ピンポーン。ベッドから飛び出してインターフォンへ「はい?」
初出2008.03.13; 販売開始まで更新予定
「SWQ便です」「むぁ、ふぁーい」
ピンポンピンポーン。およ、もう玄関だ。「今行きまーす」
「お荷物こちらになりまーす」ん、また献本か、え、オライリー?オライリー!もしや!
ベリベリ「あ、やっぱり!!」「すみません、先にサインを」
失礼しました。というわけでオライリー矢野様より献本御礼。
本書「プログラミングGauche」は、文字通りGaucheプログラミングの本、でGaucheとは何かというと、Practical、つまり実践的なschemeの実装。で、schemeって何かといえば、うーん、誤解を恐れずに言えば、全てのプログラマーの心の故郷。
目次 - oreilly.co.jp -- Online Catalog: プログラミングGaucheより抜粋
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PerlにしてもPythonにしてもRubyにしてもJavaScriptにしても、あれこれやっているうちにいつかSchemeにたどりつく。素人とはとても言えない人たちが、毎週素人くさいSICP読書会をやってたり(うち月一回は拙宅が会場)、OS作っている人がいつの魔にshellをscheme化していたりというのには訳がある。「Scheme生まれ」でなくても、いつの魔にそこにたどりつく。それがScheme。
なのに「Scheme生まれ」、すなわち Computer Science の手ほどきを Scheme で受けた人々(実は私もそうだ)が何で「出家」、いや「還俗」してしまうかといえば、その理由、いや言い訳が「Schemeじゃ飯食えないじゃん」というもの。「Webページをどうやって読み書きするの?」「正規表現って使えるの?」「括弧ばかりで読めませんorz」....
「だったらSchemeでそういうこと出来るようにしたらいいじゃん」と立ち上がったのが、shiroこと川合史朗。「Perlに頼らずとも、Schemeだけで仕事ができるようなSchemeがあればいいじゃん」ということで彼が書いたのがGauche。
しかし、「ないのなら つくってしまえ オレ処理系」というのはサイヤ人ならOKでも「ふつうのプログラマー」はそうはいかない。「ないのなら 出るまで待とう 動物本」あたりが、スカウターが一桁の地球人というものである。
本書は、まさにそういう本だ。本書の内容をきちんと学べば、サイヤ人は無理でも天下一武闘会でいいところまで行けるようになるはず。
本書はまた、SICPのこの上ない副読本にもなる。SICPはあくまで「schemeでコンピューターを学ぼう」という本であり、実のところschemeという言語の教科書としてはイマイチ。その意味で同書は諸刃の剣で、「schemeすげー」と目覚める子がいる一方、「schemeって黒板に書く言語だよねー」、すなわち「学習には向いていても実践には向かない」だとか「λλλ....ついていけない人がとぼとぼと立ち去るの図」だとかという誤解の理由の一つともなっていることは否めない。
それにしても、500ページ強で3,360円とは、オライリーにしては勉強してくれた。実はこのページ数って、目次を見ての通り内容と比較すればかなり少ないのだけど、カヴァーしている範囲は1000ページ超えのラクダ本にひけを取らない。ラクダ本ほど分厚くなっていないのは、まだGaucheが若いから。いずれはラクダ本やヘビ本のように太っていくのだろうか。でもそれは避けてそちらはCookbookに期待。
とりあえず一時間ほどフムフムヌクヌクアプアアさせてもらったけど、至福の一時間でした。それにしてもこの名前は反則!萌え死ぬ!フムフムヌクヌクアプアアフムフムヌクヌクアプアアフムフムヌクヌクアプアア....[誰かCtrl-Cを押して上げて下さい]
'(dan the occasional schemer)
週一にしてくれてもいいですが....。