2015年05月

公立病院で裁判すると医学的に間違いなくても裁判してお金がもらえる?

すこし困った裁判和解例がでました。(悪性なのに良性と誤診…がん性腹膜炎で死亡 患者側と国立病院機構が4千万円で和解)マスコミの取材が足りないだけかもしれませんがとても問題です。

私の専門領域ではありませんが、解説します。

女性は17年7~8月、センターで検査を受け、膵臓(すいぞう)にできた嚢胞(のうほう)(液体がたまる袋)について、担当医から良性の「膵仮性(すいかせい)嚢胞」と診断された。

おそらく人間ドック等でみつかったものだと思われますが、普通膵臓の嚢胞性病変をみた場合、仮性膵嚢胞を第1にあげることが多いです。

ただ医学定にはそこから数ヶ月毎に画像検査をおこない大きくならないかを確認していきます。もし大きくなってきたら、手術を含めた侵襲のある生検検査をおこない診断を確定します。もし記事にあるように血液検査だけのフォローだけなら問題ですが、画像検査を年に1回程度行っていたとしたらそれは医療ミスではありませんし、誤診ではありません。

訴訟で遺族側は、17年当時の検査結果から、嚢胞を良性と判断したのは担当医の誤診だったと主張。漫然と経過観察するのでなく、悪性の可能性を考慮して嚢胞を切除するなどの適切な医療行為をしていれば、死亡は回避できたと訴えていた。

その通りですが、もし17年の時に切除したとしたら、癌でないのに手術を受けた可能性も半分以上の確率であるでしょう。私も以前膵嚢胞の患者をフォローしていましたが、10年以上変化なく良性であったと推定しています。
ここで推定しますと書いたのは、手術を含めて侵襲のある検査である生検をしていないからです。膵臓の組織をとる生検は結構合併症もおきます。だから丁寧にみていくのです

17年当時は生検をしない限り診断はつきません。つまり誤診ではなく未診で、時間をかける事によって診断を確定するのです。

手術前に破裂してしまった事は、本人にも医療者にも運が悪かったことと思います。患者さんやご家族にはお悔やみ申しますが、もし検査をちゃんとしていたのに誤診といわれ、病院側が医療的には考慮せず和解したとするのならとても残念です。 

それに比べるとこの事件は単純なミスですので医療者側の問題です。(腫瘍見逃し患者死亡 岐阜・大垣市民病院) 

おそらく最初の事件も医療者側にミスがあったのかもしれませんが、もう少しマスコミの伝え方の進歩を望みます。

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イラク派遣自衛隊員の自殺 ストレスは当然ありますが、それを改善するための建設的議論を

共産党志井和夫委員長の委員会での質問で、朝日新聞記事です。派遣自衛隊員の自殺者はイラクで29人、インド洋25人

まあ、週刊誌やNHKでも取り上げられていましたから今更なのですが、確かにイラク派遣のストレス等から自殺者が出た事は確かです。まあ法律つぶしのため再掲でしょうが。

私も日本から帰ってきた時には本当に精神的にも肉体的にも大変でだったことを思い出します。イラク帰国前にクウェートで気持ちを落ち着かせてから帰国したのですが、緊張から解放された事で体調をおもいっきり崩して帰国式典は休ませていただきました。次の日にはすぐ治りましたがやはり緊張していたんだなと納得しました。

私が派遣された部隊からも自殺者が出ています。イラクだけが原因ではありませんが、本当に真面目な方でした。とても残念でしたが、その後連鎖自殺がでないようにカウンセリング等がおこなわれました。

自衛隊は警察、消防と並び自殺が多い組織です。この間の大震災でも隊員にPTSDの発症も疑われています。まあ人一倍ストレスのかかる仕事ですので、イラクの派遣の前後から一生懸命メンタルヘルス関連の施策が
自衛隊ではおこなわれています。それでも今の時代自殺を完全に0にするのは難しいです。

でもね、相手から攻撃されるかもというストレスもきつかったですが、相手に攻撃されても耐えろというストレスもさらに強かったですよ。社民党ポスターの時も書きましたが(集団的自衛権 日本は絶対に戦争を仕掛けません! でも仲間を助けないと自国の守りが弱くなります)、自衛隊の行動に制限をかけてかえって自衛隊を危険にしてくれている共産党に自衛官の命の心配されてもね。

震災の時、家族が自衛官に無理しないでねと伝えた時、「今無理しないでどうする。自衛官をなめるなよ!」とみんなのために無理をしてくれた自衛官の命を心配するのなら、もうすこし建設的な議論をお願いします。 

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「ブラック病院」も公表対象、指導段階、厚労省見解 当直制度がまずよくなれば

M3という医師のサイトにこの記事が出ていました。
「ブラック病院」も公表対象、指導段階、厚労省見解 「対象とならない医療機関はないのでは」

本文に出ていました。
(1)複数の都道府県に事業場を有していて、資本金5000万円超で、かつ常時雇用人数(非常勤なども含む)が101人以上であること
(2)労働時間(労働基準法32条)、休日(同35条)、割増賃金(同37条)に係る労働基準法違反が認められること
(3)1カ月当たりの時間外・休日労働時間が100時間を超えていること
(4)1カ所の事業場で、10人以上、もしくは4分の1以上の労働者に、(2)と(3)が認められること
(5)概ね1年程度の期間に3カ所以上の事業場で、(2)と(3)が認められること

そして
「目的はあくまで指導によってトップの意識を変えること。公表は経営などに影響を与える可能性があり、慎重であるべき」と。

「公表に至るハードルが高い」と分析されていますが、それでも今までにない思い切った提言だと思います。

ただ医師の勤務形態は多種多様で、タイムカード等による管理もほとんどおこなわれていません。今のままではそれ故ブラックと認定するための勤務時間把握が難しいでしょう。

電子カルテにログインしてカルテを開いている時間にしてしまうと正確になる可能性がありますが、本当に全ての病院の忙しい科がブラックに当てはまってしまうかもしれません。

ここで一番大事なのは当直かなと思われます。すこし小さめの病院で、週に何回も当直やオンコールをされている医師達は、違反としてあげられる可能性が出てきます。でもブラックから脱しようとしようとすると、医師が足りない現状が明るみに出て、それこそ労働基準違反から救急外来業務閉鎖となるかもしれません。

医師達にとっては悪い事ではありませんが、患者さんにとっては大変なことです。まず労働時間の正確な情報を収集する必要があります。

また当直業務では、厚労省の別の指導で労働がいくらか改善されています。

獨協医大では、夜間を含めて紹介状なしで受診した患者さんから一律7000円をとることができるようになりました。その時期から軽症夜間救急患者は減少しています。(緊急入院する患者はきています!)

獨協HPより引用です。

【時間外選定療養費(7000円)の対象外(払わなくていい)となる項目】

 1.受診後、そのまま入院となった場合

 2.当院で診療継続中の傷病の症状増悪によって、時間外に受診の必要があった場合

 3.緊急で当院の時間外外来受診を目的とした、他の医療機関からの当院宛紹介状を持参された場合

 4.当院の医師より、あらかじめ時間外外来受診を指示されていた場合

 5.その他、時間外外来担当医師が、緊急性があると判断した場合


以前もお話ししましたが、本当にいい医療をおこなうために、医療者側、患者側、行政が協力していく必要があります。最近癌見逃し記事が多いマスコミも、よろしくお願いします。

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今井雅之さん死去 大腸がんで闘病も…容体急変、54歳 追悼

大腸がんで闘病されていた今井雅之さんが容体急変され54歳でお亡くなりになりました。慎んでお悔やみ申し上げます。

前回ブログ(がんと正しく戦う 今井さんと小西さんの事例より)で本人の行動に対し、やや厳しいともとれる記事を書かせていただきました。自分の中ではこうして欲しかった思いで書かせていただきましたが、その後の彼の行動や発言をみていると、舞台のため、そしてそこで働く役者のための気丈な演技だったのではと思いを寄せました。

 今でも彼の医療者に対するあの言い方は少し悲しいですし、病院側の行動、彼の行動は今の癌闘病者の大きな問題と認識しています。でもこのギリギリの状況であの行動をとれた今井さんを尊敬します。

他人を助けるために自己をギリギリまで活用する元自衛官を私は尊敬しながら、もう一度お悔やみ申し上げます。安らかにお休みください。 

NHK NW9 廃炉作業の入り口 放射線との戦い 世界の叡智を集める?

NHK NW9で福島第1原発での高濃度汚染で廃炉計画の変更は避けられないというニュースが流れていました。その中で世界の叡智を集めると。

ニュースの中で、日本の政府代表の人達がアメリカでの除染技術を収集しに行った、核爆弾を作っていた施設の見学をして研究協力を取り付けた、除染技術見本市への視察し泡技術の情報を得て会社の協力を得た、と流れていました。

優れた成果のような報道ですが、まず4年後の現在今やる事がほめられる事ではないということを言いたいと思います。

まずアレバ社の製品を言い値で買ってトラブルばかり。地下水は止められず、氷で固められない。その後やっとロボットを使ってメルトダウンの再確認。中では1時間も作業できない事をこの時代に確認してさあ世界の除染技術は?なんていつもながら東電の対応にはあきれてしまいます。そんな状況なのに行程表の日にちは変化ないというのだから、手品や魔法でも使うんでしょうか。

ニュースで流れた除染の泡。自衛隊時代生物剤、化学剤除染の研究をしていた時同じようなものをみた記憶があります。調べてみると、このニュースで流れた会社かどうかはわかりませんが、バテル社が出てきました。(バテルジャパンの提案する除染技術について

この泡何でも効くと言って2010年より前から売り込んでいました。少なくとも2012年には日本支社を作って福島に売り込んでいたようですが、同じ物だったらわざわざアメリカに行ってまで収集する情報?とまで思ってしまいます。90%除染できても1Gy/h近く残りますよ。

東電が本気でやっていないのは前からですが、マスコミも厳しい目を持ち続けていただければと思います。

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