2011年12月

今年もありがとうございました

飯塚で家族と一緒にすごしています。
   今年もお世話になりました。来年も応援よろしくお願いします。

帰省

今から地元へ帰省します。今年は本当にいろいろありましたが、年賀状をはじめ年は必ず過ぎていきます。

 昨日消費税増税のニュースが日本に流れました。評価はまた後ほど。

 来年はみなさんにとって良い年でありますように。

追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺らぐ国際基準:医学と研究レベル

 NHK番組です。ネットでも今までのICRPの根拠が覆ったと久しぶりにNHKの取材を褒めています。

 まずスエーデンの環境放射線測定とそこの癌発生率の疫学調査。そこで100mSvより低い線量でも癌の発生は増加するという研究の紹介。それにともない今までの基準、政府の発言への疑問を前面に出しています。

 そして原爆の時の被爆1000mSvから発生した5%のがん患者が、実際は500mSvから発生した可能性があり、放射線による癌発生のリスクが2倍になる可能性が出てきた。そこで癌発生は線量に比例して増えると仮定しているため低線量部分のリスクをあげる必要があったのだが、ICRPの重鎮達は根拠なしに修正しなかったというインタビューを放送しました。

 結論として、ICRPを根拠とした今の日本の政策は信頼性のないものだということを示しました。

 最後のこどものコメント「科学者には私たちが単なる統計の数字でないことを知って欲しい」非常に重い言葉です。

 私は最初から放射線を浴びるのはできるだけ少ない方がいい。100mSvであればなんとか大丈夫だろうが、できる限り1mSv以下にしたほうがいい。とくに子供は避けれるかぎり避ける。わからない以上できる限り離れる。そういう過剰なまでの事を言ってきました。それ故今回の放送内容は納得しています。

 しかし、今回の全てのデータはあくまでひとつの意見にしかなり得ません。かつどのデータも医学的には信頼度が低いものです。こどものコメントも医学的関連性を証明するのはほとんど不可能です。単なる統計の数字でないことは臨床医としてたくさん経験していますが、それは科学として証明する事が医学者には求められています。そうでなければただのえせ専門家にすぎません。

 タバコをずっと吸っていても100歳以上まで生きている人間もいます。すぐに肺癌になる人もいます。この子供のように放射線を外部や内部から浴びるとすぐに病になる人もいるでしょう。 また全くならない人もいます。つまり危険率をあげる事が0.5%でもあれば避ける。それはタバコも放射線も同様なんです。 

 医師として研究者として危険を避ける事は絶対に必要だと思っています。だからといって、この低いエビデンスで100%賛同とはどうしてもできません。仮定の部分の検証すらできていないのに、その仮定に沿っていないと言ってもなんとも言いようがありません。 わからないという事しかわかっていません。

 今年ももうあと2日でおしまいです。本当に大変な1年でした。来年こそは良い年がみなさんにおとずれますように。

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原発事故調中間報告:矛・盾 人災でしたね

 今回の原発事故の調査の中間報告が発表されました。長い文章で、A4用紙700枚におよぶ資料だそうです。要旨部分からの抜粋をしてみました。
「全交流電源が失われる事態を想定していなかった」
「全電源喪失によって自動で弁が閉まる(フェイルセーフ)機能についても思い至らず、津波到達直後のICの作動状況を把握できなかった」

 この2点は事故直後の対応を示しています。地震後のブログで、きっとマニュアルがあると思っていた私は、東京電力、政府を応援していました。でもなかったようです。

「11日午後6時18分、当直は中央制御室で、ICの弁が全閉の状態を示すランプが点灯していることに気づいた」
「保安院の保安検査官も12日未明まで免震重要棟2階にいたが、プラントデータなどを携帯電話などでオフサイトセンターに報告するのみで、指導、助言をした形跡はまったく見当たらない
結局、今回のような事態を想定し、対処に必要な教育、訓練がされていなかったと言うほかない」

 いままでそんな仕事しかしていなっかったことがわかります。平時の時の仕事と有事の時の仕事は根本がかわります。その有事に対応するがプロなんです。彼らは放射線事故のプロではなく、高い給料を払う価値のない人だったのでしょう。

『「海水を入れるともう廃炉につながる」「発電所に使える淡水があるなら、それを使えばいいのではないか」などの意見』

 まさに経済優先の観点です。事故を速やかに収束させようという観点がありません。

「同センターは定時計算の結果を文科省、ERC、安全委員会、オフサイトセンター、福島県庁などに送付した。これらの組織は、実際の放射線量を示すものではないなどの理由から、具体的な措置の検討には活用せず、またそれを公表する発想もなかった。」

 住民の健康を管理する側が、データだけ集めて何も対応しないという、文章だけ作った実績があれば良いという公務員の考え方です。これも平時と同じ事しかできない人だったとういうことです。

「一方、班目委員長、平岡保安院次長、東電幹部が官邸5階に集められた。炉心損傷を避けるにはベントを行う必要があること、ベントを実施しても3キロを避難範囲とすれば十分であるなどの意見を踏まえ、3キロ範囲の避難、3~10キロの屋内退避の指示が決定された。」
「避難範囲を10キロに拡大することが決められた。」

 学者の認識の甘さが出ています。事態の把握が甘いため、軽症と判断し後で重症化して慌てふためいた状況です。

「安全委員会は、スクリーニングで一定レベルを超えた者に安定ヨウ素剤の服用を指示すべきだとするコメントをERCに送付した。しかし、現地対策本部には伝わらなかった。」
 
 伝達手段が不備。まあ全体を統制する指揮官がいなかったということですね。

「東電と現地対策本部は関係する自治体、漁業協同組合連合会等に海洋放出について連絡した。事務作業開始から菅首相の了解を得るまでの間、外務省や農水省などの国内関係機関、国際原子力機関(IAEA)、各国に海洋放出予定を伝えていなかった。」

 この事故が世界に及ぼす影響を総理はじめだれも気付けない。安全委員会、保安員はなにをしていたの?その場を納める事も、長期の影響も想定できない本当に役立たない組織です。

「保安院の中村幸一郎審議官は12日午後2時の記者会見前、寺坂保安院長に敷地内の放射線量が高くなっていることなどから、炉心溶融の可能性が高い旨報告した。寺坂保安院長は「事実がそうなら、そのように言うしかない」と告げた。中村審議官は記者会見で「炉心溶融の可能性がある。炉心溶融がほぼ進んでいるのではないだろうか」と説明した。

 この後、寺坂保安院長は官邸で発表に対する懸念の声があったとの情報を受け、発表前に官邸の了解を得るよう広報担当者に指示。他の審議官を介して中村審議官に、発言に注意するよう指示した。」

 この発表をした官邸の人間の名前を公表しましょう。彼は情報を意図的に隠し、それによって人民への被害を拡げた可能性があります。本当はそこで寺坂保安院長が上司に逆らわなければいけないのですが宮仕えの人では難しいですね。以前のブログにも書きましたが、中村幸一郎さんは息子と同じ名前ですがちゃんと言っていたんですね。

「政府は事故後、放射線の人体への影響に関し、たびたび「直ちに影響を及ぼすものではない」と説明した。この表現については、「人体への影響を心配する必要はない」と理解する者と、「直ちに影響はないが、長期的には影響がある」と理解する者があり得る。いずれの意味で用いているのかが必ずしも明らかでなく、踏み込んだ説明もなかった。」

 未だに説明はないですよね。この事故分析も甘いです。できれば
「直ちに影響はないが、長期的な影響は専門家でもわからない」
「少なくとも甲状腺以外の癌発生率は大人では統計学的に有為に上昇はしない」
「子供に対する影響は、大人より危険である」
「日本の医師が、下痢、鼻血等の症状が原爆後に増加した事を報告している」
「その放射線を浴びた医師は90歳過ぎた今でも生きている」
「チェルノブイリの医師が、原発事故後まわりの住民が様々な変調を症状としてとる患者が増えた事を報告している」
「旧ソ連の時代のため情報は隠されていた可能性がある」
等を全部説明していけば良いと思うのですが。それを判断するのは国民です。隠す事は今回判ったようにかえって信頼をなくします。

 そして今回一番責任が思いと思われる原子力安全・保安院の規制当局としてのあり方です。

「今回の災害で、保安院は情報収集機能を適切に果たせず、事故の初期段階に、官邸や関係省庁が求める情報を適時適切に提供できず、福島第1の状況についても十分な説明ができなかった。

 保安院は、情報の収集・把握のハブとしての役割を果たす自覚と問題意識に欠けていた。

 官邸やERCにいた者が現場の作業状況を把握できず、ベントの実施について現場との認識の共有が十分できていなかったため、菅首相の福島第1原発訪問などの国側の対応に影響を与えた。

 保安院が役割を果たせなかった背景には、全電源喪失という非常事態での現場の対処や具体的な知識・知見を十分に持っていなかったという事情があるのではないか。

 原子力保安検査官は、3月12日午前5時ごろにオフサイトセンターに退避した。この時期は1号機格納容器の圧力が異常に高い状態が続くなど現場の状況確認の必要は極めて高い状況が続いていた。この時期に保安検査官が退避するという判断が適切であったかは甚だ疑問が残る。非常事態に国として事故対処を担うべき自覚に欠けたのではないか

 現地対策本部が実施したモニタリング結果について、保安院は一部しか公表せず、ほとんどが公表されたのは6月3日になってからだった。SPEEDI情報も、広報の要否について踏み込んだ検討を加えず、ERCは公表しなかった。保安院は、非常時において情報を確実に管理し、必要性があるものについては確実に公表することの重要性について、組織全体に徹底していなかった。

原子力安全委員会のあり方

 原発の地震・津波対策のための指針の策定が十分かつ迅速であったかについて今後も検証を続ける必要がある。」

 この文章の自覚に欠けるが全てでしょう。

 原子力発電所はどんな事故があっても壊れない。まさにどんな槍でも穴があかない盾と信じていたんでしょう。だからおかしくなった時の対応は考えなくてよい。平時の作業だけやっていて給料をもらい、有事の対応はだれかがしてくれる。まさにそういう体制が招いた人災です。

 後で言うのは簡単です。今まで事故当初からブログに書いてきた事は間違っていなかった事を含めて政府、組織の馬鹿さ加減が非常に遺憾です。 

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放射能「新」基準:読売新聞記事より

 読売新聞の記事です。放射能「新」基準 食の不安の拡大防止策が先だ(12月24日付・読売社説)

 政府が新たに決めた食品の放射線セシウム基準を決定したことに対する社説です。暫定基準からさらに低くする事に対する読売新聞の考え方です。読売は原発賛成ですのでこういう社説はひとつの意見としてとらえる必要があります。

 特に以下の記事部分は考え方として多数の反論があると思います。どちらかと言えば経済優先の考え方です。

「しかし、規制値を厳しくすることで社会不安が高まるリスクも注意深く見極める必要があろう。

 暫定規制値で十分「安全」の範囲なのに、新規制値で「超過」と判定される例が想定される。出荷停止が続発しはしないか。

 現行の暫定規制値も、欧米の規制値の2分の1から4分の1程度と厳格だ。だから政府や専門家の多くは、規制値を多少超えた食品を口にしても、「危険」の域に入るのではなく心配は無用、と「解説」してきた経緯がある。

 厚労省は、新規制値導入に際して関係自治体、業界にも理解と協力を求める方針だ。食品によっては、新規制値の適用時期を遅らせる「経過措置」も検討する。」
 

 医療ジャーナリストの伊藤隼也さんはツイッターで
 

「あまりに酷い内容の社説だ。小さな子どもを持つ親として抗議をしたい!読売新聞 社説 子どもの未来を守る視点ゼロ」
 と激しい抗議をしています。


 事故前の今までの基準は本当に健康に影響ないレベルで決められていたものです。そしてその放射線基準を越えるものは今までお金をかけてしっかり管理されていたわけです。しかし事故が起きたのだから現実的な対応が必要なので、緩い世界基準にしよう、厳密な管理はしなくていいようにしようと言っているわけですが、100%の保証ができない自分の健康への影響を我慢しろと言われて納得する人はいないと思うのですが。

 少し臭くても、騒音があっても、健康に直ちに影響は及ぼさないので我慢しましょう。そういってみんなを我慢させようというそのやり方はもう無理だと思うのですが。ましてや放射線はみえませんし、臭いませんし、聞こえないのだからこそ。

 最後の文章

「調査によれば、全国で、暫定規制値を超えた食品は全体の1%未満に過ぎない。暫定規制値を超過した食品は原則、流通しない。

 それ以下の食品でも検出例は減る傾向にある。放射性物質の特質として、セシウム量が1年後に大幅に減ることも考慮したい。

 こうした状況を国民に丁寧に説明し、食の安全への正しい理解を広めることが、まず重要だ。流通過程での安全確認も、確実に継続しなければならない。」

 この結語から導きだされる表題がなぜ上記になるのか不思議です。

 まあ自衛官が除染をしたことだけが重要で、その数字がどんなに高くてもそれをおかしいと書けないマスコミにこれ以上期待できないかもしれませんが。


 メリークリスマス。来年は今以上の神の祝福があります事を。
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