい本は買ってきてしまうたちで、 一片にというかいつか読もうと ちょっとたまってます。
10は無理でも9マスで考える【pandoraboxs】at 2008年02月29日 11:57
マイクソフトの日本法人元社長の成毛眞氏による「本は10冊同時に読め」のご紹介です。 私も、他人に話すと驚かれますが、併読派です。つ??.
「本は10冊同時に読め!」成毛眞【貸倉庫@埼玉県 瀧田倉庫産業 社長のブログ!】at 2008年02月29日 09:09
先日読んだ(→これ) 成毛眞著『本は10冊同時に読め!』の書評をdankogai氏が書かれました。 ▼404 Blog Not Found:ちょっぴり同族嫌悪!? - 書評 - 本は10冊同時に読め! 《庶民から脱出するために本を読んでいたのではなく、本を読んでいたら庶民でなくなっていた、という...
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本は10冊同時に読め!(書評・感想)【blog50-1】at 2008年02月28日 14:37
この記事へのコメント
庶民うんぬんよりも、著者が言いたいのは、読書が人生を豊かにし、それによって人生を楽しむことができるってことが言いたいのではないかと感じました。
Posted by ふら at 2009年01月17日 05:35
MSKK在籍時代の人格攻撃になってるamazonのレビューが多すぎる。
それは「書評」ではないだろうに。
Posted by コーエン at 2008年03月01日 13:11
日経BP に"本は「トン」単位で数えます"なんて記事がありましたね。
で、"ビジネス書は読まない"というのが面白いです。
Posted by WindKnight at 2008年03月01日 07:38
『読書』=『レベルアップ』に固執している言われが。。。
『必殺技』を極める為でなく、『基礎体力の底』の
レベルアップという意味でしょ?
『小パンチ』が『小6パンチ』になるみたいな。

その底辺が『仕事』なり『恋愛』においての
単純攻撃に密かに『気』(ドラゴンボール的ですいません)
を含める感じな気がします。

『読み飛ばす』というのも、
『固執/従順』ではなく『permit/deny』で『answer』でしょ。
Posted by 斎喜 at 2008年02月29日 23:01
この本にしても、弾氏にしても、どちらも個人の体験談の域を脱していないのが問題ですね。統計でもあるんならば話は別ですが。統計がないのならば「本を読む」と「脱庶民階級」の関連のメカニズムを明らかにしてほしいです。

ひょっとしたらサラリーマン金太郎みたいな人がいるかもしれません。
Posted by くまさん at 2008年02月29日 13:37
何にしても読まないよりは読んだ方がいいって話ですね
Posted by コーエン at 2008年02月29日 11:36
まあ、しかし、本も読まずに貧乏脱出は難しいんじゃないの。
読めば必ずってことはないし、読んでいるうちに価値観が変わって貧乏上等ってことになるかも知れないけど、読まなければ始まらない。
Posted by じょりちょこ at 2008年02月29日 11:12
読書するほど庶民の方がイイと思うようになったけど。
Posted by 名無し at 2008年02月28日 23:55
>庶民から脱出するために本を読んでいたのではなく、本を読んでいたら庶民でなくなっていた、というのが真相

要するに本をよむのも大事だけど、読むだけではダメ。
特に本を読むこと自体が目的になってるのは論外。

蓄積を金に、庶民から脱出する力に変えるためには
それ以上に大事なものがあるってことでしょうか。

「バラバラの分野をよむ」というのはそのあたりにかかわるんだろうけれど、もうちょっとだけ突っ込んだ説明が聞きたいと思います。

本を読むこと自体が目的になってる庶民的な人生を楽しんでいる身としては
これだけでは「フーン」としか思わない
Posted by しま at 2008年02月28日 18:14
食わず嫌いで買わなかったが、さっきこのエントリきっかけで買ってよんでみた。

面白い!

本書を読んでるといろいろな読書の可能性を感じて、これからの読書がもっと楽しめる気がする。
Posted by 越 at 2008年02月28日 15:40
風呂読み 寝床読み ランチ読み などなど
いろんな分野の本を読みたいと思ってはいるのですが、友人に言わせるとやっぱり傾向があるようです。
「献本御礼!」・・・でも書評するかしないかは私の自由だ!
と言ってみたいものです。
Posted by マリンゾウ at 2008年02月28日 14:43
で、同じような読書をしてきた人で、俺は庶民のままだぞって人はイナイノ?
Posted by ななしん at 2008年02月28日 13:40
お金を儲けたから書けたのか
本を読んでいたから儲けたのか

庶民が悪いのか
読まないから庶民なのか・・・
Posted by 心 at 2008年02月28日 13:16
 私もけっこう本は読んでるつもりだけど、お金は全然ついてきません。読み方が足りないのだろうか。

>バラバラの分野の本を
まあけっこういろいろと見ていると思う

>同時に
今読みかけの本は4・5冊?読み終わっていないまま放置の本は数十冊で、これは読みかけとは言わないだろうな。そのうち読もうとは思っているのもそこそこありますが。

>読み飛ばす
これが問題かも。気に入った本は何回も読んだりして、読み飛ばしにならないのが多いような。


Posted by Pepper at 2008年02月28日 13:06
ただ単に読書が好きって事で良いんだと思いますよ。
それで、色んなジャンルを平行読みすると、もっと面白いかもしれないですね。
Posted by 涼 at 2008年02月28日 12:55
自分が本を読むのは、ただ単に読書が好きだからって理由しかないんだけど、浅いのかなぁ!?
Posted by 太麿 at 2008年02月28日 12:48
原因と結果が逆なのでしょう。
「本を読む行為は金と時間がかかる割にリターンが少ないと感じる人」=「庶民から脱出できない人」なのでしょう。
Posted by 挧 at 2008年02月28日 12:40
庶民って低所得階級のこと?
これを読んで本を読み出す人は、読書の目的=金儲け な人かな。
目的を持たずに行動を起こすのは難しいなぁ。
Posted by 本を読まない人 at 2008年02月28日 12:32