2010年06月11日 16:30 [Edit]

幸福の技術 - 書評 - 不幸になる生き方

集英社新書編集部より献本御礼。

昨今の著者は疾走という名の迷走に陥っているように見えて少し心配していたのだが、本書で本道に戻った感がある。本命。

と同時に、数多の著者の本の中で、最も多様な人に訴求する一冊。

預けるほどのお金がない人も、年収効率を10倍アップする必要を感じない人も、そして勝間和代を目指さない人々でさえ、不幸を避けたいという点では一致せざるを得ないのだから。


本書「不幸になる生き方」の要諦は、幸福の技術は学習可能であるということにある。幸福の科学はひいき目に見てもガセとしか言いようがないが、幸福の技術はガチである。

目次
プロローグ
不幸になる生き方を知ることが、幸福になる近道です
【全体理論編】
第1章 不幸のループから抜けられない「他責の人」
第2章 自責(自己責任)とはリスクの川を渡ること
第3章 他責の人はなぜ失敗を嫌うのか
【個別理論編】
第1章 有責の法則 - 責任をとらない人は、自ら不幸を作る人です
第2章 双曲の法則 - 目の前の利益にとらわれると、自ら不幸を招きます
第3章 分散の法則 - 幸せは一つのカゴに盛ってはいけません
第4章 応報の法則 - ネガティブなことはすべて、自分に返ってきます
第5章 稼働の法則 - ずぼらな人は、不幸なひとです
第6章 内発の法則 - 人と比べると、どんどん不幸になります
第7章 利他の法則 - 人への幸せこそが、自分への確実な幸せです
おわりに
参考文献

それでは幸福の技術とは何か。

不幸の回避術である。

なぜ、それが幸福の技術となるのか?

我々には、不幸しかわからないからだ。

働かざるもの、飢えるべからず。」P. 213

小飼 …一般的にはまず、幸福といい、不幸という。幸福の方が先にあって不幸という言葉ができたのかもしれませんが、私にはこれがピンとこないです。不幸というか、痛いことや嫌なことというのはよくわかるんです。一方、幸福とはそういうことがない状態としか言いようがないのではないかと思うのですが。

スマナサーラ そのとおりです。私たちに理解できるのは、不幸だけなのです。

本書は、この引用からはじまる。

マキャベリ語録」の最後の一言
天国への道を知る最良の方法は地獄への未知を探求することである

そして著者が地獄を探求した結果まとめたのが、7つの個別理論である。ここの理論は別に新しいことではないし、私自身本blogで断片的に書いている。正直本blogを自分で読み返したような気分になった。我田引水してみる。

有責の法則 404 Blog Not Found:結局自己責任が一番安上がり
なぜ搾取しているか?
搾取を甘んじて受け入れる者たちに不足していないからだ。
双曲の法則 - 「弾言」第一章
金持ちになれる人は例外なく、嫌いなものから食べますし、面倒なことイヤなことは先に片付けます。別の言い方をすれば、うまいものを食べられるという明日を信じているから、今まずいものを食べられる。今うまいものを食べる人は、明日を信じていないともいえます。どちらが世の中をよくするかといえば、明日を信じて約束を守る人です。世の中の全員がそうなるのは難しいでしょうが、約束を守る人が十分いないと世の中は回りません。
分散の法則 404 Blog Not Found:責任の流動性
結局何のために我々は組織を作るのかと考えると、責任の負荷分散がその一番の理由になるだろう。
応報の法則 - 404 Blog Not Found:匿名に関してそろそろまた一言言っとくか
匿名発言は、アカウンタビリティゼロ。それが誹謗中傷であれ美辞麗句であれ。
稼働の法則 - 404 Blog Not Found:プログラマーって本当に労働者なのか?
そもそも、プログラムは工業製品とはいえない。むしろ芸術品に近い。優れたプログラマーほどそのことをわかっている。だからプログラマーが労働者としての権利を主張するのは、作家が労働者としての権利を主張しているような違和感がどうしてもつきまとう。
内発の法則 404 Blog Not Found:幸福の第一原則
しかし、譲渡不可能なものにいくらケチをつけても、君はそれを手に入れることは出来ないんだよ。いいかげん気がつけよおまえら。
利他の法則 404 Blog Not Found:オープンソースプログラマーの利己的遺伝子
「利己的」の反対は「自虐的」ではなかろうか。

しかしまとめには、まとめてあることそのものに価値がある。まとめに価値がないという人は、マックスウェル方程式 = Maxwell Equationsにも価値を認められないことになる。本書のまとめは、そういうまとめである。

P. 250
私は今、自分の5年前、10年前のときと比べると、幸せだと胸を張って言うことができます。それは、自分自身にスキルがついたことと、そのスキルを使ってほかの人にありがとう、と言ってもらえることができるようになったためです。

読者諸君、大いに盗むべし。

幸福も技術も、盗むことは出来ても奪うことは出来ないのだから。

Dan the Happy Blogger


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『不幸になる生き方』で感じた勝間和代3.0の時代【試みの水平線】at 2010年07月10日 00:30
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この記事へのコメント
勝間さんは何でこんなに著作を書くのだろうか?
出版社に懇願されているからという理由もあるだろうけど、供給過多で価値が下がっているような気もするのですが。
テレビなどの他の媒体での活躍も増えているので、どうも飽きた感がありますね。
嫌いじゃないですけど、多量摂取は勘弁です。
Posted by torohimiwai at 2010年06月13日 01:07
勝間和代って、つい先日、ひろゆきに完全論破されてファビョッてたおばさんでしょ。
提灯記事もここに極まれり。
Posted by jpndefender at 2010年06月12日 13:11
URLが入力できない。なんでだろ。
Posted by h7bb6xg3 at 2010年06月12日 12:33
幸福になりたかったら、妙法蓮華経の方便品第二と如来寿量品第十六を毎日お唱えすることです。

始めた最初のころは、それまでの業が噴出して、ひどく不幸になりますが、ピークを過ぎると、宿便が取れた後の胃腸のように、快適感が増幅します。運がどんどん好転していきます。

まあ、妙法蓮華経の大きな果実は、来世の話になります。来世には、もっとよいご縁に恵まれ、もっとよい境遇に生まれることが出来て、今の生涯より、もっと世の中に大きな貢献が出来る生き方に恵まれます。

どうか、みなさまも幸運に恵まれますように。

なお、わたしは、創価学会とは何も関係がありません。この点、お断りしておきます。
Posted by h7bb6xg3 at 2010年06月12日 12:31
どうにも、わたしは不幸になるべき生き方をしているようです。やはり精神障害を抱えた人間が今生を生きるのは、さまざまな意味で困難ですね。


ですが、Dan さんにお訊きしたいのは「自責/他責」といった場合の『自/他』とは、それぞれなにを指すのですか?という点です。あなた「たち」のおっしゃりたい文脈は理解できているつもりなんですが「それでいいの?」とお訊きしたいわけです。


正直、今回御紹介の本の目次を拝見するに「そんなことをいまさら本にして売らなきゃいけないぐらいの成長をしてきたのですか?」と問いたくなります。とりあえず原田祖岳老師の著作集(全7巻、原書房)をお薦めしておきます。
Posted by renpoo at 2010年06月12日 00:59