またまた前回からだいぶ間が空いてしまいましたが、今回は紹介しないわけにはいかない一号です。

反面教師、として。

儲かる会社の「グーグル化」大革命

勝間さんがちゃっかり使ったおかげであっちでもこっちでも使われて、その結果むしろ"Web 2.0"以上に何を意味するかさっぱりわからなくなってしまったこの「グーグル化」という言葉ですが、本号での意味は「グーグルをもっと使おう」の意味。

内容自体は、「検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた!」2008年版といったところ。地方の小さな企業が、グーグルのおかげでいかに上手に商売が出来るかの例がわんさかと載っている。

そのこと自体に問題はない。グーグルはそこにある。誰でも使える状態で。使いもしないで「もうだめぽ」というのは早いというのは同感。グーグルありき世で、Webページも用意しないで「客が来ない」と嘆くのは怠慢以外の何物でもない。

しかし、グーグルが「最高の技術を無料もしくは低価格で提供するありがたい会社」だというのは、物事の一面にしか過ぎない。なぜ彼らが最高の技術を無料もしくは低価格で提供しているかに対するつっこみが、本特集には全くない。ゼロなのである。

なぜ彼らにそれが出来るか。客を客としてどころか人としてすら扱っていないからだ。横浜市に対する無礼にもほどがある対応は、氷山の一角のそのまたひとかけらに過ぎない。アボセンスも、またしかり。

そういったことは、日頃からネットにつきあっている人々は肌で知っていることだ。それを知らない人にもそういったことを多面的に報せるのが本誌の役割だと思っていたのだが、少なくとも本号を読む限りでは、週間ダイヤモンドはグーグルの走狗だと言われても一言も言い返せないのではないか。

私にとって、Googleとは蟲である。そこらじゅうにはびこっていて、いいこともすれば悪いこともする。そして、悪いことが起きても、誰にも文句は言えない。蚊に刺されても厚労省に文句を言っても仕方がないのと同じく。刺されたくなかったら自衛するしかないのだ。

過去何度も書いているように、私自身にとってはGoogleは害より益をなす存在だ。Googleにとって「弾」は「小飼弾」のことだし、「子飼弾」は「もしかして小飼弾」ということも報せてくれる。本blogのpagerankは6。This blog is definitely blessed by Google.

しかしそれは、「人に好かれている」のではなく「蟲に好かれている」のと同じだ。Google内の特定の誰かが「あいつを一押ししよう」と言っているわけではないのだ。そして蟲である点において、Googleは確信犯である。"Don't be evil"というのは、"Don't be a man"ということなのだから。

私の言うべきことは言った。あとはあなたの勝手である。好きなだけGoogle化に勤しむのもよし。それで問題が起きても、悪いのはあなた。Google化したあなたの責任である。

Are you feeling lucky?

Dan the Googled