2009年09月03日 20:30 [Edit]

亀二冊 - ペア書評 - カメが好き! / カメのきた道

いずれも出版社より献本御礼。

カメかわいいよカメ。

両方読めば、この素晴らしい生物(creature)をぞんぶんに楽しめる。


「カメが好き!」の方は、カメにゆかりがあるものなら広く浅く何でも扱った一冊。それに対して「カメの来た道」はあくまで生物としてのカメを生物学的に追求する。両方は相互補完の関係にある。

裏を返すと--そう、カメにはとっても苦手な仕打ち--、「カメが好き!」に系統だった生物学を期待してはいけない。一応解剖や分類も登場しはするのだが、本書はむしろひたすらカメを愛でる一冊で、浅い代わりに「カメ」でカヴァーする範囲が実に広く、「カメ」を名に持つ他の生物はおろか、カメを意匠とする製品すら登場する。「カメ原理主義者」(?)にはちょっと許しがたいかもしれないが、私のようなゆるいカメファンにはむしろこれくらいの方が楽しめる。

一つありがたいのは、和名の漢字表記がきちんと出てくること。クサガメが草亀ではなく臭亀だったとは知らなかった。スッポンも実は「鼈」と一文字。でもこれって中国だと「甲魚」なんだよねえ。

そう。カメをカメたらしめているのは、あの甲羅。その甲羅がカメに何をもたらしたか。「カメの来た道」で読者はそれを追体験できる。そこにはヒトの理、ケダモノの理とは明らかに異なる、カメの理が確かにある。

人は正反対のものに惹かれるというが、カメがこれほど魅力的なのはそのせいかもしれない。のろま(しかし例外も多い。オサガメは20ノットで泳ぐ)、専守防衛。そして長寿。ドッグイヤーという言葉があるが、タートルイヤーという言葉はないのだろうか。

いや、そんな教訓じみたことを引き出そうというのが、カメイズムにもとるのだろう。ただゆるゆると生きている。それだけであいつらはあんなに魅力的ではないか。

カメに幸あれ。本当のカメも、カメのように生きるものたちも。

Dan the Hot-Blooded and Soft-Skinned Creature


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【すぎる】市議、海女に続き かわいい 美人 女車掌【動画】【【すぎる】市議、海女に続き かわいい 美人 女車掌【動画】】at 2009年09月19日 09:46
やることを増やすほうの自己啓発より減らすほうのライフスタイルが見直される今、カメは時代の空気にぴったりですねぇ。
かわいいカメさん♪【 メモ・ランダム - 変化こそ常態 -】at 2009年09月08日 14:35
この記事へのコメント
野生のカメが生態系でどう機能し、生態系にどのように貢献しているか、もっとよくわかるとすばらしいと思います。ペットのカメの心理学的効用も研究が進んでほしいところです。

いまのところ人間様の役にたっていないと思われている非常に多くの種類の節足動物や褐色植物(特に珪藻)や菌類が生態系でどんな役目を担っているかがどんどん明らかになって、さまざまな遺伝資源が本当に大切にされると、もしかしたら、人間のことももっと大切にする世の中になれるかもしれません。

今までの世の中って、お金持ちと権力者と権力者の役に立つとされる人間たちと権力者におもねる人間たちしか、生きる意味や価値が大して認められているっていえないような世の中だったでしょ。そして、それゆえに、お金持ちと権力者たちもたいして幸福でもない世の中だったみたいだし。

カメがそういう世の中に何か風穴を開けてくれるとうれしく思います。きっと、そういうのが現代のビーグル号の使い方。
Posted by enneagram at 2009年09月04日 14:08
鳥類のことを「栄光の爬虫類」と呼んだのは、たしか、生物学者のジュリアン・ハックスリー。ダーウィン主義者のトマス・ハックスリーの孫の大生物学者です。

でも、恐竜が絶滅しても哺乳類と共存できている、ワニやトカゲやカメやヘビこそ「栄光の爬虫類」なのでは?

ワニとカメとヘビはマンガのキャラクターになりやすいけれど、トカゲはあまり愛嬌はないなあ。

なんか、トカゲのとりえ探しもしたいところです。
Posted by enneagram at 2009年09月04日 08:47
『亀は意外と速く泳ぐ』という映画もあります。
Posted by sumi at 2009年09月03日 21:13