2011年09月12日 16:00 [Edit]

3Dより3Gでは? - 品評 - ニンテンドー3DS

私も一つ買ってみた。

いい。しかしそれ以上に、おしい。

標準装備されるべきだったのは、3Dより3Gではなかったか?


ニンテンドー3DSは、DSiの上画面を3Dにして、外カメラを3Dにしただけのものではない。実物を入手するまで恥ずかしながら私もそう思っていたのだが、それはとんでもない勘違いだった。

玩具というよりPDAのような大人びた外装。ブラウザーとモーションセンサーとジャイロを標準搭載し、ネット常時接続が前提…

本質的に、3DSはDSよりもむしろiPod Touchに近いのだ。

これにGPSと3G回線がつけば、本品は立派な「スマートフォン」となりうる。

しかし私が任天堂にやって欲しかったのは、「電話の再々定義」ではない。

「遊具」の、再定義だったのだ。

位置ゲーが出来ないのでは、DSの再定義どまりではないか。

Android=ガラケー2.0

先ほど「スマートフォン」という言葉を使ったが、これはあまりスマートな言葉ではない。WebやMailにアクセスできるという意味では、今では「ガラケー」とよばれる「フィーチャーフォン」だって十分スマートだったからだ。

むしろ「タッチフォン」と呼ぶのがふさわしいと思うのだが、しかしiPhoneとAndroid Phonesの間にはタッチフォンであるという共通点以上に大きな相違点が一つある。

その電話を定義しているのが、誰かということである。

Androidの場合、NexusシリーズなどSIMロックフリーな一部例外を除き、それはあいもかわらずキャリアーなのである(そして一部例外が例外止まりにしかならないこともやはりGoogleがNexusで証明してしまった)。そのことは、外装を見れば一目でわかる。同じXperia acroでも、DOCOMOのそれはあくまでSO-02Cであり、AUのそれはIS11Sであることは、Sony Ericssonのロゴ以外にキャリアのロゴがあることからもわかる。この点において、Android Phonesはガラケーとまるで変わるところはない。

それではキャリアからの治外法権を勝ち取ったのがAppleだけかというと、実はもう一社ある。Amazonだ。キャリアとの契約が不要という点においては、KindleはiPhoneより一歩進んでいるとさえ言えるかもしれない。しかしそれが認められたのは、その利用が主に電子書籍というネットワーク負荷の少ないコンテンツの配送に主に利用されていることと、そして何より料金をAmazonが負担しているということによる。このあたりが今年中に出ると評される"Amazon Tablet"でどうなっているか興味があるが、おそらく当初はWifiのみなのではないか。

現時点において、キャリアの回線を利用するコミュニケーションデバイスを、キャリアに気兼ねなくデザインしているのは、Appleだけというのは間違いないようだ。

PS Vitaは?

3DSの直接のライバル、PlayStation Vitaには3Gモデルが登場する予定だ。PSPを見送り、未だPS3を購入していない私もこれは買ってしまいそうだが、しかし子供のために買い与えたいという気持ちは、なぜか起きない。

それはPSVitaが、あくまで「究極のモバイルビデオゲームマシン」であって、「遊具の再定義」を目指しているようには見えないからだろう。コミュニケーションデバイスとしては、あまりにごつすぎるし、ますらおすぎるのだ。たとえば女子中学生が電車の中でこれを使っている姿を想像できるだろうか?

[CEDEC 2011]ゲームには“ちから”がある。災害に立ち向かうゲームとは。「震災復興支援特別セッション」レポート

任天堂の強みは、すでに親の信任を勝ち取っていること。

現時点において、携帯電話より信用されているのだ。

モバゲーは勘弁してグリー

「娘や息子といつでも連絡を取れるようにしておきたい」という気持ちを抱かぬ親はおよそ存在しないだろう。携帯電話はそれを叶えてくれる。しかし携帯電話は、そうでないことも叶えてしまう。「架空請求されるのではないか?」「援助交際に利用されるのではないか?」。ソーシャルゲームに対する恐れも、その延長にある。アイテム課金にはまろうものなら、目も当てられない。

任天堂ならば、このジレンマを止揚してくれるのではないかと期待する世の親は、私だけだろうか?

もちろん今の「子供向け」携帯電話にも、ペアレンタルコントロールはついている。しかしそれは面倒で使いにくく、なにより電話屋の論理で設計されている。この点に関して今の携帯電話は、はっきり言ってクソゲーならぬクソデンだ。

「いつでも通信」はいつの日か?

apple-vs-nintendo

「すれちがい通信」に「いつの間に通信」。任天堂としてはより外交的により社交的に遊んでほしいはずなのである。その思いの強さが3D製品化に劣らぬことは、モバイルアダプタGBという失敗を見てもわかる。バーチャルボーイという黒歴史にもめげず3DSまでこぎつけた任天堂であれば、いつか「いつでも通信」をものにするだろう。

そうなった暁には、左上の図のようなこともありえるのだろうか?

折り紙付きのマカーの岩田社長も、まさかAppleが商売敵になるとは思いもよらなかっただろう。しかも任天堂はGoogleやMicrosoftのようなAppleのfrenemyですらなく、Appleも任天堂のシマを荒らす気はまるでなかったのだ。

Steve Jobs Changed Games, Too, Without Trying - NYTimes.com
But when it comes to video games, Mr. Jobs wasn't really even trying.

The Best Internet Access Deviceを目指しても、The Best Amusement Deviceを目指しても、結局携帯電話回線は避けられない。だとしたら、後者からのアプローチだってありのはずだ。位置ゲーのためにつけた3Gで、子供にカエルコールしたっていいじゃないか。

マリオコールは、まだですか?

Dan the Player of the Game called Life


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