2008年07月10日 00:05 [Edit]
与えよ、されば求められん - 書評 - あなたがあたえる
文藝春秋下山様より献本御礼。
初出2008.07.09; 販売開始まで更新
ついにこのテーマでまるまる一冊が出たか。
自ら読むという使い方もさることながら、持っているのにもててない人へのギフトに最適の一冊。
本書「あなたがあたえる」は、大人のための童話。その教訓は「あたえること」。
目次 - 文藝春秋|あなたがあたえる(ボブ・バーグ)にないので手入力- いけいけ野郎 Go-Getter
- 謎の大人物
- 第一の法則
- ジョー、ライバルに勝ちをゆずる
- 第二の法則
- ジョー、仲間にコーヒーを配る
- 生活する、たくわえる、奉仕する - レイチェルの物語
- 第三の法則
- 妻からの置き手紙
- 第四の法則
- ガスの正体
- 第五の法則
- これで、ぐるりとまわった
- 与える人 - Go Giver
この「あたえること」の重要性は、大事を成した人であれば、成したことが大きければ大きいほどよく知っている。そして今ではビジネス書の多くがこのことを取り上げている。「Giveの5乗」というスローガンを勝間和代の著書で知った人も少なくないのではないか。
しかし、長くとも一章しか割いていないこれらのビジネス書とは異なり、本書はそれだけで一冊使っている。それゆえそれらの本を読みなれた人には内容が薄いと感じられるかも知れない。確かにハードカバー、大きな活字、矢野信一郎のイラストというのは「本読み」をかえって遠ざけるパッケージではある。
しかし、本書を最も必要としている人々には、これが一番訴えるパッケージだということも私は知っている。だから今回に限ってはこのパッケージを私は支持する。それくらい、本書のメッセージは重要なのだ。いや、最重要なのだ。
第一の法則人の本当の価値は、相手から受け取るもの以上に、自分がどれだけ与えれるかによって決まる。
拙著「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」の読者であれば、Larry Wallから私が預かったこの言葉を見逃す事はないだろう。
小飼弾のアルファギークに逢ってきた - #0 Perlの父 Larry Wall|gihyo.jp《(私は)金持ちです》。どれだけ持っているかではなく,どれだけ与えることができるかというのが金持ちの定義なら
Yes, I am rich. Not in terms of how much I have, but how much I can give.
そして最近、この「あたえること」、"giving" そのものこそが、最大の報酬ではないかという思いをますます強くしている。
404 Blog Not Found:診断は成った。問題は治療法だ - 書評 - 格差と希望 誰が損をしているか?しかしすでに富を得ている彼らにとってのアメとは、一体なんなのだろうか。格差の原因は高齢化? 恵比寿大黒屋日記/ウェブリブログ
それが、まだわからない。
強者は弱者に
持てる者は持たざる者に
救いの手を差し伸べる
そのことが強者にとって、持てる者にとっての大きな名誉となるようなモラルを形成すること。
それがアメだろう。
同感だ。しかしそのためには、まず「あたえること」そのものが報酬であるということを彼らに理解してもらわねばならない。よって本書の第一の読者は、財があるのに「あたえること」が不足している日本の高齢者たち、ということになる。
この「『あたえること』そのものが報酬である」というのは、あまりに重要な知見であるので、改めて自分の言葉で言い直しておきたい。
「あたえること」を得ればいい
If there is nothing more to take,
take the giving.
しかしさらに付け加えておきたいのは、財なき人々にも、「あたえるもの」があるのだ、ということ。
「あたえること」を与えればいい
If there is nothing more to give,
give the giving.
そう。何も持っていない人には、「あたえること」そのものを与えるという役割があるのだ。これが本書の第二の読者だ。本書を買える人は、ゆえに二冊買うとよい。一冊は自分のために、そしてもう一つはそれを誰かに与えるために(本書の値段が税込みで1,500円というのはこれも狙っているに違いない)。
それにしても、本書の登場人物の一人の名前が「ピンダー」、Pindarというのには参った。私は実在するPindarと一緒に仕事をしたことが何度かあるのだ。
ICANN | Biographical Data on Pindar WongPindar Wong is the Chairman of the Asia & Pacific Internet Association, Executive Committee Chairman of the Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational Technologies, advisor to the Asia Pacific Networking Group and member of the Editorial Advisory Board of Cisco Systems' Internet Protocol Journal. He is also the Chairman of VeriFi (Hong Kong) Ltd., a discrete Internet infrastructure consultancy.
この本に出てくるPindarをどこか彷彿とさせる人である。
それにしても、この「あたえること」というのは、まさに「あたえること」そのものでしか得る事が出来ない報酬でもある。本をいくら読んでも、行わなければ駄目なのだ。それでも、本はそのきっかけとなりうる。この本があなたにとってそんな一冊でありますように。
Dan the Taker of the Giving
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「そんなの知ってるよ」と言うとこでしょうか。
知ってても行動しないと意味ないんだけどね。
まあ自分も行動できてませんが。
「職業」=「与えること」というような事を
言っていた様な話を聞いたのだが誰か知りませんか。
今の雇用の問題と関連があるように思うのです。
「職業」=「給料をもらうこと」と考えている人が大多数ですから。
他のウェブやブログに関するものなら、すぐに食いつけるけどね。
成果いくらで与えられる様になりたいなぁ〜
この「あたえること」まで自動化、
組織化してしまったことかもしれません。
私、この本の原稿をフランクフルトブックフェアの帰りの飛行機で読んだのですが、ああっ、みずからの行動を反省することしきり。
大富豪ピンダーはいけいけ社員のジョーをこう制していたのです。
「誤解しないでほしいが、金儲けは悪いことじゃない。悪いどころかおおいにけっこうだ。ただし、儲けることを目標にしても成功は手にはいらない」
ウーム。私はこう自然とおきかえて読んでいたんですね。
「誤解しないでほしいが、ベストセラーをねらうのは悪いことじゃない。悪いどころかおおいにけっこうだ。ただし、ねらっているうちはベストセラーはでない」
まあ、それでおほめいただいたパッケージになったんですが・・・。
与える相手を選ぶことを最初に教えないと、だめでしょ。
