2008年12月01日 17:30 [Edit]

この記事をクリップ! newsing it! Buzzurlにブックマーク b.hatena.ne.jp/entry 共同体工学の前に脊髄心理学を

面白い。のだけど、

たとえば

共同体工学のすすめ - レジデント初期研修用資料
同じ品質、同じ量のアイスクリームを、「四角」と「丸」、別の容器に入れて、価格を揃えて販売すると、 「丸」い容器のほうが圧倒的に売れる。それがマーガリンなら、白いものよりも、黄色く着色したほうが売れる

これはむしろ「脊髄の叡智」で説明がつくのではなかろうか。


まず、アイスクリームのカップが丸い方が受けるのは、その方が食いやすいから。アイスクリームはスプーンで食う。スプーンでアイスクリームをしゃくるときには、器が丸い方がずっときれいに食べられる。アイスクリームで「重箱の隅」をつつきたい人はあまりいないだろう。

(でも、本当は箸を使っていても丸い器の方がきれいに食えるんだよね。なんで重箱は四角いんだろう?むしろそっちの方が不思議かも。)

そして、マーガリンの器が黄色い方がいいのは、マーガリン自体が黄色ということを我々が知っているから。試しに、抹茶アイスを黄色いパッケージに入れてみたときのことを考えてみればいい。

さらに一般化すれば、

  • 器は、中身が取り出しやすい方がいい
  • 器は、中身が「見えた」方がいい

という結論も取り出せるだろう。

以上のことは、心理学の素人である私でも容易に思考実験できた。で、それに当たっては、

共同体工学のすすめ - レジデント初期研修用資料
人間の「頭のよさ」というものは、状況を取り繕う、その一瞬にこそ最大限に発揮される。 コミュニティエンジニア「人間」を想定するときには、もっと愚かな、 「虚栄心を持った猿」みたいな生き物を想像しないと失敗する

と想定するよりも、「猿はあんがい賢い」と想定した方がうまく行く。猿や脊髄は深くは考えないけれど、「演算速度」は早い。そしてそれが「演算」である以上は、理詰めでもその反応を理解することが出来る。そして理詰めでうまく行くのであれば、それは「学」になんとかもっていくことが出来る。

共同体工学のすすめ - レジデント初期研修用資料
人の動きをエンジニアリングするやりかたは、どの業界を見渡しても、あまり上手くいっていない。

だからAppleが一人勝ちするのだろうとも思う。Jobsの天才はそこにある。彼は「どうすればうまく行くのか」は知らないが、「何が欲しいか」はとことん知っていて、「どうすればうまく行くのか」を見つける連中をホイホイ動員することが出来る。

Jobsになるのは難しい。しかしJobsが欲しがっているものをどう実現するかは、そこまで「難しく」ないし「直感的」でもない。

「相転移」を願うのもいいけれど、まだ「既存の相」でやり残していることもたくさんあるのではないか。と、medtoolzさんよりよっぽど「脊髄反射的」に生きてきた私が言うのもなんだけど。

Dan the Man of Instincts


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この記事へのコメント
>同じ品質、同じ量のアイスクリームを、「四角」と「丸」、別の容器に入>れて、価格を揃えて販売すると、 「丸」い容器のほうが圧倒的に売れる。

ええ〜〜〜!ウチじゃ四角いロッテの「爽」よく買うよ。
近所のコンビニ、スーパーにもよくあるし。
いっぱい置いてるって事はよく売れてるんじゃないの?
Posted by きゅちゃーん at 2008年12月01日 17:55
「爽」は新しい食感を前面に押し出していて、新しさを表現する記号として、四角いパッケージを使ったのかも。私もハーゲンダッツよりも愛好していますが。。

Jobs のすごさというのは、「俺が欲しいものはみんなが欲しがる」という信念なんですかね。。「どうして」抜きの。
Posted by medtoolz at 2008年12月01日 18:21
>>きゅちゃーんさん
それは、競合製品である「スーパーカップ」との差別化のためでは? 実際、発売年を調べてみると、「スーパーカップ」は94年、「爽」は99年となっています。価格も品質も同程度ならブランドも重要になるわけで、「爽」を買おう、と思った人が一目で見分けられるようにするためには、四角い容器が有効である、と判断したのでしょう。
Posted by fox at 2008年12月01日 19:11
>それは、競合製品である「スーパーカップ」との差別化のためでは?

あ、爽か!
Posted by きゅちゃーん at 2008年12月01日 23:33
こんばんわ、はじめまして。
心理学って、面白いですねー。
実は自分も四角い爽が好きだったりします。
応援してますんで、これからもがんばってくださいね。
Posted by メール at 2008年12月02日 00:14
>medtoolz殿
Jobsのスゴさは大多数の人々と同じ感性を持ち、半歩進んだ未来にいることでしょう。これは成功したビジネスマン全員に言えることでしょうが。

Appleのスゴさはクパチーノキャンパス内に幼稚園を作って、子供達に異論なバリエーション違いのハードウェア/ソフトウェアを使わせて反応を見る、と言った地道なインターフェイスの研究の積み重ねだと思います。
Posted by Q at 2008年12月02日 08:53
そういうのを認知心理学というのだと思いますけど。
Posted by lets_skeptic at 2008年12月02日 09:25
東芝の「REGZA」が福山雅治をイメージキャラクターに採用したとたん,
売れるようになったこととかは,どういう風に「脊髄の叡智」で
説明できるんでしょうか?

TVで「やせる」といったとたん,納豆やバナナがスーパーの店頭から
消えたりすることとかも。

とてもじゃないですが,人間の集団の行動様式をして,
「猿はあんがい賢い」とは想定できないんじゃないですか?
Posted by tnk at 2008年12月02日 09:38
容器が丸・・・上記のような売上増につながる。パッケージデザインの
自由性がやや広がる。
容器が四角・・・店頭に多く並べ易い。在庫保管の際のスペース効率が
いい。→保管料の節約になる。

ただ、「爽」はちょっと特殊かも。四角の割には縁があって、スペース
効率よくないし、四角であることで特別な認知に繋がって売れている。
これはパッケージ企画の人が逆張りで成功したんだな。
お菓子のパッケージで四角というのは、ニッチ狙いでアリ。
なんか、四角いプリンが食べたくなってきた。
Posted by 俗人 at 2008年12月02日 11:15
「マーガリンを黄色く着色したほうが」というのは、容器じゃなくてマーガリンそのものの話だと思います。もともとはラードっぽい色のようですが、「バターっぽいなにか」感をだすために着色してあり、そのことをいっているのでしょう。
「白が本来の色」ということが一般に知られれば、逆に「着色してないですよ」感のために白をひきたてる青いパッケージもアリになるかも。
そういう工夫は、さて、「工学」なのか…
Posted by kota at 2008年12月03日 02:59