2008年08月09日 14:00 [Edit]
旧ソ連の今を知る - 書評 - 廣瀬陽子の二冊
この両書を紹介する前に戦争が始まってしまうとは。
livedoor ニュース - [グルジア]ロシア軍事介入…南オセチアで交戦【モスクワ大木俊治】グルジア軍は8日、分離独立を求める南オセチア自治州の州都ツヒンバリへ戦車で進攻した。独立派を支援するロシアは同日、対抗措置として現地に駐留する平和維持軍の増援部隊を派遣し、事実上の軍事介入を行った。両国軍が交戦状態に入ったとの情報もあり、情勢は緊迫している。
しかしどちらか片方でも読了した人であれば、この戦争も「まさか」では「やはり」という受け止め方をしたのではなかろうか。
「コーカサス国際関係の十字路」および「強権と不安の超大国ロシア」は、どちらも現地に留学した、この問題における第一人者によるまとめ。前者はグルジアを含むロシア以外のコーカサス諸国の視点で、そして後者はロシアの視点で書かれている。
「コーカサス国際関係の十字路」目次 - 『コーカサス国際関係の十字路』 | 集英社新書にないので手入力
|
|
- プロローグ――旧ソ連からロシアが見える
- 1章 反ロシア精神、旧ソ連ノスタルジーの噴出
- 2章 「未承認国家」という名の火薬庫――ロシアと旧ソ連の係争地
- 3章 ロシアのKGB的体質
- 4章 知られざる親日国家群
- 5章 日本はロシア、旧ソ連諸国とどうつきあうべきか
- エピローグ 強いロシアとプーチンのゆくえ
- 参考資料集
「留学」と書いたが、著者は何度もこれらの地で怖い思いをしている。列車の中でレイプされかけたことまである。それだけに、どちらも「血の滴る」ような迫真のレポートとなっている。しかし、両書を読んで、オセチアやイシグーシのことを知れば知るほど、無力感にもとらわれる。一体全体、この問題に「冴えたやり方」などあるのか、と。
いや、一つあるといえばある。「ロシアをロシアたらしめている」ものの消滅だ。それは何かというと、領土への強烈な執着。かの国が世界最大の領土を誇るのはだてじゃない。アラスカこそ売ってしまったが、基本的にロシアの膨張主義は、嫌な言い方ではあるがDNAに刻み込まれている。大和魂なんてそれに比べたら霞のようなものだ。
もちろん、これはロシアの専売特許じゃない。中国にだってあるし、多かれ少なかれどの国にもある「その土地はオレのもの」主義だが、ロシアと中国のそれはひときわ大きい。まさに「強権と不安の超大国」なのである。
両国の「それ」がひときわ強い理由には、まわりに「大国」がなかったという事情もあるのだろう。これが欧州だと、古くから「大国」がひしめいていたおかげで「大人」にもやりやすかったのだろう。その彼らもかつてはアフリカと中東でやりたい放題やっていたわけだし、世界大戦を二度もやってやっと今のEUに落ち着いている。コーカサス山脈の東側がそこまでたどり着くには、いったいどれだけの時間と、そして血が必要なのだろうか....
とはいえ、今回の「戦争」は明らかに両国とも「見られる」ことを意識している。この地域に「アテンション」が集まっている限り、「やりたい放題」には出来ないはずだ。我々に出来ることは「目を離さない」ぐらいだが、その目を離さないことそのものが、戦争拡大の一番の抑止になるのだろう....
Дэн искатель мира
この記事へのトラックバックURL
「まさか」ではなく「やはり」
逆に、ホリエモンが本当はもし白なら、この人も投資家から巻き上げた金でお給料をもらっていたのは事実。株も持ってましたよね、かなり。
サーカシビリ(サアカシュヴィリ)大統領の強硬政策に対してはグルジア国内で批判があり、グルジアは一枚板とはいえません。戦争を国民の一致団結の道具に使おうという思惑もあるのではないかと思います。
あと、
<<Дан>> искатель мира
では?
けなすのは「お気の毒に」としか言えないですが・・・
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ってことでしょうか?
とんだとばっちりですねw
それにしても、
「この程度」ってじゃあ、評価はどの程度だったんでしょうね?
一度、実物を見てみたら分かりますって。
読めてないんじゃなくて、読み過ぎてるんです。

