2008年08月15日 02:00 [Edit]

「Linuxが普及しない」理由A - 実はすでに普及している

これには回答が二つある。

初心者が考えがちな「Linuxの普及しない理由」 - 狐の王国
2chあたりで何年も前から散見され続けてるのであらかじめ突っこんでおこうかという気になった。

それぞれの回答に 1 entry を裂く価値があるのでそうする。

まずは理由A。


Linuxはすでに普及している

そう。Linuxはすでに普及している。そもそもid:[24時間365日]サーバ/インフラを支える技術に書かれている。あなたは本blogに検索経由で来たかもしれない。その検索元のGoogleもまた、Linuxで動いていることもまたよく知られている。もっと知りたい方は「Googleを支える技術」を読むこと。梅田望夫が「ウェブ進化論」で言うところの「あちら側」は、はっきり言って Linux が支配する世界だ。

でも、Linuxって何?

しかし、その"Linux"なるものは、Mac OS X や Windows のように「見えない」。なぜなら、Linux は OS X や Windows のような「エンドプロダクト」ではないからだ。Linux はあくまでもOSという部品であり、しかもその部品の中でも「カーネル」という部品に過ぎないからだ。重要な部品ではある。しかしそれはあくまでも部品に過ぎず、しかもエンドユーザーの目に触れないところで動く部品なのだ。

そして部品に関して、我々のほとんどは驚くほど無関心だ。「プラスねじがどれだけ普及しているか」を問う人はほとんどいない。エンジンのように複雑かつ重要な部品ですらそうだ。あなたの車のエンジンの型番を言える人がどれだけいるのだろうか。せいぜいそれがハイブリッドかディーゼルか「普通の」エンジンかという種類と排気量ぐらいではないか。

もちろんエンジンに興味を持つ人も、絶対数であれば少なくない。全世界に何百万人といるだろう。しかし割合として見るならば、それはごく一部なのだ。それでよい。たいていの人にとって、エンジンが「気になる」のはそこに問題があることとイコールなのだから。「そこに体がある、それが病」と漢方では言うらしいが、「漢方的」にはエンジンは見えなければ見えないほどいいのだ。

その意味において、Linuxというのは実にいいエンジンになった。私が Slackware を Digital HiNote に入れてきゃぴきゃぴ言っていた頃は、ずっと「そこにある」ものだった。やれあのDriverがない、やれ File System を Windows ごと壊してしまった....それは楽しい日々ではあったが、しかしそれは私にとってのものであり、好事家にとってのものである。

私が Server OS of Choice として Linux から FreeBSD に乗り換えてしまったのは、その頃の Linux が「楽しいけど疲れる」ものであったから。特にネット周りとファイルシステム周りの「そこにある」感が、お仕事で使う場合にはたまらなく嫌だった。Kernelを設定するのにmake xconfigというものが存在するのが嫌だった。黙って仕事してくれよと思った。BSD/OSはそれに答えてくれたけど有料だった。FreeBSDはBSD/OSほど「寡黙」ではなかったけど、充分「静か」だった。

今のLinuxは、その点ではかつてのFreeBSD(2の頃か)ほど「やかましく」ない。もし私が今あの世界に飛び込んだとしたら、そのまま Linux を使い続けていたように思う。もちろん FreeBSD だってその間に進化して、当時よりもっといいものになっている。同じ「部品」でも、「エンジンのみ」のLinuxと違って、最低限のユーザーコマンドも備えた「パワートレイン」というところも魅力だ。そんなわけで未だに Server OS of Choice は FreeBSDで来ている。

話がちょっと逸れてしまった。とにかく「エンジン」としてのLinuxは、今や充分以上に普及していると言ってよい。

なのになんで「Linuxは普及してない」と未だに思われているのか

OS=エンドプロダクトという「誤解」が普及しているからだ。「誤解」と括弧付きで書いているのは、Die-Hardな「LinuxはKernel Death!」という人ですら、時折"Linux"という言葉を明らかにKernel以外の何かの意味に利用しているからである。私も含めて。

なぜその誤解が広まったかと言えば、犯人は Mac と Windows で間違いないところだろう。本来「アプリ」に過ぎない Finder や Explorer まで含めた「環境」を、両者はOSと呼び、そして我々もそれを受け入れてきた。

今は亡きitojunさんが、これまた今は亡きBSD Magazineの焼肉座談会の終わり頃でついたため息が今でも忘れられない。私は無責任なエンドユーザーらしく、「しかし未だにUnixの呪縛に我々が縛られているというのもつまんないといえばつまんない。Palm OSみたく、ファイルがないOSがあったっていいじゃん。そういうのこさえない」といった旨に対して、彼はちょっと悲しげにこう答えたのだ。

「でも、今やOSってブラウザーが動いてなんぼですから」

これが、回答Bのヒントになる。

なぜ、Linux -- をカーネルとして採用したデスクトップ環境は普及しないのか。

続く

Dan the Indirect Linux User


この記事へのトラックバックURL

この記事へのトラックバック
前回までのお話 発端 初心者が考えがちな「Linuxの普及しない理由」 - 狐の王国 意図的でない要約: ドライバの少なさを挙げる人もたまにいる。これもあんまし意味が無い。動くもの使えばいいじゃない、というだけだからね。それに普通の人が使うマシンなんてオールインテル
[ネット][linux]Linux普及させる必要あるの?【m-birdとFreeBSDの同棲日記】at 2008年08月17日 02:11
で、「404 Blog Not Found:「Linuxが普及しない」理由A - 実はすでに普及しているの続きを書こうとして ubuntu を使ってみたのだけど.... いいじゃん、これ。 というかこれでいいじゃん。
「Linuxが普及しない」理由U - Ubuntuがなかった【404 Blog Not Found】at 2008年08月16日 15:56
仙台市食品監視センター>相談事例集 http://www.city.sendai.jp/kenkou/kanshi/jirei/index.html 東京都に引き続き仙台市のも見つけた 食品相談事例 索引 http://www.pref.aichi.jp/shokuhinkensa/soudan/sakuin.html 食品衛生検査所における苦情事例 魚介類に付着し...
ここは酷い異物ですね【障害報告@webry】at 2008年08月15日 22:11
敬愛してやまない小飼弾氏が「『Linuxが普及しない』理由」についてのエントリーを書いています。 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51096163.html 流石にギークな目線での話でなかなか面白い...
Linuxは普及する必要があるのか?【兎丸の好日日記】at 2008年08月15日 11:30
この記事へのコメント
>バカなハッカー:Mac

受けた。
Posted by ううむ at 2008年09月02日 19:35
バカ:Windows
ハッカー:Linux
バカなハッカー:Mac

でいいかと
Posted by ふな at 2008年08月28日 16:36

端末:WINDOWS
サーバ:LINUX
インテリア:マック

ってことで。
Posted by やっぱ適材適所 at 2008年08月21日 15:06
液晶TVやレコーダに"Linux Inside"
とでも書けば認知はされそうですね

嫌われる対象にもなりそうですが
Posted by Lill at 2008年08月18日 21:31
コマンドラインベースで使いにくいという昔のイメージを引きずったままなのでしょう。
Posted by taka.BRK at 2008年08月16日 09:32
OSも適材適所、ですよね
Posted by at at 2008年08月15日 23:51


同じすぎて笑った

「パソコンからグーグルが出てこない,壊れた」

といってきた客がいた
Posted by   at 2008年08月15日 23:16
電気屋でバイトしていたとき「パソコンが壊れた。ヤフーが出てこない」とかいう類の電話が頻繁にかかってきていたが
そんな奴らにLinuxを触らせるくらいなら現状が一番いいのかもしれない
Posted by   at 2008年08月15日 13:59
段が書くと、余分な揉め事が増えるので楽しいな。
Posted by dann lather at 2008年08月15日 12:50
「そもそもid:[24時間365日]サーバ/インフラを支える技術に書かれている。」の Anchor に本文が埋もれている模様です。
Posted by youhei at 2008年08月15日 11:18
s/裂く/割く/g
Posted by 無題ドキュメント at 2008年08月15日 09:49
役者や俳優(not お笑い芸人)がしばらくテレビに出ないと、活動を停止したとか落ち目になったとか言われるのと似ていますね。実際には舞台や映画、講演などで活躍しているのに。
Posted by Passer-by at 2008年08月15日 09:47
そう言えば、XMLも消えた技術って思っている人に会ったこともあるピヨ。しかもその人は開発者・・・
XMLが消えているなんてねぇ・・・
Posted by インドリ at 2008年08月15日 08:05
Linuxって開発が活発なのに「普及していない」とか「最近静かだ」と言われるけど、あれ程活発に開発されているのにね・・・
開発者にしてみれば、物凄い存在感が在るんだけど。
初心者には見えないしその価値もわからない。
初めから見ようともしていない。
Linuxでもこれじゃあ、FreeBSDは初心者にもっと誤解を受けていると思うピヨ。
Posted by インドリ at 2008年08月15日 07:33