2008年06月13日 18:00 [Edit]

規制するなら労働時間を

では、何を規制すべきか。

失業が生み出すもの - FIFTH EDITION
政府におかれましては、きちんと労働市場の問題について取り組んでください。また、この間みたいな、官製不況の原因になるような規制をつくらないでください。

「何も規制すべきでない」も含めて考えると、どうも労働時間が最も適切なのではないかいう思いがますます強くなってきている。


「日雇い派遣」禁止して「日雇い」はどうするの? - 池田信夫 blog
だから直接雇用を増やすために必要なのは、正社員の雇用コストを非正規社員の2倍にしている社会保険などの義務を廃止し、解雇要件を法的に明確化して司法による事実上の解雇禁止をなくし、正社員と非正規社員の差別を撤廃して労働需要を増やすことだ。

確かにこれだと労働需要は増える。

しかし、労働者需要がそれに従って増えるかというとかなりの疑問がある。むしろ正規、非正規を問わず、特定の社員に労働時間が集中することが避けられないのではないだろうか。「社員は増えたけど過労死は増えた」ではそれこそシャレにならないではないか。

椅子の種類が平等になっただけでは、そこにしがみつく者は減らないのではないだろうか。

ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」 P 56.
一方、なぜ、日本人がサービス残業も含めた長時間労働をしてしまうかというと、正規雇用の従業員の多くが実力以上に給料をもらいすぎていることが多く、保険仕事のための残業を断って職を失うことを恐れているためだと私は思っています。

「保険仕事」が何を指すのかは同書を読んでいただくとして、その保険仕事を断っても職を失わずにすむための力がフレームワーク力だ、というのが同書というより著者の首尾一貫した主張なのだが、その一方、自らの居場所を用意できるものは、どれだけ皆ががんばっても二割だというのが実感でもある。残り八割に居場所を用意するにはどうしたらよいか。

椅子の数が増えることは、残念ながら期待薄だ。雇用規制が緩和され、正社員の椅子の座り心地が多少落ちたところで、非正規社員の椅子の座り心地がよくなる公算は低い。

だとしたら、各自が椅子に座る時間を短くする方がよいのではないか。

これをやったのが、オランダである。

NED-WLT : 長時間労働者の日蘭比較
この度、長時間労働者(週あたり50時間以上働く人)の国別比率を示した興味深い調査結果を掲載されているサイトを見つけました。そこのサイトのデータを基にさせて頂き、日蘭とその他リンクさせていただいている方々の在住されている国を取り上げて比較グラフを作成してみました。

オランダの労働者の平均労働時間は、図録▽労働時間の推移(各国比較)によると年間1400時間を切っている。それでいて、

NED-WLT : 長時間労働者の日蘭比較
労働時間は少ないながらも国際競争力や国民一人当たりのGDPなどは決して低くありません。

となっている。「日本でそれが出来ない」というのは、日本人はオランダ人に劣ると言っているに等しい。

こういうのも何だが、自分で椅子を自作できる人は、そのままでいい。そういう人まで国がちょっかい出すべきではない。私の「労働時間」はオランダ人をさらに下回るがそれでもよろしくやっている。が誰もがそういうわけに行かないことも私は知っている。

問題は、「並」の人々をどうするかなのだ。彼らに「椅子を作れ」というのは酷である。しかし「共有している椅子だから、時間制限はありますよ」というのであれば納得しやすいのではないか。

週32時間、年間総労働時間1400時間という規制を導入してしまっていいのではないか。

それ以上働きたかったら、起業すればよいのである。

それが定着すれば、ホワイトカラーエグゼンプションも導入しやすい。ホワイトカラーではなく、エクゼグティヴエグゼンプション、エグエグということになるが。

404 Blog Not Found:ヒト、モノ、カネより大切なもの
とは、居場所、なのではないだろうか。

居場所が足りず、そしてすぐに増やせないというのであれば、居座りをなくすに限るのではないか。

Dan the Self-Employed


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社会は「人間」を相手にしていない。社会が注目するのは「動物」である。したがって、社会生活において「人間」としての希望を持とうとする「自称人間」は、残念なことではあるが、落胆することになる。
「自称人間」を離脱しよう。「人間」であることを諦めよう。その方が「楽」だ。【ポスト・ヒューマンの魔術師】at 2008年06月14日 12:08
そういった意味で従来ロスジェネ論壇というと、希望は戦争!さもなけば分け前を寄越せとか「新時代の日本的経営」を取りまとめて雇用流動化を推進した経団連ケシカランという議論だったけれども、じゃあ君たち具体的に何をどうしたいの?みたいな話になった途端、ともかくカ
[Study] 派遣雇用を改革する「新々時代の日本的経営」/人事雇用【7】【起業ポルノ】at 2008年06月14日 02:38
この記事へのコメント
ほんとにそういう規制してほしい。周りが遅いと、帰りずらい。そして、みんな、なんでそんなに遅くなるのかわからない。やり方次第だと思うのだけれど…
Posted by ボー at 2008年06月16日 17:14
正社員の解雇規制が一番悪い
Posted by TGB at 2008年06月16日 06:03
軽自動車メーカーの偉い人が
「残業増は適正人員に足りない証拠で、経営者として恥だ」
と答えた新聞記事を思い出しました。かなり前の記事ですが…。
.
このエントリからは、どう時短誘導するのかわかりませんでしたが
残業代25%増の%増し増し + 労基署の摘発にインセンティブ(ガンガンいこうぜ)  のコンボで誘導かなと想像。
(この場合のインセンティブは「有効な摘発」を多くした人・部署に対し、強く褒賞するシステム)
マイナス面として、企業収益↓基本給↓の恐れがあるけど、プラマイ考慮して、時短誘導で良いかと。
Posted by レフ at 2008年06月16日 01:27
本来、勤め人は、ある時間労働することが仕事で、会社を儲けさせるのは経営者の仕事のはずなんだけど、経営責任まで労働者に押し付けてるのが多いよね。おかげで、自発的にサービス残業して儲けを確保とか、訳わかんないことになっている。
Posted by nuu at 2008年06月15日 22:16
日本人の時間あたり生産性が低いのは実際に手を動かす仕事を軽視してコミュニケーションとやらに時間を使いすぎるからでは。
Posted by 挧 at 2008年06月15日 19:53
勤務時間を規制しようがしまいが、みんなで結託して会社に居座るのが日本的「善」なんです。共同体の中で仲良くやるのが美徳であり道徳。効率を良くしようとか、年だけ取って能力のないおっさんを別の人にすげ替えようとしたら、「秩序を乱すな」と白い目で見られるのが日本という国。無能な正社員を首切るようなふるまいは、空気が読めないとか性格が悪いとかコミュニケーション能力が無いとかいうことになってしまいます。

もちろん権限を持ったエライ人がそれをやれば別なんですがね。でも中小企業以外では組織で出世するのは「空気が読める人」なので、そういうことはできない人ばっかりなんですよねえ。
Posted by foo at 2008年06月14日 16:56
オランダはオランダで、各世代から均等に解雇者を指名する新ルールを導入とかいろいろ工夫してますね。池田さんと弾さんの組み合わせが、もっとも効果的でしょう。
Posted by カール at 2008年06月14日 14:44
日本人はオランダ人に劣るってことなんじゃないですか
Posted by ヌルコ at 2008年06月14日 13:32
サービス残業がさらに横行するだけになりそうな気がします。
規制は、守られなければ何の役にもたたない。
守ってくれない会社をどう検出するか、どうペナルティを与えるか、という部分がたいへん難しいと思います。
Posted by ガン無視 at 2008年06月14日 08:47
そして一億総社保庁職員化ですね。
Posted by and at 2008年06月14日 01:19
労働時間というのも尺度でしかないと思うんですよね。
ウサイン・ボルトの1kmとハイレ・ゲブレセラシェの1kmが
比較されかねないという風潮は嫌なもんです。
Posted by tohlm at 2008年06月14日 00:13
むしろ派遣会社のマージンが多すぎるので、これを規制するべきなんじゃないだろうか?最大40%って・・・。闇金みたいですね(^_^;)。
労働時間に関しては日本がアメリカよりも多い割に対して会社の利益が上がっていないことを考えると、決算時期を除いて従業員には時間内に仕事を終わらせるようにした方が結局会社にとっては無駄な支出をしなくていいのではないかと思うが。
Posted by taka.BRK at 2008年06月14日 00:13
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50994060.html
のコメントにも書きましたが・・・

本当かどうかは知りませんが、88年に労働時間を44時間から40時間に減らしたことが90年代の日本経済低迷の一因になったという研究もございます。
http://www2.e.u-tokyo.ac.jp/~seido/hayashi/hayashi2005.htm
http://www2.e.u-tokyo.ac.jp/~seido/DP/p18_hayashi_J.pdf

これは池田信夫氏お気に入りの研究ですな。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/7d5392072193cc2f1d3d062b5700910c
Posted by 暇人 at 2008年06月13日 23:36
日本はこれから人口が減るんだから、限られた労働力で経済成長を続ける
には残業を増やすべきですね。
無駄な規制は反対。
Posted by gdsfgfd at 2008年06月13日 23:33
日本人は、黄色い猿だから、オランダ人と比較することはオランダ人に対して大変失礼です。
黄色い猿だから、何も規制する必要ありませ〜ん。
安い金で長時間働かせて、さっさと過労死させればいい。
どうせ、人間なんて勝手に生まれてくるんだから、ガンガンコキ使えばええ。
Posted by KKMM at 2008年06月13日 23:15
良い意見だと思います。特に、いま金銭的に一番余裕があるのは独身の正社員だと思いますので、この層の労働時間を規制して非正社員に回せば、

正社員→婚活の時間ができて結婚できる
非正社員→お金ができて結婚できる

となり、少子化対策にもなると思います。
Posted by ziuko at 2008年06月13日 22:32
労働時間規制は既にされていて、36協定という抜け穴で対処しているのですが、
抜け穴を用意しておかないとサービス残業をさせる
モーレツ社員を前提としたフレームワークが各所に残っているので
(参考:たけくまメモ : マンガ界崩壊を止めるためには(2)
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_e699.html)

まずは、残業時の稼動コストを上げる制度を導入することをやるべきだと思う。

残業代で一人を沢山働かせるコスト < 新しく人を雇うコスト

の不等号を逆転させることから初めて欲しいんですよね。
Posted by suzukyu at 2008年06月13日 22:30
残業はできる限りしたほうが精神的に楽な人が多いと思います。
仕事量が増えてきている状況で、早く切り上げて帰ろうとすると
意外としんどい。

それくらいならずるずるとギリギリまでやってしまう。

自分で時間管理をきっちりできるほど自律できていないのが現状だと思います。

そう考えると、規制を強化することで早く帰る雰囲気ができ、
無駄な残業をしなくなるかもしれません。


それとは別に、もっと好きなことをJOBにできる国になればいいんですが。
Posted by フジイアツシ at 2008年06月13日 22:14
 働きたいヤツは起業しろ理論で本当にプチ企業家が増えたら、緑運動公園のおっさんが発狂すると思うよ。すればいいのかもしれんけど。

 今でさえ多杉なのにこれ以上増やすな馬鹿! とかって。
Posted by 野ぐそ at 2008年06月13日 21:34
 日本人は居座るのが美徳だからねぇ。
 弾論面白い試みだと思うけど、実際は空理空論だと思うんだよねぇ。
 残業シタガリーナ多いからねぇ。

 ヒマな時間出来て家帰ったら奥さんキレるから職場の方がいいって人も居るんよね。稼げ稼げって小うるさいんだ。

 先の書評にあったような、勝間のおばちゃんの本読んでなくても「素でそんな感じ」の専業主婦って多いんよ。どーやっても田舎者気質なヤツ。

 そういうのは、目先の小銭に狂って絶対反対すると思うよ。何でか知らんけど。
Posted by 野ぐそ at 2008年06月13日 21:31
日雇い派遣は、正社員にかかる固定経費をうまくすり抜け、限りなくグレーに近い分だけ利益を上げられる、そういう収益構造になっています。
法律を厳格に守れば、利益が出ないビジネスとも言えます。
しかしながら、現実として需要と供給があるわけで、禁止すれば企業・求職者とも不利益をこうむることは明らかです。
今や失業保険交付体としてしか機能していない「ハローワーク」を窓口にして、日雇いを継続させるのが一番ではないかと考えます。

Posted by くうまん at 2008年06月13日 21:30
EUみたいにマイナス成長で衰退するのはゴメンです。

政府が働き方にまで干渉するなんて、ナチスみたい。
Posted by ほるほる at 2008年06月13日 20:53
俺はこの意見を妥当だと思うよ。

オランダは小さい国だから、っていうけど
EU諸国を一つの国として見て比較すれば
いかに日本の労働時間が長いかわかるだろう。

この規制をしたほうが良いかどうかは別として
今まで聞いた規制の中では最も良いと思う。
Posted by ワークシェアリング at 2008年06月13日 20:39
相変わらず空理空論ばっかりたれているな。
ニートに捨て金をやる話はどうしたんだ?
Posted by hoge at 2008年06月13日 20:22
ドイツは兵士の数を10万人に制限された。
すると軍は10万人全員を将校にした。
日本は労働者の雇用時間を制限した。
すると会社は全員を管理職にした。
Posted by bugyo at 2008年06月13日 19:31
オランダは首都圏とほぼ同じ人口のようで
Posted by おっさん at 2008年06月13日 19:24
オランダと日本を単純に比較するのは危険です。
日本はオランダに比較して人口が多すぎます。
小回りの効くベンチャーとのろまで非効率な大企業を比較しているようなものです。
Posted by あ at 2008年06月13日 18:51