2011年12月21日 17:00 [Edit]

紹介 - 「働かざるもの、飢えるべからず。」新書版

「働かざるもの、飢えるべからず。」が新書化されたのでお報せします。


本書「働かざるもの、飢えるべからず。」新書判は、二年前に上梓された単行本「働かざるもの、飢えるべからず。」から第二部を割愛した上で、第一部を改訂したものです。スマナサーラ長老のファンのみなさまごめんなさい。そのまま新書にすると二分冊になってしまうということでこのような形になりました。

「働かざるもの、飢えるべからずNANO」という書名も提案したのですが、残念ながら却下されました:-p

目次
はじめに
第1章 なぜいま、貧困があるのか
第2章 社会相続という決定弾
第3章 所有から利用へ
第4章 労働2.0
第5章 経済=物理+心理
第6章 エネルギーがパケホーダイになる日
第7章 幸せは使っても減らない
第8章 デフォルトYesの世界へ
第9章 その教育、プライスレス──ベーシック・インカムをふまえた教育システム
第10章 安心して死のう
第11章 ぼくらの宿題
あとがき
新書判あとがき

単行本から二年。その間、特に今年は「千年に一度」の大震災もあり、例年になく「長い」一年であったと思います。

新書版あとがき

本書の原著となった「働かざるもの、飢えるべからず。」が刊行されたのは2009年11月。それから二年を経た2011年は、日本にとっての「厄年」であるかのようでした。東日本大震災に、福島第一原発事故…これほど「バッドニューズ」に溢れた年は記憶にありません。

しかし我々に忘れ難き印象を残したこうした「バッドニューズ」は実際にはどれほど「バッド」なのでしょうか?東日本大震災の死者行方不明者の合計は2万人弱、1万9996人。これは年間の自殺者3万1690人の2/3に「すぎず」、2010年の死亡者数119万4000人の1.7%に「すぎない」。放射線被曝による死者数に至っては、なんとゼロ。

亡くなったといえば、本書でもところどころ登場するスティーブ・ジョブズも10月に亡くなっています。享年56才、ガンとの闘病の末というのは悲劇的なれど、津波に呑まれて亡くなるほどには悲劇的とは言い難い。しかしニューズバリューという点では、彼一人の死は震災による二万の死を上回ったのかもしれません。死後まもなく上梓された公式伝記は日本でもミリオンセラーになりましたが、これより売れた「震災本」はあるのでしょうか?

本書が上梓される2011年12月は、私の実家が全焼してからちょうど20年でもあります。「幸いにして」隣家に延焼することもなく、「幸いにして」死者も出ず、火災保険は全額下りました(再建時の頭金にしかならなかったとはいえ)。しかし、「最も幸いだった」のは、誰かを責める必要がなかったこと。火災の原因となったのは古い灯油ヒーターの腐食で穴の空いた配管だったのですが、それが結構な年代物だったこともあり、製造元を訴えるという「知恵」はわきませんでした。今となっては製造元も思い出せません。

もしこれが「震災の一環」だとしたらどうしていたでしょうか?国や県や市といった「上からの援助」をずっと待ちわびていたかも知れません。ましてや「人災の一環」だとしたら?放射性物質が見つかったら東京電力に対する訴状の文面を練り続けていたかもしれません。

私は別に自らの「不幸」を自慢したいわけでも、ましてや「震災被害者と20年前の私のどちらが不幸か」を比較したいわけでもありません。本書で私は「幸せは使っても減らない」と主張しましたが、「分けても減らない」のは不幸も同様です。幸福の多寡を比較するのと同様、不幸の多寡を比較するのもまた「無理」なのです。

しかしその無理を強いられている場所があります。それが社会福祉の現場です。だれがどれだけの援助をどんな形で受けるべきか、あるいは受けるべきではないか、そこでは今日も知恵--と血税--が絞られています。生活保護者が200万人を突破したそうですが、本当に援助を受けるべきなのは彼らなのでしょうか、それとも別の誰かなのでしょうか?いくら考えても、「全員を納得させる答え」を出せる人は誰もいないはずです。

しかし、「全員に同額」であれば、可能なのです。

それも、生活保護に匹敵する額を。

ベーシック・インカムというのはその意味で「血も涙もない」システムです。老いも若きも持てる者も持たざるものも一律同額。情状酌量ゼロ。しかし「血も涙もない」のは「政府」というシステムも同様なのではないのですか?ただの「からくり」にすぎない「政府」というものを擬人化したあげく、血や涙を期待することこそ、ムリな汗とムダな血とムラな涙を強いることなのではないですか?

「一生は短い。他人の人生を生きるような無駄はよせ」というのは生前のジョブズの口癖でしたが、大王製紙の御曹司を見るまでもなく、身に余る額の相続ほどその罠に簡単に墜ちる方法はありません。社会相続というシステムもまた「血も涙もない」システムですが、血も涙もないがゆえにそれを未然に防いでくれます。

ジョブズは「死はおそらく生命のたった一つの最高の発明だ」という台詞も遺しています。「旧きを退け、新しきに道を譲るための」。「そのままでいること」そのものを至上命題とした組織はガンであり、それがいかに醜悪なものとなりうるかをオリンパスは示しました。「飛ばし」を続けて来た理由として、「ただいままでどおりという体裁を保つ」以外の理由が見当たらない。まだ「当事者たちの私腹を肥やすため」という理由の方が「自然」に感じます。

本書で主張したとおり、実は我々自身の人生ですら、我々は有限時間間借りしているに過ぎない。だからこそ、その短い間は人生を自分のものとして歩みたい。だとしたら、「それ以外のもの」は「預けてしまった」方がかえってよいのではないか?

そう考えたを進めた結果、二年前本書の原著が生まれました。

今もその考えは変わりません。

本書を自らの人生を歩む全ての人に捧げます。

よろしければ、ご一読のほどを。

Dan the Author Thereof

終了したキャンペーン

「働かざるもの、飢えるべからず。」新書版、今回も献本希望をTLで募集します。ご希望の方は @dankogai をフォローの上、ハッシュタグ #働かざるもの飢えるべからず をつけてその旨tweetしてください。先着50名。結果はDMで http://t.co/jdllrG1rWed Dec 21 08:27:23 via HootSuite

DM返信が50名を超えましたので、ここで一旦 #働かざるもの飢えるべからず の献本応募を締切らせていただきます。折角私からDMを受け取ったのに返信が間に合わなかった方ごめんなさい。申し込みありがとうございましたWed Dec 21 13:04:39 via HootSuite


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