2009年11月12日 15:30 [Edit]

文*100<画 - #書評_ - 脱・三日ぼうず! 続かない女のための続ける技術

出版社より献本御礼。

これは、すごい。

継続力が主題の自己啓発本は少なくなく、本blogでも「そろそろ本気で継続力をモノにする!」を書評しているが、「続ける技術」を最後まで読ませるという点にかけて、本書は間違いなく世界一である。

そう。世界一。日本一ではなく。

なぜそう弾言できるか?

本書が、漫画だからだ。


本書「脱・三日ぼうず! 続かない女のための続ける技術」は、現時点における「続ける技術」の指南本ベスト。監修者も選考して「「続ける」技術」を著しており(こちらも献本御礼)、これも悪くない一冊であるが、本書の訴求力はそれをも圧倒している。

漫画、だからだ。

百聞は一見にしかずなのだとしたら、漫画は文書の百倍のアドバンテージがある。「赤くしただけで三倍」というのは冗句にしても、漫画の訴求力が桁外れであることは拙著「空気を読むな、本を読め。」でも指摘した。論より証拠、実際に見ていただこう。

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すごい。一瞬にして行動科学の応用の要諦が伝わるではないか。

本書は行動科学の応用本であると同時に、それ自体が漫画というメディアが行動科学においていかに優位にあるかを示す格好の証拠ともなっている。

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「漫画にする」というのは、まさにそういうことなのである。

「本を最後まで読む」というのもまた「続ける力」の応用問題の一つであるが、漫画はそれを無問題にしてしまう。そもそも読み続けていることすら意識させないほど、摩擦力が下がるのである。あるいは本書の言う、いや本書が見せるとおり、ハードルが下がるのだ。

しかしこれは、読者の視点から見ての話。

作者視点から見れば、今度は立場は逆になる。漫画化はきわめてコストが高いのだ。文書であれば曲がりなりにも誰でも読み書きが出来るが、漫画はそうは行かない。作家は一人で週間連載が出来るが、漫画で週間連載するのであればアシスタントは必須。道路建設に例えれば、文書は一般道で、漫画は高速道路と言ったところだろうか。

漫画がいかに読みやすく作りがたいものであるかは、本entryを作る過程でも再体験することできた。私は上のコマを本書から「引用」したのだが、その過程一つとっても、打ち込み直しとは比較にならぬほどハードルが高い。目次を入力するのすら「続ける力」が及ばず、「mailでくれ」と懇願する私には、漫画を描き続けている人々はまさにネ申にしか見えない。

このことは、自己啓発本を含めたノンフィクションが、漫画というメディアにそれほど乗っていない理由でもある。描く人が文字通り「乗ってくれなけれ」ば、漫画化は難しいのである。そしてこと「乗りやすさ」に関しては、物語の方が論文よりはるかに上だ。

しかしそれは、漫画というメディアを我々が活用しきれてないことの証左でもある。こういった「すぐに役立てたい」主題こそ、「だれでもすぐに読みこなせる」メディアにのせてもらいたいのだ。

筒井康隆が偉大な理由の一つは、文書作家でありながら30年以上も前このことをありのままに理解し支持したことにある。「サルまん」の Lesson 25.には、召集令状からおみくじまで、全てが漫画化された近未来が--ネタとして--登場するが、これに関しては自らも自作を漫画化した筒井康隆に一日の長がある。

そういった作品を見て育った私には、まだまだノンフィクション漫画は少ないように思える。「描きたいから描く」のもよいが、「役に立つから描く」というのがもっとあってもいいと思うのだ。

そういうわけなので、ノンフィクションの漫画化はもっともっともっと進めていただきたい。それも資本論とかを物語に仕立てるのでもなく、西原理恵子のように自身の物語をネタに描くのでもなく、本書や、「ふうつ」に読める「ふつうの」ハウツー画が、もっと世にあふれてもいいと願うのだ。

Dan the Mangaphile


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良い本を教えていただきました。ありがとうございます。
小飼弾さんおすすめのマンガ「続ける技術」に励まされて【 メモ・ランダム -変化こそ常態-】at 2009年11月30日 08:44
【スマイルシグナル的要約】 この本いい本ですね!! 続かない男である僕でも できそうな「気」がしてきました(笑) 「気」だけじゃだ...
続けられない理由について 【脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術】 剣持まよ【僕の問題は誰かが解決している】at 2010年04月03日 20:52
この記事へのコメント
お世話になっております。
サンクチュアリ出版の岩田と申します。

この度は弊社の書籍「脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術」を紹介していただきましてありがとうございます。

今後も、おススメの本や新刊などありましたら献本させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
Posted by サンクチュアリ出版 at 2009年11月12日 18:41
サンクの本というだけで読む気をなくしました。

盗作本『最後のパレード』の寄付金を、しかるべき組織にきちんと寄付してから、営業に来てください。
Posted by 中村克では決してありません at 2009年11月12日 19:24
この出版社の刊行物を褒めるとは、弾ちゃんらしくないなと思いますが。
(まあ、この本そのものには罪はないですが)
万が一事情をご存知ないのなら、ひとつ上のコメント中のキーワードで検索してみてください。
Posted by 日本ユニセフから突き返された寄付金は何処へ at 2009年11月12日 19:37
「だれでもすぐに読みこなせる」メディアですと、
「やる夫」シリーズがあるかと思います。

          ____
       / \  /\  キリッ
.     / (ー)  (ー)\
    /   ⌒(__人__)⌒ \   
    |      |r┬-|    |     
     \     `ー'´   /
    ノ            \
  /´               ヽ
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))


Posted by もうあるよん♪ at 2009年11月13日 00:13
↑やる夫シリーズの多くは
著作権的に黒に近いグレーだと思うけど…
(いや、読むのは好きなんだけどね…)
Posted by 通りすがり at 2009年11月13日 07:47
>漫画は文書の百倍のアドバンテージがある。
>漫画の訴求力が桁外れである

物語においてはそうだろうけど、ハウツーにおいてはどうだろう?
漫画にしなくても図解をたくさん乗せればそれで済みそうなんだけど。
Posted by kazan at 2009年11月13日 10:25
継続力強化の次は、記憶力強化の啓発本が出てほしいところです。

これから大切なのは、記憶力ですよ。

IT時代で、何でも検索で探し出せるからこその記憶力。

ある意味、外国語力なんて、記憶力にほとんど依存しています。

そして、その記憶力強化の決め手が反復力なんで、これが、先ほどの継続力と密接につながってくるわけです。

人間が他の生物と大きな差を獲得できたのは、なんといっても、記録力と記憶力を鍛錬してきたからだと思います。記憶力強化法の生産性が爆発的に向上すれば、人類は、また、新たなステージに立てると思います。

もちろん、記憶力とともに、忘却力も大切です。エンジンとアクセルとブレーキがそろって必要なようなものです。記憶力と忘却力を上手に使いこなせるのが都合がいいという話。
Posted by enneagram at 2009年11月13日 10:48
Daniel PinkのThe Adventures of Johnny Bunkoは、既に日本的マンガを使った米国発の試みですが、書評いかがでしょうか?
Posted by mm at 2009年11月16日 17:51
s/監修者も選考して/監修者も先行して/
Posted by はらたつのり at 2009年11月22日 09:48