2008年04月11日 08:00 [Edit]

不味いとは言わせない - 書評 - 米で起業する!

築地書館より、「本が好き!(β)」経由で献本御礼。

ごちそうさまでした。

こんなに美味い本を馳走になったのはどれくらいぶりだろうか。

「続きを読む」をクリックする代わりに、すぐにこの場で書影をクリックして買っていただきたいぐらいの一冊。不味かったら、夕食をおごります。まじで。


本書「米で企業する!」は、第二種専業農家=Farmer 2.0にして日本キヌカ株式会社の代表取締役である著者の自叙伝であると同時に、国際競争力がないはずの米でさえ、利益の方程式が成立することを証明した一冊。

目次 - 米で起業する!より
序文 コメは儲からない!?――杉山経昌
1章 変歴専業農家誕生!
1「専業農家」への道
2専業農家の修行時代
3ふつうの農家からはみ出せ!
4産業廃棄物を宝に変える
5ベンチャー企業の方法論
2章 幸福は、行動の積み重ねだけが保障する
1仕事を楽しく、効率的に!
2自分で選び、自分で稼ぐ楽しい農業
3パラダイム・シフトを見据えて
3章 第一次産業が最先端産業になる
モノから命へ
1農業の無限の可能性
2「幸せ」を提案する産業
あとがき

本書は、脱サラして就農して19年、「農で起業する!」を著したもう一人のFarmer 2.0である杉山経昌の序文から始まる。

P.1
「コメはやめとけ!」、これが私の口癖である。

杉山は、徹底的に経営にこだわった農のプロ。そのプロがやめとけというのが、米である。それくらい、米というのは「商品」として難しいとされている。それがどれほど難しいかは、杉山序文を読んでいただくとして、その米で勝負し、見事に勝ったのが著者である。

農家の末っ子で次男坊として生まれ、農家のかっこ悪いところ、ださいところをさんざん味わって育った著者が、いかにして利益と誇りを勝ち取ったのか、その「走行記録」が本書なのだが、これが面白いのなんのって。

著者も多くの成功者と同じく、生死の境を彷徨った経験の持ち主だが、これがなんとも「バカ」である。虫垂炎だったにも関わらず、タクシー代をけちったあげく(でもなぜか救急車は呼ばず)、山の向こうの病院まで歩いて行ったあげく、虫垂が破裂して腹膜炎をおこし、しかも手術では酒が入っていたせいか麻酔が利かなかったそうだ。

しかし著者の真骨頂は、自分がバカであることを体で知り、知恵に手間暇を惜しまなかったことにある。バソコン簿記教室で「だまされて」PC-9801を買い、「カッコつける」ために経営コンサルタントを雇い、受講料10万円のセミナーのために500kmの道のりを軽トラで乗り付ける....

404 Blog Not Found:10倍どころじゃない - 書評 - 効率が10倍アップする 新・知的生産術
  1. 浪費しない
  2. 投資を惜しまない

これを全身で実行してきたのである。

そう、全身で実行。本書を読んで勝間和代を思い浮かべずにはいられなかった。両社は性別も職業も正反対だが、やっていることがクリソツなのである。

その境地を、勝間は子育てに学び、著者は田んぼに学んだのである。どちらも共通しているのは「自然」。本書の主張の多くは本書の専売特許というわけではなく、勝間本をはじめ自己啓発書にはあらかたかいてあることなのだけど、本書の主張が際立って力強いのは、著者が地にしっかり足をつけているからだろう。ただしその分本書の方がより定性的で大雑把なのはやや否めない。「利益の方程式」をおかずに本書をメシにするとバランスが取れるような感じだろうか。

それにしても、笑いすぎて目が覚めてしまったのが、著者の言葉の選択。まいった。私にクリソツなのだ。

P. 159
ちなみにこの企画のキャッチコピーは、「バカにするより、バカになれ!」だった。
404 Blog Not Found:頭がいい人が成功するたった一つの方法
バカにしている暇があったら、バカになれ!

本書は最高の「答え合わせ」でもあった。

最後に一行だけ「試食」していただいて、本entryをしめることにする。

P. 174
「どうせ」という言葉がダメの本質であること。「どうせ」という言葉を捨てることがこの産業を作り出す第一歩である。

ごちそうさまでした。

Dan the Blog Farmer



米で起業する!
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書評/ビジネス

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築地書館より、「本が好き!(β)」経由で献本御礼。 農で起業する!/農 黄金のスモールビジネス 杉山経昌 どちらが「スゴい」かといえば「米で起業する!」だが、どちらが「役に立つ」かといえば、こちらの方だろう。
ペア書評 - 農で起業する!/農 黄金のスモールビジネス【404 Blog Not Found】at 2008年04月25日 15:30
この記事へのコメント
変換ミスと思われる箇所がありましたので、報告します。

>両社は性別も

両者、でしょうか?
Posted by まじっく at 2008年04月22日 17:00
個人的には勝間本がコメなどの主食で、こちらの本が味わいを増してくれるおかずの方がしっくりきますが。

あるいは勝間先生の本は、あらゆるビジネス成功本に通用する方程式を解いていることから、万能調味料のカレーのようなものってことかな。
Posted by しま at 2008年04月12日 01:58
私の年収を賭けてください。
たった500万ですから、安いものでしょ?
Posted by あほ at 2008年04月11日 19:38
アメリカで起業するって話かと思って「続きを読む」をクリックしたら吹いたw
Posted by 鰻 at 2008年04月11日 13:17
うんうん、賭けるのは夕食ぐらいにしといた方がいいよ。
Posted by e at 2008年04月11日 12:52