2011年03月30日 11:00 [Edit]
送電鉄塔があんなに高いわけ、あるいは60Hzを関東で受け取れないわけ
1/60秒ほど「これは名案」と思ってしまった私はやはり素人。
計画停電が日本の製造業をさらに弱体化する:日経ビジネスオンライン西日本から電力を送る仕組みをいそげ
この新電力会社は、発電所をすぐに建設する必要はない。単に、中部電力側から60Hzの送電線を関東に向けて延長し、60Hzの電力を供給していくだけだ。送電線を伸ばす鉄塔を新設する必要はなく、東京電力の高圧鉄塔をレンタルして、東京電力既設の50Hz送電線と並列に相乗りさせる。
残念ながら、これ、素人の浅知恵。
問題は、絶縁
東京電力は「鉄塔が荷重に耐えられない」として反対するだろうが、25パーセント程度の重量増は設計マージンよりはるかに少なく技術的に何ら問題はないはずだ。
問題はそこじゃない。
なぜ送電鉄塔はあんなに高いのか。柏崎刈羽原発と首都圏を結ぶ100万V幹線の鉄塔なんか、100mを超えている。ただ線をつなげればいいだけなら、作業の手間を考えてもそんなに高くしなくてもいいではないか。
違うんである。そうしないとショートしてしまうのだ。
架空送電線の分類と規模架空送電線は、空気を絶縁体・絶縁物として空中に裸の電線を張っており、電圧が高ければ地上と電線の距離・高さを増加させなければならず、電線と電線相互の間隔も広げていかないとショート・短絡してしまう。
(超)高圧架空送電線は、むき出しのアルミで出来ている。「普通」の電線の被覆の役割は、空気がやっている。一見危なそうだがその方が安全なのである。空気ほど優れた絶縁体は稀だし、被覆しては重くなってしまうから。
しかしいくら空気が優れた絶縁体だといっても、充分な「厚み」がなければショートしてしまう。電子ライターのスパーク放電をあなたも一度ぐらいはご覧になったことがあるだろう。なければ冬場にドアノブに触れたときにびしっと来るあれでもいい。あれが5万Vぐらい。それくらいでも、距離が近ければ絶縁破壊するのだ。
そんなわけで、線と線との間、そして線と地面との間には充分な距離をとらなければならない。おっと。鉄塔もまた良導体。当然線と鉄塔の間も碍子をはさまなければ。この碍子が、100万V幹線では8mもある。三相交流を送電するには少なくともこれが三セットなければならないが、既存の鉄塔にそれを設置する余裕があるか。以下の写真を見れば一目でNoとわかる。
なお、地中送電線はそうはいかないので、架橋ポリエチレンで絶縁している。当然重いし高いし、今から送電用の穴を掘っている余裕はないし、それであればそもそも鉄塔を借りる必要もない。
このあたりのことをまとめて記した一般書籍はあまりないのだけど、「メタルカラーの時代」にぱらぱらと、しかし現場の第一線の人々の肉声で語られている。送電線敷設中に感電した話など、[これはすごい]タグ連発の話だらけだ。未読の方はぜひ。
Dan the Power Consumer
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回路板というと、半導体や導線、めっきの技術より積層板の技術は軽視されますが、電子機器、電気材料というのは、絶縁や耐熱性という問題が、設計上、きわめて大切なのです。
油断すると、回路板は、さまざまな理由で、簡単にショートしてしまいます。
絶縁材料を扱っている、地味な基本技術の工業製品にももっと光が当たって欲しいものです。じつは、回路板は高コスト部品なので、電子技術では、必要悪というか、悪者なのです。
東電の「顧客は渡さない、安定供給も保証しない」は許されません。都市ガス事業者は地道に熱変(ねっぺん):熱量変更をやってきています。東電はその努力:周波数変換所の増設とか、をしなかったのだから。
当面、工場その他の大口需要家だけとか切り分けられるのならそれでも良い。
コストは当然東電負担。供給部分の変更コストは顧客が増えるのだから中電負担でも良いかも。併し、顧客側の周波数変更にかかる費用は安定供給出来ない東電の負担とするのは当然だろうと思います。
一番最初に山根一眞さんの著作が紹介されていて、確かに山根一眞さんもこのような発想をする感じがあるので、山根一眞さんの言葉だと思ってたのですが・・・。
誤解が生まれる表記だと思うので、改めてください。記事自体は山口栄一さんのもので、「山」と「一」だけしか共通点がありません。
