21世紀の市民に必要な力 - 書評 - 不透明な時代を見抜く「統計思考力」
出た、出た。やっと出た。
この本を、待っていた。
こんな本を、ではなくこの本を。
そして、この国は待っている。
この本を最大限活用してくれることを。
本書「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」は、「学力低下は錯覚である」をあざやかに証明してみせた著者が、その証明力を読者に分け与えるべく著した一冊。
目次 -
Discover - 書籍紹介を大幅改定
- はじめに
- 第1章 基礎編 データを見る
- それ、ほんとう? まず元データに当たる習慣をつけよう!
- 1 生データを入手する
- それホント?まずは生データに当たれ!
- 数学が出来る=年収が高い?
- 自分にとって重要な数字を頭に入れておく
- アメリカ・ベンチャービジネスの幻想
- 2 データを図にする
- データを時系列のグラフにするとよくわかる
- 検証 若者の読書離れはほんとうか?
- 本は本当に売れなくなっているのか?
- インターネットは本の敵?
- 読書離れしていない若者とは?
- 昔と今の大学生はイコールではない
- 結局、読書離れしているのはだれか?
- それでも本は読まれている
- 検証 小泉改革は格差を拡大したのか?
- 格差を測るものさし - ジニ係数とローレンツ曲線
- 公式統計を見る(1) 日本のジニ係数からの検証
- 公式統計を見る(2) 完全失業率からの検証
- 公式統計を見る(3) 非正規雇用のデータからの検証
- データ集めのむずかしさ(1) 新しすぎる概念〈ワーキングプア〉
- データ集めのむずかしさ(2) データの信頼性という問題〈ワーキングプア〉
- データ集めのむずかしさ(3) 数えきれない数〈ホームレスとネットカフェ難民〉
- 国の豊かさを測る(1) 平均給与
- 国の豊かさを測る(2) 一人当たり実質GDP
- 国の豊かさを測る(3) 貯蓄ゼロの世帯
- 検証結果をまとめる
- ジニ係数は万能ではない
- 私見 - 右肩下がりの時代に
- 検証 連続する事件や事故に関係はあるのか
- 似たようなニュースが続く理由
- 航空事故は流行るのか?
- 地震は続く - ポアソン分布の怪
- すべての事件に物語があるわけではない
- 3 専門外のデータはこうして読もう
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第2章 中級編 データを読む
統計の基本を知って、正しく読もう
1 基本をおさえる 平均と分散
- 「平均」値が実感と合わないのはなぜ?
- 庶民とお金持ちはここが違う
- 株価の動きは読めるのか?
- 株価の動きに規則性はあるのか、ないのか?
- 中学数学でわかる標準偏差
- 標準偏差はなぜ2乗してルートを取るのか?
2 足したら出てくる 正規分布
3 一を聞いて十を知る 大数の法則
- なぜ、開票率数%で「当確」が出るのか?
- アンケートは偏ることもある
4 分けて考えるべき分布
- 奇跡の公式 - ブラック・ショールズ評価式
- 分けて考えるべき分布
- 平均・分散が存在しない世界
- 安全な資産運用は幻想である
5 因果関係と間違えるな - 相関
- 勉強が好きなら成績もいい?
- 勉強時間が増えれれば成績が上がる?
- 「相関が高い」と言えるとき、言えないとき
- 相関係数は曲がったことが嫌い
- 関係ないのに相関係数が高い話
第3章 上級編 データを利用する
過去データから未来を予測する
1 未来を予測する
- 経済予測はなぜプロでもむずかしいのか?
- ブラック・スワン
- 人口はわたしたちに未来を語りかけている
- 失業率のニュースをどうとらえるか?
- 日本の出生率は上がるのか?
- 人口ピラミッドで日本のこれからを読む
- 中国の繁栄はいつまで続くのか?
2 思考を錬磨する - オープンコラボレーション
3 自力で考えることの最大の敵
統計・文献ガイド
あとがき
参考文献
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Masahiro Kaminaga's Weblog: 統計リテラシーの本を書きました本書は,ビジネスパーソンのための統計リテラシーの本です.
ああ、「はじめての課長の教科書」もそうだったけど、なぜ名著の著者というのは自著のスコープを過小適応するのだろう。本書は、ビジネスパソーンにももちろん役に立つ。しかし本書は「有権者」、すなわち社会に対して権利を持つ者すべてに役に立つ、統計を超えたリテラシーそのものの本なのだ。
まだ社会がイエとムラしかなかった頃には、直感が現実にそぐわないこともそれほどなかっただろう。しかし今や我々が相手にしなければならない社会はずっと大きい。「ムラ」でさえ数千から数十万の人口があり、「クニ」ともなれば億を超え、そして「セカイ」ともなれば七〇億にも達しようとしている。
そんな大きな世界を直感するための糧がデータであり、そのデータを消化するのが、統計思考力なのである。そしてそれは、既得権益を有する、持てるものに対する、持たざるものの唯一にして最大の武器なのである。
第一章では、まず生のデータを丸呑みすることを学ぶ。実はそれだけでも見えなかったことが見えてくる。いや、世間の偏見がどれだけ我々を盲目にしているのかが明らかとなる。たとえば、「近頃の若者は本を読まない」という偏見がある。それがウソであることは、以下のグラフで一目でわかる。
全国学校図書館協議会|海外学校図書館研究視察(アメリカ)より - 本書P.42
「生データ一発で嘘発見」は、本blogの「常套手段」でもある。実はこの第一章を忠実に実行するだけでも、「ふつうの奴らの上」を行けるのだ。ここまでは、本書でなくとも「できる人々」はほぼ例外なくやっている。
しかし、本書のすごいのは第二章である。生データは諸刃の剣。そのまま呑むと腹を壊すことがある。そういう生データをいかに料理するのか。それが統計学である。統計学は理工学部でも実はきちんと教えず、頭ごなしに「こうしろ」と押し付けられることが多い学問なのだが、著者は「重点攻撃目標」を「分散」に定めることで、導出には大学レベルの数学が必要な「なぜこうする」を、中学生にもわかるように説明することに成功した。
してやられた、という感じだ。塾の講師をしていたとき、私もなぜ「標準偏差はなぜ2乗してルートを取るのか?」という質問を受けたことがあったが、どうしても彼女を納得させることが出来なかった。こんないい方があったとは!
これはどうやら本書の編集者である干場さんの功績であるようだ。すでにそれに慣れてしまったものには、「わからない」がわからないのだ。私もそうだし、著者もそうだっただろう。「わからない」を捨て置かなかった両者に乾杯。
そう。実は最も難しいのは、「そこに問題がある」を見いだすことなのである。それが第三章の課題であり、そして問題は見つかり次第、第一章に戻って料理すればいい。本書は見事な環となっているのである。
本書で唯一残念だったのは、内容ではなく出版時期。出来れば3月中に出してほしかった。「ビジネスパソーンのための」本であれば、本書が最も旬であったのは決算期直前なのだから。しかしそうなったのにはわけがある。査読のためにそれだけの時間が必要だったのだ。
目次をご覧になるとわかるかと思いますが,本書ではかなり広範囲の話題を扱っています.そこで,石橋良信先生(環境科学),稲葉寿先生(人口学),魚橋慶子先生(情報幾何学,統計学),神林博史先生(社会学),高安秀樹先生(経済物理学)に査読していただきました.私の専門外の領域については,専門家の方々に協力して頂くことによって,完成度が格段に上がったと思います.
本書は、一般書のわかりやすさと学術書の精確さを兼ね備えた、ノンフィクションかくあるべきという一冊でもある。期末を逃したのは惜しいが、しかし待ったおかげで本書は「ビジネスパーソンのため」を超えた、「有権者、そしてこれから有権者になる者すべてのための」という、より普遍性のあるものに仕上がった。
Don't politic, use data. by Marissa Mayer
著者のblogのスローガンであり、そして叡智ある群衆の一員たる我々がすべて心すべきスローガンでもある。Don't Panic, use data!
Dan the Endorser
Posted by dankogai at 02:30│
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またまた、1ヶ月の中で、1番目か、2番目、もしくは3番目に、心浮き立つ時がやって
たとえばこんなふうに本は生まれる!裏話 ●干場【ディスカヴァー社長室blog】at 2009年04月08日 08:17
パナソニック、地デジ専用で実売5万円のHDD/DVDレコーダ -AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090408_110535.html
アンテナ禁止のマンションでCATV経由の人なんかはBSを受信したくてもできないからな
なので普通の家で使うのだとこれが絶妙のラインなん...
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ビジネスの現場では、「定量的な目標を立てること。仮にできない場合には、定性的に書くこと。」と言われる。「数時」といかに付き合うか?
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404 Blog Not Found:21世紀の市民に必要な力 - 書評 - 不透明な時代を見抜く「統計思考力」 より。 不透明な時代を見抜く「統計思考力」 作者: 神永正博 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン 発売日: 2009/04/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) 本書は,
[本]統計学を身近に【Dancin’ in the Dark】at 2009年04月09日 23:31
不透明な時代を見抜く「統計思考力」作者: 神永 正博出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2009/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー) 今回も小飼弾さんのブログで紹介されていたのを見て購入しました。 ブログで絶賛されていたので期待して読ん...
『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』を読んでみました【コードを書かせてもらえなくなったエンジニアのブログ】at 2009年04月25日 11:40
■感想
選択肢のあふれた時代に生きていると思う。その中で最適なものを選ぶ能力が今後大事になると思い、少しでもその技術を学びたくて購入...
不透明な時代を見抜く統計思考力【hobo-多読多評-】at 2009年05月01日 06:12
小飼弾さんのブログでのレビューを見て購入しました。
理論的に精緻な論文を読んでいるような、気持ち良さを感じました。
ドラッカーとか、哲学者の永井均さんとか、語ってる内容も...
身の回りの広告の数字、グラフには、トリックらしきものがたくさんちりばめられている。(1) 山手線のドアに貼ってある 「東京経済大学」 という大学の広告 山手線のドアに 「東京経済大学」 という大学の広告が貼ってあって、 そこには 「女子率」 という数字が載...
「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」【積ん読 または 買い物リスト】at 2009年08月09日 12:46
報道は真実か。解説は適切か。その説は正しいか。何かにつけて物事が正しいと判断するには裏をとらなければなりません。その裏とは何か。『統計によるデータ』です。特に最近の多くの報道、通説、専門家による解説の多くが、正確なデータに基づいていません。主観に基づく判
[書評]不透明な時代を生きぬく「統計思考力」【keitaro-news】at 2009年08月09日 16:45
神永正博 (2009). 『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』の書評
良い本ではあるが、グラフの描き方など不適切。分析能力の基礎はつくかもしれないが、アウトプット能力は別に身につける必要がある。
神永(2009) 一般人向けに書かれた統計の考え方を示す書籍【Colorless Green Ideas】at 2009年09月25日 23:21
今回は、提案書などには不可欠な統計の本です。 統計を読み解く力を身に付け、一歩先を行く選択をしていきましょう。
不透明な時代を見抜く「統計思考力」 (2009-04-15) 神永 正博 ★★★★☆ ...
化学同人竹内様より献本御礼。
統計数字を読み解くセンス
青木繁伸
こんな本を待っていた。
統計思考が重要なことは不透明な時代を見抜く「統計思考力」」を読めばいやでもわかるし、「統計数字を疑う」をよめば統計をそのまま信じようとはしなくなる。
しかし....
統計思考力養成ギブス - #書評_ - 統計数字を読み解くセンス【404 Blog Not Found】at 2009年12月08日 01:59
ディスカヴァーより献本御礼。
ハカる考動学
三谷宏治
2008年、「はじめての課長の教科書」、2009年、「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」。同社はこの時期に「これだ!」という一冊を出してくる。
2010年は、間違いなくこれだ。
考動学に、ようこそ。
[謀図諮]るな[測量計]れ - 書評 - ハカる考動学【404 Blog Not Found】at 2010年04月06日 08:22
.bookcd {
float: right;
border: dotted 1px;
padding: 0.5em;
background-color: #ffffff;
margin-left: 1em;
text-align: center;
}
筑摩書房松本様より献本御礼。
ポストモダンの共産主義
Slavoj Zizek /
栗原百代
[原著:First As Tragedy,...
恐らく当ブログをお読みになっているような方であれば耳にタコができるほど聞いたことがあるに違いないでしょうが、プッシュされてくる情報は、そのまま鵜呑みにしてしまうことなく、自らの頭で考え、捉え直す...
統計アレルギーな人もこれなら大丈夫 - 書評 - 不透明な時代を見抜く「統計思考力」【知磨き倶楽部〜読書で「知」のトレーニングを!〜】at 2011年01月27日 15:44
動画の弾さんのテンションの上がりっぷりに笑い、更に、対談なのに、殆ど弾しか喋らないという"対弾"になってて笑った。
弾が褒めると読みたくなるんだよなー
良さげな本ですな。
つーか経済・ファイナンス系のデータの正規性が全然信じられなく
なっちゃった今日この頃です。確立変数が本当は独立じゃねーんじゃねーの?誰か助けて下さい。
途中「ビジネスパソーンのための」になってますよ。2回。
> すでにそれに慣れてしまったものには、「わからない」がわからないのだ。
私の場合、「『わからない』がわからない」というより、
「『自分がそれをどのように理解しているのか』がわからない」と感じることの方が多いです。
つまり、メタ理解の問題だと感じます。
『学力低下は錯覚である』には、↓の記事が指摘するように都合の悪いデータを無視してるという批判もあるようです。
http://www.kyo-sin.net/PISA2006.htm
どの議論が正しいのか、混乱している今日この頃です。
はじめまして。
この本、良さそうですね。
弾さんが、これだけお薦めなら読んでみなくては!
>なぜ名著の著者というのは自著のスコープを過小適応するのだろう。
やはり本が売れない時代だからでしょうね。
スコープを絞らないと本を手にとってくれる人がいなくなるからです。
タイトルをぱっと見て関係ないと思ってしまったら、二度と本を手にとらない人が大半。
本を買わない人に買ってもらうための出版社の苦肉の策の結果のタイトルではないでしょうか。
本当は著者も不本意なのでは。