2010年07月22日 04:30 [Edit]
生命の本質を求めて - 書評 - 辺境生物探訪記
本書、「辺境生物探訪記 生命の本質を求めて」は、こんな一冊。
カヴァーより南極や北極などの極地、深海底、火山、砂漠、地底、宇宙空間......低温、高温、高圧、乾燥、無酸素、高放射能など、どんな過酷な環境にも生命は存在する!?
辺境生物学者で、「科学界のインディ・ジョーンズ」の異名を持つ長沼毅と、『クリスタルサイエンス』『ハイドゥナン』などの小説で辺境を描いてきた藤崎慎吾が、地球の"極限環境"に生きる奇想天外な生物たちを訪ね、生命の謎や本質について語り合った。
生物学の最前線がわかり、科学の面白さが堪能できる一冊。
それもただ語り合ったのではない。
本当に辺境で語ったのだ。
よって目次もこうなる。
目次より大きな地図で 「辺境生物探訪記」目次マップ を表示
そのインディ・ジョーンズと対談本をつくるという企画は、まず光文社新書編集部から私(藤崎)に提案されてきた。当初、編集部では、通常通り会議室などで何回かに分けて対談を行い、それをまとめようと考えていたらしい。しかし私は提案を受け入れるに当たって、まずその方式は不採用とした。会議室とインディ・ジョーンズという組み合わせが、どうしてもピンとこなかったし、ひどく退屈な本になりそうな気がしたからだ。
とはいえ見ての通り、対談は辺境とは言っても日本で行われている。
理想を言えば、長沼とともに世界中の辺境を渡り歩きながら、折々に語り合うのが望ましいと思った。それでこそスリルに満ちた生々しい物語を引きだせるだろうと考えたからだ。しかし時間的にも経済的にも、なかなかそうはいかないので、まず世界はあきらめた。日本国内での旅にする。しかし国内だと極地や砂漠などないから、なるべくそういった辺境に環境として近いか、少なくとも辺境をイメージさせられるような場所を巡ることにしたのである。
日本といえど本書の舞台は辺境である。それは「辺鄙」であることを必ずしも意味しない。特に垂直方向には、上にも下にも辺境が広がっていることを読者は本書を通して知るだろう。それがいかに広く豊かな世界であることか。
この世界を語る著者たちに対し、編集部も最大限の努力をもってそれに答えた。400ページを超える厚さ、数多のカラー写真、そして1400円という価格。どれをとっても本書は破格である。
それだけのことをした価値が、ここにある。
「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ」もそうだが、光文社新書はほんとこの手の本に強い。同書を楽しまれた方であれば本書も間違いなくツボにはまるはずである。
あなたの手のひらにも、辺境を。
Dan the Delighted
Posted by dankogai at 04:30│Comments(0)│TrackBack(1)
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