2010年03月19日 03:30 [Edit]

非実在青少年保護は、実在青少年の危機

非実在青少年というバズワードのおかげで再び児童ポルノ規制に関する議論が活発になっている。

私の意見は、すでに

でまとめているのだが、この問題、まるではしかのごとく何度も何度も登場するので改めて 1 entry を割いておく事にする。


まずは、二つの事件から。

エロ漫画7冊所持の米国人男性、児童ポルノ禁止法違反で懲役6カ月 - スラッシュドット・ジャパン
WIRED VISION の記事 (WIRED NEWS 原文)によると、米国のコミック本コレクターが、日本のいわゆる「エロ漫画」を輸入・所持していたとして児童ポルノ禁止法により訴えられ、懲役6カ月の判決を言い渡されたそうだ。
米人英会話教師性的暴行事件 - Wikipedia
米人英会話教師性的暴行事件(べいじんえいかいわきょうし せいてきぼうこうじけん) とは福岡県内に住むアメリカ人男性英会話教師が2010年3月以前の過去十数年にわたり少なくとも40人の女児に性的暴行をした事件。

社会的により深刻なのはどちらか。

  1. 非実在青少年が陵辱される物語のコピーを所持しているのかことなのか
  2. 実在青少年が実際に陵辱されることなのか

a.という人は、非実在青少年を保護したい人にすらいないだろう。

それでは、b.が少ないのは非実在青少年をすでに保護している国なのかそうでない国なのか。

これまた言うまでもなく、非実在青少年を保護していない方なのである。

戦前の少年犯罪」の著者が、以下のとおり見事にまとめている。

幼女レイプ被害者数統計

さらに詳しい話を知りたい人は、

を。アイの物語をはじめ、物語という非実在物事に関しておそらく日本で最も真剣に考察し、それをまた物語に託して発表して来た人の言葉だけに説得力は本記事の比ではないだろう。

山本氏は慎重にも

山本弘のSF秘密基地BLOG:「非実在青少年」規制:目に見える形で反論を提示する
無論、相関関係があるからといって因果関係があるとは断言できない。相関関係はあっても因果関係のない事例はいくらでもある。

としているが、私はもう因果関係まで踏み込んでもいいと考えている。議論の精緻さは損なわれるが、損なわれたとしても「非存在青少年保護主義者」たちの「たぶんそうだろう」に比べたらものの数ではないし、実際因果関係を示唆する「証言」であればすでにいくつもあるのだから。"beyond reasonable doubt"をクリアーする程度には。

電波男」P. 258
しかし、もし今の日本だったら[津山事件の]都井はどうなっていただろうか?都井の自宅にパソコンがあれば、きっと都井は『To Heart』のマルチあたりの萌えキャラに癒されて、引きこもりとして幸せに暮らせたはずなのだ!

以上はあくまで仮定だが、かくいう著者は、おそらくエロゲがなかったとしたら確実に母親を殺していたと思われる。物語のおかげで「一線を超えず」に済んだ人は少なくないのだ。いや、私だってその一人だ。

物語に犯行の手段を教わったり、物語のおかげで犯罪を犯したくなる人がゼロというつもりはない。しかしそれは物語を処罰する理由としては充分ではない。物語に「犯行を幇助」されたものが、物語で「犯行をすませた」ものよりも多くてはじめて「非存在青少年保護が実在青少年保護に役立つ」と言えるはずだ。しかし実際はその逆。実際に犯行におよぶより、物語で「間に合った」者の方がずっと多いのだ。

「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」という台詞から2000年。その台詞の主を信仰する者の方が、そうでない者より多くの石を投げている現状は皮肉としかいいようがない。

404 Blog Not Found:Crimeを憎んでSinを憎まず
CrimeとSinを混同することこそ、最も重いSinであり、その混同を元に行動することこそ、最も重いCrimeであるのだ、と。

非実在人物というのは、我々の原罪=Sinである。原罪を罰して犯罪を増やしてはならない。

Dan the Sinner


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なんか全然伝わってない・・・。勢いで書いたとはいえ自分の文章力のなさにがっかりしたので、読まれないと分かっていても自己満足のために整理してみる。   反対運動について、どこが問題だと思ったか 今回のやり方は非常手段であって、本筋じゃない。 だって、このままだ
[思考]非実在青少年とやらに対する雑感と、ついっ党に関する妄想 続き【鵜の目鷹の目】at 2010年03月19日 19:29
この記事へのコメント
丸尾末広先生の「プロレタリアートの密かな愉しみ」を高校生時代に読んだときには仰天しました。おそらく、あの話は、モデルになる実話があるのでしょう。

ストーリーもあんまり強烈でグロテスクなのはどうもなあ。

まあ、丸尾末広先生の作品なんて読まないほうがいいですよ。
Posted by h7bb6xg3 at 2010年03月19日 09:34
物語りで「すましておける」という論点はまったく同意です。

ただ「非実在青少年の保護」という文脈で今回の条例改正案をとらえるのはやや無理があるのではないでしょうか?

だれしも児ポ法の件が念頭にあるのはわかりますが、改正案は「18歳未満の性交を肯定するような描写を18歳未満に見せたくない」という話であり、それ自体も問題ではありますが、18歳以上に売ることは禁止しておらず、描くなとも言ってません。
後段の児童ポルノ関連(第十八条の六の二)でも、児童ポルノと青少年性的視覚描写物は扱いがわかれていて、非実在青少年は後者に含まれます。

個人的には七条の二号は範囲が広すぎるし、架空のポルノの存在が実際の犯行の代理行為になるという点も同意なので改正案に反対ですが、改正案に限って言えば、鯨の人(?)権を守ろうとするがごとく架空キャラクターの人権を守りたいわけでは無い気がします。

※エントリーの趣旨を誤読していたらすみません。

差分が分かりやすく確認できる資料を作ったので御参考になれば。
http://dragons-eye-blog.526s.net/?p=521
Posted by https://me.yahoo.co.jp/a/iq1r_bBFQvG8aRYaDA9zJUn29tKVVMpuggrGZ8jQ#54b0c at 2010年03月19日 12:44
その山本氏の論法に対する反論が以下にまとめられています。
ご参考までに。
http://togetter.com/li/10104
Posted by m_o_o_n at 2010年03月19日 16:53
そうか、非実在青少年に現を抜かすなという少子化対策の一環だったのか。
Posted by somuoyaji at 2010年03月23日 23:37