2008年03月29日 05:30 [Edit]

2008年度の新社会人が読んでおくべき12冊

本当はもっと早く出したかったのだけど、三月は暇貧乏で。おかげですっかりマインドマップ的読書感想文に先を越されちゃいましたが、春休みはまだ残ってます。

には入っていない本のうち、特に新社会人に有用だと感じた本を集めてみました。余裕があれば上記で紹介されている本も目を通しておいて下さい。


ここでは、4つのテーマ、「先輩たちの意見を聞く」「上司を読む」「自分を鍛える」そして「明日の社会に備える」に対し、それぞれ3冊づつ選んでいます。

先輩たちの意見を聞く

すでに就職活動でさんざん先輩の話を聞いた、という方もいらっしゃるかも知れませんが、その先輩達もまた就職活動しているのが現代。ここで改めて彼らの話を聞いておいてもよいでしょう。

勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド

404 Blog Not Found:過去の恥こそ誇り - 書評 - 勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド

で、インディとは何か? Independent から著者が造語したものであるが、箇条書きをそのまま移すと

  1. 年収600万円以上を稼げる女であること
  2. 自慢できる夫または恋人がいること
  3. 年をとるほど、いい女になっていくこと

となる。対語は「ウェンディ」。

本書は女性の若手社員に向けて書かれてはいますが、本書で紹介された心がけは、男女を問わず適応可能なものばかり。また、対語である「ウェンディ」は、「夫に依存」ではなく「会社に依存」と読み替えても成り立ちます。就職してこれで晴れて「ウェンディ」になれると思ったら大間違い。現在の会社が大小を問わず求めているのは「インディ」なのですから。


3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

これをお読みの新社会人のあなた方のうち4割以上が3年以内で辞めることになりますが、その先がどうなっているのかを知っておくのは、辞めるにしても留まるにしても役にたたないわけがありません。

404 Blog Not Found:Boys & Girls, Be Selfish - 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか。
そう、ワガママ。これこそが現状打破のキーワードとして著者が掲げたものである。著者をワガママにおいて上回ることにかけては自信のある私も、これは正しいと弾言する。

あなたはワガママになれるでしょうか?あるいはいられるでしょうか?それが問われるのが社会人でもあります。


おもてなしの経営学

404 Blog Not Found:ペア書評 - おもてなしの経営学/パラダイス鎖国
そこにはいかに読者を慶ばせようかという仕掛けがたくさん用意されていて、作りの「雑」ささえむしろ心地よい。少々失礼なたとえであるが、気の置けない友人宅にふらっと立ち寄ったら、その友人がいやな顔一つせずに残り物をさっと料理をしてふるまった、そんな気さくな雰囲気だ。

誰もが中島聡のようにふるまえるわけではないかも知れないけれども、どうせならこうふるまってみたいと思わせる一冊。インタビュー記事、特にサム古川との対談はお見逃しなく。


上司を読む

自営を始めたのでないかぎり、あなたには上司がいるはずです。また自営の場合でも、客がいます。「敵」を知り己を知れば、百戦して殆からず、です。

はじめての課長の教科書

「今後の理想のミドルマネージャーがどうあるべきか」を語ったのが本書ですが、その課長が対面する問題の一つがあなたです。課長の期待が何であるかを知っておけば、やるべきことはおのずと明らかになります。

また、肩書きを問わず、昨今の社員の仕事は「課長化」が急速に進んで来ているようにも思えます。

404 Blog Not Found:平社員のあなたが、「はじめての課長の教科書」を読むべき3つの理由
課長でなければ社員にあらず。
好む好まざるとに関わらず、そんな時代がやってきている。

「敵を知る」ためだけではなく、「己を知る」ためにも有用な一冊なのです。


「バカ上司」その傾向と対策

上司が「課長の教科書」どおりなら申し分ありませんが、現実はそううまく行かぬもの。本書で対策しておきましょう。

404 Blog Not Found:ペア書評 - 我慢するな!部下は堂々と叱れ/「バカ上司」その傾向と対策
もう一つは、姿勢が間違っていることを自覚しているくせに、知らん顔してそれを直そうとしない大バカ上司です。これをウルトラ・スーパー・バカ=「USB」と命名します。USBとは、パソコンと周辺機器を繋ぐ企画の一種ですが、USBメモリーなどに採用されて普及しています。職場でウルトラ・スーパー・バカとは言えないでしょうから、USBとでもしておけば、当の本人は気がつかないでしょう。

あなたがUSBにあたりませんように。


上司のモヤモヤ

あなたが上司に悩んでいる以上に、上司は部下となるあなたに悩まされるもの。その苦悩をあらかじめ知っておけば、あなたも上司も楽になります。

404 Blog Not Found:目の鱗と腹筋を鍛えるビジネス本 - 書評 - 上司のモヤモヤ

Q: 経営学の本でお勧めのものがあれば 教えて下さい。

お相撲さんが「相撲学」の本を読むでしょうか。プロ野球の選手が「野球学」の本を読むでしょうか。読みませんよね。どうしてでしょう。ありていにいえば、まったく役に立たないからだと思います。

本書は上司学ではなく、上司楽の本です。


自分を鍛える

当然のことですが、会社はあなたの今の実力がそのままであることには満足しません。これは新卒、中途を問いません。現状の自分自身に満足してよいのは、リタイア時であるとまずは心得てください。

国語算数理科しごと

小学生でも読めることを目指して書かれた一冊ですが、大人が読んでも恥ずかしくない一冊です。

404 Blog Not Found:仕事、約束、会計。 - 書評 - 国語算数理科しごと
「それで、お父さんなりの仕事の定義を考えてみたんだ。」
「どんな定義なの。」
「仕事とは、「約束を守ること」だと思っているんだ。」

スキルアップとは、突き詰めれば「約束を守る力」を培うことです。報酬はそれについてきます。


「仕組み」仕事術

仕事に不慣れなうちは、どうしても無駄な力が入ってしまいます。仕事力を上げるというのは、その力を強くすることではありません。より効率的な力のかけかたを学ぶことです。

404 Blog Not Found:仕組むか仕組まれるか、それが問題 - 書評 - 「仕組み」仕事術
オビの言葉を借りれば、「才能に頼らない」で、「意志の力に頼らない」で「記憶力に頼らない」で、仕事をするための工夫である。実は仕事ができる人というのは、一人の例外もなくこの仕組み作りの名人である。そして、仕組みに頼らずに成金になれる人は現代においては一人もいない。

残業したら負け、ぐらいに思ってください。ただし、最初のうちは負けを恐れないこと。


数に強くなる

その力というものを目に見える形にしてくれるのが、数です。仕組みをつくるにはまず数を知っておく必要があります。

404 Blog Not Found:書評 - 数に強くなる
本書「数に強くなる」は、技術の伝え方に関しては横綱である畑村洋太郎が、さらに具体的で生活密着度が高く、それでいて難しいとされる「数」に挑んだ本。「数学」ではなく「数」というところが一段難しい。類書は数多いが、その中では本書が最高得点かも知れません。

ビジネスに強くなりたかったら、まず数に強くなりましょう。そして強くなり続けましょう。


明日の社会に備える

以上はあくまで過去と現在の話です。我々がなぜ仕事をするかといえば、未来のためです。未来はどうなるか、そしてどういう風にできるのか。

パラダイス鎖国

日本の現状を「パラダイス鎖国」という実に見事な表現でまとめた上で、このまま鎖国が続くと日本がどうなって行くのかを考察したのが本書です。

404 Blog Not Found:ペア書評 - おもてなしの経営学/パラダイス鎖国
しかし、どちらが「より読まれるべきか」という観点で見ると、評価はさらに一転する。私の気性がより中島より(ここでは敬称略:)ということもあるのだが、むしろ「そういう表現もあるか」、「こういう視点もあるか」という「サプライズ」は「パラダイス鎖国」の方が大きかった。

あなたがいるのはパラダイスですか?だとしたら鎖国を望みますか?


「社会を変える」を仕事にする

どんな仕事も実は社会を変えているのですが、それを直截的にしたのが著者の仕事。あなたの職場がNPOなら本書は必読ですが、著者が遭遇した困難は、NPO固有のものではありません。

404 Blog Not Found:社会人必笑の一冊 - 書評 - 「社会を変える」を仕事にする
これを読むと、なんてかっこいい、二枚目なキャリアだ、と思うが、とんでもない! 起業者自叙伝はオンラインオフラインに溢れかえっているが、著者ほどの三枚目キャラ--少なくとも三枚目であることを包み隠さず綴った自叙伝は空前ではないか。

仕事をしていれば道化とならねば前に進めないときが必ず来ます。そんなとき、あなたはためらわずにそうなれるでしょうか?


前述のとおり、どんな仕事も社会を変えています。それは良い方にばかりとは限りません。

だからこそ、その仕事が社会をどう変えるのかが問われます。そしてこの問いがこれほど切実だった時代は他にないのです。

404 Blog Not Found:次の四半世紀のための問題集 - 書評 - 未来をつくる資本主義
20世紀のビジネスは、確かに貧富の差を拡大し、資源を収奪し、地域文化を破壊してきた。しかしそれを解決できるのもまたビジネスであり、そうしたビジネスこそ、21世紀型の「持続可能なビジネス」であるというのが本書の主張である。

仕事がもたらした悲劇を収拾するのは、仕事をやめることではありません。自殺が人生の悲劇の収拾ではなく放置であるのと同じことです。

原題は"From Obligation to Opportunity"。「誰の」ということは書いていない。

責任を機会にすること。これこそが仕事の醍醐味だということを、一日も早く悟ることを願います。


まとめ

学生と社会人の最大の違いはなんでしょうか?

私は、「責任と自由」と答えます。えらい人のありがたい挨拶では「自由と責任」とされることがほとんどだと思いますが、私はあえて逆に言います。

たしかに責任は重大です。学生ならたかだかテストの点数で済む失点が、社会人では報酬に響きます。回答の重みがまるで違うのです。しかし、社会人にはそれを上回る自由があります。学生ならカンニングにあたる行為は、社会人であればむしろ賞讃される行為。教室でググったら落第かもしれませんが、職場でググらなかったらあなたはググレカスです。どんな知識をどこから仕入れ、それをどう知恵と変えるかは、すべてあなたが決めていい。もちろんどんな本をどのように読むかも。

社会人に、ようこそ。本物の学びが、今はじまるのです。

Dan the Perpetual Learner


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