2015年03月

生命倫理指針改訂 今後研究手続きがさらに大変です

人を対象とする医学系研究に関する倫理指針が改正され、4月1日から施行されます。

ちなみに獨協のすごいところは、医師、看護師、教職員にしっかり時間をとって説明してくれたんです。本当に事務のみなさんありがとうございます。

まあおわかりの通り、あのノバルティスがおこなったいいかげんな医師主導型臨床試験や、その他多数出たおかしい臨床研究のため厳しくされたのですが、STAPを含めた最近の科学の捏造事件も手続き上厳しくしなければと働いたようです。もともと日本はやや対応が甘いと言われていたので仕方ないですね。

いままで、手続きの必要のなかった症例報告、学会報告、臨床解析なんかもHP上での文言ですむものもあれば、必ず同意を文章でとる必要な状況も出てきてしまったようです。本当文章仕事が増えてしまいます。

手続きは大変になりますが、大学に医学論文年間数本を義務づけるといった施策も文科省からは提案されていますし、大学教員、医師は本当に大変です。

人が多くて今までちゃんとやっていたところは問題ないのですが、それこそ大学病院にくる患者さんには、検体提供や情報提供への協力、研究への協力への同意等まとめて事務等がやってくれませんかね。

欧米では医師の仕事と分けられているんですよね。臨床と両方医師がやるのは時間的にもうきびしい! 

すこし愚痴です。 

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訓練は前からしていますが、救命行動は法律で許されていなかった

朝日新聞の記事です。(隊員救命「実戦」シフト 自衛隊、最前線想定し訓練)いよいよ戦争だとあいかわらずです。

ただやっとこういう議論が出てきたことを大事にしたいと思っています。

記事にもあるように、自衛隊には衛生職種と呼ばれる、医師、看護師、薬剤師、歯科医師、救命救急士、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、栄養士、歯科技工士等国家資格を有する隊員と、一般職の隊員達で構成されています。それこそ大きな病院が運営できます。

平時において衛生職種は自衛隊の病院に勤務したり、教育をしたり、研究をしたりとそれこそ普通の医療者として働くものもいれば、部隊に配属し各種訓練(模擬戦闘を含む)をおこない、いざ有事の時に対応できるよう訓練しながら衛生業務を担当しています。

そして海外や災害地に行くと、その状況に応じて衛生救護所を展開し、
隊員や現地の人間の人間の診療、感染管理を含めた環境衛生対策等を実施しています。私は衛生こそ生命を預かるという実戦を行っている自衛隊と自負していました。

ちなみに国内平時の場合、法律上単独で救命救急士等が挿管処置等の救急処置をすること等は禁止されています。
(心停止、呼吸停止の患者には可能です)
救急車などでは医師の指示のもと薬剤の投与等が認められるようになっていますが、平時ではいまだに大部分のことは医師しかできない等といった問題点があります。病院での血管確保なんて医師以外が行うようになったのはついぞ最近の話です。

参考 救命救急士法第四十四条 
 救急救命士は、医師の具体的な指示を受けなければ、厚生労働省令で定める救急救命処置を行ってはならない。
 救急救命士は、救急用自動車その他の重度傷病者を搬送するためのものであって厚生労働省令で定めるもの(以下この項及び第五十三条第二号において「救急用自動車等」という。)以外の場所においてその業務を行ってはならない。ただし、病院又は診療所への搬送のため重度傷病者を救急用自動車等に乗せるまでの間において救急救命処置を行うことが必要と認められる場合は、この限りでない。

ここで、衛生を含む自衛隊員があるレベルまでの救命処置を行うことを可能とする法律を作っていただけるのなら、それこそ一般の救命救急士の処置範囲もあげていただきたい。そうすれば平時の時の患者救命率もあがるはず。

ただ今までで一番有事に近かったイラクもそうですが、銃で撃たれる、爆弾で怪我をするということ、つまり戦傷への対処は各個人毎に教育され、それこそ救急処置ができるように訓練されていました。

実戦対応へのシフトなんて書かれていますが、10年以上前、いやそれ以上前から実戦への対応は訓練されていました。(そしてイラク派遣では衛生装備もいくらか良くなっていました。使わずにすみましたが)

ただ救命救急士の行動でも書いたように、
自衛隊員が
発生した傷病者等を救護所ヘ後送する以外何らかの処置を行うと、世界基準では考えられないことですが、イラクにおいてすら日本の法律違反になる可能性があったのです。それこそ平時の時より良くなった衛生装備は使えない無駄になってしまう恐れがありました。だから平時は法律上が整備されていない以上包帯だけしか使えなかったのです。

しかし有事となれば別です。銃創、爆創、外傷放射能障害、生物剤傷害は初期対応で生命予後が変ります。この時の処置を法律上しっかり認めてもらえば、それこそ衛生装備もどんどん改善できるでしょうし、生命を助けることができるでしょう。

結局有事が起こりうることを認め、おきた時にはしっかりした対応できるように法律を制定することが大事なのです。この最初の前提ができてはじめていい装備の配備をしていただければ幸いです。

人命を助けたものを犯罪者にしてはいけないのです。順番が大事です。もう一度書きますがこの流れ大事にしたいです。

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薬の使い方:医師、そして彼らを取り上げるマスコミはもっと勉強してください!

巷では現役医師20人に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」糖尿病 高血圧 花粉症 インフルエンザ完全保存版一覧表という記事がヤフーニュースに出てたくさんの方に読まれているようです。

私のブログの師匠も取り上げていますが(
どの人に効果があるかが重要:不安をあおるこの記事は良くない、この20人の医師恥ずかしくないのかな。薬の使い方を知らないやぶだと言っているのに等しいのだけれど。

だいたい自分が飲みたくないと思っている薬を出す医師は、自分がやって欲しくない医療を患者に施すということと同じです。
自分の拙い経験だけで判断し、根拠としてのエビデンスも勉強して新たに知識を補うこともせず、自分が飲みたくない薬を出す道徳もない医師の提言をあなたは信じられます?
土曜日血液学会関東地方会に参加しました。どちらかというと各病院で問題のあった症例の検討発表会という内容のものです。当院からも珍しい症例を出してきました。

その中で、慢性骨髄性白血病のお薬、分子標的医療薬のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の副作用についての報告が2題ありました。 

最近4種類目の薬も認可され、慢性骨髄性白血病はエイズと同じように死なない病気に変化しているのですが、長期間使うことでどうも副作用として脳梗塞、心筋梗塞、肺高血圧といった致死的疾患のリスクが上昇するのではといった報告が上がってきているのです。

チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の出現で、幹細胞移植をしなければ5年以内に70%以上が急性白血病に至り致死的であった慢性骨髄性白血病は、TKIを飲めば90%以上何もおきない疾患に変化しました。(どちらも正しい治療:お金または期待? 医者のさじ加減

しかし最初のTKIグリベックが出てから14年、第2世代のTKIから6年前後の使用経験しかないため、長期の安全性というものは実はわかっていません。もちろんこの
脳梗塞、心筋梗塞、肺高血圧等の副作用の出現はとびきり高いわけではありません。そして大部分の症例は薬をやめることで回復します。しかし不幸な転機を迎える方は残念ながらいらっしるのです。

じゃあ今回の馬鹿な記事のように薬を飲まない方がよかったのではにはなりません。飲まなれば治すことのできない急性白血病で命を落としてしまったからです。だからこそ、
メリットの方がデメリットより高いから副作用をしっかりわかった上で患者さんに処方するのです。(もちろん個人の価値観は様々です) 

現代ビジネスさんにお願いしたい。医師の陰謀論を含めて記事にすると儲かるのだろうけど、もう少し勉強しない?少なくとも馬鹿な医師にだまされないようにしない?そのビジネスの方法でいいの?

医療は不確実なものだからこそ、医師達はしっかり勉強してがんばっているつもりでした。私の周りの医師達や
神様のカルテに出てくるあの先生達に感謝の言葉しか出なかったのですが、それをこんな記事を現代ビジネスに書かせる医師達に憤りを感じると同時に、医師としてみなさんに謝罪します。申し訳ありません。

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サリンという化学テロから20年 危機管理として警察/消防/自衛隊が協力を開始した事件

13人の死亡者、6300人の被害者を出した地下鉄サリン事件から20年。今でも後遺症に悩まれている方を含めて被害者の方にあらためて追悼の意を表します。

原爆を唯一経験した国。化学テロ(戦争使用は他国あり)を唯一経験した国。ちなみに失敗しましたがオウムは炭疽菌を使ったバイオテロも計画していました。

2日後の強制捜査を決めていた当時の捜査状況がNHKで放送されました。(NHKスペシャル 「オウム真理教 地下鉄サリン事件」

警察との密接な協力のなか、松本サリン事件の情報を含めてサリンがテロに使われる可能性をとらえ、事件がおきた際素早く対応がおこなわれました。その際情報は自衛隊と共有されていました。

本来予測していなければ戦争現場でない限りサリンなんてすぐにはわかりません。(ちなみに松本のときは農薬中毒!が初期疑われていました)その時の聖路加の医療者の
見事な行動は今でも危機管理の語りぐさです。

当時自衛隊衛生は聖路加病院への医官の派遣、三宿にある自衛隊中央病院へのサリン被害者の受け入れ等を行いました。現場の医師も経験がない中、米軍の教科書を参考に診療をおこいました。ある患者から「いつこの暗く見える状況は改善するのか」と聞かれた医師は、勇気づけるつもりで「必ず改善しますよ」と伝えたそうですが、当時何の根拠もなく現在一部の方は後遺症として残っています。

朝日新聞には、あの腫瘍内科医勝俣先生の体験も記事として載っています。あの先生が患者さん思いなのがよくわかりました。(僕はサリンサバイバー)それこそ死ぬ寸前の経験をしたのですから。

ただ生命が助かったのはサリンのできが悪かったからであってついていたと思います。ちなみに、患者さんを助けた彼の行動は、化学剤に汚染された患者対処の教科書としては間違いです。

サリンに汚染された患者には、装備がない限り、
除染されない限り直接近づいて触ってはいけないとなっています。2次被害を防ぐため
助けに行ってはいけないのです。

サリンをホームに出してしまった小伝馬町駅の対応も同じです。汚染されたものを隔離することが必要なのはNBC対処に共通で放射線と同じです。隔離という言葉は非人道的にみえますが被害を拡げないため大事なことなのです。

2日後の突入には自衛隊化学職種、医官も警察と一緒にオウムの本拠地に向かいました。このころから警察/消防/自衛隊が危機管理に対して協力を開始するようになりました。
私も自衛隊時代、警察の方と検査技術について意見交換をして共に0から組織を作りあげていきました。懐かしいです。

フジテレビでは松本被告の四女が出ていました。テロリストの娘という立場での自分の問題、謝罪をしていない父への批判、3女の姉の本をでたらめと批判、ポアの教義を残しているアレフの現状、オームはまだ終わっていないという短いインタビューでした。

テロリストの教義が残る施設がまだ存続していることは、本当に日本は自由と平和な国です。(皮肉です)

地下鉄サリン事件。テロというものを自覚し、日本における危機管理の考え方が変った事件でした。ただお金の問題もあるんですが、日本は熱しやすく冷めやすい国民です。
米海兵隊シーバーフの情報がNW9で流れていましたが、アメリカはいつも他人の失敗から学び本気で行動します。そこはうらやましいと思っています。

チュニジアではイスラム過激派(ISIS関連?)が無差別テロを行いました。標的は観光客であったようで、動くもの全てが攻撃対象であったようです。(チュニジアでテロ、3邦人死亡 犠牲者23人に

テロはあらゆることを想定し、想定していないものにも最善の対応をする必要があります。それが危機管理なのです。医者の患者に対する行動と似ています。

日本の危機管理能力のさらなる向上を期待しています。

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治療を受けない自由;加害者の人権と被害者の人権 精神科医療と情報

淡路島事件。また悲惨な事故がおきました。その中でこのような情報が流れています。淡路島5人殺害・平野達彦容疑者は、あの"医療否定本"の影響を受けていた?

本当かどうかはわかりません。ただ精神科医療における現状の問題点について自分のつたない経験で書いてみます。

向精神薬といわれるもの。抗がん剤と同じくらい、いやそれ以上にとんでも医療のネタにされています。

薬を飲むことによって廃人にさせられる。医者がわざと治す努力をせずに、薬漬けにすることで利益を確保している。製薬会社と癒着して患者を食い物にしている。とんでも医療の方が発信される内容です。

精神科疾患を患われた方にお薬は必要か。はっきり言って必要です。自殺企図のあるうつ病、疾患から他人に危害を加える疾患等、患者を守るため、そして周りを守るため精神科医療の介入、つまり向精神薬の投与はどうしても必要な場合が存在します。

私の卒業した防衛医大の野村先生は、うつ病に対し最初から多剤の向精神薬を出すべきではないとお話しされています。つまり薬は最小限度にしましょうと他の優秀な精神科医達は努力されています。

でもそうではないかたがいるのでしょう。ストレス社会が進行し、内科医がうつ病を診よう、うつ病は心の風邪というキャンペーンが行われ、心療内科領域に今までの向精神薬より使いやすいSSRI等が出てきた時から、一部に過剰にお薬が出されている方、そして副作用に悩まれている方は確かに存在しました。

しっかりした診療能力がないのか、次から次に抗不安薬を含めた薬が追加されつづけている方が確かにいました。昨日のブログ(NHK 特報首都圏より 「がん医療 あふれる情報にどう向き合う」)にも書いたように患者と医師が話せてないということもひとつの原因でもあるでしょう。

そしてそういう例がいるからこそ、出される薬は全て毒だ。断薬をすべきだ。飲んだら廃人になると極端な行動をとっている方がいるわけです。信じるかどうかはそれこそ自由ですので仕方ありません。でもしっかりと介入し、順序立てて減薬する方法と異なり、単純に断薬なんてするととても危険です。

このようなとんでも情報から向精神薬を飲まず、妄想、幻覚が出てしまい犯罪をおこしても刑事責任は問われません。治療を受けない自由はあります。でもその結果被害者になってしまった方の無念さはどこに向ければいいのでしょう。 

このように治療を受けない自由を与え続けるのなら、
他人に被害を与えないように措置入院の条件を変更させるとか、抗てんかん薬をのまないで事故をおこした事件もそうですが、刑事責任を問えない事件の際に被害者の保護を手厚くして欲しいです。

「彼の本には嘘しか書いていません。そしてそのなかに本当のことを混ぜ、カモフラージュするのがポイントです。」

野村先生を批判するコメントです。野村先生を批判することで御自身の立場を際立たせようとしているのでしょうが、とんでも医療の方がこのようなことを発言しているのをみてある意味驚きました。まさに今のとんでも本の共通事項です。(野村先生の本は当然違います)

自己の管理を行わないで疾患が悪くなった時、自分の責任ではなく他人の責任にすることはとても気分が安定します。でもそれをやり続けてしまうと結局自分だけでなく回りも損をします。

全ての医療に限界はあります。医療にはミスもあるでしょう。ただその限界の狭間で人の命を大事にしようとせず、患者をだまそうとする医師が嫌いです。

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