2012年04月

安全と利便 すべては予想できるという幻想 責任はどちらに

 薬品のネット販売が認められる高裁判決がでました。どちらかというと政府の制限をはずす事ができたという好意的解釈が一般には多い模様です。
薬ネット販売認める 東京高裁逆転判決

 一般にドラッグストアで売られている薬は、かなり安全な薬が多い事は間違いないんですが、それでも副作用のない薬はないという変えようのない事実から、皮疹などのアレルギー反応は必ず誰かに出ます。そして時には重篤な症状を呈する事もまれではありませんし、ひどい時には生命に危険が及びます。

 そのため現在少し危険な薬は薬剤師の対面販売が義務づけられています。(現実には病院院外処方の対応を含めて問題だらけなんですがね)それをネット通販で買う事が可能になるわけです。

 健康食品もそうなんですが、ついこの間もある漢方薬を通販で買った人が、重篤なⅢ型アレルギーを呈しました。お薬の副作用かを確認するために調べたところ、その漢方薬が原因であろうという症例を報告した論文もありました。

 この薬の副作用ではと考えその会社のHPをみたところ、副作用発生時の様々な対処法が書かれていました。しかし70歳を超えた素人が見てもとてもわからないだろうと思い、患者さんに代わり会社に連絡してみました。

 するとその会社は本当に患者さんに寄り添った対応をしてくれました。おかげで書類を書くという私の仕事は増えましたが、ちゃんとした会社だなと感心しました。

 こんな風にしっかりした対応をしてくれるネット通販薬品会社ばかりであればいいですが、どうもそうとは思えません。ましてや健康食品と同じようにそれが原因で体調を壊したとわかるのはかなりまれな事象になります。そうなった時にネット会社はちゃんと対応してもらえるんでしょうか。

 そして悠香の石けんの時と同じように予想外の事態が
ネット販売の薬で起きたとき、また訴訟がおきる可能性があるわけです。それに対処するのならどのような副作用を保証し、どのような副作用を保証しないかということをしっかりと消費者に明示すべきと考えます。

 でもそんな事は医療においてむずかしく、ある人に副作用が出たら全て賠償するという内容になるのなら、患者さんに薬を出す事は不可能となり医療は成立しません。その保証をまかなおうと保険を設定すれば薬品代はべらぼうなものになるでしょう。実際米国の医師達は、医療訴訟対策に給料の半分以上をつぎ込んでいます。

 ある意味誰かのミスがなければ有害事象は全て予想でき、永遠に健康で快適な生活が送る事が可能という幻想からこういう医療訴訟は生じていると感じています。

 と医療の立場から書かせていただいたところ、ある方から以前のブログに

「故意過失の有無については立証責任が製造者に転換されています。(3条)。この点が民法の特則出ありであり。PL法の存在理由です。したがって、原告が発見できたことを主張立証する必要はなく、製造者が立証できなければ勝てます(4条)。(中略)また、当該アレルギー物質の存在を認識していなかったことは免責の要件とならず、何らかのアレルギー物質が含まれているかもしれないという認識すらなかったことが免責の要件です。従って、医学的に発見の難しかったとしても、法律上は責任が認められることはあり得るのです。」

とコメントをいただきました。

 次回法律との関連について勉強して書きたいと思います。

 コメント頂ければ幸いです。ライブドアのメールを使っても結構です。更新遅くなっている事をお詫びします。いや大学の血液内科は本当に忙しい!みなさんお休み楽しんでください。


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血液疾患の治療費:NPOが助成金。生保や身体障害者手続きも?

 ある血液のNPOが骨髄腫患者に対し助成金を出す事がニュースに出ています。多発性骨髄腫を助成対象に

 この組織NPOつばさは、白血病を含めた血液疾患に対して患者、家族の目で活動をおこないサポートしている団体です。高額療養費問題の陳情をよく厚労省にあげています。HPから転記します。

 NPOつばさは、血液疾患の治療と医療、闘病に関する最新情報を、患者・家族の視点で収集してお届けします。
また、医療や行政や企業の、いま直ぐ患者さんに届けたい情報の効果的な発信をお手伝いします。
対象疾患は、白血病、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、再生不良性貧血、小児血液腫瘍などの小児がん、等です。


 この団体が患者さんに対し助成金を与えていることを知ったのは、血液学会でのブースに立ち寄ったことからでした。CML(慢性骨髄性白血病)の治療薬(グリベック等)があまりにも高く、それを補助するため低額所得者に助成するといったものでしたが、政府でなくNPOが助成するなんて驚いたことを覚えています。

 今回多発性骨髄腫にもこの助成金の枠を拡げ、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、消化管間質腫瘍と合わして4種類の血液関連疾患を対象にするそうです。

 血液疾患の治療の進歩は激しく、本当に今まで手がつけれなかった疾患がコントロールできるようになり、治癒を含めて長期の安定した生活ができるようになってきています。

 しかしそれに寄与した新薬の値段はべらぼうに高く、新しい治療を受ける患者さん達は、のきなみ高額療養制度を使っていますし、また、医師達も行政のそのような制度を熟知する事が望まれています。

 また残念ですが、このような制度があってもお金がないため最善の治療をあきらめてしまう患者さんが今でもかなりいらっしゃいます。

 「先生、年金だけで生活しているのにこんな高い薬一生飲みつづけるなんて無理だよ。」そのような方に、命の大切さを訴え、医療のきれいごと並べても、お金がなく、家族が養えず、ご飯が食べれないと言われたらなにもできません

 ある薬を使用するために、患者さんに身体障害者の申請をしたり(嘘ではありませんので、偽装ではありません)、ある患者さんは治療を受けるために生活保護の申請をおこなったりしています。

 病気になるのはある意味運です。その時にお金があるかどうかも運は作用します。このまま運に任せて患者の治療をする事は、医師として本当に悲しい事です。製薬会社が儲ける事はいたしかたありませんが、なんとかなりませんかね。

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悠香の茶のしずく石けん訴訟 血液製剤の時と同じ? 後だしじゃんけんはだめよ

 悠香の茶のしずく石けんを使用して、運動誘発小麦アレルギーになってしまったと思われる被害者達が、損害賠償をおこしました。製造物責任法(PL法)に違反するということでの賠償請求です。

 悠香の石けんは7年間で約466万人に投与され、わかっているだけで被害者は1786人います。使い始めて1ヶ月で発症した人や5年かかって発症した人など様々だそうです。発症率は単純に計算すると、約0.04%程度でしょうか。(多分もっと多くなるでしょうが)

 薬ならまだしも石けんですからね。高いか低いかはなんとも言いづらいです。被害者は何の責任もないわけですからたまりません。悠香は過失としてなんらかの賠償は必要ですかね。

 訴訟はまとめて行われるようで、日本全国24弁護団がたちあがり、そのうち15弁護団が全国各地で提訴しました。残った9弁護団も、そして今回提訴した弁護団も第2次、第3次提訴と続く予定だそうです。

 B型肝炎訴訟の時と同じように、弁護士さんがたくさんの被害者を集めて訴訟をおこない、早期和解を狙っています。ただ前回は国が相手でしたが、今回は企業です。どうなりますかね。どうも弁護士さんの医療被害で稼ぐ努力がみえてしまうんですが。

 今回の訴訟の争点は、悠香が自社の製品が原因でアレルギーを引き起こす可能性が示唆されたとき、(厚労省からの発表時)、またアレルギーの原因であるグルパール19Sを除いた製品に変えたときから、旧製品を回収するまでに5ヶ月開いてしまった事に対しての企業の責任追及がメインと思っていました。

 ところが販売をおこなった悠香だけでなく、石けんをつくったフェニックス、蛋白であるグルパール19Sを作った(株)片山化学研究所も訴えられています。つまりアレルギーをおこす石けんを作った事がけしからん、そしてそのなかにいれる小麦成分の物質をつくったのもけしからんということです。

 ある記事の中にこんな文章をみつけました。 

 一時、「製品を引き渡した時点で、「当時の科学・技術の知見から認識できないことによる製品の欠陥は、免責される」という開発危険の抗弁により悠香が罪を免れようとしているのではないかとの懸念が囁かれていたが、「問題ない。世界最高水準の知見をもってすれば予測できた」と弁護団は自信を覗かせた。

 つまりアレルギーがでることは事前に予想できたはずであると言っているわけです。(0.04%!!)だから作った責任で賠償しろと。

 どんな知見なのか調べてみました。アレルゲンは分子量1万Da以上の物質でおこしやすいということを記事の中にあげていましたが、そんなものはいろいろな製品のなかにたくさん入っています。それ以外はどうもわかりません。

 また今回この疾患をみつけた福富先生があげているのは
(1)使用用途...洗顔石鹸として使用(目や鼻に入りやすいため抗原感作した)

(2)加水分解コムギ末の使用濃度...0.3%(濃度が高い)
 

(3)使用していた加水分解コムギの生化学的性質(特に分子量)...平均分子量50kD(アレルゲンになりやすい大きさ)
 

(4)界面活性剤等の存在(免疫でよくいうアジュバントになった可能性)
 

(5)販売量...20-54歳女性の18%の使用歴あり(いっぱい使われた)

と5つの点を挙げていますが、アレルギーを専門にする医師はどうかわかりませんが、以前のブログでも書きましたが 悠香の石けんアレルギー:アレルギー学会発表(ブログ訂正)、私には新しい内容で少なくとも医学的に常識と言える事はあまりないと思われます。でも医療の専門家でない弁護士の先生は0.04%発生のアレルギーの予測ができるそうです

 以前血液製剤でHIVに感染し、その責任が厚生省、製薬会社、医師に問われた事があります。当時論文としてあげられたものから非加熱製剤は危険であると正式に確認されるまで時間がかかり、HIV感染者を拡げてしまったと罪に問われたものです。

 医学の新しい内容は論文発表後、色々な議論がなされた後、約2年程度で教科書に移行されます。その時点で常識になるわけですが、その過程でいくつもの仮説が消えていきます。にもかかわらずその前に製品を制限しなかったのは無作為の殺人だといわれたわけです。

 途中で安部先生がお亡くなりになって、当時厚生大臣のあの菅さんが出てきて、官僚だけが罪に問われて終わりでした。
マスコミはミドリ十字との癒着の絵で叩いてましたけどね。

 医学において後だしじゃんけんは絶対だめです

 
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総人口、過去最大の減少=前年比で25万9000人―総務省推計 国益のために

 石原さんが尖閣諸島を東京都として買うと言ってます。さすが武闘派。でも国益を考えているんですよね。都議会は全然知らないようですからこれから大変でしょうし、中国メディアは大批判大会のようです。みていたサーチナの記事が突然削除されましたがこれから大変そうです。
 
 また仙谷さんが原発再稼働しなければ日本は集団自殺だともいってます。この人本当に変わった人ですね。でも彼も国益を考えて発言しているわけです。自衛隊暴力装置を含めて言葉がすごいですけど、本当に自分は偉いんだとみせますよね。私は嫌いです。

 この2人の政治家は価値観が全く違いますが国益を考えて動いています。どちらも自分の意見が正しいと信じて走り続けています。だからこそみんなになんと言われようと動き続けています。どちらも目立ちます。

 ただ本当に国を思うということは、私たちの今も大事ですが子供達の未来を守る事だと思うんですがどうなんでしょう。最近少子化を含めて日本の国力の低下が危惧されていますが、2005年から頭打ちになっていた日本の人口が、2007年から毎年前年度を超えて減り続けています。総人口、過去最大の減少=前年比で25万9000人-総務省推計

 こんなこと書くと、やれ産めよ育てよ時代に戻す気か、女性蔑視だ、とか批判されるかもしれないんですが、やはり日本(国)の女性に子供を産んでもらう必要があります。

 この人口の推移はこれからの日本のすべてを決めていきます。経済(雇用、労働状況等)、社会福祉(年金、医療等)、教育、外交、防衛等、この人口の推移ですべてが変化します。もちろん縮小する人口変化に合わせる政策を行っているわけですが、予想は基本はずれるものです。いい方にはずれればものすごく楽ですが。

 医療において言われている医師数問題も、今は足りないかもしれないが人口が減っていくこれからの時代増やす必要はないと論じている方もいらっしゃいます。まああと20年位はとても忙しいでしょうがその後はそうかもしれません。いや医療崩壊でもっと死亡数が増えるかも。

 年金も今後も増えない若い世代が支える事は無理だから積み立て方式にとも言っているわけです。そりゃ払うよりもらう人が多くなりそうですからね。(まあ今の年金は平均寿命が65歳のときの方式ですので、この少子高齢化時代では無理が出ますよね)

 民主党のこども手当は少子化対策だったのですが、様々な施策をおこなっても自民党時代からここ20年前後減り続け、出生数は増えていません。それに比して、今の2倍の出生数をもっていた人たちがすこしづつ寿命になってきているわけですから、人口は当たり前のように減っていきます。

 こども達を増やすためにはどうすればいいんでしょう。女性の労働参加が当たり前のこの時代、やはり保育園を含めた子育て環境の整備は必須でしょう。またこども手当ではないですが褒美は必要でしょう。(ベーシックインカムなんかもその一つですよね。こどもが増えれば生活が楽になるとか)様々な部署が縦割りではなく全精力を集中しておこなうことだと思うんですがね。ただ選挙の票にならないから、政治家はあまり動かないんですよ。

 子供をいっぱい作る事が可能だった時代は、将来には不安があっても希望のほうが強かったんです。経済発展真っ盛りの時代ですもの。金の卵なんて言葉もありましたね。今の時代からでもいいから元気な若者を育てなきゃいけません。

 経済発展はすぐには難しいかもしれないけれど、希望を感じさせてくれる政治家はちょっとしたことで出てくれるはずです。この荒れ始めている政治の状況を注視していきましょう。

 日本をあきらめないでやっていきましょう。

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原発再稼働: 稚拙な民主党 普天間を含めて進歩ない

 今iPadから書いています。便利になりましたね。ネットを含めてJRのサービスは納得です。

  政府が原発再稼働に向けて動き出しています。仙谷さんは大飯以外にも動かすことを、政治判断の必要性として訴えています。

  一年前に起きた福島第一原発事故。その反省がまだ完全には出ておらず、放射線の言いようのない不安がまだ遷延しているこの時期に、付け焼き刃のような方法で政治判断と言われても、反対派を含め中立派も納得できないでしょう。 

  私は今の再開は政府の対応のまずさから得策ではないと思いますが、どうやったら再開を納得してもらえるのか経済優先の立場で分析してみます。ただ個人的には現在原発再開については中立的立場であることは言っておきます。(価値観、天秤です。)

  事故当時のブログで書いていましたが、福島第1ではだめだったが、第2や女川では あの地震、津波で事故はおきず大丈夫だったわけです。(もちろんギリギリだったそうですが)そのこととの比較がなされていますが、再稼働の理由として特に前面にはでていません。こことの比較を出しましょう。大飯は新しい原発で、第2や女川よりさらに安心ですと。

  また新しい基準をつくり今までの安全基準からどこまで改善したかの表明も、実施が数年後ではだれも素晴らしいとは言えません。まして人間の生命に関する基準を、専門家(原子力安全委員会)のお墨付きなしに、政治判断といっても納得しないのは、目の前の患者の治療(治療法は確立したものはない)を医者が熟考しているときに、事務方が利益優先でGOサインを出してしまい、お医者さんはノーコメントではだれもその治療は受けないでしょう。

  やはり橋本市長も言っていますが、原子力安全委員会に安全宣言を出してもらいましょう。もちろん以前に比べて信用はありませんが、少なくとも高い給料をもらっている公務員なんですから、仕事をさせましょう。ここで安全宣言が出せないというのであれば、政治判断は事務の暴走ということになります。

  そして経済界において、値段が安い電力の安定供給は必須であり、そのためには一時的な原発は必要と説明するしかありませんが、この説明は経済界以外はみんな納得してくれていません。電力が足りなくなり、経済がどこまで低下するか、また停電がどれくらいおきるのか、今数字をいくら出してもみんなに信じてもらえていません。だから、国家として電力システムを構築し直すしばらくの間!!!比較安全として稼働させて欲しいとお願いすることが中立派を唯一納得させる方法ではないかと思っています。

  官僚さんのブログにも書かれていますが、本当はもっと前から再稼働にに向けて下準備をして動かなければいけなかったんでしょうが(普天間も考えてみれば同じ構図ですね)、菅さんは反原発でしたからね。結局民主党が地震以上にグラグラゆれてしまっているから大事なことが決まらないんですね。

  この稚拙さをお願いするのに、すまなさがみえないところが共感できないんでしょう。
 

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