2015年12月

病病連携 介護を含めてまだ理想は遠い

昨日大学今年最後の外来が終わりました。その中でとても残念なことがありました。

前の週にある病院の血液以外の先生から血液疾患の患者さんが紹介されてきました。その患者さんはそこの病院がかかりつけで、骨折や消化器の病気もその病院でフォローされていました。そのフォローされている科とは別の科が紹介状を書いて送られてきたのですが、今後検査をする上でその患者さんの受けた他科の処置の情報が必要でした。

その病院で調べてもらえばすぐわかることですので、検査に必要ですので情報をくださいと紹介状に返事をしたところ、昨日外来に直接電話がきました。

「私は病気の診断をしただけなのに、なぜその患者の他の科の情報を調べなければいけないのですか?それを紹介元に調べさせるのは大学病院の横暴ではないですか?」

忙しい外来の最中来たこの失礼な電話。思わずその医師を怒鳴りつけました。

「あなたは患者の紹介をどう思っているのですか。貴院で行った患者さんの検査の情報は治療に必要なのですが、紹介元のあなたが調べたほうがスムーズではないのですか。患者のために何をしなければいけないかどんな教育を受けたのですか?いい加減にしなさい」 

そのあと医療連携を通じることをこの医師は知らないのだろうと冷静になったのですが、 大学病院の横暴という言葉に怒りを感じてしまいました。

現在患者さんはひとつの病気だけ持っているわけではありません。ひとつの治療をするためには他をしっかりと把握した上で実施する必要があります。それゆえ大きな病院は色々な専門家が協力して患者を治療します。ただ身内でなく他の病院紹介する際に、これ以上ない情報を与える必要があります。その医師はそれまでを知らないのですから、それをすることで初めて患者さんの受け渡しができるのです。(それでも前医とは異なりますが。) 

まあ私も忙しくて余裕がなかったのですが、今の医療を考える際、自分の正当性を言うために自分の意見をわざわざ仕事中に電話してくるこういう医師がいることがとても残念でした。 まだまだ理想の医療の道は医師側からも遠そうです。何か別の方法が必要そうです。

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「真実が何かなのではなく、事実としてどう認定されるかが全てである」 自衛隊は殺人練習?

こんな記事を見つけました。共産市議、陸自工科学校を「殺人練習する学校」と発言 埼玉・上尾市広報誌への生徒募集掲載中止要請 25日に謝罪へ

私の出身校である防衛医大は東日本医科学生総合体育大会(医学部対抗戦みたいなもの)に以前参加させていただけませんでした。文科省管轄でないということ(防衛医大は当時防衛庁)、給料をもらっている普通の学生ではないということがその理由でしたが、同じ条件の産業医大(厚労省)、自治医大(自治省)は参加していましたのでそれは表向きの理由に過ぎませんでした。

担当者(医学部学生たちとその担当大学の指導者)と会議した内容を以前先輩に聞いたことがあります。

「我々医学部は傷ついた傷病者、患者を助ける崇高な医療を学ぶ学生であり、東日本医科学生総合体育大会はそういう学生が参加する大会である。その中に戦争という人を傷つける方法も同時に学んでいる防衛医大の学生を参加させることはふさわしくない」

と言われたそうです。今回の殺人を教えると少し似ているかもしれません。まああともうひとつ。「自衛隊で鍛えられている防衛医大生を入れてしまうと全て優勝をさらわれてしまうのでは」という恐れもあったそうですが。(それは参加後杞憂であったことがすぐにわかったそうです。そんなに強くはないんですw)現在は同じ医学生として問題なく活動させていただいていますが、当時の自衛隊への感情はこんなものでした。まあ今でも共産党議員は自衛隊の普通の訓練に対し文句つけまくってますが。

前回のブログへのコメントで
「真実が何かなのではなく、事実としてどう認定されるかが全てである」
「ルールは変えられるし、変えるべきである」 
という本当に貴重な意見をいただきました。

我々は地道に努力し続け(他大学と連携)、私の卒業後防衛医大は東日本医科学生総合体育大会にふさわしいと他大学医学部に「事実」認定していただきました。

また地道に海外貢献、災害派遣等を行い、自衛隊は戦争だけをする軍隊ではないという「事実」を国民に認定していただけました。そして今では自衛隊を日本に必要ないという方は本当に少なくなっています。それでもまだ自衛隊を認められない共産党などの方々はこのような意見をあげます。仕方ありません。だってそうやって今まで教育されてきて変える気がないのですから。

だからこそ自衛隊は今後も国民にとって必要という「事実」を積み重ね続ける努力を行うはずです。だって我々はじっと耐えて努力して大多数の人に現在の価値、「日本に自衛隊は必要という事実」をやっと戴いたのですから。それを手放す、国民の期待に背くようなことをするはずはないと信じています。

そうは言え、今後も自衛隊が変なことをしないように国民はしっかり見続ける必要があります。ただ今回のような理不尽なものに対してはこの新聞記事の議会のように助けて頂けると幸いです。

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下町ロケット 60%の医療 そこに偽装がなければサンデルの議論へ

下町ロケット最終回前総集編をたまたま見てしまい、最終回だけこれは見なきゃとビデオ録画しました。ちなみに一番好きな言葉は
「おじさんが夢みちゃいかんのか!」 です。

最終回、椎名が佃に言った
「60%ではダメなのか。100%を望むからこの国の医療は周回遅れなんだ」
(すいません言葉は正確ではないです)
という部分。まさにマイケルサンデルの哲学の諮問;線路の連結器を動かして1人を死なせるか5人を死なせるかを決定しなさい、という部分を思い出しました。 

そのあとの佃の解説はまさにその通り。今までの先人達の歴史で導き出されていない100%の解答がない哲学の問題を、さも知ったかのようにしゃべった椎名を罵倒するあの場面、拍手喝采でした。

それでもこの椎名が喋ったことは一部真実です。日本において臨床試験は100%が望まれますし、もちろんそこを求めて試験は行われます。しかし特にがん領域において試験に100%はほぼありませんし、一部は犠牲がつきものです。

欧米の被験者は自分の意見をもって未来の進歩へ自ら協力してくれますが、日本ではこの一部の犠牲を厭わないという自分の確固たる意思を持った被験者が存在しにくい状況があります。結果新薬の日本の臨床試験は人が集まらないことが言われており、日本の医薬品開発臨床試験は欧米に比べてとても遅れます。

だからこそ椎名が行ったデータ偽装という事実。これさえなければ、患者が亡くなったのは本当に人工心臓の問題ではなく病気の問題だったのかもしれません。しかしどんなに概念が正しいとしても、そこに偽装があれば誰も信じてはくれませんし真実にはなりません。STAP様の細胞はあったのではという論文が新たにネイチャーに出ましたが、小保方さんのSTAP細胞が例えあったとしてもあの偽装があった以上STAPの存在と小保方さんの行動は切り離されるものなのです。

技術者、科学者は少なくとも自分に嘘をついてはいないという最後の砦だけは守らなければいけません。そうするとビジネスにおいてグレイな部分までは許されます。帝国重工が共同開発の条件のため佃を切ったのは、必ずしも技術が一番優れているものでなくてもいいというまさにその例です。

最終回しか見ていませんが、やはり半沢と同じようにこのような痛快な番組に人気が出るのはみんな実際の仕事が大変だからなんだろうなと感じちゃいました。久々楽しいドラマでした。

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「市場拡大再算定」国民皆保険を維持するために

厚労省のGJです。(年間販売額1000億円超などの医薬品が対象に―薬価専門部会

製薬業界では戦々恐々しているようです。(「市場拡大再算定」に波紋−中医協、売れすぎた薬の価格引き下げで新薬メーカー反発市場拡大再算定 すいません登録しないと読めません)

私も薬の値段を下げたらいいんじゃないかと以前ブログに書きましたが(医療費お薬代考察 1人から1000万とったら後は30%でどう?)今回の厚労省主導施策賛成します。ちなみにこの制度は以前から存在しており売れすぎたDPP-4などが適応されていたようです。

記事では肝炎の薬ソバルディが挙げられています。米国でのソバルディの値段はもっと高く、 会社としてはビジネスの妨害としか考えられない行為です。しかしこのままでは儲ける場所である日本という国の医療が崩壊する恐れがあるわけですから、短期で少し利益が落ちたとしても長期の利益を考え、日本の医療市場を生かし続けたほうがいいのではと考えます。

松原謙二先生も(日本医師会副会長)別の会議でこう述べています。
「今の医療用医薬品の市場は、医療保険制度があって成立するものである。利益が大きくなった場合の価格引き下げは『保険制度を維持するためのもの』と考えてほしい」

イベルメクチンの例もありますが、製薬業界も利益重視だけではなくしっかり考えて欲しい内容です。焼け野原にしては結局損をします。

ただここまでやるのなら、先発品を後発品並みの薬価に下げることを、何らかの条件つき限定でやればいいのにと思うのですが。(企業から希望時など)

それにしてもまだまだ勉強が足りません。もっと医療施策の勉強しなければ。

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また捏造?認知症サプリ? おそらく倫理委員会なしで臨床試験研究

兵庫医大の認知症専門の先生の本に間違いがあったと新聞記事が出ています。(兵庫医科大教授、著作に虚偽記載か 認知症関連の試験で)大学の正式発表です。(本学教員が個人で出版した著書の内容について

今回、臨床試験手順が正式に行えていないという内容です。この記事を読む限りデータを提出していないとデータの改ざんまで匂わしています。 

著者の研究室HPには今回の件についてのコメントが出ています。(兵庫医科大学による報道発表について)読む限り臨床試験の手順ミスと、本への記載ミスかなとは思えます。

でも大学がこのようなプレスリリースという動きをしたことは「臨床試験の手順ミス」がはっきりしているからでしょう。つまり倫理委員会の承認を得ないで臨床試験を行ったということです。これは論文でも問題となることです。

多分データは正しいものと信じたいです。ただ現在この倫理委員会を通さないで臨床試験を行うことは認められていません。まして臨床論文に出すことの前提条件ですらあります。

今後しっかり精査されるでしょうが、正しい届け出を行わないで臨床研究を行って結果を論文化し、本には手続きを問題なく行ったと虚偽の記載をしたという結論かなと想像します。 

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