2010年12月16日 19:30 [Edit]

読め。 - 書評 - こう考えれば、うまくいく。

著者より献本御礼。

そんな直球タイトルで大丈夫か?

大丈夫、問題ない。

一番いいのを頼むなら、結局著者の本ということになるのだし、実は一番大事なところをきちんとひねってあるのだから。


本書「こう考えれば、うまくいく。」は、「今回もだめだったよ」とならないように著者がどう考えてきたのかを一冊にまとめたもの。

日垣隆公式サイト ガッキィファイターより抜粋
  1. 週休三日で成果を四倍上げる──と考える
  2. 売り買いは極上のエンタメだ──と考える
  3. 「国民のため」「客のため」は偽善だ──と考える
  4. 情報はまだ全然足りていない──と省察する
  5. 自腹を切らずして「目利き」たりえず──と考える
  6. 正解でなく最適解で──人を評価する
  7. 人生はギャンブルだ──と正しく認識する
  8. 占いは暗示による勇気づけ──程度に楽しむ
  9. 「書いて稼ぐ」をビジネスの基本だ──と考えてみる
まえがき
 私は二〇年ほど前から、「どのように考えれば、うまくいくのか」──とい う本を座右に置いておきたかった。いつか書いてみようと思っていたのではな く、何より自分が切実に必要としていたのである。
 残念ながら、存在しないものを、ずっと待ち続けていても仕方がない。だか ら、いつも真剣に考え、試行錯誤を繰り返し、失敗したり結果を出したりして 現在に至った。

要するに、「あいつは話を聞かないからな」と言われようにも、聞くべき話がどこにもまとまってなかったので自分で作りました、というわけである。著者にとってはつい昨日の出来事だが、読者にとってはたぶん明日の出来事をどう捌くのか。つきあうだけの価値はあるのか?

ここで、タイトルをもう一度ご覧頂きたい。

「こう考えれば、うまくいく。」である。

「こうすれば、うまくいく。」ではない。

「す」るではなく「考え」る。

そこが本書のひねりであり、それこそが人が作り出した智慧の一つ。いや、武器か。

「こうすれば」は、「何を」がわからなければ決まらない。

そして「何を」は自分で決められない。出発点からしてそうだ。「生まれるときにハードモードを選択したから中国に生まれちゃったのかな」と言ったところで、実際に選択したわけでもないのにどうしろと。

しかし、「考え」であれば、結構決め打ちが利くのである。

そう。決め打ち。

本書を読了して思い起こしたのが、「科学する麻雀」。

「科学する麻雀」まえがき
本書は「誰もが、一定の技術を身につけられるように」、正しいことがわかりやすく明確に書かれています。誰が読んでも知識と技術が身につくということは、とても大切なことですが、不思議なほど、これまで麻雀界では達成されてきませんでした。

同書は、まさに「決メ打チノススメ」であったが、麻雀ではなく人生でも決め打ちは通用するのか?

通用する。ただし打ち続ければ。

これが両書に共通する結論である。

なぜ打ち続けるのか?

打ち続けなければ、運しか残らないからだ。

「科学する麻雀」P. 47 麻雀初心者は「20年無敗の男」に勝てるか?
一般には、実力差が平均順位にして0.5もあれば非常に大きな差(「最強レベル」と「初心者レベル」の差)といえるのだが、1試合あたりの勝率で見ると強い側でも62%しかない。4割方は負けてしまう。また「選抜された空間でなら、0.2位ぐらいでも十分な差になるといえるが、この場合強い側の勝率はわずか55%である。

極論してしまえば、天和や地和に上手も下手もないということだ。

たとえば、こんな風に。

はじめてお目にかかりましたよ地和。なのにこの時のトップはiPadでなくて私だったというのもご愛嬌だが、しかしやってみればわかるとおり、麻雀にもそして著者ごひいきのブラックジャックにも確かに上手下手はある。本書に書いてあるのはそういうことだ。「科学する麻雀」を読んでも天和や地和が上がれるようになるわけではないし、本書を読んだからといって宝くじの一等があたるわけではない。

しかし、25年かけて年収を20倍にすることであれば、「十分狙える」のである。

本書では「うまくいく」考えが3x3紹介されているが、さらに一つにまとめるのであれば、こうなるだろう。

読め。

本entryのタイトルである。これは「本書を読め」という意味でもあるし、「本をどっさり読め」という意味でもあるし、時流を読めという意味である。こういう時に日本語の主語述語を曖昧にできる特性というのはうれしい。英語は"read"にあとにwhatを補わないと文が座らない。

そう。「こう考える」の要諦は、「こう読む」にあるのだ。

著者が一年間に使う書籍代は、500万円を超えている。私のそれの3倍はゆうに超えるだろう。ただし私の場合献本分も購入したとすると、著者と同じぐらいになる。しかしこれすら「情報はまだ全然足りていない」と省察している著者にとってはほんの序の口。資料代であれば月100万を下ることはない。

と書くと、こういう人もいるだろう。

「君たちはうまく行ったからそんなに読めるのだ」、と。

違うのである。そんなに読んだからこそ、うまく書けるようになったのだ。

そんなに読んだらこそ、うまく行くのだ。

読めれば、書ける。

書ければ、できる。

そう考えれば、うまく行く。

「読んで」ない人は、まずは本書から。

Dan the Fortun(e|ate) Reader


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この記事へのコメント
小飼さんは絶賛されていますが、
私は今回はダメでした。

何度も買おうと挑戦したのですが…。

選ばれし者にしかわからない良さなのかもしれません。
Posted by minasan39 at 2011年01月04日 05:32