2008年03月10日 01:00 [Edit]
最高戦略責任者 - ハーバード・ビジネス・レビュー2008.04
こちらも3月10日発売のハーバード・ビジネス・レビュー。なぜかうちでは週刊ダイヤモンドよりも売れている。
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そう。今月号は単刊買いしてもいい、実に「日本向け」の内容なのだ。
それが今月号の特集、「最高戦略技術者」、Chief Strategy Officer。これ、今後の日本の企業に実にしっくり馴染みそうな役職なのだが、まだ導入ケースが少ない。
グローバルスタンダード、かどうかはわからないが、現代における企業統治というのは、株主に仕える「役員」と、会社に仕える「執行役員」とに分業しているようになっている。CEO = Chief Executive Officer というのは、実は役員ではなく執行役員のボス。役員の長は Chairperson = (議長|会長)と呼ばれ、CEOがかねている場合もあるが、兼ねていない場合もある。
CEOのみが役員と執行役員を兼ねているというのが、近年の企業トップのスタイルだが、そのCEOがやたら忙しくなったため、Cの機能を分散するというのもまた最近の傾向。COOだのCIOだのCTOだのいろいろなChiefが出来たが(私もその一員だった。役員も兼ねてたけど)、うちCSOというのは、執行役の仕事のうち「戦略」を担うものを指す。
このCSOが面白いのは、CEOを始め、他のCが「外様」であることが珍しくないのに、米国企業においても「プロパー」、すなわち内部からの生え抜きであることが多いこと。同誌によると、平均在任期間もCEOの5年に対し8年と長い。
日本でも「外様」のCが増えて来たが、それでも全てを外様化するほど日本の重役市場は流動化していない。生涯一社という人も少なくない。肩書きだけの「〜長」は論外だが、実力も備えたプロパーの担うべきポジションとして、CSOというのは最適のように思える。
このCSOという役職、名前だけ見ると「戦略的提案をしたら、あとは人にまかせる」というように見えるが、そんなことはない。本誌はCSOとは何なのか、どんな特徴を持つのか、どんな役割が期待されているのかということを実例を交えながら詳細にレポートしている。企業幹部であれば、導入の是非はさておきCSOなるものが何なのか覗いてみてもいいのではないか。
もう一つ、日本向けというか日本受けなのが、「ストラテジック・インテント」。これ実は、1989年の論文である。日本や韓国の企業が、どうやって米国企業を打ち負かしていったかのレポートなのだが、その核となっているのがこの言葉。直訳すると「戦略的意思」とでもなるが、実は日本企業の多くが言語化しない形で持っているであろうこれを、もう一度見つめ直すいい機会である。
それにしても、さすが1989年、と大笑いしたのが、以下。
P. 114経営陣をカリスマ視する風潮を助長する要因は、もちろん他にもある。「クライスラー中興の祖、リー・アイアコッカ」、「オリベッティを再建したカルド・デ・ベネデッティ」「アップルを救ったジョン・スカリー」など、有名経営者を神格化する動きも、その一つである。
この論文の視点から今のアップルを見てみると、面白さ倍増ではないか。
Dan the Harvard Business Reviewer


