2009年08月27日 12:45 [Edit]

褒めれなくても、励ませる - 書評 - 人を励ますのが苦手な人のための50の簡単な方法

ディスカヴァー社より献本御礼。

これだよ、これ。今の日本のオレタチが必要としていたのは。

褒めることができなくったって、励ますことはできるじゃないか。


本書「人を励ますのが苦手な人のための50の簡単な方法」は、タイトルどおりの一冊。

目次 - 同社社長室田中様より特急Mail多謝
第1部  するべきこと
1 癒しの場を提供する
2 元気が出るメッセージを送る
3 美しい贈り物をする
4 ピンチのとき、そばにいる
5 努力をねぎらう
6 パーティーに誘う
7 大切なイベントに出席する
8 相手をがっかりさせることをしない
9 話を聞いてあげる
10 CDやビデオを贈る
11 自分の間違いを認める
12 そっと寄り添う
13 相手に優しくふれる
14 こちらから会いにいく
15 感謝の手紙を書く
16 賞賛する手紙を書く
17 救いの手を差し出す
18 借金を棒引きする
19 物質的・経済的な支援をする
20 自由にさせてあげる
21 ペットをプレゼントする
22 ポジティブな話をする
23 味方になる
24 より多くの支援を得るのを手伝う
25 友情をつらぬく
26 相手を見捨てない
第2部  言うべきこと
27「私はあなたのそういうところが好きです」
28「ありがとう」
29「素晴らしい」
30 「あなたのことを思い出しました」
31「手伝えることはありますか?」
32「あなたならできます」
33「あなたの優れたところは・・・です」
34「この人は私の特別な友人です」
35「あなたは個性的な人です」
36「あなたはまるで・・・のようです」
37「あなたを許します」
38「あなたは一人ではありません」
39「あなたは着実に成長しています」
40「あなたが好きです」
41「人生はまだこれからです」
42「もうすぐ良いことがありますよ」
43「出口はすぐそこにありますよ」
44「あなたにはそんなものは必要ないと思います」
45「いつまでもこんな状態である必要はありません」
46「人生は素晴らしい」
47「ほかにも選択肢があります」
48「これはいつまでも続きません」
49「あなたはかけがえのない人です」
第3部 知っておくべきこと
50 相手が励ましを受け入れないとき
おわりに 今日、人を励まそう
訳者あとがき

「けなすなほめろ」と人は言う。

ウェブ時代をゆく」 P. 118 (草稿:直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。 - My Life Between Silicon Valley and Japan)
ところで、日本の若い人たちのブログを読んで思うのは「人を褒める」のが下手だなということである。つまらないことで人の揚げ足を取ったり粗捜しばかりしている人を見ると、よくそんな暇があるなと思う。もっと褒めろよ、心の中でいいなと思ったら口に出せよ、と思うことも多い。

しかし、ほめるのは実に難しい。けなすことが出来る能力を「九九を覚えた」程度だとすると、微積分ぐらいは難しい。何がどう難しいかは上の書評をはじめ結構書いてきたので長々とは繰り返さないが、ほめるのが難しいのは、ほめる相手のつぼがどこにあるのかを見つけるのが難しいということにつきるだろう。相手の経絡を知らなければならないのだから、北斗神拳なみに難しい。いや、北斗神拳より難しいかも知れない。人体の経絡ほど、人心の経絡は同じではないのだから。

だけど、背中をさするのだったら、我が家の娘でも出来る(実際にしてもらってる:)。

励ますの素晴らしいのは、ほめると違って相手を見切る必要がないことだ。ほめるは二重に難しい。正しくかつ正しい時でないとキマらない。あまりに多くの人が、相手を見切ろうとして機会を逸してしまう。励ますは「なに」を「いつ」という二つの変数の制度が格段に低くてすむのだ。

本書のすばらしいのは、だからといって励ますがサルにでもできるほど簡単だとは言わないことにある。実際励ますのだって、鶴亀算程度には難しい。九九覚えたてには結構な難易度ではないか。

本書の方法50番目は、励ましがうまく行かなかった人を励ます言葉でもある。具体的にどうするかは本書で確認して欲しい。メタ励ましだが、他の励ましと難易度は同程度である。

「ご声援ありがとうございます」が喧しい日々である。しかしこれ、よく考えると喧しい以前に本末転倒ではないか。励ますのは実は為政者の仕事ではなかったのか。いや、自由主義の国では、それが為政者の唯一の仕事ですらある。そこでは「やる」のは民の仕事であって国の仕事ではないのだから。

太平洋の向こうでは、励ます者を主導者として選んだ。

我々は、どれを選ぶのだろう。

本書が読者の手に届く頃には、「誰」は決まっているはずである。

それが誰であれ、それは励ます者であって欲しい。

そして政治が「あいつら」のものではなく我々のものであるのと同様、励ますこともまた我々の仕事でもある。まずは励まそう。ほめるのは達人にまかせて。

Dan the Encourage[rd]


この記事へのトラックバックURL

この記事へのトラックバック
ReviewMarket.NETでは人を励ますのが苦手な人のための50の簡単な方法の良質なレビューを集めています。
ReviewMarket.NET:人を励ますのが苦手な人のための50の簡単な方法レビュー【ReviewMarket.NET:良質なレビューを提供するサイト】at 2009年09月10日 00:42
最近仕事が忙しく、久々に、弾さんの書評を読んでからamazonで本を注文しようとブログをお邪魔したら、素敵な言葉が目次になっている本がありました。 ご紹介するのは2冊。 ■人を励ますのが苦手な人のための50の簡単な方法 ■ 君の成績をぐんぐん伸ばす7つの心のつ...
人を励ます言葉=自分に優しくなれる言葉【四方山三吉(よもやまさんきち)の「風の便り」 Part2】at 2009年09月03日 07:13
まだ、ゆっくりご紹介したい8月新刊があるうちに、なんといち早く、小飼弾さんが、9
うまくいっている人とうまくいっている本の最後の秘密 〜利己と利他・中身と外見の狭間で ●干場【ディスカヴァー社長室blog】at 2009年08月30日 18:49
まだ、ゆっくりご紹介したい8月新刊があるうちに、なんといち早く、小飼弾さんが、9
うまくいっている人とうまくいっている本の最後の秘密 〜利己と利他・中身と外見の狭間で ●干場【ディスカヴァー社長室blog】at 2009年08月30日 18:46
この記事へのコメント
ちょっとくどいけど、つけたし。

毎日一日一回かかさず般若心経を読誦すれば、3年で1000回以上読誦することになります。

毎日朝夕三回ずつ般若心経を読誦すれば、5年で10000回以上読誦することになります。

同じことを毎日何年も継続していると力になるというのは、こういうことです。

10000回般若心経を唱えた後は、普通の人とは、別様の認識能力を手にしているはずです。

般若心経の経本なら、仏具屋さんか仏壇屋さんか大きなお寺に行けば簡単に入手できます。ようは、やる気があるかないかだけが違い。
Posted by enneagram at 2009年08月29日 08:20
さっそく読んでみたいなと思いました。

アドラー心理学といわれるものが、ほめるのではなく「勇気づける」ことを言っているらしいのですが、もしかしたらちょっと似てるのかも?
Posted by 大仏 at 2009年08月28日 05:43
そんなにほめることを難しくとらえる必要はないでしょう。

つぼをはずそうが、キマらなかろうが、ほめればいいんですよ。
そのうち少しずつうまくなっていくでしょう。

少なくとも、自分が人をほめることができる人間になっていけます。


ほめるは人のためならず、と考えましょう。
(もちろん、その人のためにならないという意味ではなく)


Posted by zzz at 2009年08月27日 19:13
だれからもほめられなくても、励まされなくても、いつも誰かから追い詰められていても、できれば毎朝、朝が無理なら夜お酒を飲む前、般若心経を毎日三回読誦してほしいなあ。

それができる人なら、絶対にどんな事態も打開できるし、なんらかとりえも作れるはず。そうなるまでの時間は、三年かからないはずです。

でも、毎日、般若心経を三回唱えられる、というのだけでも、相当の才能と持続力が必要だとしたら、結局、私の言っていることも、エリート向けの対応策なのか。

般若心経ができなければ、一日十回「南無阿弥陀仏」か「南無妙法蓮華経」を唱えるんでもいいのだけれど。とにかく、三年以上持続することですよ。
Posted by enneagram at 2009年08月27日 13:59
おお、アマゾンよりも、弊社のブログよりも早いご紹介、ありがとうございます。で、弊社のブログのリンク先がまだなくって、残念。弊社で売れた翻訳自己啓発書の多くがそうであるように、これも、翻訳家弓場隆さんの持ち込み企画! 彼の先見の目にも、喝采を!
Posted by 干場弓子 at 2009年08月27日 13:09