2008年08月07日 17:00 [Edit]

「今度は戦争だ」! - 書評 - チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコの話

築地書館より、「本が好き!(β)」経由で指名献本御礼。

前作「ふしぎな生きものカビ・キノコ」とはちょうどAlien (1979)Aliens (1986)との関係に相当する。

今回は、マジで怖い。


本書「チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコの話」の原題は"The Triumph of the Fungi"、「カビの勝利」である。前作「ふしぎな生きものカビ・キノコ」ではまだかわいげがあった連中だが、今回のそれは、恐ろしい奴ばかりである。

目次 - チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコの話より
第一章 風景を変えたカビ
第二章 ニレとの別れ
第三章 コーヒーを奪う奴
第四章 チョコレート好きのキノコ
第五章 消しゴムを消す菌
第六章 穀物の敵
第七章 カビが作るジャガイモスープ
第八章 止まらない木の枯れ -
未来に向けての菌とヒトのかかわり
●人名索引
●事項索引
●種名、病名および病気に関する事項索引

目次を見ての通り、恐ろしい、といっても人類に直接害を成すのではなく、人類の今の繁栄を支える植物たちに害を成すというのがポイントだ。表題の「チョコレート」ならまだいい。第六章、第七章はまさに人類史を変えたカビで、特に第七章のジャガイモ枯病はアイルランドを破滅寸前まで追い込み、その過程で多数の移民を出すことによって米国史にも大きな影響を与えている。これがなければJFKもなかったかも知れないのだ。

前作と比較して、一つうれしかったのが学名の扱い。

404 Blog Not Found:すごくてちょっと怖い連中 - 書評 - ふしぎな生きものカビ・キノコ
ただ、訳しすぎた、というのか学名までカタカナにしてしまったのが惜しい。たとえば
P. 13
学名をファルス・インプディクス
これはPhallus impudicusも併記しておいて欲しかった。図版の方ではそうなっているのに、地の文ではカタカナだけ、というのはあとでさらに読者自身が調べるのにいらぬ手間がかかる。

今度は学名も図版に併記されているだけではなく、目次にあるとおり三種類の索引まで用意して、「さらに読み進めやすく」してある。

404 Blog Not Found:すごくてちょっと怖い連中 - 書評 - ふしぎな生きものカビ・キノコ
築地書館らしく(苦笑)、値段はちょっとお高い税込み2940円。「もやしもん」5巻分相当。

今回も(残念ながら!?)お値段据え置き。内容を考えればこの値段も納得ではあるのだけど、やはりちょっと高く感じてしまうなあ。相手がキノコだからかな。確かにトリュフにしろマツタケにしろ、キノコには高額な奴が多いし。しかし、この王国の怖さはほんとガチである。もちろん怖いだけの連中ではないし、「もやしもん 」的な牧歌的な風景にもこいつらはいるのだが、こいつらが「本気を出した」時の恐怖というのは、残念ながら「菌となかよし」の日本の作品では味わえない。「かもすぞ」で満足行かない方は、是非。

Dan the Germiphilia


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この記事へのコメント
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"Lightweight Languages"
なのは、なぜですか?
Posted by 通りすがり at 2008年08月08日 02:24
通りすがりさん、
あれ?ほんとだ!直しておきました
Dan the Man 2 Err
Posted by at 2008年08月08日 02:40