2008年08月02日 00:00 [Edit]
この夏の日本に最も必要な一冊 - 書評 - 「残業ゼロ」の人生力
日本能率協会マネジメントセンター出版事業部坂田様よりゲラが届いたのは今週末。
初出2008.07.15; 販売開始まで更新; 本日より発売
これだ!こんな本を待っていた!
この夏、最も読まれるべき一冊が、これだ。
ハリーポッター最終巻 最終巻?後回しで結構。本書を読了した読者であれば、そのための時間を充分作れます。
オリンピック?あなたが関係者なら確かにそちらを優先してください。しかし残りの人々にとって、それは「彼らの夏」。あなたの夏の方がさらに重要です。
その一夏の価値を変えるのが、本書なのです。
本書〈「残業ゼロ」の人生力 〉は、12万部を売った前著〈「残業ゼロ」の仕事力〉の続編、ではない。「仕事力」は実は前編であり、本書「人生力」こそ本編である。「残業なんかしてたらかえって仕事が捗りませんよ」というのが前著なら、本書は「人生、残業している閑なんかない」というのが本書なのだから。仕事がなくても人生はありうるが、人生なくして仕事もへったくれもない。本書が本編である所以である。
目次 - 「残業ゼロ」の人生力 | JMAM:日本能率協会マネジメントセンターより
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そう。残業なんかしている閑はないのだ。あなたにも、この国にも。

右のグラフをご覧いただきたい。これはこの国の労働者が、有給休暇を完全に取得した場合の経済波及効果がどれくらあるかを、この国の政府が試算したものである。本書の108ページに登場する図であるが、重要なのは、これを試算したのは「ヴァカンス好き」な著者ではなく、この国の政府機関だということである。
GDPのおよそ2%、国民一人あたり、およそ10万円が、捨てられているのである。「もったないない」といえばこれほどもったいないことがあるだろうか。
今度はグラフの中身に注目して欲しい、「余暇需要の生産波及」が7兆4100億円とある。そう。実は余暇がないというのは物事を吟味して購入する時間もないということを意味する。高額な物件ほどそうである。マンション一軒買うのも、満足がいく選択を行うには軽く1ヶ月はかかる。これが一軒家を丸ごと建てるともなれば一年ものだ。私がフリーランスの道を選んだのも、もとはといえば全焼した実家を再建するためだ。悠長にフルタイムで働いている閑がなかったのだ。
もちろん建前上は、不動産といえど金さえ払えば手に入る。しかし充分な暇なしで入手すれば、簡単に下手の安物買いになってしまう。日本の住宅がしょぼかった(と過去形がしたいが....)のは、充分な暇もないのに買う人が後を立たないからなのではないか。
それほど高額なものでなくとも、このことは成り立つ。パソコンですら、OSをアップグレードするのは半日仕事。今の私にはそれがない。3時間程度の暇ならいくらでもあるのだが、半日止められないのだ。しかもすでに後継機を購入しているのだから、安普請買いの日本のおとうさんたちを笑えない。
P. 110有給休暇を使わないことは、国にとっても、近い将来には会社にとっても、もちろん自分自身にとっても悪。悪いことはすぐにやめるべきです。
反省を込めて同意する。
ところで、本書の発売は元々8月31日だった。以下にその証拠がある。
以下が、その理由である。
添え状より通常ですと、7月下旬には発売できる進行なのですが、
ハリーポッターの発売、北京オリンピックというイベントが控えているため、
満を持して8月末発売を予定しております。
私は怒った。
ハァ?あなた、本当に原稿を読んだんですか?
著者の意をきちんと汲んだんですか?
8月末とはどういう意味か、わかってるんですか?
本書を本当に必要とする読者の手に届くのが、夏休みの後だということですよ?
彼らは、あなたがたが「満を持した」ために、人生の貴重な一夏を失うわけです。
本書が仮に10万部売れるとして(私はもっと売れると踏みました)、それだけの夏が失われるのです。
怒った甲斐はあった。本書の発売はほぼ一ヶ月前倒しされ、8月3日となった。この夏になんとか間に合ったのだ。無理を聞き入れてくれた出版社および著者にあらためて感謝する。
本書の言葉が、一人でも多くの人に届いて欲しい。本書には、休暇というものの本当の意味が書いてあるのだから。
0x20 = 32歳以上の人は、必読です。本書を読めばわかりますが、休暇の使い方は閑になってからではわかりません。
「学生のオレにはまだ早い?」そんなことはありません。著者は大学卒業後から定年退職するまで、一年も欠かさず一ヶ月のバカンスを取っていたのです。今から始めれば、著者を凌駕する人生力を手に入れることが出来るはずです。
著者と同じ団塊の世代のみなさん、今からでも遅くありません。あなたがたが成すべきことが ここにあります。
そして、定年離婚を予定している「企業戦士」の妻のみなさん、本書を読んだ後で、本書と一緒にラストチャンスをあげて下さい。それでもわかってもらえないのであれば、もう捨てて構いません。人生力がわからない人に旦那の資格なんてないのですから。
大事なことなので繰り返します。残業なんてしてる閑はないんです。
仕事に残業はあっても、人生に残業はないのですから。
Dan the Man for Vacation
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独国では、法律で「2週間以上の連続休暇を与えねばならない」事になってる
又、VWの本国工場なんか週休3日だぜ
この感覚で日本で通用すると思ってるのかな?
自分なりに一言で言いあらわすと、「人生誰のもの?」
という問いになるかと。
生まれてから死ぬまでの「人生」をトータルで考えて、
「何をやるべきか」を考えるきっかけの本です。
いわゆる「残業」というのは一番の障害要因なだけです。
日本の残業社会 = 北朝鮮
という奇妙な図式を考えた。
どちらも、本来ならばとっくに崩壊しているのが当り前で、とりわけ外部から見ればなぜ存続しているのか理解に苦しむ。しかし内部では、それぞれの構成員が「ほかの皆が存続を信じている」と信じ込んでいるからこそ、こんな不可解なものが潰れずに続いているのだ。
だれひとり、これのお陰で幸福になれる訳ではないのに。
当方労災過労死関係の仕事をしています。
近年(申告)件数が減っているのは、訴訟関係が大きく関係しています。
医学的にいえば、JBM。
そんな生活をしていたら、残業代欲しさに仕事をだらだらするようになる。
だから残業がなくならない。
過去にそういう人を何人も見てきた。
生活設計は基本給をベースにするべし。
そうじゃない人はすぐに見直した方がいい。
一般論に対して、極端な例を出してもロジカルな反論にならない。
君の言う現実とはどこを指すのか。自分の周りの狭い世界のことだろうか?
なお、過労死の問題については、統計的には、近年件数が減っているということはご存じだろうか。(参考→(財)労災年金福祉協会HP http://www.iipw.or.jp/sub_toukei2.html)
現実を知らない盲論ですね。
そんなんだったら、過労死なんてだれもしないし。
もちろん、仕事には波があるし、突発的なこともあるので、ゼロと言うわけには絶対にいかないが。
そもそも、毎日の仕事を集中的にやっていれば、いつもいつも何時間も残業ができるだけの余力は残らないのではないか。
じゃあ著者が経営していたトリンプは、「ものすごい人手不足」で潰れたか?
見たところ相変わらず「天使のブラ」売ってるようだが?
実際に導入したらわかるけど、ものすごい人手不足になるよ。
特定アジアとかから移民してきて犯罪を撒き散らされてもいいんですか?
単一民族で長期間住んでこられた皆さん。
第六感まで動員して、どの本を読めばいいのかアタリをつけるけれど、
最終的には博打みたいなもんだと割り切らなきゃ成果は出ないよ。
本書を読むにしても、ただ残業をなくすことを量としてとらえるのならば得られるものは少ないのかもしれませんね。
人生が限られた時間であるということは否定の余地はないと思います、高めることができるのは質であり時間は増やせません。
残業時間を増やすことが人生の時間浪費であると自覚する為には、人生に無駄があったと認める必要があるかもしれません。
人生に無駄があったと認めるようなものですから躊躇するのも無理はありませんし、残業のすべてが無駄でないのも事実です。
この本を読むことに無駄があるのか、読んだ結果が無駄になるのかは、読む人自身が本から得られることをどのように活かすのかという計画性に掛かっているのではないかと思います。
何のためにこの本を読むのか、そこから計画してみるといいかもしれません。
本書を読むにしても、ただ残業をなくすことを量としてとらえるのならば得られるものは少ないのかもしれませんね。
人生が限られた時間であるということは否定の余地はないと思います、高めることができるのは質であり時間は増やせません。
残業時間を増やすことが人生の時間浪費であると自覚する為には、人生に無駄があったと認める必要があるかもしれません。
人生に無駄があったと認めるようなものですから躊躇するのも無理はありませんし、残業のすべてが無駄でないのも事実です。
この本を読むことに無駄があるのか、読んだ結果が無駄になるのかは、読む人自身が本から得られることをどのように活かすのかという計画性に掛かっているのではないかと思います。
何のためにこの本を読むのか、そこから計画してみるといいかもしれません。
いやまあ、今回の記事を読んだ限りでは↑のかたがたのコメントに
同意しますが。
成り立たないと思いますよ。
固定残業費が、給与に含まれていると、
効率をあげて、または、他人に押し付けて、
残業しないのも手ですけど。
残業しないと手取りが減るという場合、
「家で過ごせる時間が増えた分」
家計のセービングに時間がかけられ、
支出をけずることができる。ようになると。
とか、6時から
家庭教師のバイトを2本やる。
という前提なら、ともかく。
会社組織に、今現在いない人の著書は、
最近の組織の最初から、1.2でカウントしている
事情を理解されていないかもですね。
この本の言っていることは間違いじゃないだろうし共感できるけれど、これを現実に適用したらお金と立場、そして生活を失うことになる。
予定はしていませんが毎月の残業100時間オーバーダンナのヨメですが、何か?
東証一部上場企業の社長が↓こんなこと↓言ってますからねぇ・・・。
■休みたいならやめればいいじゃない by 日本電産社長
http://s02.megalodon.jp/2008-0423-2049-41/www.asahi.com/business/update/0423/OSK200804230044.html
ダンナには、体と心を壊す前に辞めちまえ、とは吹き込んでますが、我が家も含めて大多数の人間は金と時間がXORになっているもんで、ニンともカンとも・・・。
ちょっと待て。本書は8月3日発売だから、おそらく店頭にはまだ並んでいない筈だ。
なぜ、あたかも読了後のような断定的な感想が出てくるのか?
とんでもない時刻まで残業を余儀なくされている人にこそ、どうしても本書を読んで欲しいという小飼さんの思いが、伝わってくると思わないか? (JST 前提で言わせてもらえば。)
こんなことをしていると日本の経済力は底なしの破綻を迎える危険が
ある。
労働時間は長くて結構。
この時間に会社で読みながら思う。
正味な話、やめた方がいいと思いますよ。
という流れになりそう・・・