2013年08月

薬の進歩が病気を決める 無症候性骨髄腫の治療 ただ本当にその治療は必要?

更新おそくなっています。すいません。

血液内科の病気について書きます。(24時間テレビの大野くんの病気LBLについてではありません。)

血液腫瘍内科の病気、全てが治療するわけではありません。なにせ抗がん剤という毒を体の中に入れるわけですから、患者さんの生命を守るというメリットが副作用等のデメリットを凌駕しないと使いません。

実は今まで教科書では治療の必要がないと言われていた症状のない骨髄腫(無症候性、くすぶり型骨髄腫)という病気があります。

症状が出る前から抗がん剤治療をおこなっても、症状のない骨髄腫の患者さんの生命予後を改善する薬がないとされていたため、半分の人が23ヶ月で症状が出てくる(治療をおこなう骨髄腫に変化)このタイプの骨髄腫患者は、診断されても治療をおこないませんでした。

症状が出るまで経過観察をして治療はそこまで待ったわけです。

慢性リンパ性白血病、ろ胞性リンパ腫(最近すこし変わってきていますが)などもこのwatch and waitという方策がとられます。

しかし今回スペイン ポルトガルでおこなわれた治験でその常識がひとつ崩れたかもしれません。その結果がニューイングランドジャーナルに報告されました。

最近出たレナリドマイドという、現在日本や世界で認められている多発性骨髄腫の治療薬とデキサメサゾンというステロイドを併用した、症候性多発性骨髄腫におこなわれている治療法を症状のない骨髄腫患者さんに投与してその効果を調べたわけです。

119人とそんなに多くの患者数(N)ではありませんが、57例が治療群、62例が観察群に分けられました。

だいたい40ヶ月観察し、半分の人に症状が出てくる日時を検討したところ、治療群は半分までいかず23%の患者が症候性になっただけですみ、治療をしない観察群は期間中に76%の患者さんが症候性になり、半分の患者さんが症候性になったのは21ヶ月目とほぼ教科書どおりでした。

治療群は最初の5ヶ月の治療(薬の量が多い)で7% sCR(今調べられる検査の範囲で残存骨髄腫がみつからない)、7%、CR(少し残存)、 11% VGPR(かなり腫瘍が減少)と治療効果が出ています。

その後維持療法(少ない量で2年)終了時点で改善は続き、12% sCR、14% CR 、18% VGPRとなり、治療に伴って90%の人が何らかの改善を得ました。副作用は大多数の人にあり、治療群で1例が死亡されていますが、ほとんどが許せる範囲(生命に影響しない)のものでした。

そして観察からの3年生存率(患者さんが生きている割合)も治療群94%、観察群80%と治療群が勝っていましたし、無症候性骨髄腫と診断されてから(治験にのる前の病歴を足す)の生存率も治療群の方が高いようです。

治療群で4人、無治療観察群で13人が死亡されています。無治療群の原因は9人が骨髄腫の進行。3人が骨髄腫治療に伴う副作用、一例が突然死と報告されています。

症状が出た患者さんは治療を受けます。レナリドマイドは、スペイン、ポルトガルでは日本と同じように一番最初に使えるくするではありません。(保険適応は再発/難治多発性骨髄腫)

そのため、患者さん治療はもう一つの有名な治療薬ベルケードベースの治療が81%、自家末梢血幹細胞移植をおこなった患者さんが28%などと報告されています。日本における血液臨床とそんなに差はなさそうです。

実は生存率で明らかに差が出てくる研究は、完全にはまだ治せない骨髄腫の場合非常に貴重で、まして無症候性骨髄腫で生存率を改善させた報告は世界初です。

これだけだと、症状のない骨髄腫の患者さんもこれから治療しようということになるかもしれませんが、なかなか一筋縄ではいかない点があります。

まずこの研究のNが少ないという一番大きな問題です。Nを増やしてしまうとこの結果は否定されるかもしれません。またもう少し観察するとこの14%が消えてしまうかもしれません。

そしてもともと症状のない人に出る副作用です。症状のない人に約3年間副作用をすこし我慢してもらわなければなりません。

薬を飲む事で2次発ガン(骨髄腫以外のがん発生)が治療群に6%、観察群2%認められています。確率が低いながら1つを悪くさせないために別のものが悪くなります。

そして大多数の患者さんに出る副作用は軽いものがほとんどですが、1人が副作用で亡くなっています。

そしてお金。日本では3年で一人分約2000万円。1割負担でも200万、3割だと600万!(高額療養精度でも普通の収入の方で3年で150万)

14%の改善を得るために、これらは無視することは無理でしょう。

結局は今あるデータを駆使して説明し、データからはずれたときも一生懸命方法を探し、最終的には勝てる可能性のあるギャンブルを提案するしかない(医者のさじ加減)ことは変わらないのかなと思っています。

何度も言っていますが、医療は不確実なものです。みんなが100%大丈夫なんていうものはありえません。

最近薬の進歩が治療だけでなく診断まで変えてしまってきています。この時代に医師として働けている事は本当にうれしさを覚えます。

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胃がん検診に内視鏡はいらない?そもそも検診とは

国立がん研究センター検診研究部長斉藤博先生が主任である厚労省研究班が胃がん検診指針を発表しました。胃がん検診、内視鏡推奨せず 厚労省 現場から異論も

出された表に、内視鏡検診の不利益部分に治療の必要なのないがんまで見つけてしまうと書かれていたため、近藤先生のがんもどき理論信奉者かと思いましたが、調べてみたところ本当に検診という学問を研究されている学者の方でした。

有効な検診は、最大目標である死亡率の低下を結果として出さなければいけません。

まず検診の精度管理をおこない(正しい結果が想定される検診である事)、 検診受診率を向上させ、そして死亡率を低下させるという3段論法が成り立たなければいけません。

この点において世界的に認められているのは乳がんのマンモグラフィー(検診にて19%の死亡率低下)、子宮がんの細胞診
(検診にて78%の死亡率低下)、大腸がんの便潜血
(検診にて60%の死亡率低下)のみであると斉藤先生は講演されています。

また日本で実施されている胃がん検診の胃透視
(検診にて59%の死亡率低下)、肺癌検診の胸部X−P(検診にて28%の死亡率低下)はエビデンスとして乏しく、
世界ではおこなわれていないとおっしゃっています。

また実臨床でおこなわれ、診断精度が向上する(検診精度ではありません)乳癌の超音波検査、胃がんの内視鏡検査、肺癌の低線量CT、前立腺がんのPSA等はまだ公費を出してまで検診をおこなうにはエビデンスに乏しいと結論付けています。

がん検診でひっかかるのは1000人中2ー3人。そして精密検査にひっかかっても95%は異常なし。そんな実情を考えると
不利益(
検診後の不安等)が利益 を上回る可能性が高い、過剰診断になってしまうということを避ける立場からこのような発表をされたことが理解できました。ある意味慎重な方です。

ただ実臨床をやっている人間から考えると、エビデンスがないというんだったら検診の場を使って臨床試験(RCTで)で内視鏡と胃透視(もうひとつペプシノゲンも交えて)を比較して、日本からエビデンスを出していただけたらと思うのですが。

このように今あるエビデンスだけの判断では、なんとなく医療のレベルがあがらないような印象があります。検診ということを考えると学問的には仕方がないのですが、医学を厚労省は進歩させる方向に導いて欲しいとは思います。

ただマスコミの発表は少し言葉足らずです。いらぬ争いをおこさなくてもいいのに。

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NHKスペシャル「自衛隊と憲法 日米の攻防」 もともと矛盾からはじまってます

福岡に初盆のため帰省しています。いや暑い。ゲリラ豪雨。自然はすごすぎる!

少しおそくなりましたが、NHKスペシャル「自衛隊と憲法 日米の攻防」について書かせてもらいます。

まず番組について書く前に自衛隊の生い立ち。

自衛隊の歴史は、米国との歴史です。朝鮮戦争が始まり、朝鮮に行く在日米軍の代わりをさせるため作られた自衛隊(当時は警察予備隊)。生まれたときから米軍主導です。(吉田元首相の米国との立ち回りはNHKドラマでありました)

憲法で軍隊を持つなと米国が規制したのに、朝鮮戦争のためこんなに短い間にその規制を取り外したのは、ある意味当時の情勢の大変さと、かの国のいい意味でのフットワークの軽さです。(悪い言葉では自分勝手)

最初から矛盾でスタートした自衛隊。そのあとも米国主導で、どんどん憲法に反する軍隊になっていきます。

気がつけば世界4位のお金を使っている、実弾を訓練では打っても実戦では打てない、いや実戦は絶対に参加しないというある意味非常に演技の上手な武力集団ができあがりました。

さて番組に移ります。

湾岸戦争の際のブッシュ元大統領と海部元総理の電話記録は、当時の日本の政治家にまだハト派と呼ばれるしっかりした政治家がいた事の証明です。後藤田さんの蟻の一穴の話は日本の軍国主義を経験したならではの言葉です。

米国はこの反撃に遭う事で、日本人が憲法をもとに戦後築き上げてきた軍隊に対する、いや自衛隊を通じて感じている戦争に対する激しいトラウマを強く認識します。

また日本の軍への考え方と米国の軍への考え方は根本的に異なります。軍人が英雄である米国とそうでない日本。価値観の違いです。そこに軍人は信用できないという前提があります。

だから小切手外交と言われても、世界からプレッシャーをかけられても、日本国は自衛隊を湾岸戦争という現場には派遣しなかったのです。 

国際社会に対して、お金は出すけれど自分の身を危険にはさらさない経済大国日本。米国からの圧力は続きます。

そして、外務省事務次官が出てきます。世界と外交をおこなう上で、自衛隊の海外進出はとてもいい駒として使えるからです。

日本の外交のため、PKOという国際社会が協力しておこなっている場になんとか自衛隊を派遣させようという動きがはじまります。

国連のお墨付きを得て、アジアに対して軍国主義復活ではないと説明しながら、初の国際貢献と言う名の海外派兵がはじまりました。

カンボジアPKOに最初に出て行った自衛官達は本当にカルチャーショックだったそうです。(私の同期2人が最初に医官として参加しています)

今まで演技しかしていなかった自衛隊が、実戦をつんでいる各国部隊と一緒に行動するようになったのですから当然です。

この国際貢献で自衛隊という演じることしかできなかった集団は、実戦経験を積んでいきました。そして阪神淡路大震災支援という武器を使わない中での一番大変な実戦を迎えてまた進歩します。

自衛隊はどんどん軍隊として進歩します。ある意味弾丸は撃てないが、対話、行動力を駆使して国際任務、災害派遣をしっかりこなす事が可能な武力集団に変化していきました。

日本国内に置いておけばいいと思っていた自衛隊が、自分たちの海外派兵の負担をとってくれそうだと考えた米国。北朝鮮の情報等で日本を刺激しながら米軍への協力にプレッシャーをかけます。

そして後方支援というある意味半分だけの弾丸は撃たない実戦参加がおこなわれはじめました。番組で紹介されていましたが、ここでアメリカが日本の立場にも譲歩していたとはある意味びっくりしました。

そしてイラク派遣です。非戦闘地域という言葉を駆使して派遣しようとした政府(文民)に対し、米軍と一体化を避けようとする先崎元陸幕長達制服組(武官)の攻防。

軍人ではなく文民による統制が安全だという言葉が、実は逆になっていたことをある意味表している場面です。実戦をある程度知っていた現場と書類だけの世界の乖離です。

他の国際貢献部隊と違う日本の自衛隊。仁義を切って派遣された国の理解を得ていきながら独自の貢献をしていく。そして弾丸を撃てない状況。このためバクダットではなく、サマワの貢献活動がはじまったのです。(国内のマスコミは効率の悪い貢献だったと報道していたのもありましたね。分析が浅いんですよ。)

これだけギリギリの状況で計画しても、2005年4月頃はロケット弾のテロの対象となるし、2005年12月頃には民衆の自衛隊への暴動(私が派遣されていた時代です)がおきたり、(それ以外にも砲弾が駐屯地に落ちました)弾丸を打てない、いや打たない自衛隊が命を守れたのはある意味奇跡でした。ただ前半の1年に比べ後半はやや落ち着きました。

このような実戦で築き上げた様々な訓練が、東日本大震災で救援活動ができた理由です。自衛隊の真骨頂です。

自衛隊は世界からみたら軍隊です。でも歴史の中で弾丸を撃てなくても他国に負けないように行動してきました。

日本国内において憲法は絶対に守らなければなりません。ただ矛盾のなかで作らなければいけなかった自衛隊。そして今の立場を作り上げてきた自衛隊。これからもそのままでという意見が出てくるのは仕方ありません。(テレビタックルで大竹さんが佐藤参議院議員に言っていました)

でも海外で他の部隊や国民は日本の憲法を遵守してはくれません

だからこそ自分達の国を守ってくれていた米国達や、自分たちと行動をともにする国際部隊に対して対等な行動ができるようにしてほしいのです。規制はかけながらでも構いませんが、最低限(奇跡を待たなくてもいいように)の行動はおこなわせて欲しいと感じています。

東日本大震災の後、自衛隊に対する日本国民の態度は変化しました。それが蟻の一穴と怖れる方は多いと思いますが、この矛盾の中で鍛え上げられた自衛隊を信じていただける事を期待します。もちろん観察は続けてください。

ただ攻められない限り戦争は絶対におこさない軍隊です。そして日本国民のために危険に身を投じます。


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「NHKスペシャル「終わりなき被爆との闘い~被爆者と医師の68年~」原爆はダメです。でも放射能と病気はまだ研究中です

広島原爆記念日の今日、NHKで放射線障害に関する番組
「NHKスペシャル「終わりなき被爆との闘い~被爆者と医師の68年~」
が放送されました。

朝のNHKニュースで私の専門分野である血液疾患、そのなかでもMDSの話が出ていたので、楽しみにしてリアルタイムでみさせていただきました。

一般的な急性放射線障害、その後発生する10年後の白血病、30年後のがんの発症という、放射線が体を蝕む傷をつけることを説明しながら番組は進みます。
(放射線影響研究所のサイトhttp://www.rerf.or.jp/index_j.htmlに詳しい内容があります)

そして被曝者のMDS発症増加の観察記録。被爆後40年から60年たって、被曝量、爆心地からの距離によって発症率が異なったという事実の説明です。
Risk of myelodysplastic syndromes in people exposed to ionizing radiation: a retrospective cohort study of Nagasaki atomic bomb survivors.

(ちなみに番組に出てきた骨髄所見はMDSに特有のマイクロメガカリオサイトを持つRAEB-2のようでした。)

元長崎大の朝長先生、有名な血液内科医です。ずっと真摯に患者さんと向き合ってきたすばらしい先生です。

原爆による第2の白血病と言われるMDSのピーク。しっかりした観察が必要、そして病気に立ち向かい続けるという結論でした。

その後登場の鎌田先生。こちらも元広島大学原爆放射能医学研究所所長で、血液内科医です。

今は血液の臨床で当たり前のようにおこなわれている染色体検査の日本での専門家で、番組は被曝患者に発症した慢性骨髄性白血病診断の歴史説明となります。

そして血液疾患からは少し離れます。

染色体の傷から生じる細胞死アポトーシスの説明、TUNEL法と思われる被曝急性障害患者の臓器のアポトーシスの存在証明、ネズミに投与する事で急性障害を防ぐバナデートという薬の紹介等どれも基礎的研究成果の説明が続きます。

そして広島大の血液内科原田先生。

放射線誘発MDSにRUNX1という遺伝子(白血病、MDSで有名な遺伝子です)が関与しているという説明です。

この遺伝子異常から60年かけてまわりの染色体に異常が広がり、たくさんの染色体に傷を持つMDSになるかもしれないという仮説の提示でした。この連鎖を止める薬ができれば予防できるかも。

最後は被曝者に寄り添う鎌田先生。医師はあきらめないというまとめでおわりました。

テレビ番組だから仕方ないのですが、10万人に1人という少し少なめの数字を出して正常ではほとんどMDSは発症しないイメージをつけていましたが、1991年という昔で10万人あたり約3人の有病率。高齢化の進んだ現在では年間発症率は3−10といわれ増加している事が言われています。

放射線の怖さを強調したいためでしょうが、この数字の出し方に少し作為を感じました。

そしてすぐに命を落とす急性障害の怖さと、70や80歳で発症するMDSを同列で並んで出すのはどうなんだろうとも感じてしまいました。(原爆と原発は違いますけど)

被曝者に放射線の影響でMDSが増加した可能性はとても高いのですが、そうでなくてもMDS患者は増加している事をコメントして欲しかったです。

また他にも一部医学的にどうかなという部分も認められ、ぶつくさ言っていたらテレビなんだからと妻と娘に怒られました。

MDSは
まだはっきりわかっていない病気です。放射線だけが原因ではありません。それを今日のブログのまとめとします。

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薬の進歩が治療だけでなく診断も変える 医学は常に変化し続ける Win Win Win!へ

金曜、土曜と東京で開かれた、慢性骨髄性白血病と悪性リンパ腫の製薬企業が主催する勉強会に参加しました。

企業と医師の関係から言ったら、いわゆる接待のような販売促進宣伝活動に参加するといった不適切なものと判断される方がいらっしゃるかもしれません。

しかし企業が呼んでいただける日本や世界の第一人者の話が聞けて勉強ができ、診療に役立つ(患者に正しい知識で接する)というメリットに比べたら、すこし間違えたらグレーになるかもしれない倫理を絶対に黒にしないようにしっかり抑えながら参加させていただいています。(この倫理の部分はいつかまた掘り下げれればと思います)

そこで勉強した内容が、上記の表題、医療の進歩という内容になります。(MDS、多発性骨髄腫でも同様なことが言われています)

慢性骨髄性白血病。私が医師になった24年前は幹細胞移植(当時は骨随移植)が唯一の完治療法で、それ以外の治療法では、約5年で9割以上が爆発するという時限爆弾(急性白血病への変化:急性転化)を待つだけの診療でした。(3割に効果があるインターフェロンなんていうのもありました。)

それが医療費の値段では問題のグリベックというチロシンキナーゼ阻害剤が開発されてから(この薬も例のノバルティス社の製品です)、移植という行為で1割以上が死んでしまう大きな手術(厳密には言葉が違います)をおこなわずに爆弾を不発化することが可能になりました。

今ではスプリセル、タシグナという第2世代の薬も出ています。どちらも正しい治療:お金または期待? 医者のさじ加減

ドナーがいれば絶対に実施しろと教科書に書かれていた慢性骨髄性白血病への幹細胞移植治療は、 現在チロシンキナーゼ阻害剤の効果がなくなった特殊な時期に実施しろと変化しました。

そして、悪くならないために飲み続けなければいけなかったチロシンキナーゼ阻害剤をやめることが可能かどうかの研究が今現在世界でおこなわれています。 

そして悪性リンパ腫です。

抗がん剤を増やし続け、副作用を増やし続けた治療から、鍵となる抗がん剤をセレクトした1990年台。

そこに2000年以降リツキサンという新しい抗体治療薬が加わった事で、治療成績が少し進歩し、現在主流の治療は固定されています。(もちろんなかなか治せないリンパ腫もさらに細かくわかってきています)

リツキサン登場以後の
その後の解析で、悪性リンパ腫の予後診断に今まで必須と考えられていた情報が必要なくなってきているというお話を、スイスの世界の第1人者Cavalli先生から聞けました。(ついこの間学生さんに必要だと教えたばかりです。)

いままでルーチーンでおこなってきた診療が変化する可能性が出てきています。

そして日本では保険で認められていないPET検査の使い方によって、ホジキンリンパ腫のさらなる予後予測が可能となること 。

薬によってはリンパ腫で命を救うメリットより合併症や2次性悪性新生物で命を落とす確率が増えてしまう事。(ガン発生研究の部分で実は今一番ホットな分野です)

リンパ腫の治療薬は、次から次に出てきている事。

本当に患者さんが治せるチャンスが増えるかと思うと仕事が楽しくて仕方ありません。(忙しさは比例して増加するんですが..........)

以前の完全に治さなくても先送りする事が可能になれば、その病気で命を落とす可能性が減らせます。目標を寛解から安定へ(CRからSDへ) 骨髄異形成症候群(MDS)と多発性骨髄腫

もちろん何でもかんでもとはなりません。でも知らない事で患者さんを不利益にさせてしまう事だけは避けたいと思っています。

医師にしかできないことは本当にたくさんあります。そしてそれはこれからもどんどん増えてきます。

あやふやな倫理の問題で消極的にならず、勉強できる手段は積極的に倫理を守りながら取り入れていきたいと思っています。

大事な事は、企業と医療者(医師だけではありません)が協力しお互いに進歩し合えれば、最終目標の患者さんを助けるという結果がどんどんついてくると信じています。
ここに中途半端な制限をかけまくることは結果を出す事に非効率的だと私は思っています。

Win Win Win!(医療者、企業、そして患者)

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