カソウケン(家庭科学総合研究所)のまりか先生より献本御礼。
2008-06-10 - KASOKEN satellite6月13日に新刊が出ます。今回は著者ではなく、監修です。
「小学生のキッチンでおやつマジック」を書評した舌の根もかわかぬうちに、というよりどうもまりか先生は、これを見て富野節でてんてこまいだったにも関わらず動いてくれたみたいで、本当にありがとうございます。
ありがたいことに、主題は重なっていても料理がかぶっていないおかげで、「小学生のキッチンでおやつマジック」とは競合というより協調の関係にあります。おすすめ。送料節約なら、この二冊の組み合わせもよさそうです。
本書「まりか先生のおいしい実験キッチン」もまた、は、「台所の科学」であり、「食べられる科学」であり、そして「美味しい科学」である。ただし、料理と料理に対するアプローチがかなり異なる。
目次 - まりか先生のおいしい実験キッチン/書籍・ムック/主婦と生活社にないのでbooksデータベースより
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目次を見ての通り、本書ではクイズ形式ではなく、同じ見開きにレシピと解説があるというフォーマットになっている。より楽しさを追求した学研版に対して、より知識の定着に重きをおいたこちらは、まさに主婦の生活社にふさわしい一冊となっている。小学生には前者が、中学生以降にはこちらが受けそうだ。
もう一つの違いが、料理の種類そのもの。前者ではおやつというかほぼすべてスイーツなのに対し、こちらはそれ以外もカヴァーしている。
一つだけ気になった実験。
ねかせると、おいしくなるわけ
煮物は、さめるときに味がしみこみます。煮汁にとけだしたうまみ成分と調味料も、さましているあいだに具にしみ込むのです。
P. 73
科学用語でいうと、「拡散」で説明をつけているのだけど、本当にそれだけ?
ここはまだいいのだけど、
また、香辛料を使った場合には、香辛料は時間がたつと風味がまろやかになって熟成されるので、ねかせたほうがおいしくなるわけです。
いや、だからなぜ風味がまろやかになるのかというのが質問だったはずなのですけど。
ここ、一番ガッテンしていないところ、誰かためしてオリをナットクさせてくれぇ。
この下りを除けば、本書の説明は大人も納得させるものばかり、たとえば柑橘類でプラスティックを溶かす実験は「小学生のキッチンでかんたん実験60」にも登場するのだけど、「リモネン」という言葉がこちらには載っている。
というわけで、前回の「学研@キッチン」本とぜひ各自で読み比べていただきたい次第。
Dan the Kitchen Chemist
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