2013年10月

阪急阪神ホテルズ問題;コストカットとブランドの維持。中華料理の日本語訳 むかしバナメイ海老やブラックタイガーはなかった

阪急阪神ホテルズ社長が会見で辞任を表明しました。

偽装ではなく誤表示。悪意の有無。組織を守ろうとしながら感情を出しながら稚拙な会見をしてしまった社長。そこを正義の御旗のもと報道と言う手段を使って突っ込むマスコミ。

不愉快な顔を放送され、偽装ではないと責任を否定するような前回の会見から、意図的な関与は否定しながらも辞任に追い込まれた鉄道部門出身の社長。残念ですが、今の時代に追いついていない方でした。

もちろん社長を2時間拘束して謝罪の言葉を言わせるために同じ質問を繰り返す
マスコミの対応は嫌いです。しかし、このようなマスコミへの対応は、今の時代の会社のトップには絶対に必要な能力で、教育も受けているはずです。

阪急阪神ホテルズ社長であるのなら、この人達を言葉でおとなしくさせる力が必要、いや訓練が必要でした。だからこそ訓練を受けたと思われる仕切り直しの最後の会見は、マスコミのいやらしさが目立ちしっかり対応されていました。

現場の人間が対応するのではなく、トップが会見を含めて全て対応する今のマスコミ対応のやりかたは個人的にあまりいいものとは思っていません。専門性が高まりすぎた今、全てを1人が細かい分野まで把握する事は現実不可能だと思います。

口達者なマスコミの人に、知識が少し乏しい総合職の方が個別に対応する事はとても困難です。

例えば病院の会見で、整形外科の院長が心臓内科でおきた事象についてしゃべるのはあまり意味がない事だと思っています。プロにしかわからない本当に細かいニュアンスが伝わりません。

今の会見の仕方を変えてくれる企業、病院を望んでいます。(個人的なマニュアルはあります。)

九条ネギはどうしようもありませんが、会見の中で面白かったのは芝えびの事象です。中華料理の世界において、小さな海老は日本では芝えび、大きな海老は車エビとメニューに表記する事が恒例として当たり前だと中華料理の料理長が発言しました。

中国から
日本に中華料理が入ってきたときはバナメイ海老やブラックタイガーはありませんでした。小さな海老と大きな海老の代名詞として芝えびや車エビの名称が使われていたのです。

時代が変わり、芝えびや車エビは高級品となり、安価なバナメイ海老やブラックタイガーが入ってきた時に、メニュー表示を変えるコンプライアンスに敏感な店と、そうでない店に分かれたのです。小エビ、大エビとメニューに表示されている店は今はたくさんあります。

阪急阪神ホテルズの
コンプライアンスの問題だけではなく、時代とのズレを認識できないホテル料理部門の考え方、そしてそれを修正できない上位組織、おきた火花を上手に消せない広報部門の能力。名門と言うブランドへの甘えから進歩されていないことがわかった事象です。

そして個人の失敗を辞任させるまで追求するマスコミ。お前は間違っているという押し付け。いつもながら非生産的な事件でした。

教訓:コストカットとブランドを維持することは難しい。


ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。

 
人気ブログランキングへ 
 

ドキュメンタリー映画と患者さんの決心は否定しません。でも近藤先生を医師として否定します いのちを楽しむー容子とがんの2年間

前回のマスコミに対する記事はブロゴスで取り上げてもらい、支持をたくさんいただきました。日本人の考え方大好きです。ありがとうございます。

10月17日付けの記事について、「自ら考え、決める」貫く がん患者の記録映画 各地で上映、最近の外来での事象も含めて書きます。

慶應の近藤先生。「医者に殺されない47の心得」を書き、医師でありながら菊池寛賞を受賞されています。以前本について、(サイトでは47の心得、批判でひっかかるようですが、あれでも自分としては好意的に書いたのですが)ブログに書かせていただきました。「医者に殺されない47の心得」 患者さんの読み物としては面白い

内容としては間違いがあると書かせていただいていたのですが、この映画の記事を見た際、憤りを感じています。

映画や本を見たわけではありませんので、細かい部分で齟齬があった際にはお許しください。でも記事の中の下記記録を読む限り、私は近藤先生を医師として認める事はできません。

◇渡辺容子さんのがん発見後18年間の歩み

1994年春  右乳房に5ミリほどのしこり発見。近藤医師に受診し、放置を決める

2000年 7月 しこりが4~4.5センチほどになり、乳房温存手術を受ける

  08年10月 鎖骨上のリンパ節への転移確認。ホルモン剤治療を続ける

  09年 8月 骨、肺、肝臓への転移確認。放射線治療開始

  10年 3月 近藤医師から余命1年の宣告受ける

      7月 ビデオプレスが撮影開始、がん治療体験録を出版

     10月 母・ワキ子さんをみとる。小笠原諸島に旅行

  11年 4月 東京電力前の反原発集会に参加

  12年 2月 骨転移からくる痛みが激しくなる

      3月 豊島病院緩和ケア病棟で死去

まず1994年患者さんはしこりに気付き、近藤先生を受診して腫瘤の放置をすすめられます。彼にしてみればがんもどきであれば放置していれば治るし、ガンであればいくら治療しても治らないから放置という結論だったのでしょう。

これは彼が今まで実践してきた事ですので仕方ありません。患者さんもそれを信用したのですから致し方ないでしょう。本当に患者さんへの話がうまいのだと思います

低悪性度であったのか、6年かけてガンは育ち大きくなります。ここでなぜか手術です!?しかも乳房温存!?

まず治療しても変わらないと言っているのになぜ手術?そして手術するならなぜ完治を狙う手術でなくなぜ乳房温存?

皮膚を破る事がないようにというものだそうですが、だったら1994年の最初にやったらいいのに。大きくなって皮膚が破れる事は予想できるのですから。

でもまた幸い8年間再発がない状態が続きました。

そして再発。そこで再発後のホルモン療法?この時やるのだったらなぜ術後すぐににやらなかったのか理解できません。

そしてホルモン療法はおこなうも抗がん剤はやらない?わけが分かりません。中途半端です。

そして翌年の転移部位への放射線治療?骨、肺、肝臓という広範囲に放射線治療?副作用を考えるとありえません。

そして予後1年の宣告。ふざけるな!

本も読んでいないし、映画も見ていない状況でこんなことを書くのは問題かもしれません。でもこの新聞からの情報をみる限り、私は腫瘍医、いや医師として近藤先生をやっぱり認められません。

治療をしないのと決めたのであれば、最後まで腫瘍に手を出さないのなら納得できます。実際近藤先生は本でもそう言っているのですから、そうやっているのだろうと思っていました。

でもこの記事で見る限り、全て後手後手、先送りでの対症療法をしています。治療方針として一番おこなってはいけないと言われているやり方です。

いやもう一度書きますが、抗がん剤が効果がないというのなら、5mmの時になぜ皮膚がやぶれないように最初に手術をしない、なぜ大きくなったあとの手術後にホルモン療法をやらない。

手術、ホルモン療法、放射線療法、御自身がガンには効果が乏しい(放射線だけは自分の専門ですので効果有りと言っていますが)治療をなぜあと付けでおこなったのでしょう。

簡単にいうと腫瘍から何度も助かるチャンスがあるのに、わざと有効な手段をあえて使わず先送りし、看取ったようなものです。

そして一番許せないのは、こんな患者さんがいるのに、いつまでも新しい医療を勉強せずに、がんもどき理論をいまだに唱えて、患者さんのいのちを医師が自ら短くしている事への反省がない事です。

医師は患者さんから学びます。あの時助けられなかった患者さんを進歩した技術を使って助ける事ができないかをいつも模索します。私は医師とはそう言うものだと思っていますし、常に勉強しています。

ただ菊池寛賞や安保先生の本の威力は強く、獨協にきて今まで4名ほど民間療法や放置を希望され、抗がん剤治療を拒否された患者さんがいらっしゃいました。

患者さんの決心は尊重します。

そしてそれに対抗するために私はもっと話術を磨きます。

菊池寛賞なんかにだまされた患者さんや患者さんの家族に、正しい医療を正しい方法で与える事ができるよう説得できるように。

少なくとも死ななくてもいい人を殺さないようにするために。

ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。

 
人気ブログランキングへ   


 

 

大島避難勧告 結果論でしかコメントできないマスコミの成熟度

台風26号が過ぎていきました。久々にすごい風で、栃木も色々なところで木が倒れたりしましたがなんとかです。

ニュースでも首都圏の交通機関の麻痺や、水、風の被害が流れていましたが、まあこれも
なんとかでした。

大島の被害は使い慣れた言葉かもしれませんが、想定外、予想外、いやとっくに忘れてしまった状況がおきてしまいました。お亡くなりになった方にはお悔やみを申し上げます。

自衛隊を含めて、災害救助がおこなわれています。みなさんよろしくお願いします。

今日の朝のテレビで、町長が避難勧告を出さなかった事に対する分析番組が出ていました。

気象庁からの連絡はきていたのだから、避難勧告を夜中に出すべきだった、前もって出さなかったのはけしからんとコメンテーターの一般論での討論がおこなわれる中、地元の80代の夫婦のインタビューがありました。

そこで出た言葉、「役所の言葉も大事だが、基本みんな自主的に判断している」というコメント。この方々は幸いな事に助かりました。

地震のとき、マニュアルにのっとらず自分の判断、臨機応変の判断が尊ばれたあの時から、結果論でしか結局判断できない事にマスコミの進歩のなさをみてしまいます。
いやコメンテーターの中途半端な正義感でしか番組を組み立てる事ができないのでしょうか。 

地元の知人に電話した別のコメンテーター。けしからんと言ったコメンテーターの対策、「
まえもって全員避難させる」といった方策の実現困難性を示しやんわり否定していました。(全住民を避難させる場所の確保等)

まだ何もおきていない時に住民を避難させる事の難しさ、周りが危険な時に夜中に人間を動かす事の難しさ、そしてどこでおきるかわからない時にどこに非難させ、いつまで避難させることを決定する難しさ。自然災害の難しさです。

今回の避難勧告分析は必要な事です。おそらく結果論から言えば、正解は前もって安全なところに全員避難させておくという事になるでしょう。

でも今回みたいに山が崩れてしまうような大きな災害のとき、どこが安全なのか、どこに避難すればいいのか、そしてこの損害は予想できたのか。多分わからないと思います。

そして今役所の責任追及をする時じゃないし、結果論をもとにした中途半端な正義感はいいかげん
原発事故の時と同じでマスコミの進歩のなさにあきれてしまいます。
(話は変わりますが再稼働のための電力会社の書類もひどいことになっているようです)

危機管理をどのようにするのか、どうすればいいのか、財源も含めて現実性をふくめての論議を深めていただきたいと思います。
ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。

 
人気ブログランキングへ   
 

医療ビッグデータ NHK朝のニュースより タイトルは医療費のムダ削減というより医療の改革のほうがよくないですか

学会から帰ってきました。茨城空港経由というすこしかわった行き方で札幌に行ったおかげで、宇都宮在住としてはすこしのんびりできました。地方空港もニーズに合えばまずまずです。

晴れているのにJRが少しおくれるとか、関東では余り考えられないことがありましたが、移動に関してもまずまず問題なかったですし、ホテルには連日中国の団体さんがおみえになり、すすきの町も人がいっぱいで、北海道の景気も少しは回復しているのではないかと感じました。

でもすすきのの真ん中のデパートのお客はあまりいませんでしたが... 

今日出勤前にみたNHK朝のニュースより。

前半は1人で生活している患者さんの健康管理(血圧、食事摂取、外出行動、排尿、排便等)、入院中なら病院で行っている事を、住み慣れた自分の家でおこなうと言ういわゆる在宅でのケアを、病院側のスタッフがコンピューターで管理し、病院の入院機会を減らすと言う取り組みの紹介です。

とてもいいことです。でも現在あくまでもボランティアで、設備費、人件費を含めた収益の見込みがありません。病院の側だけにこれを押し付けてはいけません。点数の追加など行政がなすべき事です。

昔は家族、近所がやっていたけど今はできなくなったお年寄りや子供達の見守りをしていこうという取り組みは、ある意味治す医療とは違う防ぐ医療になります。治す医療でいっぱいいっぱいの病院に仕事の丸投げだけではいけません。

そして後半はビックデータを使った名古屋第2赤十字の患者予測です。血液内科でも有名な病院です。

毎日100人以上の救急患者の受け入れをしているこの病院が、民間の業者を使って必要患者数を予測し、特にカテーテルを使った循環器領域に将来ベッドが足りなくなると予想からの病院病床数の変更示唆です。(上先生達は民間業者でお金を使わなくても自分たちのデータと同じだと言ってるかもしれません。それと医学部新設直結はすこし違いますが)

だって今でも100%超えているのですから、ビックデータを使わなくても当たり前の結論です。

でもこの数字、俗にいうたらい回しという言葉で出てくるベッド万床というデータを全国に出していただけたのはありがたい事です。

そしてこのデータ予測をもって病院のベッドの割合を変化させるという医師達ではできなかったことに介入していく事はとてもいい事だと思っています。(まあ既得権益です。)

もちろん問題点はいっぱいあります。

患者数の増加に伴う循環器医(ここを救急医、血液内科医なども)、看護師、放射線技師、検査技師の数の確保、質の確保、そのための費用の財源等やらければいけないことは山積みです。(循環器領域ぐらいは今の保険点数なら財源が確保できるかもしれませんが。救急医療への提言(3) 受け入れ不能個別分析

比較するとそれほどきつくなく利益率も高い医療から、患者の死に直結するきつい医療に、大変だけれど病院が重点を置くと言う施策変換への提言です。

この時代において医療側が改善すべきことだと言う点に同意します。

そしてひとつだけ文句。タイトルは医療費のムダ削減というより医療の改革で良くないですか?ムダ削減という悲観的より前向きにとらえられると思うのですが。

そしてそのあとの朝イチでストレートネックと眼精疲労の特集というのもすこし全体のバランスが...

ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。

 
人気ブログランキングへ   




 

現在免疫療法はまだ夢の治療 万人に効く免疫治療はまだありません

日本血液学会学術集会に参加しました。

今年は deep sequencing を使った網羅的遺伝子解析結果の発表がトピックでした。

現在MDS等は染色体で様々な予後を予測しているのですが、今後さまざまな疾患で全ての遺伝子を解析し予後を推定し治療を決める時代が来そうです。

器械の進歩で遺伝子情報が安く早く得られるようになったためですが、本当に進歩が早いです。(今後この分野はビジネスの世界になっていきますね)

様々な勉強をさせていただきましたが、最近の免疫治療の話しを聞く事ができました。北大の基礎研究者で下記の治験関係者です。
ヘルパーT 細胞とキラーT 細胞を活性化できる 人工癌ぺプチドワクチン療法で抗がん効果実証 —世界初の臨床研究成果— 制がん剤耐性,放射線耐性の悪性転移性乳がん細胞が完全消失! 

この発表のあとの治験の進行状況を聞かせていただきましたが、癌ワクチンに伴うリンパ球の免疫反応や腫瘍に対する抗体は出ているのに(これが出ればネズミでは効果が出る事が多い)、 腫瘍縮小、安定の効果が得られたのは少数で、寛解になった症例(治った?)は残念ながらプレスリーリースされたこの1例だけでした。

ネズミさんの実験ではいつもいい実験結果が出ているのですが、残念ながらヒトに応用するとまだまだ満足できるものではなさそうです。 

今の医療において、昔に比べると免疫治療はすこしづつ現実のものとなってきています。でもなかなか標準治療にはならず、WT-1ワクチンなんかも臨床応用は苦戦しています。

一部の前立腺がんには延命効果があるワクチン。投与患者の一部には効果があった膵臓がんの治験。もう少し実際の医療にはかかると思いますが、全く悲観的というわけではありません。
この乳癌の患者さんのように効く人はいます。

ただ副作用が全くなく、投与する事で癌が消失するという、万人に効く免疫治療は残念ながら全世界どこにもまだありません。

様々な治療の宣伝はお金も含めてよくよく検討してください。

ちなみに探していたら下記のサイトを見つけました。開発者は残念ながら癌でお亡くなりになりましたが、まだ免疫療法について良心的だと思います。
ANK免疫細胞療法 治療実績

ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。

 
人気ブログランキングへ   
 
Twitter プロフィール
記事検索
プロフィール

dannapapa

カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード