2009年03月18日 23:30 [Edit]

Live your life - 書評 - 会社に人生を預けるな

著者より献本御礼。

404 Blog Not Found:カツマofカツマ2008 - 書評 - 起きていることはすべて正しい
なぜなら、本書は著者の手による、現時点におけるベストな一冊であると同時に、そうであるがゆえに著者の手によるベストな一冊とはなりえないからだ。

今回も、これを証明することとなった。「会社に人生を預けるな」、ちょっと涙目かも知れない。


本書「会社に人生を預けるな」は、勝間和代の最新刊。

目次 - 勝間和代『会社に人生を預けるな』 | 光文社新書 | 光文社ではなくAmazonより
第1章 会社に人生を預けるな
終身雇用制は現代の小作農、または奴隷制
終身雇用制とワーク・ライフ・バランス
さまざまな歪みの原因
女性は働きにくく、若者は報われない
第2章 リスク・リテラシーを磨く
なぜ、貯蓄から投資が進まないのか
日常生活に潜むリスク
リスクは常に偏在する)
第3章 「お上」に人生を預けるな
「お上」中心主義
日本の巧みな支配構造
現代資本主義が抱えるリスク
リスクを予見する能力)
第4章 21世紀のパラダイムシフト
人生はコントロールするもの
日本が導入すべき三つのもの
よりよく生きるために
問題解決の鍵

「勝間和代の最新刊」。これで言い表せるほど著者の言動は首尾一貫しており、そして有名である。そうである以上、「それ、前にも言ったよね」ということは避けられない。「唯脳論 」をきちんと読んでいれば、わざわざ「バカの壁」を読むまでもないと同じ意味においてなら、「起きていることはすべて正しい」を読了した人には本書は必要ないかもしれない。

それでも読んでしまうのは、著者の価値は「何を言ったか」よりも「どう言った」にあり、そして著者の目的は本を出すことではなく、本を通して社会を動かすことにあるからだ。

もし本を売ることが著者の目的なのだとしたら、その目的はすでに本書を出すまでもなく達成している。しかしそれを通して社会を--日本を--動かすともなると、百万部や二百万部「程度」では「駄目」なのだ。

だから著者は手を代え品を代え、そして言葉を代えて同じことを繰り返す。確かにしつこい。私でさえそう感じる。読書に慣れた人であれば多かれ少なかれそうなのではないか。

しかし私は、そこまでしてやっと言葉というものが伝わるのだということもまた知っている。だから著者の著書というより、著者の行動を支持している。

それに、本書はこうした「勝間和代の文脈」をとりあえず忘れて、著者の過去作も忘れて、改めて文章だけ読んでも実に面白い本である。私はむしろ著者の本を一冊も読んだことがない人がうらやましい。一カ所だけ引用する。

P. 131
 まず、日本のこれまでのヒーロー像というものを追ってみましょう。すると、遠山の金さん、水戸黄門、銭形平次、ウルトラマン、仮面ライダー...といったように、将軍であったり、奉行であったり、圧倒的に「お上」で占められていることに気づきます。
 一方、たとえばアメリカのヒーロー像を見てみると、それは市民によって多く占められていることに気づきます。スーパーマンしかり、スパイダーマンしかり、スタートレックもそうです。みな、市民です。

もちろんつっこもうと思えば、「仮面ライダーはショッカーの裏切り者だったし、スタートレックは連邦軍なのだからお上ではないか」とは言えるが、しかし「役人ヒーロー」が日本に多く、「市民ヒーロー」が米国に多いという傾向は確かなように感じる。私が日本の「古典的ヒーローもの」、特に時代劇にさほど魅力を感じなかったのは、そのほぼすべてが役人ヒーローだからなのではないか。

Text of Steve Jobs' Commencement address (2005)
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma -- which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

ここではあえて訳さない。結局著者が繰り返し繰り返し繰り返し述べているのは、こういうことなのだ。ほとんどの人はそれを頭で理解できる。体で理解している人も少なくない。しかしそう生きている人ともなると、かの国にすら充分いるとは言えない。ましてやこの国においては。

胸を張って「私は自分の人生を生きている」と言い切れる人に、本書は不要だ。しかしそこまで自信がなく、その癖「また言っているよ」という人こそ、「ドグマに捕らわれている」のではないか。

本書は本ではない。鍵なのだ。あなたを閉じ込めている監獄の扉をあける。まずはそこから出てほしい。

Dan the Ruler of His Own

追記:

勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!: 新刊「会社に人生を預けるな」、3/17発売です
特設サイトはこちらです。
会社に人生を預けるな

業務連絡。この特設サイトの目次がテキストでなく画像というのはいただけない。blogを読むのは人間だけではない。検索エンジンだって読むのである。


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会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)勝間和代 光文社
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く【蔵前トラック供at 2011年11月23日 23:28
勝間和代の本をまた読んでしまいました。 私は勝間和代が嫌いです。生理的に。 私の奥さんも「友達にはなりたくないタイプ」と言います。 しかし、言っていることは至極正当。 今の日本(人)に必要なことを、(弾さんも言っているが)手を変え品を変え、メディアを変....
「断る力」と「会社に人生を預けるな」【インターネット2.0的】at 2009年05月05日 01:21
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今日ご紹介するのは、勝間和代さんの新刊 会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書) (光文社新書)(2009/03/17)勝間和代商品詳紮..
リスクを取れる自由はすばらしい【書評】勝間和代(著)『会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く』 (光文社新書)【一流への道】at 2009年03月21日 23:35
書評リンク - 会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書) (光文社新書)
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書) (光文社新書)【書評リンク】at 2009年03月21日 22:28
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書) (光文社新書)(2009/03/17)勝間和代商品詳細を見る  【 目 次 】  第1章 伮..
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く 勝間和代(著)【Makeup Life! メイクアップ・ライフ!】at 2009年03月20日 11:00
この記事へのコメント
>の さん
>むしろ さん

最近「相棒」と化してきたサイバラさんが
小中学生向けのお金本を出しているので、
おそらく勝間さんも近々後追いするのでは、と予想しています。

個人的にはサイバラさんの方がそりゃあ大好きですけれども。笑。
Posted by とおりすがり at 2009年04月02日 15:20
むしろ小学生向けに勉強しろという投資の本を書いて欲しいね。
学校に人生を預けるなって言えるのかな 笑。
多少どういうパターンにでるか興味がある。
中学生向けだと部活は運動部にいけかな?
推薦狙いなら委員になれとか。
勝間さんてスクールカーストの中でどういうポジションに
いたのか。
Posted by むしろ at 2009年03月21日 05:15
勝間さんの評価はみなさんに任せるとして
実は今 勝間さんに勝手に期待しちゃってるのが

中学生くらいの年齢に向けた著作なんですが

あり なんですかねぇ
Posted by の at 2009年03月20日 18:54
こういった
What is life?系って
読者は、「ぱーん」と
すぐアクションをする人ではなくって、
うじうじする系です。

なので、
何冊も何冊も読むんですよ。

英語の勉強の仕方教えてください。って
いろんな人に、教えてもらう時間を費やすけど、
勉強をしてない人種。


彼女は、それを知ってて、
何冊も出している。

なんか
立ち読みして、めくってて、
何冊も買ってしまう。
そんで、結局はアクション起こせない。

で、また、本を買う。

なんで、きっと何年か後に、
全集化 or ディアゴスティーニ化。

Posted by higekuma3 at 2009年03月19日 19:29
>>目次がテキストでなく画像
ソースみたら一応<h1>でくくって画像と同じようなこと書いてましたね。
Posted by 三上遼 at 2009年03月19日 10:53
中立ですな
批判コメントでちょっと軌道修正?
皆が勝間某に尻尾を振っている状況では、ナカナカ出来る事ではありませんネ。そういう意味ではダン氏は強いなあ。
Posted by 少子化 at 2009年03月19日 07:27
I&hearts;勝間(笑
Posted by うあは at 2009年03月19日 03:25
自分は自分の人生を生きている、と思っているけれど。
とっても苦しいですね。

この苦痛に耐えて、乗り越えて、最終的に生き残り、後からあんなこともあったなぁと、笑って話せるようになりたいと思うけれど。できるだろうか。
Posted by sakurada at 2009年03月19日 02:03
うーん、これだけ次々に本を出された勝間さんのさらなる新刊となると、さすがに書評も苦しくなるのかなあと正直感じました。
しかし献本されたらなるべくよいところを見つけて紹介する、という姿勢には頭が下がります。
ただ自分が読みたいかどうかとなると、過去に1冊読んだだけでお腹いっぱいなので遠慮しますが。
Posted by 読者 at 2009年03月19日 01:17