2012年03月

レバ刺し禁止 そこまで面倒みてもらわなければいけないのかな?

 厚労省がレバ刺しを禁止しました。焼き肉えびすのユッケ0111、0157事件から、ついに食文化の禁止です。「レバ刺し」提供、法的に禁止へ

 ユッケの作り方として、生肉のゆで方、そぎ落とし方などかなり実用的ではない提案をしたと思ったら、今度はレバ刺しの禁止です。

 1998年から2010年までの間に116件(患者数785人)の食中毒を引き起こしたと言われている牛の生レバー。食べるという行為によってカンピロバクター、サルモネラを含めて細菌感染確率が間違いなく上昇します。でもいままであまり問題にならなかったのは、O157のように死亡者が出なかったからです。
 解体した牛の肝臓から、外側ではなく内部にをO157の生菌を認めた事より(150頭調べた中で2頭)、専門家でつくる厚労省の薬時・食品衛生審議会の部会が提供を禁止すべきだとする見解を昨年12月の報告でまとめました。これが禁止の根拠です。つまりどのような熱処理を行おうとしても生のままでは菌を除けないと判断したからです

 今度は努力目標ではなく罰金込みの禁止です。店での提供だけでなく、小売りからの供給も終了しそうです。

 やり過ぎでしょう。だったら生卵、刺身、ふぐ、生ガキ等も禁止しなきゃ。こんにゃくゼリーと同じで、餅も禁止しなきゃ。カイワレもありましたよね。食べるもの位好きにさせろよ。自分で何かあったら責任はとるよ。

 今まではずっとこのスタンスでしたが、前回の死亡事故がすこし考えを変えさせました。えびす事件の後も少なからず業者の処理の適当さとしか思えない食中毒が発生しています。つまり何かしら今のままでは制限をかけないとまた新たな死亡者が出てしまうのではないかという恐れがあります。

 肉の処理、肉の保管、肉の配送、そして焼き肉店、全ての業者が正しい行動をおこなって初めて確率が0に近づくわけですが、えびす事件のようにお金儲けのために2つの業者がいいかげんな事をしてしまうと、生レバーは死亡者が出てしまう食材なのです。結局経済が安全性を脅かしていると言っていいかもしれません。

 残念ですが、食中毒は100%予防できるわけではありません。そして今のように牛の中に菌は必ず存在し、どんなに丁寧な処理をしていても食中毒がおきるリスクは0にはならないのです。ではもう食べれないでしょうか。いいえ必ず方法はあります。

 放射線処理等も殺菌方法として言われていますし、豚のようにはできないかもしれませんがSPF処理等も可能性があります。それこそ抗生剤投与もできるかも。

 正しいことをやらなくなる事で、食材の危険性が以前より上がっています。馬鹿げた法律のように思われますが、今の安全を軽視した時代では仕方がないのかもしれません。でも技術が進歩して安全になったらまた食べれるように変えてくださいね。

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新型インフルエンザ対策特別措置法案可決 原子力災害における失敗 危機管理における制限

 新型インフルエンザ対策特別措置法案が可決されました。

 この法案は死亡率が高いと言われている新型インフルエンザがパンデミックになった際、国民の生命、社会に深刻な被害の恐れがある時には、緊急事態を宣言し様々な対策を施すといったものです。この様々な対策が戒厳令ではないかと話題になっています。

 この法案は緊急時、強制的な予防接種、集会の制限、土地建物の所有者の同意なしの強制使用、医薬品・食品の保管命令など国民の自由な権利をかなり制限するものとなっています。しかもそれに従わなければ罰金を科するというある意味思い切ったものです。医師の協力要請なんていうのもありますね。

 ある共産党議員は「重大な感染症から生命と健康を守り、国民生活を守るのは喫緊の課題だ」といいながらも、前述の部分が危機管理の角度からの対策が強調されている」と慎重な討論を求めていました。

 原発対策には危機管理がなっていないと政府を攻めたのに、今回はやり過ぎだという共産党の意見はどうかと思いますが、今回の法律は医師の中でも賛否が分かれています。Vol.443 新型インフルエンザ対策特別措置法の成立を憂慮する-熟議の国会はどこへ去ったのか?- 

 研究者達に新型インフルエンザ研究を自粛するように記事がでたこともついこの間の事です。
デュアルユース(軍事にも民事にも利用可能な技術)に関する論文がネーチャー、サイエンスといった一流紙に投稿された事がきっかけとなり、世界的に研究が規制されました。これもある意味自由な権利の制限です。

 これは大量破壊兵器である生物兵器に使われないようにという論文化の制限でしたが、今回提出された法案が戒厳令のようになっているのは、ある意味有事の想定もあるのかもしれません。しかしそれよりも前回の新型インフルエンザ対策における問題点を検討して、有効な対策を施そうとするための法案と信じたいと思います。

 今の政府は信用できないためこのような法案はだめだと反対というのもひとつの意見です。しかし前回の震災・津波・原発災害などでみられた自由な権利を守るための対策の遅れで被害を増やす事は危機管理において馬鹿げた事です。

 今までの分析でも有効な危機管理施策を行うためには、国民の権利を制限する超法規的な行為を行わなければ不可能だという研究成果もたくさん出ています。

 超法規的にしか国民の安全を守れないといったところに、法律の許可を与えた、ある意味風穴をあけた法律です。使い方によっては本当に危険ですが、評価したいと思います。

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東電の値上げ 企業の権利と義務 情報隠蔽とマスコミの報道

 東京電力の企業向けの値上げの問題が話題です。

 ネットの世界でも、契約社会の現在ビジネスとして仕方がないという冷静な意見と、いや税金が投入されているのに、賠償も進んでいないのにけしからんという倫理上の意見が乱れ飛んでいます。

 マスコミの報道もあたかも世論を誘導するかのように、本来必要な情報を使用企業に提示せず値上げしようとしたとか(河野議員が拡げていましたね。契約期間満了まで値上げは拒否できる)、5月以降は値上げに同意しなければ電気を止めると言っている、そして一旦契約を破棄すれば今の値上げより高い値上げを受け入れろと強制しているなど聞けば聞くほど東京電力という会社に怒りをおよぼすような報道内容です。

 ビジネスとして、値上げをする事に法律違反はおそらくありません。彼らのような半公的機関は独占禁止法違反に抵触しないことはしっかり確認しているはずです。つまり法的にこの値上げはまず問題ありません。

 では倫理的にはどうでしょう。電力会社はほぼ独占企業ですが、私企業ですので、自由裁量の倫理は勝手に解釈して問題ありません。

 これは自由を宣言している日本経済において当たり前の事です。でも東京電力は損害を税金で補助してもらい、原発事故も企業として責任を取らなくてもいいと法で守られているなど、とても自由経済下で競争して利益を得ている企業とは思えません。だからこそ、みんな本来守る義務はない倫理を東京電力に強制させようと感情が動いているのです。 

 責任を問われないのに、企業を維持する値上げができる東京電力に、みんななんでやねんと感じいている事。これが現状でしょう。

 JALのように一旦つぶして新たに出発することが感情的にはみんな納得するんじゃないでしょうか。

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孤独死 自由を得た代償 個人情報保護法の弊害

 最近よくテレビで孤独死問題が流されています。

 政府の対応が悪い、生活保護の申請をさせなかった地方自治体の怠慢、水道、電気等の機関の無責任、地域の無関心など様々な問題点があげられています。

 民生委員というボランティアに頼り、地域の老人達を守る事が新たに見直されていますが、ある民生委員に話を聞いたところ、一番の問題は情報をもらえない事だそうです。

 どこに誰がいて、どのような家族構成で、どのような疾病を持ち、どれくらいの全身状態、そんなある意味人には知られたくない情報を知らないと、地域の老人達を守るという問題は解決されません。今回の震災の時もそういう情報がなかったためどう避難させていいかわからなかった事も言われています。外来に来る心が病んでる患者さんにも、よく現状を話してもらっています。そうしないといいおせっかいがやけません。

 昔は家の周りの人たちの電話番号、子供のクラスの親達の住所、連絡先が連絡網として当たり前のように作られていました。ものの貸し借りも当たり前のように行われていたはずです。今は、そんな事をやろうとしても、むしろプライバシーの侵害という態度をとる方が多い事でしょう。

 前回も認知症においておせっかいの話をしましたが、この周りのおせっかいを拒否する現在の状況が、様々な精神的もろさを生みます。他人から助けてもらえないためどんどん症状は悪化し、老人達はギリギリまで無理をして、最後に頼ろうにも連絡先がわからない。若年者は他人との関係を拒否し、甘える方法すら知らず、ネットの幻想世界で時間を過ごす。人間としてのコミュニケーションのとりかたが崩れているのです。

 現在の個人情報保護法はどうも過度の運用がされていると思われます。ここを改善する事が絶対に今の日本に必要な改革でしょう。

 もう一度いいますが、おせっかいが今の弱った日本には必要です。

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認知症家族をもった時どのように対応するのか。家族は手を抜いて他人に甘えてください。おせっかいのすすめ

 中日メディカルサイトの記事です。「受け答え」の技術

  認知症患者の対応の仕方を上手に解説してくれています。

 否定せずに誘導する!

 明らかに間違っている事を、間違いと面と向かって言ってはいけません。相手の感情が崩れます。

 思うように行動させてください。すぐに自然に怒りを忘れてくれます。

 罪悪感に苛まされないでください。あなたのやったことを覚えていません。

 人に頼る事を恥と思わないでください。こんど他人に頼られた時に返してあげてればいいんです。

 無理をしないでください。あなたが倒れたら家族を守る人がいなくなります。

 今の時代自分を守るのが精一杯なのに、真面目な人ほどギリギリまで我慢します。大学病院で勤務していた時、病気以外はあまり興味がなく、このような認知症患者の対応はわかりませんでした。しかし患者さんと患者さんの家族を診ながら、何ができるのか、できないのか、誰にお願いすれば、誰を頼れば、色々勉強しました。他人には教科書的な事をお話しできるくらいにはなりました。

 でも家族は別です。認知家族を持つ人は他人からいくら甘えろと言われても、そう簡単にはいきません。プライドがあります。

 だからこそ、家族で助け合いながら、ソーシャルワーカーなどがおせっかいをおこなって、地域の助け合いもお願いし、自治の助け、国の助けを作り上げていく事。それが今よく言われている日本の絆に当たるものだと思っています。

 地震、津波の被害者を助ける力が日本人には存在します。もう一度遠慮する他人(要求する人は勝手に要求してきます)との関係を構築し直しましょう。おせっかいになりましょう。それが活力となるはずです。そうすれば認知症の人たちも満足できていきます。(何でも聞いてください。でも不可能な事は不可能と言います。でもあがいてみましょう)

 幸い私は色々な人に助けてきてもらい生きててきています。だからおせっかいをこれからもしていこうと思っています。

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