安田弁護士にはなんと過酷な日日が続いていますが....

livedoor ニュース - [強制執行妨害]安田弁護士に逆転有罪判決 東京高裁
経営難に陥った顧問先の不動産会社の資産計約2億円を隠したとして強制執行妨害罪に問われた弁護士、安田好弘被告(60)に対し、東京高裁(池田耕平裁判長)は23日、1審・東京地裁の無罪判決を破棄し、罰金50万円の逆転有罪を言い渡した。

これはいろいろな意味でひどい。

この見出しだけ見ると、あたかも被告人は経済犯で、経済犯らしい(凶悪犯と比較すれば)穏健な刑罰なように見えますが、今までの経緯を見ると、素人目にも「なんじゃこりゃ」です。

安田好弘 - Wikipedia - 強制執行妨害事件(安田事件)

主任代理人を努めていたオウム真理教の諸事件公判中の1998年12月5日、安田は、1993年3月~1996年9 月、任意整理を受任した不動産会社スンーズコーポレーション東京リミテッドの代表取締役(懲役1年6月執行猶予3年確定)らと共謀し、差押えの強制執行を逃れることを目的として、同社が所有する賃貸ビル物件2棟のテナントから、賃貸料名目で休眠会社への約2億円の口座振込みを指示して、当然差押え執行がなされるべき財産を隠匿したとする強制執行妨害容疑で逮捕、約10ヶ月間勾留された後に、同容疑で起訴された。この事件は、俗に「安田事件」と呼ばれることもある。

安田の逮捕勾留に際しては、全国から安田の弁護をしようという弁護士が集い、約1200人が弁護人となった。約3000名が抗議デモを行い、日本弁護士連合会やアムネスティ・インターナショナルなどの団体から警察やマスメディアに対し抗議声明が発表された。

第1審において、安田に対して懲役2年が求刑されたが、2003年12月24日、東京地裁は、検察官立証を退け、安田の不動産会社への助言に違法性はなかったとして無罪を判決、検察側は控訴した。

控訴審において、約2100人が弁護人となった。審理において、検察側は、安田は賃料収入を債権者に差押えられぬよう確保することを不動産会社社長と共謀しており、強制執行妨害罪が成立するとして無罪判決の破棄を求め、安田側は、控訴審で検察側は新証拠を一切提出しておらず、安田は違法性のない会社再建構想を示しただけであるとして、原審が示した無罪判決の支持を主張した。

2008年4月23日の判決公判期日において、東京高裁の池田耕平裁判長は、安田の強制執行妨害共謀を認め、第1審(東京地裁)の無罪判決を破棄、罰金50万円の逆転有罪判決を下した。

勾留が10ヶ月、求刑が懲役二年、1審無罪を経て罰金50万円の逆転有罪判決って???

安田裁判QandA
4:法律理論面の争点は何か?

弁護団は、事実の側面だけではなく、法律理論面においても無実を主張している。

第一に、そもそも賃貸人の地位が移転しても判例・実務上賃料債権の譲渡後であっても差押えが出来るのだから何ら「隠匿」したことにはならない。

第二に、差押えのない本事案では、最高裁の判例上強制執行妨害罪が成立するための要件である「現実に強制執行を受けるおそれのある客観的状況」(近迫性の要件)もない。

第三に、強制執行妨害罪の時効期間さえ過ぎている。

それ以前に、素人目には、弁護士が「入れ知恵」した事実そのものが罪、という風に読めるのですが。それが罪になるってことは、弁護士という仕事のかなりの部分が罪になるってことになるってことでは?

私は安田弁護士の弁護スタイルに首を傾げるものの一人ですが、それ以上に現在の司法のお上ぶりに首が傾きすぎて転げ落ちそうです。ガクガクブルブル。

Dan the Skeptic