2011年10月

橋本知事の父親としてのツイート:週刊誌の記事に対して

 橋本大阪知事のツイートからです。橋本知事ツイログ

 大阪府知事の橋本さんが、今回大阪都構想を目指し、知事を辞職して大阪市長選に立候補します。様々な改革をおこない、大阪の財政を改善し、今度は教育問題にも着手するなど、非常に敵の多い政治家です。

 今週木曜日、週刊新潮、週刊文春の2つの週刊誌が、彼の生い立ちをしるし何らかの黒い影を思わせるような記事を出しました。新聞広告、中刷りなどでみられた方も多いと思います。私の感想は「橋本さんの政策を好まない人がギリギリのところで選挙に通らないように、つまり大阪都は作らさないぞと攻撃を開始したな」というものでした。

 彼の言葉には毒があります。でも毒にもならない薬はまず効きません。

 その橋本知事がこの記事に対してツイートしました。
父親として共感します。

『子供は親を選べない。どのような親であろうと、自分の出自がどうであろうと人はそれを乗り越えていかざるを得ない。僕の子供も、不幸極まりない。中学の子供二人には、先日話した。子供は、関係ないやん!と言ってくれたが、その方が辛い。文句を言ってくれた方が楽だった。』

『親と子供は別だ。日本社会の、人権尊重、子供の尊重というフレーズはど絵空事か。親が公人でも、子供の権利は最大限尊重され、配慮されるべきだ。権力チェックに必要な、選挙にとって必要な情報はどんどん有権者に開示されるべき。しかし無制限ではないだろう。』

 
橋本知事の言動には危うさを感じながらも、ひく時はひき、責める時には責めるという、ラグビーから学んだものを前面に出す体育会系ののりは好きでした。本当に弁護士としての正義感を持ち続けながら、正論だけでは終わらせない信念を持っておこなう政治家と尊敬してました。今回の攻撃に対し父親としての家族を守る発言にあるいみ感動しています。

『子供には本当に申し訳ないが、今回の一連の報道で闘志が沸いてきた。怒りのエネルギーを、大阪の統治機構を変えるエネルギーに転換する。これも政治家の能力だ。ある意味、週刊誌には感謝だ。大阪維新の会は燃えに燃えて、政治決戦に挑む。』

 最後のこの文章は、転んでもただではおきないしたたかさも感じます。大阪同時選挙楽しみです。彼が市長になったら、大阪はどれだけ変るんでしょうね。

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マイコプラズマ:89.5%マクロライド耐性!?

 感染研からの報告で(10月25日感染研感染症情報センター病原体情報)、小児の入院治療をおこなったマイコプラズマ肺炎のマクロライド系抗生剤の耐性率が89.5%つまり薬を飲んで効くのは1割!!に達していることが報告されました。

 今年のマイコプラズマ肺炎は春先から増加し、さらに流行は続いています。咳、発熱が症状で、一般のセフェム系抗生剤は効果なく、マクロライド系抗生剤が特効薬として使われていました。(以前のDrGの若い女の子のクラミジア肺炎と同じパターンです)

 特に最近の臨床の場ではマイコプラズマIgM抗体をキットで測定して迅速に診断を行い(今までは診断に
14日程度あけて
2回採血をおこなっていました)、最初からマクロライド系抗生剤を投薬する病院も増えてきています。ところが、教科書に出ている治療が90%効かないという恐ろしい話です。朝のTVでも放映されていました。

 でも実は
この報告にはかなりのバイアスがかかっています。一般に肺炎があっても元気な人は外来で飲み薬を出され(マクロライド等)良くなる方は入院しません。しかしこの報告は15歳以下の入院肺炎例903例中19.2%のマイコプラズマ肺炎例の菌を調べています。つまり最初に出された薬が効果なく、重症化した子供が入院しているため、最初に出された抗生剤が効いてない症例を集めている事になります。通販で2回目に買った人にアンケートし、この商品は90%の満足度を得ていますというのと同じことです。

 耐性菌が増えているのは事実ですが、このからくりを言わずに恐怖心をあおるのはいけません。ミスリードはいけません。 

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TPPと医療:本当に日本の医療は守られる?

 本日TPP反対決起集会にて、日本医師会が反対声明を出しました。いつも日本の医療のために、いや日本の医師のためにあいまいな態度をとって失敗ばっかりしている日本医師会としてはめずらしくはっきりした態度です。

 マスコミはTVを通じて、TPPの必要性を印象づけようと頑張っています。(亀井さん1人に5人の論客が反論されるなど結構失敗しているようですが)

 関税を全て取り外し、自由貿易にすることで経済を活性化する。その取り決めを作るために早く枠組みの中に入る。そうすることで日本にとっていい取り決めを作り、日本の輸出が増え、雇用が促進し、景気が良くなるという理想的な3段論法の画を述べています。経済学者のコメントはいつも極端です。

 反対論者の大部分は農業関連です。特に米については壊滅的な被害を受けるのではと、JA会長を代表として大反対です。

 またTPPでは人の出入りも自由になります。そのため、日本人の雇用が必ずしも上昇するとは限らないようです。

 関税がなくなるため安い輸入品が大量に入ることでデフレがさらにすすみ、結果として景気も回復するかどうかわからないとも言われています。

 さて医療においては、大手資本が参入し混合診療が解禁され、値段が勝手に決められるお金持ちのための医療が発展し、手間はかかるがもうからない不採算部門が捨てられ(救急、産婦人科、小児科、老年科等)、公的医療が衰退するのではというのが日本医師会の反対理由です。結局ビジネスを優先するのはやめましょうと言っているのです。

 私は医療という分野においてビジネスは適さないということを一貫して述べています。だからこそメディカルツーリングも疑問だったのですが、このTPPも間違えなく制限が必要なものと感じています。(制限がかけれないTPPではなく制限がかけれるFTAの方がやはり日本のためにはいいような気がします) 

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新医師宣言

 表題で検索していただくとわかりますが、ヒポクラテスの誓いにかわる提言として、文科省科研費を使った研究としてまとめられたものです

“もはやヒポクラテスではいられない” 21 世紀 新医師宣言プロジェクト
私の新医師宣言

 私は、毎日の仕事の中で、あきらめそうになったり、「まあいいか」と妥協しそうになったり、望ましくない誘惑や圧 力に流されそうになったり、患者さんに寄り添う心の余裕がなくなりそうになったりすることを否定しません。 そんなときには、私は以下の宣言文に立ち返ります。そして、医師として患者さんや職場の仲間とともに悩みながら、 でもへこたれずに歩んでいくことを誓います。
 

1. 私は、患者さんについてまだわからなければならないことがあるという前提に立ち、患者さんの気持ち や苦しみを想像し、理解する努力をします。 一方、自分の言葉が意図するとおりに、患者さんに伝わ らないことも認識し、お互いが分かり合うための工夫を怠りません。
 

2. 私は、診療方針を患者さんと決める際に、自分の方針を押し付けすぎていないか、逆に、患者さんに 選択を丸投げしていないか振り返り、患者さんとともに確認します。
 

3. 私は、医療行為が常に患者さんを害しうることを忘れません。もし不幸にして患者さんに重い副作用な どが発生した際、患者さん本人や家族の悲しみに対し誠実に向き合い続けます。
 

4. 私は、不適切もしくは過剰な薬の処方や検査が患者さんに行われていないか常に注意を払います。そ の状況に気付いた時には、患者さんと相談し、よりよい方法をともに考えます。
 

5. 私は、患者さんの健康の維持や回復、症状の緩和を支援するとともに、患者さんの生命が終わっていく 過程にも積極的にかかわります。
 

6. 私は、どんな状況にあっても患者さんが希望を持つことを最大限尊重します。医療だけでは患者さんの 問題を解決できないような状況のときにも、患者さんの相談者でありつづけます。
 

7. 私は、自らの心に宿る敵は、自己保身、経営優先の効率主義、外部からの利益供与であることを認識 します。そして、ときに自らの医学的好奇心すらも患者さんの利益に反する要因となることを心に留めま す。
 

8. 私は、可能なかぎり患者さんの希望を聴いた上で、自分にできることと、できないことを伝えます。時に は、施設内外を問わず自分よりうまくできる人に協力を依頼し連携します。
 

9. 私は、患者さんや職場の同僚に助けられたとき、「ありがとう」と声に出して言います。また、心の折れそ うな同僚が身近にいたら「どうしたの?」と声をかけ、話を聴きます。
 

10. 私は、文献からは医学に関する知識を、先人からは生きた技術を、同僚や他職種の仲間からは臨床 の知恵を、後輩からはあきらめかけていた情熱と気づきを、そして患者さんからは、自分が、医師とし てどうあり、何をすべきかということについてのすべてを学び続けます。
 

11. 私は、自分の誤りに気付いてくれる人を大切にし、自分への批判に積極的に耳を傾けます。 同時に、 同僚や上司の疑問に感じる態度や行為に対しては、それを指摘するようにします。
 

12. 私は、医療が公共財であり社会的共通資本であるということを前提に、専門職の観点からは理不尽だ と感じる要求に対し、目を背けず向き合います。

 現在の医療状況において、現場で働いている医師への応援とともに、激励と感じます。

 

救急医への感謝の手紙:栃木県医事厚生科作成

 読売新聞の記事です。救急医への感謝の手紙

 栃木県の医事厚生科が医療従事者を応援するため、患者さん達の言葉をまとめ、冊子を病院、診療所に配布したそうです。非常にうれしいことです。感謝の言葉は医師達にとって本当に何より元気のでる薬です。でも県は言葉だけですませないようにお願いします。県民に応援だけさせてるだけでは勘弁してください。

 作成した理由について「医師不足や安易な『コンビニ受診』、大規模病院への救急外来集中で、厳しい環境にある医師を応援したかった」と説明しています。

 栃木県は1年間の救急搬送患者は6万5千人程度でそんなに多いわけではないですが、以前お話させていただいた田舎独特の問題もあるようで、決して満足のいく救急体制ではないようです。

 また救急問題は詳しく調べて書きたいと思っています。

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