2009年10月16日 14:00 [Edit]

所得税納税額ゼロのあなたも手取りが100%ない理由

これを見て少し驚いた。

taxsec-2009

給与の少なさ、ではない。

控除の多さに、である。


なぜそうなのかは明細からも明らかだ。

保険と年金が多いのである。

というわけで、保険+年金=社会保険料まで含めた「真の税率」がいかほどなのかを、年収別に調べてみた。以下の通りとなった。

年収は、

の等級別とし、厚生年金の料率は免除保険料率が最も少ない場合を想定し、介護保険はまだ支払っていないものとした。早い話、おひとりさまが社会保険料控除のみを受けている状態である。

実際の税額は、

を使って計算した。本物の確定申告にも使われているものなので、数字に間違いがあればこれのバグということになる:)

それをグラフ化すると、こうなる。

taxsec-2009

見ての通り、低所得であればあるほど、所得税の割合が低く社会保険料の割合が高いことがわかる。所得税率ゼロの年収100万円の人でも、社会保険料はきっちり払わなければならない。そして年収630万円以下であれば、社会保険料の方が、地方税込みの所得税よりも多いのだ。

そして、総額で見ても、社会保険料は一般会計税収をも上回る。

社会保障 - Wikipedia
2006年度の社会保障財源の収入総額は104兆3,713億円である。内訳は、社会保険料56兆2,016億円(53.8%)、公費負担31兆750億円(29.8%)、資産収入8兆7,222億円(8.4%)、その他収入8兆3,725億円(8.0%)である。

それに対し、同年度の一般会計税収は「わが国税制・財政の現状全般に関する資料(平成21年4月現在):財務省」によると49.1兆円。累進課税が適用される所得税に限れば、その税収は14.1兆円。社会保険料の1/4しかないのだ。

フラットレートであるがゆえに、低所得者にとって負担の大きな社会保険料の方が、累進課税される税収よりずっと多い。これは、苦しい。

子どもの貧困」 PP. 95-96
図3-4は、先進国における子どもの貧困率を「市場所得」(就労や、金融資産によって得られる所得)と、それから税金と社会保険料を引き、児童手当や年金などの社会保障給付を足した「可処分所得」でみたものである。税制度や社会保障制度を、政府による「所得再分配」と言うので、これらを「再分配前所得/再分配後所得」とすると、よりわかりやすくなるかも知れない。
これをみると、十八カ国中、日本は唯一、再分配後所得の貧困率のほうが、再分配前所得の貧困率より高いことがわかる。つまり、社会保障制度や税制度によって、日本の子どもの貧困率は悪化しているのだ!

となってしまうのも無理はない。

これは一本化した上で、所得税率もステップで上げるのではなく、リニアに上げるべきではないのか。実際、上記のとおり、すでに国債発行額に匹敵する31.7兆円を一般会計から回しているのである。

Dan the Tax+Social Security Payer


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確定申告書の書き方を教えてください。 確定申告書の書き方を教えてください。確定申告書の書き方を教えてください。(続きを読む) 第六号落朮..
確定申告書 書式【目指せ!確定申告】at 2009年10月16日 20:43
404 Blog Not Found:所得税納税額ゼロのあなたも手取りが100%ない理由 小飼弾氏のブログに非常に気になる話が記載されていた。 そこにあったエクセルデータをちょっといじってみたのが次のグラフなんだけど... 横軸は弾さん作成の等級をそのままつかっているので本当はもっ
[経済][考察]何だこれは、たまげたなあ(低所得層と高所得層の所得の違いに)【WATERMANの外部記憶】at 2009年10月17日 12:24
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この記事へのコメント
累進課税において、控除は、逆進性を持つので、高額所得者は、必死に控除を増やそうとするのです。いわゆる「節税」ですね。
年金は、100%控除の対象だから、結構有力な節税商品とみなすことができるでしょう。貧乏人と金持ちが、同じリターンの国民年金基金に加入しても、控除される額が違うので、商品性(旨み)は異なるわけです。

政府は、景気対策で、控除枠の拡大を使います(住宅など)。それが逆進性を持つということは、もっと注目されていいと思います。

グラフは、最低限の控除しか使っていません。それでも、分かることがあります。高額所得者ほど、税率が重いように言われています(「半分持っていかれる」とか)が、社会保障費や控除を含めると、そうでもないということです。医療費だって、10万円を超えた分は(200万円まで)控除の対象です。

結論は、税制改革において、控除の整理が必要なのに、政治家の議論は直間比率ばかりで、誰も注目していないということです。
Posted by 控除は逆進性をもつ at 2009年10月16日 15:51
 低所得者の場合、健康保険料もさることながら、実際に病気になったときの患者自己負担がバカになりません。しかも、年10万円までは控除の対象外です。

 病気して医療機関にかかることがなければ患者自己負担もないわけですが、逆に、貧困層が一度病気すると、家計はやっていけなくなります。
Posted by rijin at 2009年10月16日 16:54
 年金保険料については、政府と折半ですから、長生きすればするほど支出以上のものが帰ってきます。つまり早死にすると損します。

…上乗せ分は積み立てられている150兆円の年金基金と、現役世代からの仕送りですから、少子化が持続して年金基金が枯渇すれば、支給額が切り下げられるか、現役世代の負担が重くなります。

 先進諸国の基金積み上げ高は、おおむね年金支払額の1年分であると言われていますが、日本は格段に多くなっています。たとえば3000万人に年間100万円支払ったとして30兆円ですから、5年分に相当します。

 現在、年金の収支はおおむねバランスしていますが、現役世代の負担をやめてもほぼ5年間を堪え忍べるだけの積み立てが既に形成されているわけです。

 団塊の世代の引退が始まりますから、そろそろ取り崩しに入るべき時期なんだろうと思います。
Posted by rijin at 2009年10月16日 17:02
1452万以上の部分もグラフにすると、高所得者にとっては社会保険料が定額になるので、所得税負担率は上がっても社会保険料率が下がり、ますます累進性の低さが明らかになりそう。
Posted by 飯馬太郎 at 2009年10月16日 21:32
社会保険料減らして国の借金増やせばいい
だけだと思います。
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/archive/2009/6/18
Posted by ルシフェリアン at 2009年10月16日 23:32
全面的に賛成です。

驚くべきは、高額所得者の公租公課負担率の低さですね。

社会保険料を税に組み込んだ場合、雇用主負担分をどうするかという問題もありますが。
Posted by zzz at 2009年10月16日 23:32
>結論は、税制改革において、控除の整理が必要なのに、政治家の議論は直間比率ばかりで、誰も注目していないということです。

という意見がコメント欄にありますが、民主党の控除から給付(手当)へという方向は評価されて良いのではないかと思います。当然のことながら反発はあるようでけれども。
Posted by 権兵衛 at 2009年10月17日 03:49
zzz様、

>社会保険料を税に組み込んだ場合、雇用主負担分をどうするかという問題もありますが。

あんなものはごまかしですから、無くしてしまえばいいと思います。
「雇用主負担分」などと呼ばずに、これもまた税金として徴収すれば済むことです。
法人税として徴収しても問題は無いでしょう。
細部の制度設計に関しては意見が分かれるかもしれませんが、シンプルにするに越したことはありません。

Posted by 権兵衛 at 2009年10月17日 03:52
日本の企業の2/3は赤字で法人税を払っていませんから、社会保障費の雇用主負担分相当額を法人税の増額で徴収するのは、負担割合がいびつになるのでまずいでしょう。
そこで、外形標準課税のように利益とは関係なく負担する税にしないとまずいと思います。その時の"外形"は雇用者数とか支払い給与額とかが妥当でしょうから、今の制度とは実質的に変わりがないのではないですか?
『実質は変わらなくても制度をシンプルにしろ』というのが重要なポイントなら意味がありますが。
だったら「そもそも社会保障費を社会保険庁が徴収するのは止めて、国税庁(歳入庁?)に一本化しろよ」が本命でしょう。
Posted by 今の法人税はまずい at 2009年10月17日 06:35
故ピーター・ドラッカー先生が、かつて、「見えざる革命」という著書で、「年金基金社会主義」という言葉を創出しました。

生産手段の国営化であれ、年金資本の生産手段支配であれ、社会主義というものの成れの果てはこんなものです。

非資本主義的非社会主義社会を構想しないといけません。社会主義というのは、どんな社会主義であれ、ある日突然にカラガラと崩壊するものだからです。

オープン・ソースの普及運動に参加している方々、非資本主義的非社会主義社会構築のために、いっそうの社会貢献をしてくださることを強くお願い申し上げます。
Posted by enneagram at 2009年10月17日 09:55
グラフを見ると、国税を払っていない人ほど、社会保障ではなく(国税から出る)生活保護に頼った方がお得と言う矛盾したことになる。

フラットレートで社会保障費を取っても、実際の月あたりのリターンはかなり小さいから、他に収入がなければ暮らして行けないし、途中で死んだらそれ以上は帰ってこない。そうすると、社会保障なんかハナから諦めて、生活保護にすれば医療費もタダになって収入も増える。

この辺のアンバランスを、社会保障費も国税に組み込んで均衡させるか、それとも低所得者の社会保障の効果の低さを認めた上で、新しいセーフティーネットを作るのか、どちらにしろ現行のフラットレート、フラットリターン(しかも低額)の年金と言うのは存在価値がない。健康保険に関してはこのままやっても良いけど、生活保護を受けたら医療費もタダと言う仕組みはどうにかしないと不均衡が解消されない。
Posted by ななし at 2009年10月17日 13:48
「今の法人税はまずい」さん、

>だったら「そもそも社会保障費を社会保険庁が徴収するのは止めて、国税庁(歳入庁?)に一本化しろよ」が本命でしょう。

だったら本命、といいますか、元々そういう意見なわけですよ。
最初っから税金にしてしまおうという話をしているわけですから。
(「税金として徴収すれば済むことです」と書きました通りです。)

それはなにも法人税という形でなければならない必然性もありませんが、
法人税として徴収したからといって特段問題があるわけでもないだろうという話です。
(もちろんその場合も今の法人税と同じ形であるはずはありませんが。)

新たな制度に移行する場合の混乱を最小限に抑えるという意味では、
とりあえず実質的には現状と同じような負担割合になるような外形標準課税として移行する
という案も現実的な選択肢の一つであるとは思いますが。
Posted by 権兵衛 at 2009年10月17日 17:01
所得税率ゼロの年収100万円の人でも、社会保険料はきっちり払わなければならない。
Posted by 雲水 at 2009年10月17日 19:10
↑失礼。

> 所得税率ゼロの年収100万円の人でも、社会保険料はきっちり払わなければならない。

国民年金については、年収100万円未満なら申請すれば、ほぼ確実に全額免除されます。

私も全額免除されてます。
Posted by 雲水 at 2009年10月17日 19:14