2009年09月09日 02:00 [Edit]

本当の修学旅行 - 書評 - わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?

おそらく出版社より献本御礼。

「おそらく」となっているのは、添え状が見当たらなかったから。

書籍化のお知らせ - はあちゅうの世界一周主義。〜タダで70日間世界一周出来るかな?〜
読んだら元気になれる本だと思います。

本書を読むのは、実際に著者と世界一周するのに似ている。読書でこれだけへとへとになったのは久しぶりだ。本書が旅行記、または出張レポートとして及第点に達している証拠としては、これで充分なのではないか。


本書「わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?」は、大学生ブロガー(当時)の著者が、実際にスポンサーからの協賛で、タダどころか数十万円の黒字を出して卒業旅行として世界一周した記録。

目次
第1部 タダで70日間世界一周できるかな?
学生生活最後の年、これだけはやっておきたい!
目標は決まった! でもお金がない!!
世界一周と広告を絡ませてみたら……
「炎上ブロガー」という過去
いざ企業にアタック!
社長の前でプレゼンテーション
ほんとに協賛企業がついちゃった!
「安全保障」は大問題
雑誌連載が決まる!
「世界一周ブログ」ヒット戦略
旅の必需品もゲット!
NTTレゾナントとの出会い
人から人へ。出会いが広がる
「君、社会をなめてるよね」
初めての世界一周イベント開催!
怒涛の7月! そしてアメリカでの日々
9月、営業活動ラストスパート!
世界一周ルート最終決定
「いいめも」とのコラボレーション
出発前、イベント連続開催!
結局いくつのミッション?
世界一周出発前夜
第2部 タダで70日間世界一周できました。
いきなり、ブログ更新失敗!!
サンチアゴで発狂!?
念願のイースター島に上陸
魔女市場のある街 ラパス
真っ白な“世界の果て”ウユニ塩湖
恐怖の長距離バス移動
マチュピチュでゲバラ気取り
マドリードで買い物三昧!
モロッコからサハラ砂漠へ!
おそるべし、砂の脅威
カイロの排気ガス
おとぎ話に出てくるような街、ダハブ
ナイロビの豪華ホテルでリフレッシュ
サファリの洗礼に泣く
自分自身と向き合う
ヨルダン人の優しさに感激
イスラエルでいきなり仕事漬け
「嘆きの壁」で出会ったおじさん
「人生は思ったよりもずっと楽しい」
何もかもが混沌のインド
インドで出会った人々
ネパール行き航空券が7万円!?
タージ・マハルへのバス、歌うインド人
まさか……食あたり!?
ふらふらでネパールへ
念願の日本食
いろんなことがあったインドにサヨナラ
バンコクでマッサージ疲れ
カンボジア、水上生活者のシンプルな生活
いよいよ最終訪問国・ベトナム
12月23日、70日ぶりの日本
世界一周後のこと
なんでも一覧

「このご時世にお金までもらって世界一周なんてさぞうらやましい」というやっかみは、第1部で完全に吹き飛ぶ。同じ旅行でも、ここまできっちりやれば出張と呼ぶのにふさわしい。知力と体力が伴わなければとても実現できない。

そして第2部では念願の世界一周旅行に出かけるのであるが、その数14カ国。一国平均5日で、しかも先進国はスペインしかない。ちなみに最初の訪問国チリへのトランジットで立ち寄ったアメリカはこの14カ国の中には入っていない。

仕事するのにオフィスはいらない」時代とは、裏を返せば「オフィスがなくとも仕事をさせられる」時代でもある。イースター島からもブログを更新せねばならないとは、24時間戦うサラリーマンよりきつい。それを70日間も続けたのである。著者の気力と体力にはモアイも脱帽である。

旅行は人を育てる。仕事も人を育てる。この両方を同時進行させた著者が、育たぬわけがない。そんな著者の成長ぶりを示すのが、以下の台詞。

P. 192
 出発前、世界一周イベントにゲストで参加してくれた先輩は「世界一周してから、自分の中で変わったことは?」という質問に対して「弱くなった」と答えていた。
 「ニュースを見ても、他人事だったことがリアルに思えてくる。今まで気にとめていなかったどこかの国のニュースを聞いても、その国で会った人たちの顔が浮かんで、あの人たちが苦しんだり悲しんだりしているんだと気が気でなくなる」と。
 その感覚がリアルに自分にも湧いてくる。今の私にとって世界で起きることはすべて「自分事」だ。

これこそ、旅行の最大の効用ではないか。

ところで、今我が家は Hotel DAN となっている。YAPC::Asia 2009 の海外組の宿となっているのだ。世界中から Perl ハッカーたちが我が家にやってくる。私も著者の時分にはずいぶんと旅行もしたし、今でもかなりするのであるが、その頃と一番変わったのが、今度は自分が旅人をもてなす側にまわったことかも知れない。これもまた旅行の楽しみである。

若者が海外旅行に行かなくなっているというニュースが以前あった。懐がさみしいからだという理由が当然のごとく上がっていたが、著者の例を見てもわかるとおり、そういうときこそ遠くに旅する絶好のチャンスである。何もバブル世代と同じような旅行をする必要はない。実際著者の旅行先はバブル世代があまり行かないところだ。

「書を捨て町へ出よう」と言った人がいるが、それは20世紀の話。「書を携えて町を出よう」こそが、今世紀の正解なのではないか。

それでも、ちょっと著者の旅程は不惑にはきつかった。たとえそれが読書の中だけだったとしても。

Dan the Rolling Stone


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この記事へのコメント
>これだけ本について書かないのも珍しいような
なあに、いつものことじゃないか
Posted by えっ at 2009年09月14日 16:17
さきっちょまだ生きてんの?
Posted by @ at 2009年09月10日 19:55
なんかテンション低いエントリですね
これだけ本について書かないのも珍しいような
Posted by takama at 2009年09月09日 14:24
(コメント欄で失礼します)

…すすすすみません!!!


私にも誰経由の献本なのかわからないのですが、献本すると知っていればお手紙を書いたのに!!

朝から今世紀最大級に驚きました。

二日酔いがぶっとびました。

ありがとうございました。


おわああああああ…ダンさんのブログにのるなんて!!

…嬉しい。(しみじみ)
Posted by はあちゅう@本人 at 2009年09月09日 09:59
>「」時代とは、裏を返せば

「<a target="_blank" href="http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51235034.html" 仕事するのにオフィスはいらない=""></a>」時代とは、裏を返せば

属性になっちゃってるのが面白かったw
Posted by edry(えどりぃ) at 2009年09月09日 09:37
>旅行は人を育てる。仕事も人を育てる。

恥ずかしながら、私は、ひどい出不精で、旅行などほとんどしないのですが、それでも、福岡に4泊5日の気学の吉方位取りの旅行したとき、昼間、ホテルのパートの職員さんがルームメンテナンスしているのを見て、深夜にどうしても緑茶が飲みたくなって、フロントに行ったら、夜勤の当直のスタッフの職員さんが親切に応対してくださって、いろいろ知らないことを知ることができました。また、ホテルの朝食バイキングは、ホテルの宿泊客だけでなく、通勤の人たちも対象にして営業されているのも知って、自分の世間の無知を思い知ったものです。
また、職場を退職して失業者になる前に、中部国際空港に日帰り旅行をして「社会科見学」しておいてよかった、とつくづくそう思っています。

こんな程度でもいろいろ感慨にふけることが多いのですから、伊藤さんの大旅行の収穫は絶大であっただろうことを拝察しております。
Posted by enneagram at 2009年09月09日 09:03
うんこっ!!!!!!
Posted by   at 2009年09月09日 09:00