2008年06月16日 00:00 [Edit]

型の力で肩の力を抜け - 書評 - ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力

ディスカバー社よりいつも通り献本御礼。

初出2008.06.12; 販売開始まで掲載

フレームワークを知悉し、フレームワークで今の地位を築いた著者が、フレームワークを縦横無尽に使いまくって書き、それをベストセラー出版のフレームワーク化に成功した出版社が編集し本にまとめた一冊。

フレームワークに関して学ぶのに、これほどの好条件が他にあるだろうか。


本書「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」は、見ての通りフレームワークの本。

目次 - Discover: ショッピングカートにまだないのでAmazonのものを追補
第1章 「ビジネス思考力」を定義する!
「ビジネス思考力」を定義する!
なぜ今、「ビジネス思考力」が必要なのか
ベストセラーに見る労働環境の変化と市場のニーズ
「教えて君」から脱却しよう!
思考の六つの段階
ブルーム博士の思考の六段階モデル
知識のレベルで思考を止めない!
ビジネス思考力をつけることで得られる五つの果実
ビジネス思考力はコツさえわかれば、日常生活で習得が可能
第2章 ビジネス思考の基礎となる7+1の力
まずは「フレームワーク力」のお話から
基本的なフレームワーク21選!(カラー図解つき)
既存のフレームワークから新しいフレームワークをつくる
書籍の知恵をフレームワークで整理するクセをつける
「○○○力」とは何を示すのか、というと
第3章 一つめの力 論理思考力
論理思考をわかりやすくいうと
そもそも、「論理」って何?
論理思考力を身につけるための三つのテクニック
論理思考力を身につけるための四つの実践方法
とはいえ、「あと知恵バイアス」には注意!
第4章 二つめの力 水平思考力
水平思考力をわかりやすくいうと
デボノの有名な問題
想定した範囲以外から解を出す
水平思考力を身につけるための三つの基本テクニック
水平思考力を身につけるための四つの実践方法
第5章 三つめの力 視覚化力
視覚化力をわかりやすくいうと
視覚化力をつけるための三つのテクニック
視覚化力を身につけるための四つの実践方法
第6章 四つめの力 数字力
数字力をわかりやすくいうと
画像の対極、数字の世界
数字は、正確な情報共有のためのもの
数字を組み合わせる力は創造性につながる
数字力を身につけるための三つのテクニック
数字力を身につけるための四つの実践方法
第7章 五つめの力 言語力
言語力をわかりやすくいうと
言語力を身につけるための三つの基本テクニック
言語力を身につけるための四つの実践方法
第8章 六つめの力 知的体力
思考と実行をつなぐ「評価」のフレームワーク
知的体力をわかりやすくいうと
知的体力を身につけるための三つの基本テクニック
知的体力を身につけるための四つの実践方法
第9章 七つめの力 偶然力
偶然力をわかりやすくいうと
偶然力を身につけるための三つの基本テクニック
偶然力を身につけるための四つの実践方法
最後に
巻末 お薦め書籍・アイテム・URL 50

それでは、フレームワーク(framework)とは一体なんだろうか。

ずばり、「型に」(frame)「はめる」(work)ことである。

それでは「型」だけでもよいではないかという意見もあるだろう。私もそう思わぬでもない。しかし、二つの理由で「フレームワーク」の方がよいと考えている。

一つは、「型」という名詞だけでは弱いこと。

404 Blog Not Found:あなたはなぜ勝間和代に勝てないのか
ここで、著者のblog、「私的なことがらを記録しよう!!」を改めて見てみよう。書評へのリンクを、実につぶさに張っている。ここまできっちやる著者を、私は知らない。強いて言えば見つけた書評を余さずはてブしている梅田望夫だろうか。両者とも、10万部超えの本を複数ものにしている。
端から見て、これはかっこいいとはとても言えない。あさましささえ感じるだろう。そう。あさましさ。健全なあさましさこそが、報われない20%に足りないものの正体である。報われていないのではない。自分に報いていないのである。
あなたは、知的生産というものをなんだかかっこいいもの、「知的」なもの、汗とは無縁なものだと思ってはいなだろうか?
違うのである。「生産」の文字が後ろに付く以上、「知」だけでは絶対に完結しないのである。アウトプットという、どこかの筋肉を動かさなければ完結しない作業が、そこには必ずついてまわるのである。そして、完結しなければ、そこから得られるものはゼロなのである。

ワークなきフレームは、単なる時間と資源のムダでしかない。ワークがあってはじめてフレームが活きてくる。

もう一つは、著者が教えてくれる。

P. 73
 さて、ここまできて、ひとつ気づいたことがあると思います。それは、このフレームワーク、やたらと横文字が多いことです。もともと、フレームワーク自体も英語です。
 理由は簡単で、世界中の叡智の結集として、さまざまなフレームワークが提案され、その中で生き残ったものだからです。人口分布から考えても、日本人が発明したフレームワークと、海外から輸入された英語のフレームワークとでは、後者の方が多くなって当然でしょう。

くやしいがこれには同意せざるを得ない。が、中国語圏のように、外来語をそのまま使うフレームワーク、(そう、まさにこれもフレームワークだ!)がない国もある。そう考えれば、カタカナもまた見事なフレームワークと言える。私自身は不得手なのだけど。

話を元に戻す。なぜ、フレームワークが必要なのか。

それは、フレームなきワークでは、もはやワークとして立ち行かないからなのだ。

実はこのことは「フレームワーク」という言葉が登場する前から我々は知っている。

メタルカラーの時代 5」 P. 24
山根[一眞] 金型はモノ作りの基本中の基本だから...
三井[孝昭] そうですよ。「金型」をよく知らん人には、「芸術作品、美術品以外のモノを作るのは全部、金型だ」というてるんです。人間か人間でないかの違いは、「金型を使うか使わないか」だと。

金型がなくとも製品を作れなくもないように、フレームワークがなくとも、クソ力(brute force)やビギナーズ・ラックで勝つことはそれはあるだろう。しかしそれでは勝ち続けることはおろか、負けを防ぐことも出来ない。フレームワークなきものは、戦闘においてすら不利であり、ましてや戦争に勝つことは不可能と言い切ってよい。

このフレームワークの効用は、何も知的生産に限ったことではない。

404 Blog Not Found:差額は授業料 - 書評 - 「伝説の社員」になれ!
今はどうかわからないのだけど、当時は工事現場にほっかむりをしたおばちゃんたちがたくさんいた。私の肩にも届かないような小さなおばちゃんたちだ。彼女たちは本当に軽々と作業しているのに、こちらはちょっとスコップでアスファルトをかき混ぜただけでも疲れてしまう。悔しいやら情けないやら。
しかし、ある時ふと気づく。「そもそも体を動かせば仕事になるというのが間違いなのでは」。それに気がついてから、私はおばちゃんたちをじっくり観察するようになった。おばちゃんたちには怪訝がられたがこちらは追いつきたい一心である。
そして気がついたのが、彼女たちは腰でスコップを使っていること。腕より先の動きは最小限。これがわかってからのスコップ作業の楽になった事。ざくざく掘れる。あまりに楽になったので、「もっとアスファルトを!」とねだって笑われてしまった。

ガテン仕事もまた、フレームワーク構築と利用の連続なのだ。フレームワークなしには、実は我々は自転車に乗ることも歩くこともできない。小脳にフレームワークが出来上がっているから、我々は難なくこれらが出来るのだ。

フレームワークがいかにすごいか、すごく切実か、感じていただけただろうか。

フレームワークを巡るもう一つの誤解は、それが「型にはまる」ことだというものだ。違うのである。「型にはめる」のである。他動詞。自動詞ではない。それがわかっていれば、自らを型にはめる際も「型にはまらず」にすむ。

404 Blog Not Found:仕組むか仕組まれるか、それが問題 - 書評 - 「仕組み」仕事術
ディスカヴァー社は、この「仕組み合い」が最も上手な出版社の一つである。それが昨今のベストセラーラッシュに繋がっているのだろう。私はディスカヴァー社の「仕組み」に献本等を通して「仕組まれている」と同時に、書評の形でディスカヴァー社を「仕組んで」いる。一方的に仕組まれるのは悲劇であり、それにすら気がつかないのは喜劇であるが、仕組み合いは双方にとって楽であり楽しい。

本書は勝間本の型通りに書かれ、ディスカヴァー社の型通りに編集、出版され、そして型通りに私に献本されてきた。そしてこの書評もまた、私の持つ型に従って書かれている。うまく行くフレームワークの連鎖というのは、よく設計された工場のラインのように美しく気持ちがいい。

そう、フレームワーク力とは、自らの工場を持つということなのだ。

それがないものは、他者の用意した工場で使われるしかない。

すでに製造業においては「人間か人間でないかの違いは、『金型を使うか使わないか』」という時代になって久しい。

知的生産においても、「人間か人間でないかの違いは『フレームワークを使うか使わないか』」という時代が、すでに来ている。

Dan the Frameworker

追記:

勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!: フレームワーク力、見本来ました+初版、著者略歴が・・・
うーーーん、そりゃ、帯を捨てる人が当然一定数いますので、それはまずいんじゃないでしょうか。
ディスカヴァー社長室blog: フレームワーク力、できました! ●干場
帯にしか著者略歴がないのは、帯を捨てた人にはわからなくなっちゃうのでいかがなものかと。は、はーー、確かに、カバーの銀箔があったので、カバーへの記載は避けたのでした。そんな、せっかくの勝間さんの写真入り帯、捨てる人がいることを想像しませんでした!

これに関しては干場フレームワークを支持する。オビであれば経歴が増えても対処しやすい。特に著者のように出版ペースが早い人の場合、そこに載せる代表作の更新はこちらの方が行いやすい。本書に限らず、最近ではナレッジエンタ読本が「カバー的帯」を採用している。フレームワークは時とともに変わるもの。著者のそれは少し古いのでは?


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書評リンク - 勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践【書評リンク】at 2008年08月28日 09:53
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践 著
ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力【蔵前トラック??】at 2008年08月13日 23:35
早くも夏休み突入です。 東京の公立学校では。 読書の夏、到来です。 というわけで、この夏休みに読んどくとよい本をまとめました。 といっても、夏休みは長い(はず)なので前編と後編に分けます。 後編は、盆前後に上がる予定です。
夏休みに読むべき本前編/10作品【404 Blog Not Found】at 2008年07月19日 05:42
今回は(というかほとんどいつも勝間さんですが、)『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践』 勝間 宮.
フレームワークってなんだ!?『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践 』を読んで【本の紹介ブログ】at 2008年07月12日 11:37
著者より献本御礼。 年収2000万円の転職術 神川貴実彦 こういうのもなんだが、実に読み手を選ぶ本である。 なぜなら、本当に年収2000万円の実力を持っている人でないと、本書はクソの役にも立たないからだ。
コンサルタントっておいしいの? - 書評 - 年収2000万円の転職術【404 Blog Not Found】at 2008年06月24日 17:20
【 目 次 】 はじめに 第1章 「ビジネス思考力」を定義する! 「ビジネス思考力」を定義する! なぜ今、「ビジネス思考力」が必要なのか ベストセラーに見る労働環境の変化と市場の...
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 勝間和代(著)【森永Mgrの「本学」講座】at 2008年06月19日 02:18
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日:2008-06-15amazon.co.jpで詳細をみる (Amazy) 【本の概要】◆お待たせしました(色々な意味で)! 今日ご紹介するのは、お待ちかね勝間和代さん....
【強力!】「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」勝間和代【マインドマップ的読書感想文】at 2008年06月15日 14:26
ワークなきフレームは、単なる時間と資源のムダでしかない。ワークがあってはじめてフレームが活きてくる。 404 Blog Not Found:型の力で肩の力を抜け - 書評 - ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 システムの品質は民間企業遜色なし、ただし満足度は劣る 文:「情報シ
2008-06-14【Yet Another But Open】at 2008年06月15日 02:44
読売新聞(日曜版)に載っていた勝間和代(かつまかずよ)さんの記事をご紹介します。(経済評論家)勝間和代さん1968年、東京都生まれ。経済評論家・会計士3人の娘の母としてワーキングマザーのためのホームページ「ムギ畑」を設立した。近著「効率が10倍アップする新・知的...
不屈の秘密(世界が認めた母)【お役立ち新聞記事】at 2008年06月14日 16:45
では、何を規制すべきか。 失業が生み出すもの - FIFTH EDITION政府におかれましては、きちんと労働市場の問題について取り組んでください。また、この間みたいな、官製不況の原因になるような規制をつくらないでください。 「何も規制すべきでない」も含めて考えると、...
規制するなら労働時間を【404 Blog Not Found】at 2008年06月13日 18:21
新刊「7つのフレームワーク力」、著者略歴を帯にのみ載せたら、著者の勝間さんから、
本の帯、とる人、とらない人 ●干場【ディスカヴァー社長室blog】at 2008年06月13日 17:11
この記事へのコメント
フレームワーク力って
最初は覚えりゃいいじゃんみたいなものだと思ってたんであえて手に取ったりしませんでしたが
読んでみたら全く違った感想でした。

つまり知的生産を向上させたり新しく知識を創造する
ツールとしての活用法が書いてあるんですね。
考え方の基本みたいな

いい本ですね
Posted by 「寿」 at 2008年07月05日 09:56
小飼さま

お世話になっております。ディスカヴァー編集部の三谷と申します。

このたびは、どこよりも早くご紹介くださりありがとうございました。
お礼が遅くなりまして、失礼いたしました。
私はほんの少しだけ編集作業にかかわったのですが、とても光栄に存じております。

これからも、どうぞよろしくお願いします。
Posted by ディスカヴァー三谷 at 2008年06月16日 13:47
 折角チンピラ芸やるんだったら途中で「僕」と「です。」付けちゃ駄目よ。とっちゃん坊やに見える。コメント欄でさん付けしてるからご愛嬌なんだなって思うけど、本文はキチンとチンピラ風に徹した方がいいと思うよ。バランス悪いから。

 あと、使用単語と言い回しのセンスが何気に先日揉めた地元広島県尾道市の某チンピラ上がり某山某本某将某貴某29某歳と非常に近しいんで、それは駄目だと思うよ。え?何々キミ半年前までヤクザの使いっ走りやってたの? あっそーそりゃ凄いねー、いつ新聞載っちゃうのー? みたいな雰囲気がするから。そこまでの雰囲気漂わせる必要ないと思うよ。

 ほなさいなら。
Posted by 野ぐそ at 2008年06月15日 03:02
>>po

 キレ方のレベルがチンピラ並みだよ。
Posted by 野ぐそ at 2008年06月15日 02:10
上のコメは釣られたら負けかなと思ってる。
Posted by たろう at 2008年06月14日 23:01
まー脳が人糞なおめーでもさ、したり顔でモノを語る馬鹿がどんだけ滑稽か、位はわかんだろ?馬鹿が更に馬鹿に見えるだろ?お前だお前!
おめーさ、田舎のばーちゃんと勝間さんが同じ事言ってるって感じたとしてもな、『全く違う立場の人が同じ事を語ってる』って事に何も見出だせてねーな。勿論答は教えてやんねー!!

ボロクソ言ってるみてーに感じるかもしんねーけど、ダンコガイよりは脳の出来がお前と遥かに近い僕なので、近い位置からの言葉の方がよく聞こえる筈です。
ま、精進してせいぜい人間に近付けよ!頑張れよ野グソもしくは脳グソ!
このクソ野郎が人様の言葉しゃべんじゃねえ!
Posted by 野ぐそさんへ続きpo at 2008年06月14日 22:02
解りにくい事柄を解りやすく説いてくれる相変わらずの弾文に感動して、そんで野ぐそって輩の脳グソぶりに絶望したは。

素晴らしいモノを下らないと切り捨てる事がどんだけ愚かしくデカい損失かって事も解ってねーし、そもそも『無知の知』を全く感じないムカつく文な時点でオレ裁判によりお前は脳グソに改名すべき。はい可決ね。
Posted by po at 2008年06月14日 21:56
ところで勝間さんの本に乗っていた
マッキンゼーの200のフレームワークを全部おしえて
いただけませんか?

Posted by Million Secrets Of Jazz at 2008年06月13日 22:53
 田舎の婆ちゃんの処世訓と変わらん。
 それだったら毎夜毎晩聞いてるから間に合ってる。
 直接自分の親から聞くのが嫌か、教えてくれない親を持っているか、
 そういう人が読めば十分。

 あとは、「そういうこと」を連呼する人にどういう弊害があるか。
 そこまで言ってれば価値あると思うけど。
 言ってなきゃ只の自画自賛なんで目次読めば十分。
Posted by 野ぐそ at 2008年06月13日 19:13
いやあ、あまりの早さに驚きました。
昨日、直接勝間さんの事務所にお届けして良かった!
そうでなかったら、著者より早くアップされてたかも?
わたしも、昨日の夜早速、記事、エントリーしておいて良かった!
この記事を読んで、フレームワークに対する理解がさらに深まりました。
出版社としては、帯も含めてデザインを熟慮しますが、確かに、今回の本は、帯をとってもすごく美しい!
Posted by 干場弓子 at 2008年06月13日 15:36
書評第一号です!!

小飼さん、勝間です。書評第一号が小飼さんとは、うれしいです。いつもながら、切れ味のいい型書評、ありがとうございます。

著者略歴については、両方入れるのでどうでしょう、本体と帯と。

私が帯を捨ててしまうタイプなのと、捨てたあとで人の手に渡った時への配慮、でした。

ではでは。みなさんのコメントも楽しみにしています。
Posted by 勝間和代 at 2008年06月13日 15:01