2014年08月

全国81番目の新医学部は東北医科薬科大学 周りが望む"医師”不足解消に新設医大の効果は乏しいどころか一過性にマイナス

新医学部に東北薬科大学が選ばれました。宮城大学医学部は具体的な計画性に乏しいということで落選しました。(そりゃ東北福祉大が経済的に維持できないと判断したあとの付け焼き刃3日での計画ですから)

今まで私は医師の数が少ないこと、特に"周りが望んでいる医師”(何かあったらすぐに診てくれて、腕もよく、命を助けてくれる医師)が少ないことを言ってきました。それは医師側から言うと忙しく、給料も相対的に安く、命を預かるので訴訟を受けやすく、周りと比べるといわゆるブラックな労働環境を専門としてくれる、本当に緊急時に命を守る医師が少ないということを言ってきました。

そしてその医師不足解消に単に医学部を新設をしても効率的ではないという立場で以前記事を書いています。(ちなみにこの記事川越救急クリニックの上原先生のことも紹介しています:医療崩壊を食い止める手段 医学部新設は有効?

基本変っていません。新設するくらいなら既存医学部の定員をさらに増やせばいいだけです。厚労省は以前医師過剰を予想して定員を減らし、結果今の医師不足を引き起こしたのですからその逆をやればいいのです。

この科における医師の偏在の問題を解消しないで新設医大を作ることは、ただ単に医師免許を持つ余裕がある専門領域の医師を増やすだけで、本当に周りが望んでいる
緊急時に命を守る医師達を増やせず、たくさんのお金を非効率的に使ってしまいます。

その上開学初期に必要な160人以上の教員も兼ねた医師を他地域から確保しなければいけないことや、看護師の確保において、疲弊している周りの医療にさらに迷惑をかけてしまいます。それだけの迷惑をかけて使える医師が出てくるのは10年後という施策です。

医師は全国から地方に移り住むことがよくあります。でも基本都会志向です。職業、居住選択の自由を含めて医師の数をここまで制限し減らしてきた厚労省は有効な手だてを打てていません。

それに比べ看護師は基本地元志向です。それゆえ新設される仙台の周りの看護師不足が心配なのですが、少なくとも看護師の確保に関しては既に厚労省は手を打ってきています。

4月の診療報酬改定において現在の看護師不足を招いた7対1看護は、一般病院が認定維持をすることが難しくなっており、10対1や13対1に移行させる方向に指導しています。そしてその結果看護師を余らせることを厚労省は望んでおり、余った看護師の受け入れとして今足りない訪問看護などの在宅部門への移行を期待しているようです。それ故新規医学部病院開設時も大丈夫と踏んでいるんでしょう。

雇用の確保という意味の経済的効果についてはすこし理解できますが、それならなぜ仙台?というのも納得できないです。仙台の医療はそんなに足りていないのですか。(とはいえ青森、岩手、秋田、山形は要望すら出していませんが)

例えば山形大は、厳しい科を選ぶという専門選択自由制限と、一定期間の卒後指定病院での勤務という居住選択の自由制限をする代わりに、授業料免除や奨学金制度を県と一緒におこなっています。(山形大学、山形県によるキャリアアップ支援)これのほうがお金の使い方を含めてとても効率的です。さすが嘉山孝正先生!(医療における既得権益は医師ではなく国民!山形大嘉山孝正先生の講演より。マスコミさんへお願いします)(ちなみに防衛医大や自治医大の学生は専門選択は自由で、居住選択の自由を義務年限の期間捨てています。)

今後県の医療は県が計画していくことが法律で決まりました。獨協みたいに他県からの患者も引き受けている場合にはどうするか等も含めて、この医学部新設が本当に今の東北の医療を改善することに効率的な手段には思えないんですよね。

今後さらに注視していきます。

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以前からBLOGOSにも時折記事が引用されています。(そちらのほうが見てくれる人が多い)
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基本土、日更新。いや忙しい。

 

デング熱 東京という大都市だからおきた輸入感染症 全ての病院にキットはいらない

基本、土、日の更新だけになっています。すいません。

今日はデング熱の話です。代々木公園で蚊に刺され、3人の患者さんがデング熱を発症しました。

さあ、亜熱帯化した日本にもついにデング熱が流行るかと考えましたが、情報を調べていく上で多分そうではないだろうということがわかりました。

デング熱は基本ウイルスに感染した人(発熱している人と考えられていますが、不顕正感染の人も完全には否定できていません)の血を吸った蚊だけが、他人の血を新たに吸うことで人に感染させることができます。

そのため①感染者と②その血を吸う蚊と、③
蚊に刺される人が大量にいることで流行します。亜熱帯の地域は①②③全て満たしているため、デング熱が流行するのです。

おそらく最近の東京、いや大都市にはデングウイルス感染者がたくさん来日、または旅行から帰ってきます。その人が蚊に刺され、その蚊(複数だと思いますが)がこの3人を刺したのでしょう。

つまり今回の感染の機序は、たまたま代々木公園の蚊が、たまたまデングウイルスを体内に持っていた外国人観光客、もしくは日本人旅行帰国者(必ずしも発熱者とは思いにくいんですよね。)の血を吸い、そしてたまたま蚊が踊っていた彼女達を刺したことで感染させたとすることが考えやすいのです。

と自分で想像していたら、専門家もそういう意見のようで安心しました。(デング熱感染 なぜ代々木公園で(長崎大学熱帯医学研究所の森田公一所長「海外でデング熱に感染した人がたまたま公園に来て、蚊がその人の血を吸ったため、体内にウイルスを持つようになり、別の人に広げたのではないか」)

そして代々木公園に現在デングウイルスを持つ蚊はいなかったことから今後代々木公園での流行はないと思います。そのうえ駆除もしています。(舛添東京都知事は「全力で(蚊の)駆除に努めるので、過度に心配しないでほしい」と言っています。)

また田村厚生労働相は
「(デング熱は)早期に見つけて、早期に治療すれば、致死率が高い病気ではないので、パニックを起こさないようお願いしたい」と言ってます。実際医療が発達し、予防活動も盛んなシンガポールではデング熱での死亡は周辺諸国に比べてとても少ないことが言われています。いわんや日本ではです。

実は各地域において検査体制の問題はあったのですが(神戸市でも診断困難、デング熱)、舛添知事はこうも言っています。(デング熱 都が蚊の調査強化へ)

「また、デング熱の検査キットが配備された病院は一部に限られるということで、舛添知事は29日の定例会見で、「医師が身近なところでもデング熱が発症するという意識を持つことが必要で、国と協力して都内すべての病院に検査キットを配備したい」と述べ、検査態勢を強化する方針を示しました。」

意識を持つことは必要ですが、患者発生数や感染機序を考えると検査キットはすべての病院にはいらないと思います。多分たくさんのキットが期限切れで廃棄するだけになります。

ましてデング熱、治療は対症療法です。診断に1分1秒を争うものではありません。保険点数も決まっていませんから永続性も多分ないでしょう。すこしパフォーマンス入っています。


エボラやSFTS等感染症の話が最近よく出てくるため、みなさん不安になられていると思いますが、少なくとも、エボラの上陸やデング熱の大流行はないと思います。

ただ臨床医として1例目よく見つけたなと感心します。発熱性疾患で、海外渡航歴がなければデング熱は普通鑑別からはずします。よっぽど症状が典型的だったのでしょうか。

SFTSもデング熱も感染症で血液疾患ではないのですが、血液に異常が出るため患者さんが血液内科に紹介される可能性があり、我々は勉強しておく必要があります。

大変ですがまあ頑張っていきましょう。 

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広島の事故における医療行動 立派な指揮官がいて周りが訓練されていればここまでできる(でも綱渡り!)

本日2つめ。更新が不規則です!すいません。

とても興味深い、広島の医療機関のブログです。2014.8.20の広島市豪雨災害の当院での対応について(備忘録として)

本当に現場の人達の頑張りに頭が下がります。

記事の内容を偉そうですいませんが分析させてください。

まず当直帯から話ははじまります。大雨の中急患は少なく、ある意味不気味な静けさのもとに夜は過ぎていきます。

そして事故発生の一報。現場の医師は急いで情報を収集しようとすると同時に、とりあえず仲間を集めようと動き出します。この時点で無駄足になるかもしれないということは考えていません。無駄足であれば逆にラッキーで、本当だった時の遅れに比べればかわいいものです。(担当者がすこしみんなにいじられるだけ)

情報収集の場面においては消防署が一般電話に対応できていないことも書かれています。つまり本当の緊急時には消防すら余裕はないということ。そして知り合い!の携帯にかけやっと情報収集。

病院本部を立ち上げながら、院長、副院長を巻き込みいざ開始!人が集まったらDMAT派遣!そして他病院の各部署の行動の確認ができたらまとめのために県庁内に本部立ち上げ!

病院の普段業務を一部止め(聖路加のサリン事件の時も外来を止める等をあの院長が英断されました)
この作業が当直明けの医師(24時間勤務!48時間で帰れました?)によって指揮されながら動いていきました。どれも少しのズレをその場の対応能力でフル稼働しながら解決し、統率を取りながら事故対応をおこなったのです。

同時に残された人間達は院内の患者さん達に問題がないように行動していたことを理解していただければと思います。

正直この方が当直でなかったらここまでスムーズにできたかどうか疑問はありますが、その後の行動も含めて本当に良く訓練されています。うらやましい限りです。

一番大事なこと。医療従事者の病院だけでなく、消防、県庁、警察、自衛隊等行動する人間達(プレイヤー)が部署は違えど顔見知りで互いによく理解し合い、すぐに行動ができたということ。これがあったからこそ、県庁への本部だとか、情報収集の際の方法だとかができたと思います。

それはそちらの仕事ではない。越権行為では等といった会話が時折出ることが言われている災害救助現場。広島の対処能力のレベルの高さがみられた記事でした。

最後の医療従事者募集の記載。医療現場の実際です!

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男と女。日本人と外人。正規と非正規。プロとアマ。忠誠と契約。育成と使い捨て。短期、中期、長期。伝統と革新:どちらを重視

あの大手予備校代々木ゼミナールが縮小されます。代ゼミ、20校閉鎖 浪人生減で全国校に

現役指向、浪人生減等で赤字体制であったそうです。3大予備校の時代の私は本当にびっくりです。全国模試等もやめるそうで、今までの当たり前がどんどん崩されていきます。

あの林先生の東進ハイスクールや、様々な対抗企業に押されてしまったのでしょうか。少なくとも学習塾事業は衰えてはいないと見えますが。

またインターネットの発展に伴い各地に維持費のかかる建物をおく必要がないと考えたのでしょうか。時代の流れとはいえ驚きです。また仙台校がなくなるのも、東北に拠点がなくなるわけでとても違和感を感じます。

(ちなみにこのニュースは木曜にはネットで流れていたため、新聞との情報の早さの違いを経験させていただきました。)

このような企業が一つ撤退すると、そこで働いている人間が職を失うわけですから、地域の活性が低下します。この少子化時代のビジネスモデルの変化と言ったら簡単ですが、スカイマークを含めて時代を見極める力の必要性を強く感じます。

また人手不足による倒産が言われています。人手不足で中小の倒産増…人件費の高騰、負担に(不況の時に社員を使い捨てにしてたからではと感じてしまいますが)

それに対しててユニクロの正社員化政策と同じように、人を維持するためのイオンの見事な戦略も 報道されています。イオン、商業施設に従業員向け保育所 社外にも開放

男と女。日本人と外人。正規と非正規。プロとアマ。忠誠と契約。育成と使い捨て。短期、中期、長期。伝統と革新のバランスというのは経済においてとても難しいものです。本当に永遠のテーマです。

どれを重視するかは経営において、時代によって変ることは仕方ありません。その中で組織を強いものにする一番の方法は人を大事にすることだと信じて行動しています。

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ALSアイス・バケツ・チャレンジ 有名人友達の輪作戦 他の難病にも支援を

事故でお亡くなりになられた広島の方々のご冥福をお祈りします。

私の友達が言っていますが、マスコミの事故報道体制はかわることはないですかね。少なくとも救助の妨げになるからうるさいヘリは一台でいいのでは。

今回はALSアイス・バケツ・チャレンジの話です。日本での流行も一段落しましたが、このノリでの行動嫌いではありません。

寄付をおこない自分で水をかぶり、新たに3人指名し寄付しないのなら水をかぶれというチェインメールw。まるで部活での理不尽な
先輩からの命令を思い出します。
水不足を考えろとか、他の疾患のことを考えろとか、
「社会貢献ごっこ」というdisる言葉もありますが、このSNSの時代の一つのチャリティーの方法として良かったのではないでしょうか。実際に寄付金は増えています。

以前サッカー選手がバナナを食べるビデオが拡散されましたが、おかげで人種差別問題がクローズアップされました。ごっこであろうと行動から何らかの良い結果が出ることはいいことです。

ALSは
神経内科領域の疾患で、患う患者だけでなく、みまもる家族もとてもつらい病気です。ホーキング博士や、徳田虎雄先生の映像が思い浮かぶと思います。原因はわかっていません。そのためその疾患の研究費をお願いするために、このアイス・バケツ・チャレンジ、有名人友達の輪作戦ははじまったのです。

アメリカ等は、その他の疾病に対しても国としての支援を挙げ手いる立場から、政府高官がALS という疾患だけを特別扱いすることには問題があると述べています。

また日本において、ALSの医療費は特定疾患のため基本症状が重症になっていくと無料になります。(全部補填されます)そのためこの寄付が患者さんの負担を減らすというものではありません。

(コメントを頂きました。本文を追加、修正(赤字)させてください。)
(ALSは特定疾患で公費対象ですが、診断当初から重度障害認定されれば全額助成対象(重度障害者医療費助成)ですけど、重度障害認定されない、軽症の場合は通常の公費対象で患者さんでは収入状況により一部負担が生じます。 
http://www.als.gr.jp/public/support/support_01.html ))
 
いつも感じていることですが、たばこ、アルコール、薬物等自己責任のような患者さんと違い、我々の領域の血液疾患も原因はあまりわかっていないものがほとんどです。こういう疾患で苦しんでいる方がいるよと、健康な人達に一つでも啓蒙できたのはきっかけとしていいことだと思います。

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