新医学部に東北薬科大学が選ばれました。宮城大学医学部は具体的な計画性に乏しいということで落選しました。(そりゃ東北福祉大が経済的に維持できないと判断したあとの付け焼き刃3日での計画ですから)
今まで私は医師の数が少ないこと、特に"周りが望んでいる医師”(何かあったらすぐに診てくれて、腕もよく、命を助けてくれる医師)が少ないことを言ってきました。それは医師側から言うと忙しく、給料も相対的に安く、命を預かるので訴訟を受けやすく、周りと比べるといわゆるブラックな労働環境を専門としてくれる、本当に緊急時に命を守る医師が少ないということを言ってきました。
そしてその医師不足解消に単に医学部を新設をしても効率的ではないという立場で以前記事を書いています。(ちなみにこの記事川越救急クリニックの上原先生のことも紹介しています:医療崩壊を食い止める手段 医学部新設は有効?)
基本変っていません。新設するくらいなら既存医学部の定員をさらに増やせばいいだけです。厚労省は以前医師過剰を予想して定員を減らし、結果今の医師不足を引き起こしたのですからその逆をやればいいのです。
この科における医師の偏在の問題点を解消しないで新設医大を作ることは、ただ単に医師免許を持つ余裕がある専門領域の医師を増やすだけで、本当に周りが望んでいる緊急時に命を守る医師達を増やせず、たくさんのお金を非効率的に使ってしまいます。
その上開学初期に必要な160人以上の教員も兼ねた医師を他地域から確保しなければいけないことや、看護師の確保において、疲弊している周りの医療にさらに迷惑をかけてしまいます。それだけの迷惑をかけて使える医師が出てくるのは10年後という施策です。
医師は全国から地方に移り住むことがよくあります。でも基本都会志向です。職業、居住選択の自由を含めて医師の数をここまで制限し減らしてきた厚労省は有効な手だてを打てていません。
それに比べ看護師は基本地元志向です。それゆえ新設される仙台の周りの看護師不足が心配なのですが、少なくとも看護師の確保に関しては既に厚労省は手を打ってきています。
4月の診療報酬改定において現在の看護師不足を招いた7対1看護は、一般病院が認定維持をすることが難しくなっており、10対1や13対1に移行させる方向に指導しています。そしてその結果看護師を余らせることを厚労省は望んでおり、余った看護師の受け入れとして今足りない訪問看護などの在宅部門への移行を期待しているようです。それ故新規医学部病院開設時も大丈夫と踏んでいるんでしょう。
雇用の確保という意味の経済的効果についてはすこし理解できますが、それならなぜ仙台?というのも納得できないです。仙台の医療はそんなに足りていないのですか。(とはいえ青森、岩手、秋田、山形は要望すら出していませんが)
例えば山形大は、厳しい科を選ぶという専門選択自由制限と、一定期間の卒後指定病院での勤務という居住選択の自由制限をする代わりに、授業料免除や奨学金制度を県と一緒におこなっています。(山形大学、山形県によるキャリアアップ支援)これのほうがお金の使い方を含めてとても効率的です。さすが嘉山孝正先生!(医療における既得権益は医師ではなく国民!山形大嘉山孝正先生の講演より。マスコミさんへお願いします)(ちなみに防衛医大や自治医大の学生は専門選択は自由で、居住選択の自由を義務年限の期間捨てています。)
今後県の医療は県が計画していくことが法律で決まりました。獨協みたいに他県からの患者も引き受けている場合にはどうするか等も含めて、この医学部新設が本当に今の東北の医療を改善することに効率的な手段には思えないんですよね。
今後さらに注視していきます。
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以前からBLOGOSにも時折記事が引用されています。(そちらのほうが見てくれる人が多い)
ツイッターもやっていますので興味のある方はフォローしてください。@yukitsugu1963
基本土、日更新。いや忙しい。
今まで私は医師の数が少ないこと、特に"周りが望んでいる医師”(何かあったらすぐに診てくれて、腕もよく、命を助けてくれる医師)が少ないことを言ってきました。それは医師側から言うと忙しく、給料も相対的に安く、命を預かるので訴訟を受けやすく、周りと比べるといわゆるブラックな労働環境を専門としてくれる、本当に緊急時に命を守る医師が少ないということを言ってきました。
そしてその医師不足解消に単に医学部を新設をしても効率的ではないという立場で以前記事を書いています。(ちなみにこの記事川越救急クリニックの上原先生のことも紹介しています:医療崩壊を食い止める手段 医学部新設は有効?)
基本変っていません。新設するくらいなら既存医学部の定員をさらに増やせばいいだけです。厚労省は以前医師過剰を予想して定員を減らし、結果今の医師不足を引き起こしたのですからその逆をやればいいのです。
この科における医師の偏在の問題点を解消しないで新設医大を作ることは、ただ単に医師免許を持つ余裕がある専門領域の医師を増やすだけで、本当に周りが望んでいる緊急時に命を守る医師達を増やせず、たくさんのお金を非効率的に使ってしまいます。
その上開学初期に必要な160人以上の教員も兼ねた医師を他地域から確保しなければいけないことや、看護師の確保において、疲弊している周りの医療にさらに迷惑をかけてしまいます。それだけの迷惑をかけて使える医師が出てくるのは10年後という施策です。
医師は全国から地方に移り住むことがよくあります。でも基本都会志向です。職業、居住選択の自由を含めて医師の数をここまで制限し減らしてきた厚労省は有効な手だてを打てていません。
それに比べ看護師は基本地元志向です。それゆえ新設される仙台の周りの看護師不足が心配なのですが、少なくとも看護師の確保に関しては既に厚労省は手を打ってきています。
4月の診療報酬改定において現在の看護師不足を招いた7対1看護は、一般病院が認定維持をすることが難しくなっており、10対1や13対1に移行させる方向に指導しています。そしてその結果看護師を余らせることを厚労省は望んでおり、余った看護師の受け入れとして今足りない訪問看護などの在宅部門への移行を期待しているようです。それ故新規医学部病院開設時も大丈夫と踏んでいるんでしょう。
雇用の確保という意味の経済的効果についてはすこし理解できますが、それならなぜ仙台?というのも納得できないです。仙台の医療はそんなに足りていないのですか。(とはいえ青森、岩手、秋田、山形は要望すら出していませんが)
例えば山形大は、厳しい科を選ぶという専門選択自由制限と、一定期間の卒後指定病院での勤務という居住選択の自由制限をする代わりに、授業料免除や奨学金制度を県と一緒におこなっています。(山形大学、山形県によるキャリアアップ支援)これのほうがお金の使い方を含めてとても効率的です。さすが嘉山孝正先生!(医療における既得権益は医師ではなく国民!山形大嘉山孝正先生の講演より。マスコミさんへお願いします)(ちなみに防衛医大や自治医大の学生は専門選択は自由で、居住選択の自由を義務年限の期間捨てています。)
今後県の医療は県が計画していくことが法律で決まりました。獨協みたいに他県からの患者も引き受けている場合にはどうするか等も含めて、この医学部新設が本当に今の東北の医療を改善することに効率的な手段には思えないんですよね。
今後さらに注視していきます。
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以前からBLOGOSにも時折記事が引用されています。(そちらのほうが見てくれる人が多い)
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基本土、日更新。いや忙しい。